店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

[ 以前の日記 ]
2000  9 / 10 / 11 / 12
2001  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12
2002  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6

[ 銀鰻亭店内へ ]
2002.7
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      


7月1日(月) 晴
 昨日の今日で『猫は流れ星を見る(リリアン・J・ブラウン/著、羽田詩津子/訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)』を発見。同時に出ていた解説本も、ざっと見たところ良さげだったので併せてゲット。長いシリーズ物にありがちなんだけど、前のほうの出来事や人物がふいと出てくると、思い出せなくてイライラするんだよ!by浅倉(最近お気に入り)状態になりがちなんだよね。んで、特にミステリは、出来不出来が激しいと読み返すのが億劫を通り越して苦痛になったりして。なんで、こういう本の存在は非常に嬉しかったりするワケだ。ま、役立ち度は読んでから判断するけど。
 『ベルセルク 23(三浦健太郎/著、白泉社) 』購入。う〜ん、こういう展開になりましたか。人外の軍勢を率いて国奪りに乗り出したグリフィスはさておき、ガッツのほうに、もうあの連中が追いついて、しかも合流か。いや、時間経過は作品中できちんと表現されてるし、他人を介在させざるを得ないところまで追い込まれるガッツの心理描写は例によって隙が無いんで、不満を言うんじゃないんだ。ただ、やっぱり驚いたなぁと。あと、お嬢様がこう、非常にいじらしいのがいい。揺らぎながら自分を見つめ始めるその姿が、少しずつ靭くなっていけそうで、見守りたい気分にさせられる。お守り役ピコりん、キミは何考えてるか分からんので感情移入できんのだけど、そこがナイス。ますます精進してくれたまい。<実はタマネギエルフに感情移入中

 我が家の猫は相変わらずの状態。とにかく餌を食わないとどーにもならんのだが、腎臓の数値がずんずん上がっており食欲減退の一因となっているらしい。かといって食わなければさらに数値は上がるそうで、いわゆるイタチごっこである。……猫なのに。あ、いや、だから何ってこともありませんが、猫に始まって猫に終わる日なのであったとさ。どっとはらい。

7月3日(水) 晴
 先日Amazonに頼んでおいたDVD『レディホーク』が届く。これは僕の大好きな映画のひとつだ。ベストテンではないが…ベストファイブです。あ、5は10に含まれるのであり誤用であるな。センチメンタルと言わば言え。どっからでもかかって来やがれ。
 ところで、パッケージに貼ってあるシールなんだけど「今、話題のファンタジー大作”ロード・オブ・ザ・リング””ハリー・ポッター”の元祖!」なぁんてアオリ文句をつけてくれるなよ。どっちともまるっきり関係ねーやん。こういうテキトー(非適当)な内容で客を釣れると思ってるのかね。よし釣ったとして、満足されると思ってるか?作品の質が違いすぎるだろうが。監督の紹介に「”グーニーズ”と”リーサルウェポン”」を引っ張ってくるのもアレだけど。あと「スペクタクル・ロマン」とか妙な言葉をコサエて貼り付けるな。これは大作系統じゃない、どっちかというと地味めの良作だぞ。
 何がいいって、物語の設定がいい。高貴なレディと守備隊長の恋、そこへ横恋慕するのが慈愛の教えを奉ずる筈の司教。からくもその手を逃れたふたりに、だが悪魔の力を借りた司教の呪いがふりかかる。貴婦人は昼は鷹の姿と化し、騎士は夜を狼の姿で過ごす。常に共に居ながら決して出逢えない…ファンタジーでありつつ非常にアイロニカルで、また泣かせる状況だ。上手いよなぁ。
 で、かれらの前に現れたのが、司教の獄舎(抜け出した者の無いことで名を馳せている)から己の知恵ひとつで脱出してきた、こそ泥の「マウス」君。ファンタジーにありがちな役どころだが、徐々にそれだけじゃあないところを見せてくれるオイシイ役。狂言回しでありつつ語り手をつとめる彼を、マシュー・ブロデリックが好演している。
 役者の話で言うなら、貴婦人イザボーを演じるミシェル・ファイファーは、この作品中の神秘的な美しさが忘れられない。また何を置いても、騎士ナヴァール役のルトガー・ハウアーはいい!『ブレード・ランナー』のレプリカントか『ヒッチャー』の殺人鬼かしか知らん人はぜひ観ろ!群がる敵をガンガン薙ぎ倒す剣戟、黒衣を翻し馬を駆る勇姿、んでもって二連クロスボウで撃つわ殴るわ…あ、いや、そうじゃなくて(ごほん)恋人の変化した鷹に変わらぬ愛を注ぐ様が非常にいじらしいです。この人って実はそういう表情上手いんだよな。『ウォンテッド』とか『ザ・サバイバル』…は、相手が犬だからちょっと違うが。
 いや、だから『ウェドロック』とか『処刑脱獄』とか『ブラインド・フューリー』とか思い出さないように。ああ、なんか結構観てるな僕。地味にファンなのか?<他人に聞くな

7月4日(木) 晴
 例によって病院から連れ帰ったら、30分ほどして猫の様子がおかしくなった。今までフラフラとはいえ4ツ足で歩いていたものが、後足だけでトコトコ…だったらいいんだが(ヒント:よくない)右前足を折った状態で、いわば片ち●ばになっているのだ。すぐにつかまえて調べてみたが、べつだん痛いワケではないらしい。腫れてもいないし、鬱血もしてない。となると、却って始末の悪い状況が考えられるなぁ。神経または脳の付近、或いはそのものに転移してる可能性が。となると、もうマジで救いようがないというか、タイムリミットが目前という状況だ。
 しかし、とやかく考えていても始まらない。この撤収作戦においては、各個撃破をもってよしとするしかないのだ。作戦指揮官の権限をもって、これを「行き当たりばったり作戦」と命名するものである!
 ……待て「ばったり」はマズいか?

