店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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10月1日(月) 雨
 ひと雨ごとに寒くなりまさる季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。寒いと猫がたかってきて、重いわ局所的に暑いわ爪立てられて痛いわで悲惨なんですけどどうしてくれますか。いや、どうして貰いようもないんですけど! <そもそも誰に
 で、雨。せっかくの満月が台無しである。月見だんごも買いそびれたので、代わりに月餅を茶請けに、『仮面ライダーアギト』のスペシャル版を眺めて夜を過ごす。ん〜、ダメだなコレは。特撮大好きな有名俳優を出すのもいいけど、ドラマとして散漫。まとまりが無い。G3チーム、特に冷や飯食い(肉を食わせて貰えない、というべきか)クンの根性ドラマとしては面白かったけどね。あとギルスな彼が面倒見の良いお助けマンと化してる辺りと、ひとりしゃにむに空回りする警部補クンが狂言回しながら味を出しているのが救いか。とりあえず映画観に行こうっと♥ <結局ノせられてないか?

 溜まったチョコエッグのストックを整頓し、ついでのことに他所様のトレード掲示板に書き込み。ペットのシークレットであるバステト神(って伏字にする意味あるのか?)の黒が欲しくて手元でダブったイリオモテオオヤマネコを出してみたのだが、反響に驚かされる。2時間足らずで10数通のメールが飛び込んできたのだ。品薄のため、オークションサイトなどでも高値を呼んでいるのは知っていたが、まさかこれほどとは。「○○をつけます(え?)」「××とセットにします(うわ)」「貴方のコレクションに欠けてるものを全部つけます(っひゃー!)」など、有難いメッセージも多くて困惑する。いや、1:1でいいんですよ皆さん。どうせどっちも樹脂製のフィギュアなんだよ?そんなに一生懸命になられると、お断りがすごく申し訳無いよぅ。いや、別にオマケをつけて戴かなくても、申し訳ないことではある。この場にて、再度お詫びしたい。
 ただ、挨拶のひとつも無く「交換希望します」とか、タイトル無しのメールまであったのにはゲッソリさせられた。急ぐのは分かるけどね、最低限の礼儀ぐらいは弁えていただきたい……てのは老人の意見かのう、ふがふが。
 とりあえず、最初にご連絡いただいた方を当選(?)とし、連絡をさせていただいた。外れた皆さん、再三ごめんなさい。いつか当たるように、祈ってます。

10月3日(水) 晴
 帰宅途中、まばゆいほど明るい月とかかった雲が相まって、奇妙な効果を作り出すのを目撃。中天に、すばらしくリアルな巨大な眼が出現したのだ。まぁヒトのそれと言うよりは爬虫類のみたいだったけど、実にカッコエエものを拝んだもんである。古代人なら、ここから何かの験を読み取れたのかもしれないな。スレッカラシの現代人たる僕は「またガメラ観よっと」とか思ってしまったのだが。
 しかし帰宅後は『サイレントヒル』の闇の中を彷徨。
 怖いとかキモチワルイとか汚い(最近これ多いね)とか、ホラーものには色んな表現があるけれど、こいつはとにかく「不快」だ。神経をざわつかせるサウンド、生理的嫌悪感をかきたてる敵。なによりじっとり湿って錆臭い異臭を漂わせそうな情景が、とにかく身に迫ってくるのだ。不快感を楽しむことの是非はさておき、これは凄いことだよな。出力デバイスは脳内だけど、ゲームソフトから臭いが出るようなモンなんだから。
 とか感心しつつ、血痕なまなましい病院の中をウロウロ。連れの女性マリアの影にまで怯えている。いや、ライトの動きでユラユラする影が妙に怖いんだってばよ!……と思ったら彼女の後ろに、アレが!アレが!ぎゃあぁぁぁぁぁッ!
(SANチェックに失敗、一時的錯乱 <ゲームが違う)
 それにしても、このペースだと予定してる『キングスフィールド』が週末にズレ込んでしまうなぁ。ゲームに圧殺されて作業が滞るのも怖いものがある。世の中怖いものばかり、特に饅頭が怖いんですがひとつ如何でしょうか。 <オチないのも怖いよう

10月4日(木) 晴
 所用あって会社を早退。が、用向きのほうが思ったより早く片付いてしまったので、これ幸いと映画館に向かう。FF?ご冗談を。千と千尋?いやいや。『仮面ライダーアギト ProjectG4』である。いいじゃんかよう別に〜。 <こういう大人になってはいけません
 で、結果だが、これが存外にというかかなり面白かった。いや、途中で時計を一度も見なかったんだから、すごく面白かったと言っていい。僕の比較対象としては『ガメラ3』かな。2には勝てないけど、3ならいい勝負(国産怪獣映画の最高峰を『ガメラ』とし2>1>3の順で好きなんだ僕)。TVシリーズを毎週きちんと観てるという前提があって、だから公平な判断ではないけど、まぁ日記で公平な判断も何も無いわな。そうじゃろうお若いの。 <誰
 主人公の3人ライダーそれぞれの「戦う理由」、特に警官であるG3チームのそれを軸に流れる物語自体は、さのみ新味はもっていない。敵(とあえて言うけど)も、手段と目的を履き違えたステロタイプと言っていい。しかし、その見せ方描き方が上手い。「ヒト」であることが大きな意味をもつらしい『アギト』全体の中で、一番「ヒト」であるライダーが「戦い」の理由たる「生」の意味を考え揺れる、自信が無いから他人の生き方に目が行く、そこらがきちんと見えるのだよね。また、その敵もいい。演じた役者が上手いこともあり、それぞれの求めるものが抑え目な挙動の中にギラッと覗く。特に女性のほうが子供に話し掛けるところ、怖かったなぁ。
 また、やはり映画版ということで映像も良い。ことに出番が少な目のギルスに、要所でオイシイ画がある。敵のパンチを受け止めるところなんか、くーッ、カッコイイ!また、大挙して現れるアンノウン、彼らの人外らしさを見せる動きの数々も良かった。やはり「未知&大勢の強敵に立ち向かう」演出が無いとヒーローらしくないものな。それを言うと日々のTVは「怪人1体にライダー3人」みたいな部分がままあるんだけど(笑)
 残念なのは、やはり子供向けを想定してか尺を詰めた印象が少しだけ残ること。TV観てない人には分からないことをサラっと流すのは、まぁユーザー(っていうのか)層を考えればOKなのかもしれない。でも例えば、誰が送ってたのかねあのメール。自衛隊が次の素材を求めて、というのが一番正しい解釈なんだろうけれど、結局獲物をゲットしてたのはアンノウンだったわけで、となると実はアリさんの中に担当者がいたのかも知れぬとか思えるのだが。 <思うなよ
 あと、アンノウンの特殊能力、設定のようには見えないよ?溺れてませんか被害者。TV版スペシャルの被害者の死に方が『怪奇大作戦』みたいでイカス怖さであったので、ここらはちょっと残念であった。いや、リアルにグログロすればいいんじゃなくて、怖く見せて欲しかったかな、ってコトでね。併映の『ガオレンジャー』があるから、子供が悪夢を見そうなものは遠慮したのかも知れない、と甘い点数をつけて満足しようか。
 その『ガオ』も正統派特撮モノつーよか、本キャストによる遊園地ショーの雰囲気で楽しかった。「みんなで呼んでみよう!せーの!」のノリを映画館で楽しめるとは思わなかったぞ。平日でガラガラの館内に、それでもお子供衆の声が響いたのは、かなり微笑ましかったとつけ加えておこう。

