店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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2月1日(木) 大雪
 朝から晩までず〜〜〜〜〜〜〜っと雪。雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪。眺めていると降り込められた幼い日を思い出し、つのる手持ち無沙汰感についつい箱庭諸島へ目が向いてしまう・・・・て、だ〜か〜ら〜、仕事サボってる言い訳とか指摘しないように。黙って見守るのがオトナってモンでしょうが<そうなの?
 通販サイトへ『Shadow of Memories』を買いに行き、『サイレントヒル』の体験版はついてないと知る。映像集だった。が〜〜〜ん。でもいいや、本体の方が気に入ってるんだし・・・・と思ったら以前に買った時のパスワードを忘れていた。再起を誓ってとりあえず退却。また箱庭へ行ってハリボテ建てなくちゃ。<どこへ退却するやら

2月3日(土) 晴
 バレンタイン限定版チョコエッグを求めてパルコへ。人込み嫌いの行列嫌いとしては「1日800個じゃど〜せ買えないべ」と最初から投げモードで、それでも開店30分前に着いた・・・・の・・・・だが。
 並んでますよオイ。既に80人
 (「おひとり様10個まで」という、オイルショック世代には懐かしい売り方なのだよ、うむ)
 ちょっと意外だったのは、階段を埋めて並んでいる人々の中に、イマドキ風な可愛いお嬢さんが幾人も見受けられたこと。1月30日の予想は外れで、エッガーな濃い兄貴たちにも可愛い彼女がいるということなのだろうか?それとも
 1.チョコエッグ人気は既に一般婦女子を制圧している
 2.マニアっ娘もイマドキはぷりちーである
 3.可愛い娘さんに見えるが、実は濃い兄貴たちの変装である
 ひゅうぅぅぅぅ。・・・・寒い考えになってしまった。即座にUターンして書店へ。
 『ナショナル・ジオグラフィック』
 付録が火星の地図とあっては見過ごせない。即ゲット。表紙を飾るコガネムシの記事もすごい。ほんとに黄金色のがいるたぁ思わなかったな。E・A・ポーのアレってあながち嘘じゃないかもしれんて。
 『プラネテス(幸村誠/著、講談社)』
 上のような動機でナショジオ買う人間が気に入らないワケがない。宇宙を夢や観念の世界として気宇壮大なスケールで描くのでなく、居住困難ながら生活する場として見せる「個人」の物語・・・・ちょ〜好みである。マイベストゲーの1つ『ポリスノーツ』で語られた放射線や宇宙病問題がゴロゴロ出てくるってのも気に入った理由のひとつじゃあるけどさ、とにかくイイわコレ。コミックス1冊の中で絵が急速に綺麗になってる過程も楽しめるしな。欲を言えばまだ「この人の絵」って強烈な個性は無いけれど。
 『超少女明日香 聖痕編2(和田慎二/著、メディアファクトリー)』
 新味が無いと批判する向きもあるだろうが、いつもながらの展開&明日香の活躍がファンには嬉しい。特に普段着モード!本筋のほうは悪人が過激にSMっぽくなって、お色気シーンも追加になってますが。よっ青年誌!明日香のセーラー服のヒミツも拝めてお買い得!<違うだろう
 彼女の「実は私・・・・」あたり強引な気もするけど、こちとら『熊さんの四季』からのファンなんである。お付き合いお付き合い。ところで『ラムちゃんの戦争』また描いてくれんかなぁ。もちろん「ガバ」再登場で。

 ザラメみたいな雪を踏みしめ、時計台にほど近い手芸用品店へ。模型野郎には実は専門店よりも宝の山だったりするんだよね、とか思いつつ樹脂粘土や人形用の小道具などコマコマと買う。こういう時いらんモノまで買ってしまうのが畜生の浅ましさ。ん?間違ってるような合ってるような。
 さらに足を伸ばして家電店やら喫茶店やらハシゴしてる間に、ダチョウの卵で作ったお菓子を売ってるのに出くわした。クッキーやマドレーヌの類で、なかなか美味そうである。しかし僕が目を引かれたのは、やっぱ卵そのものだった。
 う〜んデカい。動物園やなんかの標本では拝むけど、間近で、しかもでっかいカゴに山盛りになってると迫力があるよなぁ。いっぺん目玉焼きにしてみたいと、誰しもそう思うのじゃなかろうか。いや別にゆで卵でもいいけどさ。
 とは思ったものの、本気で中身入りにチャレンジするには相方のお許しが必要である。今日のところは諦めることにし、代わりに殻を購入。これに模型とか人形とかチョコエッグを飾るとなかなか楽しいのじゃなかろうか。
 とりあえず、まずはこんなトコで。卵に始まり卵に終わった1日であった。