 気が滅入ることを考えていても始まらんので、ちょいと買い物。新しいグラフィックカードをゲットした。GeForce4MX440(64MB)、なかなかのモノであるな。いや〜、別にグラフィックいじるワケじゃないから、現状のマザボ組込み状態でちーとも困らないんだけどね。でも、ほら、アレなんだよな。
 FFXI@窓。
 以前からネットゲーに興味はあったけど、どうもこう、強烈に誘うものがなかったんだよね。でもPS2版でハマった人や、そのキャプチャ画像を見ていたら、ヒジョーに楽しそうなのだ。洋モノと違って敷居も高くないし、これは試してみなくては、でしょう。そうして、来るべき『メタルギア』ネット版に備えるのだ!…って、そんな予定はありませんかそうですか。では『スナッチャー』はどうですか?<しつこい

7月5日(金) 曇時々晴
 猫の病状は予想通り。レントゲンを撮っても異常がまったく見えないところでアウトだ。ただ、血行が悪くなっているようなので血栓の可能性もあり、結論が出ないところ。とりあえずマッサージがわりに全身をグニグニこねまわしてやるとしよう。どうですか〜お客さ〜ん。

 コンビニで昼食を買ったら、トレカのようなパックを1つ取れと言われた。スターウォーズのカードや景品の引換券が入っているらしい。ちなみに当たったのはカップ麺。カードは…ううう、言いたくありませんがダース・シディアス(皇帝陛下)でした。裏面はドゥークー伯。ま、まぁいいか、クリストファー・リー好きだし。80を目前にしてサルマン様とか悪役三昧なジジイ、カッコ良すぎである。しかし『ロード・オブ・ザ・リング』もそうだけど、この爺様に属する系統ばかり引いてるんですが僕。もしかして、恋?<変。

7月7日(日) 雨のち曇
 海を隔てた本土では七夕。こちらではカササギの渡した橋が瞬時に押し流されそうな豪雨だった。一日中それなら却って面白いんだが、動物病院の帰りにちょうどバッティングしたのでムカつく。今朝の『龍騎』で無視されまくっていた浅倉に倣って、ひとりで暴れてやろうか…と思ったが、即効で相方に撃破されそうなので断念。猫を捕まえて、麻痺した肢の回復を試みてみることにした。うーん、八つ当たりの割には生産的じゃないか。おまけに、少々とはいえ効果があったらしく、まともに四つ足で歩き出した。すげぇぜ俺様!
 ちなみに試したのは足浴・マッサージ・温灸のコース。なんかなー、嫌がるヤツにやってやるよか、出来れば僕がやって欲しい気がするんだが。これが本当の猫に本番であるな。<違うよ

 『シルクロードの鬼神 上・下(エリオット・パティスン/著、三川基好/訳、ハヤカワ文庫)』読了。
 前作『頭蓋骨のマントラ』で強制収容所から出た、元捜査官の単。だが中国に戻るべき場所は抹消され、チベットを出ればその瞬間に殺されかねない。そんな立場でありながら、彼は、師匠であり友人であるラマ僧の求めに応じてウイグル自治区に赴く。そこでは親を失った子供たちが殺され、ラマ僧が行方不明になっているというのだが…。
 降りかかるあまたの死、そして謎また謎の間を歩み抜けながら、このストーリーにはミステリとしての要素が薄い。そもそも探偵役の主人公・単にしたところで、超人的なはたらきが出来るわけでもない、どころか数多くの制約に阻まれて証言ひとつ満足に手にできない。どちらかというと、彼はひたすらに見ることを定められ、流れを追ってゆくのみの役どころなのだ。
 では、この話は何かというと…鬼神の話だ。人の心を記憶を、或いはその築き上げたものを拠り所を壊してゆく。全編をそのおぞましい所業に塗り固められた物語だ。そう、インド神話のジャガーノートのように、人々を踏み潰し喰らい尽くしてゆく悪鬼の。けれど、その影を生んでいるのはどこまでいっても人の所業、己もいずれ朽ちて砂に還る、矮小な存在の成したことに過ぎない。読み了えた時に残るのは、だからただひたすらな寂寥感のみ。一見勧善懲悪とみえる結末に至って爽快感は無くなお物語は終わらず、顔を覆って泣き叫びたいような、拳を振り上げ喚きだしたいような遣る瀬無い気持ちにさせられる。特に、最後に一人の女性が語る言葉には言うべきことさえ無くなってしまう。彼女をそこへ拉し去った思想は、決してそんなことを思って作られたものではなかろうにと。
 もちろん、この物語に書かれた全てが真実とは、僕には言えない。僕が知っているのは、チベットに立ち入るには中国政府の承認が要るという事だけだからだ。その他のことは、全て何らかのメディアを通じて伝え聞くことばかり、声を上げて告発する拠り所は無い。けれど、人はその歴史の中で常に同様のことを繰り返してきた。この物語の書かれた国でさえ、そしてこれを読む僕らのいる国でさえ。今、そしてこれから先に繰り返さないために、止めるために何か出来るのなら、その瞬間には迷わずにいたいと願うのみである。