 夜は例によってサイレントヒル。病院での不快&不本意&不満イベントを経て戸外へ彷徨い出たところだ。
 マジメな話、あのイベント(後ろから怪物が来てるのに走ってくれないマリアを誘導し、エレベータへ逃げ込む。が、彼女を後に残してドアが閉まってしまい、置き去りにするしかない。)はどうかと思う。アドベンチャーだから話の筋が決まってるのは分かるけど、アクションを介在させるなら「努力したけどどうにもならなかった」事態が納得できる描き方をすべきじゃないかなあ。どんなに努力してもマイナーな結果に終わるイベントって、努力が速攻でストレスに変換されるじゃないか。そういう不快感って、このゲームで目指してるそれとは違うと思うのだが。つか、どんなゲームでだって願い下げだよ。
 かくして文句タレつつ外を歩く。看護婦型クリーチャーが大量にウロついてるのが妙な感じだ。出張介護ですか?あと町のあちこちにドリンク剤があるんですけど、ヤクルトおばさんクリーチャーとか居ますか? <やめぃ

10月6日(土) 曇のち晴
 昨夜の酒が少し残ったけだるい目覚め。今日はねこまが仕事だし、独り寂しく終日寝て過ごそうか……とも思ったのだが、誘惑に勝てず、仲間に遅れて入手した『キングスフィールド4』を起動。独り寂しいだけじゃなく、暗くて狭くて怖い世界へ突入する。
 仲間と書いたけど、考えてみたら今Web付合いのある人の大半がコレから始まったんだよなぁ。ニフのゲームフォーラム2であーだこーだと言い合って、5年。そう思うと実に感慨深くもある。グラフィックは美しく、ムービーもゴージャスになったが、さてゲーム自体はどう変わったかな。新たな冒険の舞台へ、さぁ1歩!
 ギャアアアァァァァーーーーッ
 一発死。
 うむっ、これぞキングスフィールドであるッ!僕は深く納得したのであった。納得できない人はやめたほうがいい、年経て変わらぬ、やはりそういうゲームであった。
 ……これが縁で集まる人間って、いったい(笑)

 ねこま帰宅後は『サイレントヒル2』で初エンディング。というのも、どうやら4つあるうちの1つらしいんだな。
 ネタバレしたくないんで内容は書かないけど、どうも未消化で落ち着かない終わり方だった。不条理劇として終わらせるにしても必要なポイントがあると思うんだが、それを外してるんだな、オチに説得力が無い。悪夢なら誰の夢?夢で無いなら何故こういう形で?見知らぬ他人が入ってくるのは何故?彼女は誰?……ぬ。疑問が増えるとどんどんネタバレになるわい。
 話の骨子は良いと思う。誰よりも大事な人間が「そういう」事態になったら、そして変わってしまったら。それは異形のウロつく閉ざされた町をゆくより、もっともっと怖いことなのだと思う。だから、主人公キャラの表情の乏しさも無頓着さも納得できる……んだがジェイムス、やっぱサル程度には脳みそ使えよな。
 とまれ、別パターンのエンディングを見れば別の感興もあるやも知れぬってトコで、このゲームは一時保留。さぁ、迷宮だ!一発死だ!

10月7日(日) 曇
 常のとおり目覚め「パワパフ→ガオ→アギト」な朝を迎える。みんな仲良し、いずれは「101匹ライダー大行進」かと思われんでもなかったアギト世界が、どうやら幾分マッドな野望持ちによって荒れ模様になりそうだ。うむ、面白い。どんどん破天荒になってくれ。収拾つくかどうかはさておいて。
 とか言いつつふと見ると、横でねこまとモノホン3匹が、二度寝に突入している。小気味よいまでの爆睡ぶりに、とりあえず起こさずにおいてやろうと、独り『キングスフィールド』の探索行を開始。が、2時間ばかりでいささか気分が悪くなり離脱。酔ったらしい。1〜3は半日遊んでいても平気だったのだが、寄る年波には勝てないということか。ひと休みのつもりで横になる。
 ……午後。
 目覚めると、家人一同(てゆーのかコレ)は昼食の用意をしていた。パジャマ姿でもそもそ食う。んで食後はまたゲーム。ふと見ると、腹がくちくなると眠くなるのは生きもののサガというべきか、相方と猫たちはまた枕を並べて討ち死にしていた。なんとなく引き込まれる。
 ……日暮れ。
 目覚めると(中略)また引き込まれた。
 ……夜半。
 目(略)れた。
 かくて自堕落な一日は暮れた。明日もまた、かくありたいものである。 <いいのかソレで

10月8日(月) 晴
 気合を入れて自堕落に過ごすべく(なんか妙だな)目覚ましもかけずに寝たというのに、早暁に目覚めてしまう。おまけに頭が痛い。関節も痛い。つか熱あるじゃんかよう!風邪だ〜〜!今シーズン初のヒット!嬉しくねぇよう!
 かくて肩凝り誘発ゲームのキングスフィールドは、いたしかたなく封印。つかTV観るだけで頭がガンガンするので、夜明け前におっ始まってしまった戦争のニュースも音無しで流す。「TVをつけると戦争やってる」なんてシュールな状況なのだと思いつつ。
 そのうち退屈しだし、頭を冷やしていれば本ぐらいは読めることを発見。蒲柳の質だった子供の頃から、この手の抜け道を見つけるのは得意である。つかガキの時分は寝床で本を持ってると母親に取り上げられるんで、水枕いじり倒して口開けて大洪水とか、体温計もてあそんでパッキリ割って水銀転がしとか、まぁそんな調子だったんだけども。それは退屈しのぎとは言いませんかん〜けい?
 さて、枕もとの積読山から取った一冊は『天狗風〜霊験お初捕物控・弐(宮部みゆき/著、講談社文庫)』である。前作『震える岩』がイマイチだったのだが、短編時代に好きだったので、いわばお付き合い購入したものだ。
 ……お付き合い、お付き合い。
 事件の端緒も展開も、登場人物の人間模様もこもごもに面白い。何より新キャラクター(いや、今作限りか)の「鉄」が活き活きとしていてこころ引かれる。なのに、どうも幕切れが締まらない。こう、ほんのりやんわり終わってしまって、ピリッとした味が無い。
 この作者の、このシリーズのそれが持ち味というならそうなのかもしれない。でも、バランスってものがあると思うのだ。『怪』で連載していた『妖』シリーズみたいに、もっと濃い目のやるせなさを残してくれても良かったと思うんだよね。風邪引きだから刺激を欲してるワケじゃあないぞ。