2月10日(土) 晴時々雪
 『神と悪魔の遺産(F・P・ウィルスン/著、大瀧啓裕/訳、扶桑社ミステリー)上・下』読了。
 読み始めてすぐ短編『人生の一日』を思い出したおかげで、主人公ジャックの仕事と生活にすんなり没入。悪いヤツには容赦しないどころか目を覆うばかりの暴力をもって報いる「始末屋」仕事、見ていて実に爽快である(ときどき本人ともども「これでいいのか?」とか思ったりもするあたりがさらにシンパシィをかもし出す)。序盤のクリスマス・プレゼント奪回あたりからワクワクしっぱなしで、ラストまで一気に走ってしまった。とはいえ今週中忙しかったモンで、通勤途上で切れ切れにしか読めなかったのが悔しい。いずれ時間をこさえて一気読みを楽しんでやろう。
 あえて気になったことといえば、ものの名前や言葉遣いのいくつかがちょっとした違和感をかもし出すことだ。たとえば「ベイガル」って・・・・発音上は正しいのかもしれないけど、パン屋で売ってるのは「ベイグル」で一般に馴染んでるのじゃなかろうか。細かいことだけど、スピード感が大事な作品にはこういう「ひっかかる」点は嬉しくないと思うのだが、いかがなものであろうか。

2月11日(日) 晴
 ねこまと散歩。ついでに久々にレンタルビデオを借りてくる。
 『アンドリューNDR114』
 故・アシモフ翁の、しかも大好きな作品の映画化。なので観に行く勇気が出ないまま劇場公開を逃してしまっていた。
 結論。悪くは無いけど劇場で観なくて正解。
 前半はいい。とても良い。特にサー役のサム・ニールを中心にした家庭の醸し出す雰囲気が心地よく、作品に入り込みやすい。リトル・ミスが少女時代も成人してからも、ピンナップ・ガール的な美女でないのも気に入った。
 だが後半、なんでああいう展開にするかな〜?ナニが何でもセックスを絡めなくてはならない理由があるんだろうか?分かりやすいかもしれないが、だったら別に同じ女優でやる必要は無いだろう。おかげで、どうしても彼が彼女をリトル・ミスの代用品にしてるようにしか見えない。なんか消化不良な感触が残ってしまう。キャラの整理と話の刈り込みが上手く、小道具も綺麗に作ってあるだけに残念である。
 『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』
 あまり謎が謎になってない。つーか手がかりもミスディレクションも品不足である。ラスト近くのシーンなんか無理がありすぎ。タイミングで下手すりゃ犯人の利になってるぞ?それでも話の流れキャラの動きはしっかりしていて、前作よりは面白かった。まぁこの場合、犯人探しは二の次だものな。蘭以外は全員みさかい無しに疑う「コナン君」の純愛ぶりを中心に、どのキャラもきっちり描かれていて、ファンサービスとしては90点だろう。それにしてもシリーズ最終回はどうするつもりなのかね。今から興味深いところだ。

 早川書房から『イティハーサ』ボックスが届く。側面を飾る銀角神・鬼幽の御姿にただただうっとり。尊像など創って崇め奉ってしまいそうだ。
 それにしても、こういうサービスを実施してくれるというのは嬉しい。シリーズものをコツコツ買って愛読し、やっと完結した時に美しい箱入りセットを店頭で見るというのは結構悔しいものなのだ。宗像教授なんかいい例だ。ちくしょ〜!何とかしろ〜〜!

