かねてオーダーしておいたHOT TOYS製スカー・プレデターが到着。映画『エイリアンVSプレデター』のキャラだが、実は未だ観てない。原作のアメコミに登場する「牙折れ」が好きなんで、そのイメージで購入したものだ。送料込みで約1万8千円、物欲神からの痛烈な一撃である。
プレデターといえば1作目の「得体の知れない、ただ殺意のみの存在」でなくてはという人もいるだろうが、僕にとっては2作目とこのコミックスでの描写が非常に好み。一応はヒューマノイドだが価値観を闘いにのみ置く存在、ゆえにコミュニケートもほぼ不可能というのが妙にツボなのだ。宇宙船だの生体ステルスだの、超がつくほど高度なテクノロジーを持ってるくせに、ガチで戦った相手が勝たない限り存在を認めないってのが、大昔の青春映画みたいな頭の悪さで可愛いじゃないか。まあ、夕陽の中の殴りあいじゃなくて、一瞬も気の抜けないルール無用の殺し合いだけどな。
さて本モデル、まずはパッケージのサイズに仰天。大きい。とにかくデカい。1体しか入ってないのにこのサイズはどうよ。ドラゴン社のドイツ歩兵2体セット(タンクハンターね)より分厚くて高さもある。いったいどんな梱包なんだ?と首をひねりつつ開封した。
ボディとアーマーが別々で、おまけにブリスターが二重構造。都合4枚の塩化ビニールの間に装備一式が収納されている。こりゃ厚みも出るわ。
で、まずアーマーと武器類のボリュームにうーむと唸る。造形はもちろん、組み込まれたギミックが細かいのなんの。右腕のトゲトゲ・ブレード(正式名称不明)は引き出して伸ばせるし、左肩のキャノンも発射モードへ動く。両側に刃のある手槍も2段階の伸張が可能。そしてどれもが写真で見るよりずっと重厚な色合いで、丁寧に塗られている。
本体のほうも負けず劣らず力が入ってる。地球人より一回りでっかい奴らを再現すべく用意された専用素体はウロコ状のモールドがみっしり。手とヘッドはソフビで、手のほうは武器が持たせやすい柔らかさの指曲げ型と自由にポーズがつけられるペンタブルハンドの2セットつき、頭はあの「落ち武者ドレッド」がきっちり再現されている。
さて、いよいよ組み立て。残念ながらこれは手放しでワーイとはいかなかった。
関節、特に腕の嵌め込み部分がシブい。なかなか入っていかないけれど、モノがプラスチックなものだから力押ししたときの破損が怖くて、休みやすみじりじり格闘せざるを得ずに小一時間、ようやくカチリと嵌ってくれた。確かに簡単に抜けては困るモノだけど、ここまで難易度上げる必要があるのだろうか。つか、ここは別にバラしてなくても困らない部分だと思うのだ、先に組んでおいてくれても良かったのでは?
ここで一息つけるかというとさにあらず、次はメッシュの肌着(?)の着せ付け。これがまた、単色の木綿糸でできた網、しかも体にフィットするぴったりサイズなもんだから難しいのなんの。うっかり網目に爪が引っかかったり引っ張りすぎで歪んだりせぬかと慎重モードで固まること約15分、うう、肩が凝る。
またこの過程で分かったのだが、一部の関節の動きにちょいと難がある。胸と腹の接合部がうまく噛み合っていないようでギチギチと音がし、非常に心臓に悪い。さすがプレデター、動かずしてダメージを食わせてくるとは。
とはいえここまで来ると、あとはアーマーだけなのでさほど手を焼くこともない。前半を思うとほとんど鼻歌交じりで装着してゆき、最後に手槍を持たせて完成。普通の12インチより頭ひとつデカく、重さは2倍以上あろうかという存在感の塊が出来上がった。
入手そのものより、組み上げた達成感が嬉しくて記念写真。作業台の上なので、背景が妙にマッチしたものになった。うむ、満足!
いやほんと、値段だけのことはある上級品だった。残る問題はこのデカブツを、家人の目の届かないどこへ飾るか、だ。発見されたが最後、本物に出くわしたような凄惨な場面が…。
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