10月10日(水) 曇
 『ターン(北村薫/著、新潮文庫)』読了。
 実に良かった。静かな朝に目覚め、冴えきった、だが落ち着いた気持ちで新しい一日を迎える、そんな読後感である。
 日々を淡々と過ごしていたヒロインが、ある日巻き込まれた交通事故。気が付くと彼女は前日にタイムスリップしていた。しかも周囲には他の生き物のいない、メアリ・セレスト状態。そして1日が過ぎ事故の時刻(シャレじゃねぇぞ)が訪れると、彼女は再び1日前に戻っているのだった。24時間で繰り返す「ターン」。彼女はそれを「くるりん」と呼び、その中で暮らし始めるが……。
 メッセージは「覚醒」であり「行動」だろう。こんな異常事態に遭わずとも、日々の生活の中、ただ漫然と繰り返し「ターン」し続けていないか?その状態に不平を唱えるばかりで、自ら外へ出ようとしたことがあるか?という厳しい問いかけでもあると思う。
 しかし、それらは高圧的には語られない。ひとりの女性の清新な意識がそう悟り、心を決め動き出すまでの過程を、ただ静かに見守らせるだけである。テーマはもとより、このスタンスも非常に好ましいものであった。このへん、意余って空回りに感じられた前作『スキップ』から長足の飛躍である。つか、そもそも『スキップ』は話のコシラエが嘘くさすぎて、途中でしらけてしまったのだよね。小説になり得ていない絵空事というか。主人公たるティーン(死語)の視線にしたって、昔のヒトでももっと生々しかったと思う。
 閑話休題。話を『ターン』に戻すと、僕みたいなヤツだったら、本物の「ターン」にとらわれても意外と呑気に生活し続けてしまいそうだな。なんせ不老不死なんだぜ?毎ターンごとに図書館に通えば、過去の書籍は全て読み尽くせるかも!……って新刊の無い世界にいずれ飽きるに決まっているんだが。それにモノが作れない、所有することも(24時間しか)できないのじゃ、早晩フラストレーションが溜まるだろう。そう考えると、実はマニアって、毎日活き活きしてるのかもしれないなぁ。

 コナミスタイルでプレゼントしている『メタルギアソリッド2』のカードCDが届く。10月2日に申込受付を始めたらサーバも落ちよとファンが押しかけたというシロモノだ。実は30,000枚も用意されていて、今日申し込んでもイケる状態らしい。
 中身はビュワーがわりのhtmlと、E3で公開されたムービーだ。既にコナミのサイトから落として観たものだが、サイズが少し大きくて綺麗である。飽かず眺め、発売を心待ちにしてしまうのう。
 しかしナンだ、このCD入れると回転音が妙にウルサいんだが。薄いのか?いざという時はパキっと割って、尖った破片でテロリストに立ち向かうためなのか?

 夜は例によって『キングスフィールド』。最初の集落から潜って、とうとう遺跡を抜け…抜け…抜けたいよう。と泣いているところ。 <ダメじゃん
 一応、向こう側へは行ったんだが、上空を飛び回っては火の玉を吐いてくるシロモノがなかなかに危険なんである。動きに合わせられないもんだから、弓も魔法も当らない。くそ〜この!降りてきやがれ!勝負だ!とか言ってもどうにもならない。仕方なく、元来た方へ戻って取りこぼしを拾い集めてみたりする。まぁ、これはこれで楽しいのだが。
 ただ気になるのが、プレイを続けるうちにひょいひょいバグが出てくることだ。『シャドウタワー』で壁ズリ(専門用語:壁を「調べ」ながら平行移動すること)してたらポリゴンの隙間に落ち込んで、真っ暗闇の中でにっちもさっちも行かなくなったことがあった。結局その時はリセットしたんだが、今回はというと。
・同様の「穴」。
 僕は某所の水場に飛び込んだら、そこでハマった。真っ暗で身動きできず、しかし酸素ゲージはだ〜〜〜っと減った。死亡である。
 友人にも、別の場所で同種の災難があったらしい。困ったもんだ。
・キャラ消滅。
 あるイベントの後、移動したキャラが、その固定位置から消えて無くなった。いったんマップアウトしたら出現したんだが、心臓に悪い状況である。なんたって病気のおっ母さんなんだから!別な場所にいる娘が「お母さん死んじゃった」とか言うんじゃないかと、おっかなびっくり話し掛けちゃったよ!
 まあ、それはたいした問題じゃないかも知れぬ。別な友人は、モンスターが目の前で消えたそうだ。ただ、当り判定だけは残ってて、結果として透明モンスターに襲われるという悲惨な事態になったらしい。
 そういえば、倒して出現するコインが表示されないことも多々あるな。敷石の隙間に入ったのを這いまわって探すとでも思えば笑える状況だから、まぁいいけど。 <そんな主人公はイヤだ
・モンスター出現
 固定位置にいるモンスターが、マップアウトすると同じ場所に出現…するのは分かる、つかゲームのお約束だと思うんだが、同じ室内でソレをやられると流石に驚く。某所でスライムを倒し、ある方向へずいーっと後ずさったら、さっきの場所に「ぽこん」とスライムが湧いたのだ。前後移動殴打殴打、と社交ダンスみたいなリズムで倒して小銭を稼いだが、これもナンではなかろうか。
 1〜3作目では、こんなにアラは無かった気がするんだけど、そこらへんどうなってるんだろうフロムソフトウェアさん。大容量のPS2で格段に広く美しく早くカッコ良くなったのは認めるけど、ゲーム会社っぽくない、四角四面なキッチリ加減が美点でもあったんだから、そこらは変わらずにいて欲しいなあと愚考するものでありますです恐惶謹言。
 ぬ。なんか手紙になっておるな。これを書置きして、また潜るとしよう。