2月12日(月) 晴
 「お兄さん」方のニューフェイス(愛奈ちゃんゼロ歳)のためお祝いを買いに行く。ご要望はベビー箪笥。しかし赤子用品専門店には数点しか無く、一般家具でシブい木目のチェストを買って埒を明けた。
 せっかく女の子なんだからミッフィとかの可愛いのにしたかったんだけど、モノが選べないのでは仕方ない。いまどきの住宅事情では赤ん坊専用の家具なんてニーズが無いのだろう。雛人形なんかも官女までしか無いタイプが増えてるし。合理的といえばそれまでなのだが、なんか少し寂しい世界のような気がするなぁ。

 久しぶりにチョコエッグ購入。ねこまが「あれ?今は白いカプセルなの?」などと言うので見たら、ペットのシークレットだった。ラブラドール・レトリーヴァー(ハーネスつき盲導犬)である。出来がいい!熱狂して片端から開けたが、大当たりは1個だった。ま、良かろう。1/80の確率なんだそうだし・・・・と、後はむぐむぐチョコ食いまくる。うぅ甘ぇ。ブラックコーヒーには合うけど、やはり量が多いとツラい。せめてセミスイートにしてくれないかフルタさん。
 で、夕方になって点けたTV(地方局のニュースの小ネタ)にチョコエッグが出てきたので、つい注目。例のパルコの行列とかカップルでコレクションしてる人とかを取り上げていて、微笑ましく観ていたのだが、最後に気になるものが出てきた。
 いわゆるコレクターズ・ショップの風景。ついてる値段がものすごい。数千円とかってのがゴロゴロしている。気になってヤフオクを覗いたら・・・・うげ〜。
 本当にレアな物には万単位の、ものすごい値段がついている。パルコ限定のヒメネズミなんて、希望価格18,000とか書かれているではないか。
 なんじゃこら。
 欠けたものがあれば埋めたいのがコレクターだが、こうもあからさまにソイツを狙った商売気には醒めるものがある。流行り物で一山当てようって商魂の逞しさを通り過ぎてるんじゃなかろうか。今にシリコンコピーしたニセモノとか出てくるのではとか、不快な想像までしてしまった。ああキモチワルイ。

2月13日(月) 晴
 魚関係で調べ物をしていて、ブラックバス絡みのサイトに出くわす。興味本位であちこちと渡り歩いてみて、こいつは問題なんじゃなかろうかと思い始めた。
 言っておくが環境問題ではない。バスを放流し生態系をブッ壊すことの是非は切り離して、ゲームとしての問題だ。
 どのサイトでも言われているのはブラックバスの大きさ、季節ごとのポイントの分かりやすさ、それに食いつきのよさだ。シカケが難しいともアワセに気を使う必要があるとも書かれてはいない。要は誰にでも釣れてサイズ=手応えが楽しみの魚であるらしい。
 それって、面白いか?
 なにが問題に思えたかって、TVゲームを攻略本とセットで買う子供たちが自然と連想されたのだ。もちろん、詰まった時に開くのではない。最初から本を横目にプレイする。で、当然ながら失敗無しにクリアする・・・・憶測で言ってるのじゃあ無い。相方が玩具屋に勤めていた頃、よく見かけていた光景なのだ。
 失敗無しに好成績を残せるゲーム。敗北感を味わうことがないゲーム。生き物を相手にする点以外はソックリに思える。ついでに言うと繁殖力旺盛なシロモノを、わざわざ輸入して・・・・つまり原産国へ赴いて挑戦する手間を省いた時点で、安直さを上塗りしてる気がするのだが?
 別に教育上どうこうなんてぇ気はない。ただ、それでなくては遊べない人間とは関わりたくないもんだと、それはしみじみ思ったことであったよ、うん。

 ついでに言うと、バスを釣った後の調理方法や味について書かれたサイトが無いのも気になった。どいつもこいつもリリースなのか?てぇことは、ちゃんとカエシの無い針(そんなモノがルアーフィッシングにあるのかは知らんが)を使ってるのか?口がボロボロに裂けた魚が生き腐っていくこと、そいつらが病気を蔓延させることなんか考えもしないのだろう。
 ところで、こういう理由で反バス釣りに傾く人間って、環境保護な方々からはどうなんだろうな?やっぱ魚類を虐待した挙句食う外道として、まとめて放逐だろうか。偏った環境保護論者も、やっぱり面白くない人種には代わりなさそうだもんなぁ。