7月10日(水) 晴のち雨
 南のほうから台風が迫っている。しかも、6・7・8号が連続して北上中だという。さながらジェットストリームアタックである。しかも超のつく巨大サイズ。誰か踏み台にしてみてくれ。マクロスとか。イデオンとか。
 とはいえここは北海道、直撃する筈もなく(まぁ、通常は)しかも朝のうちは晴れていたので自転車で出勤。イソップ寓話なんざぁ真面目に聞いてられっかヨ!と3歳ぐらいで思ってたヤツは、こういう大人になるのだ。行き当たりばったりズムつーやつですな。
 で、さらに主義をアピール(誰に)すべく、病猫に痛めつけられた財布をもって会社近くのコンビニへ。食玩の『仮面ライダーメモリアル』を2個買う。モノはもちろん死神博士とイカデビルだ。幼心にファンだったんだよ文句あるか。その後もどうせ悪役ばっか好きになってるよ。フェイバリットキャラはハカイダーだよ。『ロード・オブ・ザ・リング』も『スターウォーズ』もカード引くと悪役オンリーだよ。イーーーーッ!とか心のうちに叫びつつ、仕事机の上に並べてみた。女性社員から総スカンを食ったのは言うまでもない。
 今観ても、ダンディでカッコイイと思うんだけどな、博士。
 (↑イカが悪いという発想は無い)

 午後になって、今度は『タイムスリップグリコ』の第二弾を購入。片方は僕としてはハズレの鉄人だったが、もう一方がニコンF。しかも望遠(ミラー)レンズつきタイプ。レンズの付け替えもできて素晴らしくナイスな出来栄えである。これは頑張ってストロボつきも揃えなくては!と心中ひそかに握り拳してたら、同僚がやってきて、彼のハズレであるところの鉄人と「給食」をくれた。この後者がまた、スゲェんである。ほぼ6分の1サイズで、トレイ・皿・カップ(スープと牛乳各1)に、コッペパン・鯨の竜田揚げ・ジャムのパック・ミカン(冷凍か?)が揃っている。質感も素晴らしく、ちょっとボカして写真を撮ったら本物に見えそうだ。ねこま愛玩のジェニーあたりと並べてみようかな?ビンボくさいと嫌がられるかもしれないが。
 ただ、これをくれた同僚が「金属の食器なんかあったんですねぇ」と言ったのに少々ムカつく。僕ぁ金属器しか知らない最後の世代だよ畜生。牛乳だって三角パックまでで卒業しちまったよ。フンだ。

 帰途、久しぶりに書店パトロール。『ぼのぼの』が文庫化していたのに少々ビックリ。なんでもまた映画化だそうで、そのタイアップもかねてのことだろう。シンプルな表紙、映画のCGキャラのボックスなどは好ましい。ただ、オリジナルサイズで持ってるんだよなこれ。んで10何巻かでつまんなくなって止めたんだ。なんつーか、作者が「毒気を巧みに隠してウケ線狙い」してた筈が、「毒気を無くしてただのウケ線」みたいになっちゃったのがつまらなくて。話自体も面白くなくなったしね。
 他にもさしたる出物はなかったが、いささかグッズ狙いの意味もこめて、新潮文庫の100冊からも2冊ピックアップ。今回の「Yonda?」ストラップ可愛いんだよ〜!って『海ちゃん(岩合光昭/著)』って持ってたような気もするんだが、ま、いいか。あとはねこま所望のトリイ・ヘイデン他数冊を購入。
 残るは週末『日本の天然記念物』待ちだな。次はカモシカ、その次は待望のカエルだ!<って来週だろうが

7月12日(金) 曇時々雨
 猫が死んだ。
 もとより老齢のうえ助からない病気ではあったが、昨夜、薬を飲ませた途端に咳き込みだし、口で呼吸をし始めたあたりから「ああ、ヤバい」としか思えない雰囲気になった。
 今朝になって相方が病院に連れていき、肺の水を抜いてもらって酸素テントで抗癌剤と栄養剤その他の点滴をうけた。しかし容態は回復せず、夕方、迎えにいこうとしていた僕の携帯に、医師から電話が入った。
 「予定の時間より、少し早めに来ていただけますか」
 あまり言葉を巧みに操らない若い医師は、状況が良くないことを告げた。病院に着いてすぐ、酸素テントの前で同様の事が繰り返される。この猫の気質では、このまま病院に置いてもストレスがかかるばかりであろうことを知っている医師としては、最悪の状況を想定したうえで「連れて帰ってやったほうが」と判断したという。ただ、悪化しきった状態であることで「ストレスがかかるとそれだけでダメかもしれない」と付け加える。
 たしかに、猫はもう僕の声にも反応せず、視線を合わせようとしてもこちらを見ていなかった。こんな有様ではもう駄目だと、それなりに動物を飼った経験からも分かる。
 連れ帰った後も、猫は何の反応もなくケージの中に横たわっていた。他の猫が嗅ぎにきても見ることさえしない。肺の状態からみて、真っ直ぐにうずくまった方が楽なはずなのだが、もうそれも出来ないらしい。
 いくらか姿勢を良くして支えてやろうと、抱き上げ膝に抱える。と、猫は暴れ、腕から抜け出た。畳の上に敷いたタオルの上で、いったんうずくまり、また横倒しになる。それも束の間、飛び起きて畳の部屋から板の間へ駆け出した。そこでばたんと倒れる。奇妙な声を上げて肢を突っ張る。その時になって、失禁しているのに気付いた。
 毛玉を吐く時でさえ、板の間へ駆けて行く猫だった。
 またふらふらと立ち上がり、倒れる。小さい頭が床に当たる音がした。もう鳴き声にもならない声が、二度ばかりあがった。
 もう一度、抱き上げた僕に、今度は猫は抗わなかった。何度か息をしようと喘いでいたが、そのうちそれも止まった。
 白猫、名前は姫。16歳だった。