10月11日(木) 雨
 玩具菓子の新製品『ペンギンズランチ』を発見。海洋堂の本音ページkaiyodo.netで見て楽しみにしてたので、例によって2個購入。出たのはコウテイペンギン親&子だった。なるほど、これはソフビなのだな。造形や塗りもいいけど、素材で質感が出ておるのう。こう、丸っこくて柔らかい、そのくせ鳥としての肉付きや骨格を感じさせるシルエットが良い。造形総指揮はチョコエッグの松村しのぶ氏だそうだけど、実際の担当者さんの名前も知りたいところだ。
 そもそもペンギンというネタのチョイスが”ヤラレタ”だよなぁ。モノがペンギンだと、群れてて当然なんでダブっても気にならないもの。つかフィギュアの入ってるパッケージが、コウテイペンギンのヒナの集団写真になっていて、思わず「保育園(クレイシ。親が餌を取りに行ってる間、子供だけが寄り集まって待っている様子。保母さんはいない)」を作りたいなぁとか思わされるのは僕だけではあるまい。え、違う?
 ビスケットが魚の形にしてあるコンセプトも好ましい。何より味が、マンナとかマミーとかカルケット辺りの「赤ちゃんビスケット」を思わせる素朴系の美味。問題のあることだと思うけど、旨い食玩って珍しいんだよな。ここらは「質実しっかりタイプ(造語)なお菓子メーカーが玩具を?」と、上記の海洋堂ページで言ってたとおりだ……しかしイイのかそれ言って。暗にフルタのアレアレだって言ってないか。いや努力はしてるんだと思うけど、甘すぎるってアレ。購買層は見えてるんだから、せめてセミスイートにならないか。ぎりぎり譲歩して、内側のホワイトチョコだけは止めてくれたまえフルタさん。 <ナニサマ
 ところでこれ「全8種」で売ってるけど、シークレットはあるのかな。あと、どうせなら1種類のペンギンでいろんなポーズを出して欲しいな。でないとコロニーらしくならないし。そう、例えばコウテイペンギン立ち姿とか抱卵中とか給餌(吐き戻し)中……はダメですね、いくらなんでも。お食事中の方ごめんなさい。
 最後に北陸製菓のサイトを書き留めておこう。一見「OH!ジャパニーズみすてりあ〜す」な感じ(どんな感じだ)のサイトでコンテンツはほとんど作りかけだけど、この先の展開もチェックしといて損は無いと思う。僕はここ読んで、あわててパッケージをゴミ箱から漁り出した。企画のほう、お待ちしてます北陸製菓さん。 <こんなトコに書いてどうする

10月12日(金) 曇
 出勤途中で、また『ペンギンズランチ』購入。うむうむ、どれも良い出来だなぁ。しかしエンペラーペンギン大量出土(捏造ではありません)がチト悔しい。捲土重来、後でもっと買おう。 <をい
 あと、昨日の想念(保育園)が残っていたのか、ヒナも2つ出る。でもって「あーカワイー」と叫び声を上げて急襲してきた同僚女性に持ち去られる。トウゾクカモメにやられたと思うことにしよう。自然の掟はかくも厳しい。 <なんか違う
 さて、ペンギンつーと思い出すのが、映画『ブルース・ブラザーズ』のシスター……じゃなくて、岩合光昭氏の写真集『ペンギン大陸(小学館)』だ。極寒の世界に生きる鳥たちの、ユーモラスなばかりではない「生」を空気や光もろともに写しとったような画の数々。基本的に鳥は嫌いな僕だが、この本ばかりは格別である。ただ、一番好きなのが、著者のところに載っている岩合氏の写真(夫人撮影)だったりもするけど。ペンギンの群に埋まった、雪焼けしたオジサンというのは滅多に見られるものではない。この1枚のために買っても良い名作である。 <言い過ぎだって

 徒然に、音に聞こえた巨大掲示板「2ちゃんねる」を読む。言うまでも無く、毀誉褒貶の激しい……というかマスコミにはインターネットの暗黒面を語る好餌にされがちなサイトだ。たしかに匿名での放言という行為のみを見るならみっともないものだし、他で遭ったら僕も蔑み無視する。自分のトコなら問答無用で削除だ。が、それ専用として成立した、きわめてユニークなコミュニティであることをも無視するのは片手落ち(禁止用語)ではなかろうか。別に件の掲示板に参加も肩入れもしてはいないけど、ボランティア活動や有用な情報交換もちゃんとある場所を、ひとからげに論って紙面を埋めるのはどうかと思うのだよね。
 まぁご高説(自分でいうか)はさておき、最近の注目株はニュース速報系「米国テロ」特設板、通称「タリ板」。ことに「替え歌」スレが面白い。トップ画像もそうだけど、数千人の死者の上にさらに戦争の犠牲者を積み上げる救いの無い事態を目にした遣り切れなさを払い、怖いもの在ってはならないものを否定するために、笑うというのは一種のガス抜きとして有効なのじゃなかろうか。もちろん被害者やその身辺の人には不謹慎きわまりないだろうし、参加者それぞれの本当の思いは、僕ごときの知るところではないけれど。
 とりあえず僕はガス抜きと思うので、ささやかな賛同の意をもってここで挑戦。ネタは中島みゆきの「髪」。
 ……中島みゆき氏ごめんなさい。

    髭(ひげ)
  長い髭が好きだと アラー
  昔 マホメットに話したでしょう
  だから私 こんなに長く
  もうすぐ 腹まで届くわ
  それでも理想は離れてゆくばかり
  他に私には 何も無い
  切ってしまいます 誰かに似せて
  切ってしまいます この髭を
  潜伏先の 誰かに似せて 短く

  長い髭を 短くしても
  とても 他人(ひと)には似てきません
  似ても似つかない髭面が
  鏡の向こうで震えます
  アラーの偶像は 残せなかったから
  私を代わりと思わせたい
  切ってしまいます 誰かに似せて
  切ってしまいます この髭を
  潜伏先の 誰かに似せて 短く

 原理主義を標榜しつつコーランに無いことやりまくり、あげく二枚舌を使うちがい政権の親玉に寄せて……なんだが、いかがなものか。次は、アラブ紛争の原因をこさえたクセに、世界の警察を自称するお馬鹿さんの尻馬に乗ったポーズで口を拭って澄ましてる某帝国のなれの果てに向け以下略 <ヤメレ

 実際のとこ、どんな教義や信念や習慣のもとにあろうと、正常な精神を持ち合わせている個人間なら理解は成立すると思いたい平和ボケの僕には、今回の事件は正視できない。どうか無関係な人の血がこれ以上流されませんようにと祈るばかりだ。祈るべき神の名ひとつ持ち合わせないのだけれどね。