2月14日(水) 晴
 デジカメ(FinePix500)の付属ツールが遅いのに我慢できず、スマートメディア用リーダ/ライタを探して某-夢へ。コンパクトフラッシュも録再可能な「マッハリーダー2(なんてぇ名前だ)」が殊のほか安かったので購入。コンパクトフラッシュは持ってないけど、ま、邪魔になるもんでも無かろうし。
 で、帰宅後、さっそくセット・・・・してみたが、付属のドライバが入ってくれない。いろいろ手を変えてみても上手く行かぬ。ままよとWin2000標準のを選んだらすんなり認識。うぉ〜!なんだったんだ、このキラキラ光る円盤は!付録のコースターならそう書いておけ!<こらこら

 ヴァレンタイン・デイながら殺人も起きず(起きるかって)そこここから、熱い義理のこもったチョコを戴く。義理でもお情けでもいいや、幸せである。皆様ありがとう!<いいんかホントに
 一緒にプレプレ2(準備号)が届き、チョコ食べながら眺める。・・・・眺めるしかない。プレイアブルが1本も無いのは痛いなぁ。おまけにムービーもデモ用に体裁整えたものが少ない。きれいに構成されている注目作『Z.O.E.』は、片方は好みなのだが、もう一方が以前に目にして「げ〜」と思ったガン●ムまがいだった。アニメとのタイアップ企画だと聞いたが、それならなおのことこの路線は外したほうが良かったんじゃないのかな。少なくとも中心に据えているような見せ方は損にしかならないと思うのだけど。ゲームはやってみてナンボだけど、やる前に他の作品の紛い物みたいな先入観を持たせちゃあ損しそうな気がするんだよね。
 あと『ボクと魔王』『ポポロクロイス3』は相方ねこま期待の作品なのだけど、ムービーが荒削りすぎて心ときめくものが無い。いや、それでもポポロは可愛いけどね。ポリゴンだと聞いたときはどうなるかと思ったけど、意外にハマってるし。そう、SDキングスフィールドってゆ〜か?<言わねぇよ。
 それで思い出したが、ねこまは僕にチョコをくれないままだ。あの〜、催促するワケなんですが、どうなってるんでしょうか?もしかして昨日買ってくれたチョコエッグ(2個)がそうなんですか?どっちもアオバトだったんで、そこそこには嬉しいんですけどね。

2月16日(金) 晴のち雪
 雑誌『怪』購入。10巻目にして表紙に並ぶ執筆陣が目減りし(かつ1,500円と値上がりし)ている。だが妙に分厚い。持ち帰って開いてみて、理由が分かった。京極夏彦が約半分を占領していたのだ。お題は『死神 或いは七人みさき』。そう、昨年TV(つか衛星放送)で映像化したアレと同ネタだ。
 まさか同じに料ってみせやすめェ(なぜ江戸言葉になるかは謎)と思いつつ読み始めたが、懸念はしっかり裏切られた。見事!筋の流れは同じなのに、キャラの配し方動かし方を変えて、まったく違う「妖怪」いや「神」を取り出して見せている。映像を見てようがいまいが、しっかりみっしり楽しめること請け合いでぃ <止せって
 だからって、もちろん映像が劣るという意味ではない。ことこの作品、切り口をまるっきり変えることで、絵を見せるものと文字で想像させるものが各々の特性を活かした良い例だと思う。同じキャラが喋る同じ台詞が全く違う空気の中にあって、それが不自然ではないシーンが幾つも出てくる。いや〜、凄ぇぜベラボウめぃ <もう放っといてやってください
 あと、僕個人としては「死ななくてもいい人間は殺さない」のがとても気に入った。以前にも書いたけど「ここらで盛り上げたろ」っていう「作者の都合」が丸見えでキャラが死ぬ話って嫌いなんだよね。事件の痕を背負って、それでも人々は生きてゆくだろう、そういう先を予見させる幕の引き方って難しいんだろうけど、だからこそ綺麗にキメられてると嬉しいんだよなぁ。
 この作者には珍しい誤植(と思しきもの)が幾つか見える辺りからも、力の入り具合が楽しめた一作だった。とはいえ、この先はどうなるんだろう?引いた伏線を一挙に片付けてる辺り、もしかしてシリーズのフィナーレのつもりなのか?単行本で書き下ろしはないのか?『怪』は次号以降大幅に誌面を刷新するという辺りからも、大いに気になる。つーか不安である。なんつっても角川だしなぁ。ハルキ商売で本の値打ちを下げた出版社だもんなぁ。とりあえず宮部みゆきの復活を期しつつ次を待ってみるとしよう。