 体を拭いてタオルにくるみ、ダンボールに入れた。抱き上げずにおけばよかったかと悔やみながら、明日どこかに埋めてやろうと、もう計画している僕がいる。

7月13日(土) 晴
 庭に穴を掘り、タオルにくるんだ猫を埋めた。墓標というでもないが、ラベンダーの苗を数本買って植える。いつになるか知らないが、僕の時も、とっとと野に還るこういう方法であってほしいものだ。…ま、日本の埋葬法じゃ無理か。今のうちにゾロアスター教に改宗してインドにでも渡るべかな。

 『ローマ人の物語 ハンニバル戦記 上中下(塩野七生/著、新潮文庫)』読了。叙述というか「見てきたように語られる」のオモシロさは只事ではない。紡がれてゆく歴史が眼前に息づくが如き描写の妙に、ページを繰るごとに清新な風に当たるような目覚ましい気分が味わえる。んで加速しちまって止め処がなくなって、はっと気付くと兵糧切れ、はらぺこでばたんきゅー♪だったりするんだなこのお茶目さん!<誰が
 斯道に浅いとはいえ、他にも戦史モノは読んでるから、結果論の歴史を教えられて育った者ゆえの新境地のヨロコビではないと思うのだ。実際、鳥居強衛門みたいな自己犠牲の物語もあるし、天才ハンニバルの繰り出す戦術とそれに乗って駆ける軍団の描写を見るに、義経の鵯越えとか信長の桶狭間とかを彷彿とさせられたりするもの。となれば、やっぱこれは語(騙)り部の上手さによるものだろう。
 しかし、だからといって、事実を蔑ろにして面白おかしく語ってばかりいるわけではない。複数の資料を対照し数字を並べて状況を描き出してゆく過程は、緻密な証明を行うにも似ている。でもって、こういう裏打ちがあってこそ話が面白くなるわけで、以下ふりだしに戻ると。
 ところで、これ読んでて意外に思ったことが2点ある。まずは当時の寿命。長かったんだなぁ。市民のトップに立つとはいえ、自身も戦場を駆け回った執政官が70とか80まで生きてるんだよ?古代に属する話だからって侮ってはいかんですな。
 あと、象と一緒にアルプス越えた時のハンニバルが「血気盛んな若者」だったてぇのは知らなかった。カルタゴの末路を知ってるからか「大国ローマに圧倒された小国の老練な将軍が、起死回生の秘策として」やった事かと脳内で決めこんでたんだよな。つか、そもそもカルタゴが小国だと思い込んだあたりでダメなんだが。これはやはり「結果論の歴史」に染まって生きてきたせいなのかな。反省しつつ、さらにあっちこっちへ触手を伸ばし読みまくらねばな、本業をサボってでも!<いいのかソレで

7月14日(日) 曇のち雨
 『君ハ僕ノモノ(メアリ・H・クラーク/著、宇佐川晶子/訳、新潮文庫)』読了。
 オールディーズ・ナンバーに題を採った作品としては『見ないふりして』に続くもの。例によって魅力的なヒロインが事件に巻き込まれ、また例によってイイ男が現れてハーレクイン手前をウロウロ…なんだが、今回のはそのシチュエーション自体をサスペンスとして活かしているのが面白い。犯罪を糊塗するために(そして更に続けるために!)逡巡なく人を殺しまくる男が、その「イイ男」たちの中にいるのだ。そして、確実に彼女に近付いてくる…!
 しかも今回、ヒロインの幸福も一点の翳りないものではなく、そっちのドラマもなかなか読ませる。両親は父親の浮気により離婚、再婚相手の性格は決してよろしくない。母親はその痛手から立ち直りきれず、時折ヒロインによりかかる。姉はかつて彼女の恋人を奪って亭主にし、死別してまた同じ事をもくろみ始め…というお荷物がどう展開するか。で、唯一順調なのは仕事だが、それもこの事件に関わることで影響を受けずにはいられない。「安心して読めるサスペンス」ではあるけれど、そこそこ以上のハラハラ感は味わえる。けだしお買い得であろう。
 続いて『幻獣の國物語 10(猫十字社/著、朝日ソノラマ)』。
 世界大戦を前に暗雲たちこめる世界をよそに、ラブコメモード全開の主人公…でいられればよかったんだが、また不穏な世界へ身を投ぜざるを得なくなる。あらぬほうへ妄想まみれに暴走している「三人目」の差し金もあって、行く手はいよよ暗くなるばかり。しかし、彼女自身はいっこうにそれに染まらず、元気におのが道を歩み始める。また彼女をとりまく仲間もしかり。信ずべきものを手に入れ一段成長した姿は実に好もしい。久しぶりに、読んでいて楽しい巻だった。まぁ敵方で果敢に生きている姫とか実は好漢でもある(稀有壮大なバカでもある)その亭主とかってのも良かったし。良いところがないのはアトレイデス一人である。気の毒が生きてるみたいなんだが、しっかりせいよオッサン。<失礼

 とか読み物と語らって朝を過ごしていたら、雨が降り出して外出しそこねてしまった。近在の神社の祭に行こうと思ってたのだが、無念である。「ジャパニーズ・ジャンクフードとビールの夕べ」は、別な社の秋祭りに持ち越しであるな。
 雑作業を片付け、録画しといた『ハリケンジャー』『龍騎』観て一日を終える。よって件のごとし。いや、人面牛身の妖怪じゃなくて!