10月13日(土) 晴ときどき雨
 昨日の替え歌をちょこっと修正。

 朝、いつもの時間に目が醒めず、大いに驚く。目覚し時計が無くても定刻に目が開く(でも目覚ましが鳴ってないとまた寝てしまう)のは特技だったんだけどねぇ。年であろうか。
 で、今日も元気に盛り削りするかと、製作途上品に刃を当てていたら、急に気分が悪くなってきた。胸がムカつき、吐き気がする。身動きすると首筋に激痛が……肩凝りやんけ、これ!
 情けない思いをかみしめつつ、その場で横になってしばし休憩。まぁ日ごろの仕事がパソ相手、ウチに帰ってもキーボード叩きづめ、趣味が模型その他の小細工でゲームも大好きとくれば肩凝りせんほうがおかしい。うう畜生。断じて四十肩じゃねぇからな! <前段と矛盾

 昨日買い込んでおいたペンギンズランチを片端から開け、ほぼ全種をゲット。シークレットのオオウミガラスも2個当たって、たいへん嬉しい。しかしイワトビペンギンがいっこも出ないのは何故だろう。こないだのイリオモテオオヤマネコ(チョコエッグ)もそうだが、なんか妙な運の使い方をしてるな僕は。
 この玩具菓子の中身の美味さについては先日書いたが、フィギュアと一緒に入っているブックレットがまた、いい。ブルーのグラデーション地に、簡略化された図が載っている表紙がことにも好ましいのだ。ブックレット整理用に最近使い始めた名刺フォルダ(長辺が普通のより長いので、収まりが良い)にぴったりのサイズ。並べておいてページをめくると、ペンギンがぞろっと整列して楽しい。
 やはりここにイワトビペンギンを入れて埋めなくては。これは義務だ使命だ。さぁ、また引いて来なくては……って、単なる欲しがりでしょうか。分かってますが。

 これも昨日買って来た中国茶の器を取り出し、科学の実け……いや、独り手前にて楽しむ。茶葉は白牡丹。名も美しければ後味も爽やかなのが気に入りである。なに、ガラじゃない?うるせぇオモテへ出ろ! <を
 ちなみに今回ゲットした茶道具は、茶海(小さい水差し状の器。湯冷ましを作ったり、茶をいったん注いで濃さを均一化させる)と蓋碗(読んで字のごとき蓋つき茶碗。これで飲んでもいいし、急須代わりにも使う)のみ。
 茶碗は気に入りのぐい呑。ん〜、なんかアルコール風味かも?ついでに言うと湯沸しはキャンプ用のコンロだし、茶盤代わりは作業用のプラトレーだったりする。まぁいいやね、茶碗いっこあれば茶の湯はできると利休も説いておる。て強引ですか。分かってますが。

10月14日(日) 曇のち雨
 例によって「パワパフ→ガオ→アギト」な朝。今日の「パワーパフガールズ」の後半1本は、全編ビートルズ笑い倒しな名作であった。つか、いいのかね、ヨーコが間に入っての揉め事と解散までパロっちゃって。寝てるねこまに気兼ねして声を殺しつつ大笑いしたけどもさ。 <同罪
 さて「アギト」。おっさんライダーの活躍に萌え〜な氷川主任。これで騙されて、自信のない揺れ動きキャラとしての展開が、いよいよ佳境に入るのだろうか。
 それにしても「しかし何故アレをアギトと思うかな氷川クン」……なんて思ってはいけないんだろうな。目が吊り上がってたり爪先が尖ってたりコスチュームの色が一部違ったり、あまつさえ額に「偽」って書いてあってもバレないのが特撮世界のお約束なんだろう。どう見ても、アンノウンの方に似てるような気がするけどな。 <言うなって

10月15日(月) 晴
 ねこまが買ったペンギンズランチで、とうとうイワトビペンギンをゲット、めでたくコンプした。
 しかし、まだ当分は買い続けるだろう。フィギュアもさりながら、ビスケットが旨いのだ。10月11日にも書いたけど、量も手ごろで「ちょっとひとくち」向き。ことこの商品についてはベタ誉めしちまうぜぃ。
 ところでフィギュアだが、なぜかここのところケープペンギンばっかり出る。今日も僕が買った2個はどっちもケープだった。もしや運命の女神は、オレにペンギンパレードを作らせようとしているのか!どうせならアデリーでやらせてください女神様ッ!

 TVでは戦争と狂牛病の話題がかまびすしい。前者は世界規模のトラブルだが、後者はどう考えても政府の無策が事態を悪化させている。いや、政府まるごとというよりは、特定の個人が問題のような気もせんではないけど。言動のぁゃιぃかの人物は、ひょっとしたら既に感染してるのかもしれん。
 そもそも、ウイルスや細菌なんかにヤられるより前に、僕らの世代は確実に化学物質で汚染されてて抵抗力が低下してるんじゃないだろうか。ガキの時分には赤色何号たらいう着色料でベッタリな食品を山ほど目にした。気付かないレベルで使われてたものなんて、枚挙に暇が無かろう。そして現在、それが改善された保証はどこにも無い。もちろん、避けるすべもほとんど無い。無いない尽くし八方塞である。戦火に焼かれるか自国の政府に毒殺されるかの選択なんて……救いが無い。
    こくみん(ゲーム『ピクミン』CMソングの節で)
  ボクたち国民 お役人について行く
  今日も 騙され 食べる 飲み込む
  そして スポンジ化〜
 替え歌なんか、やってる場合じゃ無い……けどなぁ。

 ニュースを見ると憂鬱になるんでドラマに逃避。先週から始まった『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』。原作好きなんで「怖いものかかって来やがれ(なら観るなよ)」な心境で観始めたのだが、これがなかなか良く出来ている。ドラマ化するために改変・追加した部分が結構ハマってるんだな。それに役者も悪くない。視点の中心に据えたシンジ役、天真爛漫な少年プラスアルファなキャラクターを演じ、なかなかの出来。ジャニーズとは思えないぞ(無礼)。ただケーキの食い方が汚い。シンジは、もっとこう、「ばくっしゃくしゃくしゃくっ」と、屑も残さず爽やかに食いきる感じだな。今後に期待したい。 <何を
 脇にまわった他のキャラも、コミックの雰囲気を残してイイ味である。特に橘、「おっさん」の時と「おばあさま」に向ける顔のギャップが実に上手い。で、その「おばあさま」の八千草薫、これがもう!おっとりと物静かで気品に満ちて、生まれてからずっとお嬢様みたいな感じがステキなんてもんじゃあないのだ。いや〜ほんと「キレイなバァさん」だよなぁ。反論は却下。好きなんだよヲレ。
 ただ残念なのは、ゲストというかエピソードごとのサブキャラ役者が下手なこと。特に今日の「サンダー鬼塚」くんが最悪だった。演技も何も、台詞棒読みにしか見えないぞ。情けないけど朴訥で真剣で「彼女」に惚れられるだけの味のある男なんだからさぁ……ていう原作の脳内イメージ割り引いても、ひどいもんだったぜアレ。
 それにしても「天才パティシェ」に「ゲロしそうに気持ち悪いぜ!」な台詞が飛ぶシーンはあるのかなぁ。全国ン10万人のホモの皆様も関心の深いことであろうな。ってそんなにいませんか?