2月18日(日) 晴時々雪
 いつもの偏頭痛に唸りながら読書。頭が痛いなら止めとけという意見もあるだろうが、それで止められるなら本の虫は務まらない。務めたくてやってるか否かというのは別としても。
 『私家版(ジャン=ジャック・フィシュテル/著、榊原 晃三/訳、創元推理文庫)』読了。
 「本で人を殺す」もちろんソレで殴るとかページに毒を塗るとか言うのではない。本の存在自体で作者を殺すのだ…というネタの新奇さを押し出して紹介されてはいるが、そういう煽り文句を無視して読んだほうが楽しいと思う。なんせ方法論は、わりと簡単に想像できてしまったからだ。それより動機や手順、揺れ動く犯人の心理(文才は無いのに批評眼と文章力はあるってあたり!!)こそが際立って面白い。そして人を食ったラストも、僕の趣味には実によく合うものだった。げに復讐とは冷たいままでも美味なメインディッシュである。
 で、『復讐の殺人(オットー・ペンズラー/編、田口俊樹ほか/訳、早川書房)』。
 復讐ネタのアンソロジーである。錚々たるというより奇妙な顔ぶれへの期待は裏切られない。エリック・ラストベーダーがミステリを書くなんて、往古のSFファンには思いもつかなかった。それにシェル・シルヴァスタイン!「ぼくを探しに」の作者、大人向けの哲学童話の作者というイメージが木っ端微塵になること請け合いだ。実に軽やかに楽しく、だがどす黒い恐怖を忍ばせた詩文の味わいは最高である。
 他にはジョーン・ヘスとジュディス・ケルマンのヒロインたちのシタタカっぷりがいい。またトマス・H・クック(なんと初短編!)が笑える。いや、笑ってはいけないのかもしれないけど、オチの秀逸さはショート・ショートとしてお値打品であろう。
 残念なのはピーター・ストラウブ。さくさくと読み進める軽快な短編集のお仕舞いに中篇、しかも不愉快系を持ってこられると辛い。作品自体は悪夢にずるずる引き込まれる感の秀作だと思うのだが、ここへ至るまでのリズムが一気に崩れてしまい非常に読みにくかった。これは編者の責任だよなぁ。やめてよねペンズラーおぢさん。<ってをい

2月20日(火) 晴時々雪
 『陽の末裔(市川ジュン/著、集英社)1〜5』読破。
 大正末期から昭和初期の女性蔑視と動乱の中を生きた(架空の)2人の女性を描く大河ドラマ・・・・なんてウワッツラな要約はしちゃいかんよなぁ。時代とともに流れ去る男たちを魅了し自身も愛しながら、なお彼らに引きずられることなく踏み止まり、それぞれの生き方を貫く女たち。肩肘張らず己の形を損なわず、それぞれの個性で状況に立ち向かう姿は実に魅力的だ。特に語り手の卯乃がいい。彼女がいなければこの話、『風と共に去りぬ』の焼き直しになっちゃったかもしれん。
 この話の外伝ともいえる『新編懐古的洋食事情1〜3』も事前に読んでいたのだが、再度読み返すと登場人物の背景がさらに深まる。ああいう末路を迎える人も家族にとってはこんな人だったのね、とか、紆余曲折あった後にこういう立場になったのか、とか。僕の好きな言葉の一つに、池波正太郎の「善人は悪いことができ、悪人は良いことができる」てぇのがあるんだけど、そういう幅というか厚みというかが本編に加えられて、実に味わい深い連作といえよう。
 あと、どっちも装丁がいい。前者は大正・昭和初期の自費出版物ふう、後者は「婦人之友」とかで出しそうなハードカヴァー調。文庫サイズのコミック数あれど、内容との調和という点ではピカイチではなかろ〜か。