7月17日(水) 曇時々雨
 仕事が早く片付いたので、帰宅途上にイエローサブマリンへ。とはいえ札幌のこの店はほぼ3分の2をカードゲームに、残りのさらに3分の2を食玩関連に占拠されており、僕の求める模型関係は非常に乏しい。でも「関節技(可動モデルをこさえるのに便利な関節パーツ)」を入手できるのは、僕の知る限りここだけなんだよなぁ。げに模型ビンボーな街、札幌よ。
 とか心中密かに愚痴りつつ棚の間を歩いていたら、「ペンギンズランチ2」のシークレットが出ているのを発見した。成鳥目前、換羽期のキングペンギンである。ぼさぼさになった柔毛が頭部や背中に房のように残る、控えめに言ってもみっともない姿。しかし、その不恰好さが却ってペンギン好きには堪らんモンがある。こういう姿をフィギュアにってチョイスは嬉しい限りだ。
 ただ、幾らレアかは知らないけど、5千円を越える値段がついてたのにはげんなり。つーかよう、これに5千円払うぐらいなら、その分「ペンギンズランチ」買って食うって!ぜって〜その方が得!

 『猫は流れ星を見る(リリアン・J・ブラウン/著、羽田詩津子/訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)』読了。え〜…あ〜…その〜…なんていうか。表現に困るんだよなこういうの。基本的にネタバレなしで感想書くのを信条にしてるので、突っ込みどころがそのスポットにあると厄介だ。ええい、面倒だ。ズバッと言っちゃえズバッと解決!日本じゃあ二番目だ!<何のこっちゃ
 ツマンネーヨ!
 導入部は悪くない。例によって平和なピカックス、クィラランとココ&ヤムヤムを取り巻く人々や日々の暮らしが楽しく読める。そしてすっかりお馴染みになったムースヴィルのキャビンの風景も心なごむものがある。だが例によって謎めいた事件が起き、記者根性から不可分なミスターQは捜査に乗り出し…いいぞいいぞ!と思ったら、途中から俄然面白くなくなった。
 そもそも、肝心なココの行動が、いまいち生彩を欠いているつーかパターン化してる。おまけにミステリとしてもフェアじゃない。発見されたモノの死因や当局の態度について、過去の話なら幾らでも能動的にツッコんでるんじゃないか?それを無視して明かさずにいるのは、ひとえに最後の大騒動を演出するためなんだろうけど、じゃあソイツがどう描かれたかというと、伏線がちっとも生きてない。盛り上がらない。メインをなす事件もついでのように起きてひっそりと片付く。それはクィラランが「彼ら」を遠く見る地元民になったせいなのか?それが描きたかったのか?でも、それってこのシリーズの眼目か?何か違わないか?
 ついでに言うと、ラストの出来事は蛇足を通り越した邪魔。猫の知性(に見えるもの)を愉しむのと、そのテの出来事を事実のように描くのは別モンでしょうが。ひところのポリーおばさんに続いてクィラランの知性・客観性・合理性を信じられなくなったら、このシリーズは価値を失うだろう。つか次回もこのネタで引っ張られたら、さすがに撤退するぞ僕ぁ。勘弁してくれリリアンおばさん。<超失礼

 夜、改造用にと某所に頼んでおいたオビツボディ(女性型)が届く。これが実にいい。部分ごとの形、特に胸と手足が、コミック調とリアル系の中道を行くたおやかな造型で美しいのだ。また手足については、曲げたときの形がちょっと気になるが、ソフビという素材が好ましい。さらに、かなりいろんな部分から分割できるので、当初の目的にはぴったりだ。よし、これでアレを造るぞ!…って何してるかな我が相方よ。
 ねこま「着せ替え〜」
 をを、網タイツとセクスィ下着セットですか!ジェニーサイズのくせに色っぽいのぅ!…じゃなくて。
 ねこま「ナニ?」
 いえ、何でもありません。差し上げますので好きに遊んでください。僕はまた買いますからしくしく。
 ねこま「この体に似合うヘッドも造ってね〜」
 しくしくしく。これがホントの泣き寝入りでございます。おあとが宜しいようでしくしく。

7月21日(日) 曇
 昨日からどうも調子が悪い。なんとなく頭が重くだるく、横になると即効で寝てしまうのに疲れが取れない。これはアレか、夏のお約束ってヤツだな…バカ専用の。洟が垂れてくると尚更バカっぽくなっていっそ爽快でありうぇぇ〜ん。

 泣いていても仕方ないので、ダリの時計のようなぐにゃぐにゃスタンスで『あずまんが大王』『ハリケンジャー』『龍騎』を観る。
 二度目の体育祭の『あずまんが』は相変わらず上出来。今回はテンポがいいし絵も綺麗。バンクもあるが最小限かつ効果的。木村の「マイワイフ」発言とご本人登場が特にツボであった。天使だよなアレは、うん。僕んとこにも降臨してくれんべか。マイワイフ弁当(微妙に間違ってる)付きで。
 『ハリケンジャー』は変な横文字交じり言語を駆使する第三のヒーローが出現。いやぁ、やりますなぁ。ここ数話、過去の特撮モノの面白ファクターぶっこ抜きみたいなゴージャスぶりで堪りませんわ。毎回新たな展開と言っても過言じゃない盛りだくさん、モノホンのお子様にもさぞやウケてるんだろうなぁ。
 『龍騎』は…今回パス。いや、だってよう「疑うことを知らないニュースライター」なんてぇ半ちくな代物を、説得力もへちまも無しに描いておいて、それでまた人死にが出るってのは、なぁ。浅倉の悪さ加減をシビアに描くなら、もっと手の込んだ騙し方をして欲しいもんだ。キャラの関係でドラマを見せるなら、誰一人も薄っぺらにしちゃイカンと思うのだが如何か。