10月18日(木) 晴
 からりと晴れた上天気だが、どえらく寒い。全国的なモンなのだそうだが、そんなん何の慰めにもならんよな。数日来飛び交っていた雪虫さえ見えないところをみると、いよいよ冬が来るということかな。そういえば、去年は今日が初雪だったんだが、さて今年はいつごろ前哨戦が始まることやら。

 狂牛病の話題かまびすしい中、昼食に焼肉屋へ。だってなぁ、もうイマサラって気がするし。そもそもホルモン食わないし。 <でもレバー好き
 ことこの問題については、我が家の場合どっちかというと猫の餌が問題だったりもする。なにせ「まぐろ」とか「おさかなミックス」とか書かれた缶をよく見ると「肉エキス」なんて書いてあるんだぜヲイ。ドライフードも一緒だ。んでもって、そういう記載の無い、ウタガワシゲなところの少ない餌、たとえばサインス・ダイット(一部伏字)とかは結構高かったりする。おまけに、猫どもは食わないのだ。最初の1回は口をつけても、その後は知らん顔。いや放置するだけならまだしも、「もういらない」と器の周囲をカイカイして、挙句「こんなものが食えるかぁっ」と海原雄山しやがる。なんだってんだてめぇらナニサマだぁ! <猫相手にマジギレ
 かくて焼肉ランチを詰め込んで「ビールが欲しい」と呟きつつ帰社。今日も残業がんばろう。

10月20日(土) 晴
 快晴なれど気温は低下したまま。そろそろ冬眠の支度をしたいものである。いやマジで、最近とみに布団と離れがたくて困っているのだ。暖を求めて猫が集まってきたりすると、もう極楽であるし。まぁ、そのまま数時間経つと炎熱地獄で石抱きの刑みたいな気分になるのだがな。つか何だって3匹一緒にやって来るかね?人間は2人いるんだよチミたち。
 …苦情をおとなしく聞いてくれる猫は、死んだ猫だけである。ムダはやめて、外出。
 この島(最近試されてるらしい大地)の物産市である「ホクレン収穫祭」へ。日頃お世話になっている各方面への爆撃物を調達しに出たのだが、会場となっているデパートは主として年配の男女で埋め尽くされ、ものすごい熱気が漂っていた。はっきり言って、キョワイ。狭い通路を押し合いへしあい、かと思うとこれは若いのが、魂の抜けたような顔になってぼーっと突っ立っている。てめぇそこどけ!踏み潰すぞ! <年配エリアに所属するもよん
 なんとか用を終え(いらんものもふたつみっつ買い込んで)外へ出ると、町の辻ごとに募金の人々が。制服姿で声をはりあげてる「あしなが育英会」の青少年、耳の不自由な方の団体、その他もろもろ。小銭ばかりだが、箱に投じて歩く。本来ヴォランティアてぇのは積極的に行うべきものと考えてるんだが、最近なにかと時間を取られ、切手やテレカを集めて持参することができない。勤務時間がめちゃくちゃなんで、献血にも行けない。ので、ここらでちょっと罪滅ぼしである。
 が、その中に、札幌中心部によく出没する偽ボランティアがうろちょろしてるのを目撃し、一気に不快感が高まった。言っちゃナンだがアレな感じの男女で、新聞のコピーを持ち「●●●●●の子供たちへの支援をお願いしまーす」と通行人をつかまえるのだ。で「署名をお願いしまーす」と捕獲した相手に「ついでに募金もー」と言って小銭をタカる。ンなケチな稼ぎで割に合うのかと思うが、数年来やめないところをみると、それなりにオイシイんだろうな。
 いちど興味をもって「どこの団体でやってる」かと突っ込んだことがある。敵は澄まして「赤十字」と答えた。なにをかいわんや。赤十字の活動に、そういう方式は含まれておらんのだよバカモノ。人の善意を食い物にするんなら、そのうち誤爆のふりしてミサイルぶち込ん(以下不穏当発言につき削除)

10月21日(日) 曇
 今日は水槽のメンテ。60cmに使っていたエーハイムのモーターシャフトが折れるというアクシデントがあって、はや数ヶ月。さすがに吐水量が怪しくなってきたので、新規購入を決めたのだ。ちなみにその数ヶ月間、シャフト代わりに使っていたのは爪楊枝であったりする。いや、バカにしたものでも無いのだぞ。先端を潰してやると長さも太さもぴったりで、それなりにモーターを回しつづけてくれたのだし。まぁ、フィルタを洗うたびに腐った楊枝を掘り出すつー手間はあったけどな。やはり楊枝は竹に限る、うん。 <なんか違う
 というワケでねこまを伴い、近在の魚屋(アクアショップと言え!)へ。ブームが下火になってからこっち、店の数も減ってきて品物選びもなかなか難しい。Web上では安い店もたくさんあるけど、器具はまず見て使ってみないと何とも言えない部分がある。少なくとも、最初の一個はよく知った店で買いたいと……おい、なにしゃがんでるんだねこま
 ねこま「カメかわい〜♥」
 見るとミドリガメやゼニガメ、それにスッポンの幼体がそれぞれの水槽をうろちょろしている。ことにゼニガメが愛くるしい。つぶらな瞳でこっちを見上げ、動きを目で追い、ぱちくり☆と瞬きする。ううっ、これはッ!危険だッ!何がって……欲しくなるじゃんかよう!え〜とえ〜と、水槽は30cmのが1本空いてるし、ヒーターもポンプも予備はあるな。あとライトも模型乾燥用のヤツを転用すれば……
 ねこま「司葉ク〜ン、こっちにカエルが〜♥イグアナが〜♥」
 ええい、やめやめやめぃッ!フィルタ買って帰るぞ!
 さて、子ガメ集団&カエル&イグアナの誘惑に抗して導入したのは、エーハイムの倍ほどデカい、ニッソーのプライムパワー20。90cmまで対応できるのなら、そうそう丸洗いの必要も無いだろうという怠け心が、2万円近い代価を払わせた。実際ある程度デカくないと詰まりやすくて生き物にヨロシクないし、何よりこのタイプのチューブのコネクションとか水槽とのセッティングの形が良いとか、何より濾剤がバスケットで引っ張り出せるつー利便性とかってメリットも多いのだけどね。
 しかしデカい。とにかくデカい。おまけに高さも少しだけエーハイムを上回っていて、おかげで棚の下段に納めることができなくなってしまった。まぁ、どうせしばらくは床に置いて具合を見ようと思っていたのだけど……猫に体当たりされたりすると目も当てられないので、キャンプ道具からベルクロを持ってきて棚にくくりつけてみた。なんか、怪しい風景である。少なくとも優雅に熱帯魚観賞してるような雰囲気は無いな。いや熱帯魚趣味って実は力仕事だし、優雅に見える魚だって結構とんでもねぇ性質のヤツはいるんだけどね。