2月21日(水) 晴のち曇のち雨・・・・っておい!
 出勤時の地下鉄が外側に缶コーヒー「B○SS(伏字にする意味無し)」の巨大ロゴをちりばめてやって来た。乗り込むと広告スペースも全て「B○SS」で埋め尽くされている。これは・・・・B○SS電ってシャレっすか?
 さて脈絡無しに、今日は『平成ガメラ』シリーズ3作の発売日。しかし給料日前なので指をくわえて・・・・と思ったが、真のブツヨクスト(って何)にはそんなもの抑制にも何にもならんのである。わはははは!恐れ入ったか!
 昼休みにねこまとヨ●バシに赴き買ってもらっちゃいました(おい)全3巻。いや〜フェイバリッツな2巻だけにしとこうかと思ったんだけどね〜初回限定のパッケージ見たら、やっぱ3つ並べなきゃダメだろうと。ダメなのはお前だって話もあるが。
 このシリーズがどれほど凄い「怪獣映画」かってのは僕ごときがあえて語るまでもないのだが、原住民が見てさえリアリズムあふれる札幌の情景、テンポの良いドラマ、謎の解かれる過程の面白さ、そして何よりカッコいい自衛隊というラ構成が堪えられない。従来の怪獣映画ではヘッポコな脇役ばかりしている自衛隊だが、かれらが現実に即したレヴェルで最高の戦いを繰り広げ、なおかつ勝てないという状態であってこそ怪獣が凄まじい脅威として迫ってくる筈なのだ。その点、この映画は最高の「怪獣と人の闘い」を見せてくれると思う。すごいぞガメラ!うぉ〜〜〜燃えてきた!今夜はオールナイトで観てやる!<おいおいおいッ

2月28日(水) 曇時々雨
 職場が異動(つか移動)になり引越しに大汗かいたおかげで風邪をひいたり定期投与を受けている薬のせいでさらにコンディション悪化したりソレなのに柚さん誘って遊び歩いてこじらせて寝込んだりしている間に1週間。今日で2月も終わりである。いやはや、光陰矢のごとしというか去るものは日々に疎しというか。←根本的に誤りアリ
 さて風邪というと、数年前に拗らせて肺炎にして以来、どうも速攻で呼吸器にダメージをくらう傾向がある。あと生来過敏な鼻。胸を患う可憐な乙女は絵になるが、洟を垂らしつつ痰を詰まらせげろげろえずく中年というのは目も当てられない。そこで治療・・・・なんだが、僕のとる作戦としては主に以下のようなのがある。
 1.ヤク漬け作戦
 チベットから輸入した新鮮なヤクとかっていうベタベタなネタは置いておいて、文字どおりに薬漬けになる。鎮痛解熱剤・鼻炎用カプセル・咳止めシロップと症状の変化に応じて飲み続け、合間に栄養剤を飲む。尿の栄養価は高くなり比例して胃はボロボロになるというオマケつき。
 2.アルコール消毒作戦
 予め布団を敷き、風呂を熱く立てつつ酒を飲み、両者共にピークに達したところで入浴。上がったら軽く水気を切って布団に挟む・・・・って、料理じゃないぞワシ。まぁともかくこの状態で就寝し、大汗をかいたら寝巻きを替えてまた寝る。どっちかというと煮沸消毒に近い気もするな。難点としては貧血や脱水症状で倒れる可能性がデカいことだ。あと下戸の人には向かないか。
 3.魔法のお札作戦
 湿布、サ□ンパスの類をツボに貼りまくる。喉や胸が痛ければ同様に貼る。1昼夜そのままにしておく。皮膚が弱いとカブレるし匂いが移って外出が恥ずかしくなるが、間違いなく鼻は通る。
 ・・・・う〜む。こうして見ると、いずれも他人様には薦められないなぁ。おまけにコレで拗らせると間違いなく医者送りだし。つか最初から医者に行けという話かもしれぬ。ま、それは次に風邪をひいた時のお楽しみとゆーコトで。<楽しくねぇよ



翌月へ




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