 とこう呟きつつ水槽の掃除をするうち、またぐずぐずと体調が悪化。サンドペーパーのストックとか食玩の整理とかサイトの更新とかが頭の中をぐるぐるするが、体がついてこないのでどうしようも無い。既にダリからカンディンスキーのぽわぽわ状態へ移行しつつある。夕飯を食って就寝。シュールな日曜日であった。明日は印象派(ぼややん)状態で出社するものと思われる。<ダメじゃん

7月22日(月) 曇
 印象派というよりはバルビゾン派の森のような暗い色調の風景の中、でろでろと出社。やる気はまるで無し、不覚悟の塊である。む、待てよ。空も暗いからバルビゾン派じゃね〜やな。それに、この気力不足は太陽電池の枯渇によるものだ、そうに違いない。ならば復旧せずとも仕方ないのう、よっしゃ気合を入れてダレまくるぜ!と、大いに間違った覚悟を決めたものの、仕事はそれを許してくれるものではない。かくて今週もまた慌しく始まったのであるよとほほ。

 とほほな事態は帰宅しても終わらず、先日買ったグラフィックカードがどうにもこうにも適合してくれない。時おり気まぐれのようにマトモに映るのだが、大概は画面がぐじゃぐじゃという体たらく。接続不良のようなんだが、ワッシャをかましても安定しないのでは使用に耐えるものではない。しょうがない、また新しいのを買うか…と外したら、今度はハードディスクのメインドライブがイカれた。こないだから異音がしてたとはいえ、選りによってこの時に、なぁ。泣けるぜチクショー!
 デュアルブートの有難味をかみしめつつ、せっせとバックアップ。新環境を整えるまでしばらくは、古いノーパソでテキストベースの暮らしをすることになりそうだ。PC石器時代って感じっすか?ふたたびプリミティヴ・アートの世界っすか?<どこにアートが

 夜に入って、これも先日注文しておいたオビツ・ボディが届く。1体目はねこまに召し上げられたので、改造用と予備とで3体求めたのである。何故か余分に2体入ってるが、まぁ気にしないでおこう。その分のヘッドを作らされるという悪寒もとい予感もするが、無視無視。
 ちなみにこないだのは、以前ペイントしてやったヘッドをつけてセクシーおねーさんと化した。衣装もさりながら、ポーズをちょっといじるだけで「飾り窓の女」みたいになっちゃうのは女の本性が映されたようで怖いのう…ってな上っつら読みはさておき、僕の予定だと改造後は下半身が2つ余るのだが、いらんか我が相方よ?
 ねこま「いりませんヌ」
 しょうがねぇな。じゃあ2つ組み合わせて『サイレントヒル』のモンスターでも造るか?
 ねこま「そんなモン、シオンと同じ棚に載せたら殺すよ?」
 殺されるそうである。げに石器時代の女は…いや何でもありません。ありませんてばよ!

7月23日(火) 曇
 ハードディスク購入。40GB程度を想定していたのだが、折りよく出物があったので60GB。いや〜、いい時代になったもんだ。僕の使い方からすると、60畳ぐらいの大広間(寺の本堂か?)に寝袋で寝るようなことになると思うけど。
 しかし「大容量だ〜 ♥ 」などと浮かれつつ組み込んだはいいが、FDISKに時間がかかるかかる。60畳敷をひとりで雑巾がけするようなモンですな。で、延々と黒画面を眺めつづけ、いい加減飽きたところでサブOSであるMeを入れドライバを当て直し、やれやれ…と思ったらパッチ当てが多いのなんの。そりゃあ毎回地道に当ててたヤツを一気にやり直したらこうもあろうけど、でもなぁ。
 結局、Me環境を完成したところで力尽きた。明日はメインドライブをセットアップしてアプリを!……までは無理だろうな。俺の占いは当たる。<なぜ龍騎ネタ

7月24日(水) 曇時々雨
 昨日に続き、今日もせっせと環境構築。今日はOSだけだから…と思っていたが、案の定パッチが山ほどある。しかもセキュリティがらみのアップデートだから、1つ入れるたびにリスタートだ。イライラどころではない、なんかもうどーでもいいやっつーか、パソコンなんか止めちまえっつーか、子供はお外で元気に遊びなさいねっつーか。いや、こんな時間にお外で元気に遊んでる子供がいたら深刻に嫌ですが23時。
 古ノーパソでWebのチェックのみ済ませ、今日も寝る。明日はせめてメールを復旧させたいなぁ。もう職場で書くのは…いや何でもありません大統領。<ダレ

7月25日(木) 曇のち晴
 コンビニで「ペンギンズランチ」を数個買う。やはりシークレットが出ない。他のはザワザワ増えまくってるのになぁ…と溜息しつつ、気まぐれに「FFクリーチャーズ Vol.2」と「チョコボール」を求めて引き上げる。前者はリッチ。その昔、『ドラゴンハーフ』で新和のツッコミを恐れた作者が「リッチちゃん(ちゃんまでで名前)」とか言ってたヤツ。あ、『バスタード!』でも「リッチー」とか言ってたな「ビホルダー」問題の後で。そういえばクレーム元の新和って今何やってんだかね〜。プロはまだしもアマチュア(非エロ)にまでチェック入れる、コナミの数層倍スゲェ会社だったが、検索した限りじゃ見当たらない……いや、そうじゃなくて。
 フィギュアの出来はすこぶる良い。とにかく造型が凄まじい。グロテスクと妖美の同居ってのをこのサイズで形にするってのは凄いやね。塗りも悪くないし、置物として1/6ドールの机に飾ってやれるグレードだ。相方が殺しにこなければだが。できればあと「ブラスカ究極召喚」「アニマ」のパパママセットが欲しいな。え?セットじゃない?つかネタバレっすか。
 で、フィギュア眺めつつチョコボール食ってたら、銀のエンゼルがついてるじゃないか。うわぁ!初めて出したよ!と驚きつつ、こんなとこで運ポイントを消費してないでサマージャンボでも買うべきだったなぁと悔やんでいるRPGボケな昼下がりであった。<会社かよ!