 ひさびさに読後感など。
 『ヴァンパイア・ジャンクション(S・P・ソムトウ/著、金子浩/訳、創元推理文庫)』。
 つまらん、とは言わない。ロックスターである少年ヴァンパイアが、その数千年に亘る過去を振り返りつつ、おのれの存在の意味を問うてゆくという筋は、いささかベタくさいが面白い。設定がアレだなと思う向きはあるかも知れないが、アン・ライスよりはこっちのほうが早かったそうな。また映画のように思い浮かべられる情景の描写は、しばしば絵画的な美しさを見せる。
 しかし、だ。全体を見ると、どうにもこうにもギクシャクしている。場面ごとの書き込み、そしてつながりがイマイチなのだ。また精神分析やごたまぜ神話、それに歴史の局面を組み込んでいるのが調和して感動的になってるかっつーと、生齧りのまま乱雑に放り込まれた感が抜けない。僕が非常に興味を持っているある人物について大きく扱っているあたりなんか、少々期待してたせいもあって余計にがっかりさせられた。ジャンルにおさまらない姿勢はいいけど、収まれないだけって気もするな。最終的に妖怪人間ベムご一行になっちゃったんじゃないかコレ?
 まぁ表紙を飾るひろき真冬氏の絵に惹かれて買ったのだから、あまり大きなことも言えないか。美しすぎるぜ〜。少年愛の美学に目覚めてしまいそうで、これが一番怖いっす〜。

10月22日(月) 晴
 コジマニア仲間にして敬してやまぬ我が編集長たる今野淳子さんの日記から、『サンサーラ・ナーガ1×2』(ゲームボーイアドバンス版)の発売を知る。これは、かなり嬉しい。あの妙ちきりんな世界観とシリアスなドラマの両立を携帯で楽しめるのか。うむ!待ち遠しいのう!……って既に買う気になってますが大丈夫でしょうか。そもそもファミコン版も後生大事にとってあるのに。誰かタスケテ〜 <自力でやめろよ

 昼休み、「世界自然動物」でいまだに出てこないヌーとダチョウを求めて近在のスーパーへ。そこで、新しい玩具菓子を発見した。
 「宇宙大作戦 チョコベーダー」という名で、古今東西、地球のあちこちで目撃された(と称されている)宇宙人をフィギュア化したものらしい。うむ、ヨモスエ度の高さは実に好ましいな。しかし宇宙人はどれもデフォルメのグロテスク方向のベクトルが弱く、迫力に乏しい。こういうネタは子供より『ムー』発刊ぐらいの世代にウケそうなんだから、その昔ガシャポンで出ていた「ホラー・ワールド」シリーズぐらいのディテールが欲しいところだ。それにラインナップも問題だ。宇宙人ネタなのに、なぜ「3メートルの宇宙人(ゲーム『ワイルドアームズ』で「はいよるこんとん」と呼ばれてたアレ)」を外しますか!最初にインパクトのあるシロモノ(つか僕が欲しいだけか?)をぶつけるべきなのに、なぜ第2シーズンに送り込みますか!1/1スケールフィギュアを抽選でプレゼント!なんつったら歯が全部溶けて無くなる覚悟してチョコ食いまくる覚悟もあるというのに!って、まぁ、万一当選しちまったら、どこに置くのかって話はあるけど!やっぱ門柱ですか! <そんな門柱は大家さんが許してくれないぞ
 ちなみにパッケージは直方体で、中に惑星模様の銀紙に包まれた球形のチョコが入っている。その中はチョコエッグと同様。チョコそのものは…いまどきの若者風に言うなら、オニのよーに甘い。これは僕としてはイマイチ食指が動かないなぁ。それにフルタの「お菓子の国のアリス」シリーズも発売間近だし、これ以上甘いものを食いまくって血圧上げたくない。つかフルタさん、キャンディの味も検討してくれると嬉しいな。紅茶味キボンヌ。 <てヲイ
 ちなみに自然動物のほうは、またもやライオン親子、しかもオスだった。畜生、何故なんだぁ〜! <絶叫

10月24日(水) 曇
 昼飯どき、行きつけのコンビニへ。いつものように弁当とサラダとペンギンズランチを2箱……と店内へ歩き出したところで、レジのお姉さんに声をかけられた。
 「新しいの、入ってますよ。アリスの」
 例によって海洋堂フィギュアの入ったフルタの食玩「人形の国のアリス」だ。ラッキー!しかしお姉さん、そういう発言が出るということは、僕が毎日毎日チョコエッグだのペンギンだのチョコエッグだのペンギンだのチョコエッグだのペンギンだのペンギンだのペンギンだの(以下数行リピート)買いまくるのを見覚えてたっつーことですか!いや、いい大人が毎日そんなものを買っていれば目立って当然って気もするけど。 <気のせいではないだろう
 しかしそんなコトを気にする間もあらばこそ、奥からニコニコとパッケージを持ってきてくれる彼女。速攻で「箱まんまもらえます?」と答える僕。点になる彼女の目……たぶん、これで決定的にチェックが入った気がするなぁ。それもマジックで書いたみたいに、ぶっとく
 ま、ともかくも、フィギュアの出来は予告どおりの素晴らしさである。作り込みが、ただ事でない。例えばドードーはベースと別パーツになってるんだが、そのベース(原作では大水の後)に、ちゃんと足跡が彫ってある。また塗りの細かさもすごくって、その小さい手に、きちんと指貫を持ってるときた。いやはや、すごいモンである。
 ちなみに帰宅したら、ねこまがやっぱり箱単位で買い込んできていた。しょせん一つ穴に住まいするだけのことはあるものだ。いや、コトの良し悪しはさておいて。つか否定派はウチにはいませんが。民主主義万歳! <大いなる政治的問題点

 『孤島の姫君(今市子/著、朝日ソノラマ)』を見つけ、給料日前の財布の底をはたいて即時ゲット。うう、お待ち申しておりました。じっくり読むとしよう、感想はいずれまた。

10月28日(日) 曇
 先週読んだものあれこれ。
 『孤島の姫君(今市子/著、朝日ソノラマ)』
 詩的に美しく論理的に面白く、かつ爆笑できるというお得なファンタジー作品集、いずれも期待をうわまわる上作だった。ことに『沈黙』はすごいなぁと嘆息。怖さをコメディで引いて読ませ、物語を終えるに当たってふたつの国の名の由来が正しく(そして命名者の心までが)見えてくる仕掛けが素晴らしい。それに加え、まさかの主人公の正体。見事すぎ。表題作の姫君にまつわる謎も、ファンタジー世界ならではのイメージのふくらみが秀逸だ。どうやったらこんな発想ができるんだろうな。羨ましい限りである。日常生活で文鳥様の餌食になれば良いのか?<ここらのドキュメンタリー?コミックも面白い。また1冊ものを出さないかな(笑)
 『プラネテス(幸村誠/著、講談社)2』
 およそ目標を定めそれに向かう人間が陥りがちな迷妄、そしてそれを突き抜けて見えてくる真実。痛々しく、寂しいほど真っ直ぐに、世界はこれほどに広く厳しくそして美しく優しいと悟る瞬間の「若者」を描ききって秀逸である。前巻を読んだ時は、こんなふうにバケる話だとは思わなかったな〜。先が気になるよ〜。
 でも、思うにハチマキの言葉も、それが迷いの中で投げられた八つ当たりであるとしても間違いでは無いのだよな。安直に使って良い言葉ではないよね、タナベのような覚悟が無い限りは。
 『不思議な少年(山下和美/著、講談社)』
 柳沢教授とかバーディとか、魅力的なキャラを描いてきた作者にしては不思議と存在感の無い美少年を登場させたシリーズ。まぁ、常に多様な物語の中にありながら局外者であり観察者であるのだから、このキャラ立ては正しいのかもしれない。が、どうもこう、すわりが悪いものを感じるのは僕だけだろうか。各エピソードは面白いんだけど、この少年でなければならない意味が、まだ見えてこないんだよね。いや、実はイミなんか無いのかもしれないけども。
 あとタイトルも、なんかこう腑に落ちないというか「決まった」感じがしない。それもまた、今後を楽しみにしてみれば分かる世界の謎々ゲームなのかもしれないけれどね。ぜひ威勢良く脳髄に背負い投げかまして欲しいもんである。
 『瑠伽といた夏(外薗昌也/著、集英社)』
 オビにいわく「読んで震撼せよ」とあるが、まだまだそんな処まで行ってないというのが実情だろう。日常に異物が進入してきたざわめきが、これから波を大きくし世界を揺るがせていく、その端緒でこの言葉は大袈裟に過ぎる。類似の設定の物語は少女漫画に傑作も多いのだし、これも今後を見せてもらって評価したい作品だと思う。ただ、章タイトルが名作SFってのはオールドファンとして嬉しいな。いや、別に自分も同じコトしてるからじゃなく(笑)
 『夜の闇を待ちながら(レニー・エアース/著、田中靖/訳、講談社文庫)』
 先週手にした中で、唯一の小説。昔に比べてペースが落ちたよな〜。勤め人ってのは、ままならぬもんである。こんなに面白い話も一気読みできないんだから。
 万人向けとは思わない。サイコサスペンス系であり警察小説でもあるんだけど、舞台が第一次大戦後のイギリスとあって、ハイスピードにはなりえないのだ。このテのものはジェットコースターであらねば!という向きには面白くないだろう。登場人物が(犯人に至るまで)きちんとティーを取る習慣を崩さない世界なんだものな。
 しかし、そうした世界で惨殺事件が起き、戦争の傷を抱えた警官が事件を追いつつ心癒してくれる女性と出会う…というストーリーは、歴史小説の趣きもあいまって実に読ませる。またサブキャラクターたちも生き生きと描かれていて好感が持てる。犯人の抱える虚無すらも、戦慄とともに伝わってくる。じっくり読んで、いずれまた読み返そうという気になれる良品だった。
 ただ、ちょっと気になるのが訳者の言葉遣いだ。ティーは「お茶」じゃないから良いとして、ピローまで英語にしておく意味があるのか。またプライマス・ストーブって書いてあるのは、一般的にはプリムスとかプリマスって言われてるアレじゃないのかな。情景をイメージするには馴染みのある言葉のほうが良いと思う。続編を訳される時には、ぜひそこらをお願いしたい。

10月31日(水) 晴
 友人・秋前りょーこさんがPS2を買ったと風の便りに聞く。うむ、同士の増員喜ぶべし。さっそく何かお貸ししよう。ねこまは『ライジング・サン』を強硬に推している。たしかに『パール・ハーバー』観て爆笑してきた秋前さんなら、ケリー・ヒロユキ・タガワと入力して「女体盛り」と変換される世界はさぞかしお気に召すことであろう。しかし僕としてはやはり『サウスパーク』だな。んでもってねこまと3人「ブライアン・ボイターノは炎のブレスでグリズリーをやっつけた〜♪」とか唄うのだ。いけませんか秋前さん! <いかんと思う

 オモテの仕事(というとヤバげだが、裏はここでやってるよ〜なコトばっかり)が忙しく、とかく帰宅が遅くなりがちである。いきおい、いろんなことをする時間が取られる。削りかけのフィギュアは形を成さず、読みさしの本は開かれず、書きかけの小説は字数を増さずやりかけのゲームは遅々として進まず、買い続ける食玩は箱のまま放置され組みかけのパソは埃をかぶり……って濃いなぁオレ様。いまさらですが。
 さて、そういうわけで、たまに早く帰るといろいろ義務(ってをい)が溜まっている。焦っても始まらないので、ひとつずつ片付けよう。まずはゲームから。異議却下。
 『キングスフィールド4』だが、いよいよ終盤に差し掛かってきた気がする。で、盛り上がってくるかというと……どうもこう、ピンとこない。なんだか今回、だだっ広くて入り組んでて、そこを自在に駆け回れるんだけど、それだけに密度が下がってる気がするんだよね。もとより話や細部が無いのもこのシリーズの味わいのひとつなんだけど、それにしても物足りない点が多い。メッセージが不足してるというか舌足らずというか。さらにバグは多いし、イベントの見せ方も妙なものがある。なんかこう、慌てて詰め込んだような。
 それでも、現実に歩き回っているような感興をもって異世界をさまよい、目も眩むばかりの高みや奇怪に入り組んだ迷宮を楽しめるのは素晴らしいんだけどね。さて、今日は扉の封印を開けて某所へ入り込むとしようか……現実世界ではもう11月の扉の前にいるのだけれど。12月じゃなくて良かったね。クーンツの新作出してくれ文春&創元。


翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]