 帰宅後、なんとかネット環境とメーラの復旧まで完了。あとのアプリは都度入れていくとしよう。なんかこう、非常にグッタリな一週間であったな。ってまだ終わってませんな畜生。明日も仕事だ!

7月27日(土) 晴
 久しぶりに気分のいい天気の休日。よし、今日は工作三昧だ!…と思ったが、その前に荒みきった居住環境をどうにかせんと、けつまづいてパテとかシンナーとかに塗れる羽目になりかねん。身を固めるってぇゆかしき言葉があるけれど、こんなモンで固めたかぁないやね。まずは掃除と洗濯にいそしむことに。
 で、昼を回る頃には、掃き清めた部屋に洗濯物を干した下でゴロ寝をきめこんでいた。窓から入る風が冷やされ、かつ適度な湿気を伴ってきて素晴らしく快適なんである。うう、動く気せんわ。本だ本。
 まずは『雨柳堂夢咄 其ノ九(波津彬子/著、朝日ソノラマ)』。
 発売を待ちかねていた続編。旧いものに棲むもの達の情感溢れる物語の傍で、人の因縁はめまぐるしく巡る。間に生きる蓮といつに変わらぬもののけ達の肩入れで、どうにか善きことを聞きたいものだのぅ。いや、この作者様なんで当たり前のように期待してますが。本には今回、波頭センセ…じゃなかった波津氏のオフィシャルサイトの告知も掲載されている。あいにくリンクフリーじゃないそうなんで、ここでは案内しない。サーチすれ。<何様
 『天上天下(大暮維人/著、ヤングジャンプコミックス)』。
 やっと終わった…って、本編が終わったワケじゃないけれど、やれやれどっこいしょ、な1巻。必要なのは分かってるが、延々と過去話をして、ようやっと現在へ到達するっつーのは、この話向きかなぁ。もちっと長さを加減してくれないと(絵が変わったせいだけじゃなく)主人公を忘れちまうトコだった。まぁ、実のところメインを定めない群像っぽい描き方してるから別に良いんだろうけど、この発刊ペースでそれは痛いわ。せっかく画面が綺麗でアクションがカッコイイんだから、もっとこう、風雲急を告げまくるハイピッチな展開キボンヌ。
 とこうブツクサ言ってるうちに寝てしまい、予定は明日に持ち越し。工具類を整理しつつ日没を眺めるのであった。

7月28日(日) 晴
 すだれ越しの涼しい風に気持ち良く目覚める夏の朝。うおー!ラジオ体操の時間過ぎてるじゃん!どうして起こしてくれなかったのママン!とか寝ぼけて相方にドつかれる中年の朝ですが、まぁ爽快ではあるわな。
 気分がいいので愛車・赤錆丸(ホームセンターで買って4年ばかし乗り回しているMTB。塗装がチャチぃのと手入れが悪いのでフレームが真っ赤っか。走行中にヘシ折れても不思議ではない)にうちまたがり、近在の神社でやってる骨董市へ。こんな気分いい日にチマチマ工作なんかやってられっかヨ!何、昨日と言ってること違う?けっ、そんな昔のこたぁ覚えてねぇぜベラボウめッ!<ボギー江戸っ子風味
 骨董市は月イチでやってるモンで、以前にもちらっと書いたが、骨董というよりは古物(ふるもの)の類である。いっててせいぜい昭和初期ぐらいなモンじゃなかろうか、あからさまに小学校で使われていた椅子とかあるし。でも、屋外に持ち出されて陽を浴びている古道具ってのは、妙に楽しげな表情をしてるように見えて、棚の奥に敷物つきで飾られてる骨董よか好ましいよねぇ。なんかこう、虫干しの風景を思い出すからだろうか。って、そんな実体験ありませんが。
 また、古くないから価値が見出せないってものでもなくて、なかなか物欲をそそるものも多い。鬼面の形の杯(内側お多福)とか、小動物の根付とか、3匹の兎が支える形の五徳とか。後者はねこまがことのほか執心だったので、引き剥がすのに苦心した。可愛いのは認めるが、あれを置いて似合う火鉢となるとそう見当たりはせんだろう。せいぜい手に入って渋い拵えの長火鉢ぐらいか。ンなもん置く場所ねぇやん。鍋敷きや花瓶台にするにゃあ不憫ってもんだしさぁ。
 かくいう僕は医療用の鉗子(コッヘル)を見つけて購入。新品を買うと3000円程度なんで、500円は買い得だろう。まぁ、元は何に使われてたかなんて考える人向きの品物じゃありませんけどね。
 呆れたのは「タイムスリップグリコ(未開封)」を商ってる店があったこと。こんなとこにも食玩の波かヨ!つーかキャラメルつきで売ってて「中古」扱い適用オッケーなのかなぁ。値段も黄色潜水艦を上回るバカ値だったんで、あっさり通過。勉強不足だよ、店主さん。
 陽射しが強まってくると日傘を差したババァオバサマがたが目立ち始めた。これが、どいつもこいつも周囲に全く気を配らない。大勢歩いてるトコで低く構えてウロウロするわ、人の間に屈みこむのに差しっぱなしで引っ掛けるわ。どういう躾を受けたんだかまぁ、親の顔見えるトコへ送ったろうかアァン?とかちょっとダークな気持ちになったところで撤収。まだ大量殺人はやりたくない。<まだ?

 午後、作り置きの餡子を溶かして冷汁粉を作り、白玉団子を入れて食す。オヤツのお供は撮りおきビデオ『あずまんが』『ハリケンジャー』『龍騎』。
 『あずまんが』は「ここから上を切って!」作った帽子の文化祭。大阪の「みんな死んでる」ネタの間の取り方が秀逸。あとはペンギンちよちゃんに尽きる。画面の中の人物たち同様、何故か頬赤らめて見入るしかない。あうう可愛いなぁもう!また、原作には無いが、この二人が校内を歩くエピソードが(パターンの繰り返しなんだけど)良い。基本的にこのシリーズの脚本、オリジナルが悪くないんだよね。いつぞやの「縄跳び」の話なんか、結構じ〜んとさせられたもの。話の数も残すところ少なくなってきたことだし、また上手に料理して欲しいもんである。あ、もちろん絵のグレードは維持してね。
 『ハリケンジャー』は、先回登場のシュリケンジャーがまたも活躍。正体はへっぽこ(死語)探偵とみせて、実は変装の達人つーのはバレるタイミングも合わせてオイシイ奴。これからもまた変な人物で登場してくれるのだろうな、楽しみである。あと、裃みたいなデザインのプロテクターが実はウェイトで、それを外すとパワーアップ&べらんめぇ口調ってのも笑った。時代劇の定番テイストを特撮にうまいことミクスチャーして、テンポ良く展開してるのは見事。基本に忠実&サービス良好な名作のヨカーン。<2ちゃん言葉はよせ
 『龍騎』は、先週の令子さんの大ポカを蓮の一言で片付けた…が、彼女がなお浅倉にこだわる過程でそこらも明かされ彼女なりの「戦い」になるのかな、と思いたいトコロ。いや〜、そうでも思わないとやってられませんぜこのキャラは。演じる女優さんが一向に上手くならないせいもあるんだけど、幾らでもオイシくできる筈の役どころがちーとも生きてない。迷いながら自分なりの真実へ向かうって過程は去年のアギト(主に警察の面々)から継承された基本コンセプトみたいだけど、彼女の場合迷走し上滑りしまくってるだけだからなぁ。
 対して主人公はいい。「人を変える」と思い込みで動いて無残な失敗を目にし、それでも今度は北岡を…という物言いに「また?」と思わせておいて、「もう他に考えられない」という苦悩を見せる。で、行った先でいいように使われるコミカルな展開となり、挙句ヤクザに殴られて、それでも相手をモンスターから助けようと鼻血ティッシュ状態で「自分の戦い」を見つけ直すあたり、げに「等身大のヒーロー」である。
 今回はバトルシーンがひさびさのコミカル路線。ボケツッコミが見事に生きるスーツアクターと役者(アフレコ)の演技に花丸つけてフラビージョ様の真似〜。<やめぃ

 そういうワケで、今日はほとんど作業をしなかった。やったことといえば、ねこまが新しく取寄せたジェニーちゃんの首を引っこ抜いてオビツボディに換装したぐらいである。何?抜いた言うな?換装言うな?じゃあ装着へんし(撲殺)

7月31日(水) 曇時々雨
 晴天続きの夏らしい陽気に、ちょいとお湿り…といいたいところだが、気温が上がってむわ〜と暑い。チャリで通勤できないので、冷房の効いた建物伝いに交通機関へ移動。む、こんなところにゲーセンが!(以前からある)おう、プライズものが多いじゃないか!(以前からそう)ここで挑戦を受けずしてどうしよう!(挑戦されてない)とか、『カリオストロの城』のとっつぁん宜しくそらぞらしいセリフを並べて突入。
 まずは相方の大好きな『どこでもいっしょ』のドリンクサーバー。しかし掴み所のないブツなんで、即効で敗退。続いて『あずまんが』のストラップにチャレンジするも以下同文。ゲンが悪いので引き上げるか?と思ったところで、『龍騎』の二頭身キーホルダーを見つけた。コインいっこ入れてゾルダをゲット。おう、よく出来てるじゃないか!カード状のパーツを差し込むとバイザー部分が光るってのも笑えるし。
 機嫌を直して今度はロフトへ流れていき、バービーのモンローバージョンに出くわす。よく出来てるんだコレがまた!しかも特価!買え!と言わんばかり!しかし、この一線を越えてしまうと、おそらくもう後戻りはできずコレクター道へまっしぐらであろう。皇国の攻防この一線にあり。なんかこの前奇妙愛博士も似たような葛藤してたような。先達の顰に倣うが日本のゆかしき伝統でありとも言うわけで、ここは撤収ということに。捲土重来、いずれ…って、再帰を誓ってどうするのだ>僕

 今日は「グリコマンとビスコ君」という食玩も発見。キャラクターのキューブリックにキャラメルとビスコがついているというものだが、そのキャラたるや「一粒300メートル」のアレ。写植にもあるマルベル堂的にっこり顔が何か怖かったりする。僕が引いたのは宇宙服姿だったんだが、バイザーの中にはしっかりあのホホエミが浮かんでいるのであった。ひょえ〜。
 ビスコ君はプレイモビルみたいな可愛らしさがあるんだけど、これはちょっとヤダなぁ。関節が球体を仕込んでユニバーサルジョイント風なので、いずれ何かにリメイクしてやるとしよう。迷わず成仏してくれぃ。


翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]