店主酔言

書籍・映画・その他もろもろ日記

2003.9

 

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

 

 

 

 

[ 以前の日記 ]
2000  9 / 10 / 11 / 12
2001  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12
2002  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12
2003  1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8

[ 銀鰻亭店内へ ]



9月1日(月) 晴

 陽射し強烈な快晴の日。夏らしい夏が来ないまま秋になるはずだったのに、どういうつもりなんだか。誰がかは知りませんけども。

 ビジーの狭間の昼休み、ネットでチャールズ・ブロンソンの訃報を読む。僕らの世代には例の「ん〜んむ。マンダム」CM(大林宣彦監督)で焼き付けられた顔じゃないかと思うけど、僕個人としてはまず『荒野の七人』が思い出されるな。あと、デヴィッド・マッカラムと女房争奪戦(今様に言うなら略奪婚かね)やった、とか。ああ、それにしても、この両ネタとも生存者がほとんど居ませんな。残るは…ナポ・ソロコンビだけか?そうなのか? <未確認
 ともあれ、ワイルドなおっさんよ永遠なれ。テンガロンハットを胸に、黙祷。

 帰宅後、しばし中断していた『サイレントヒル』のエンディングコンプに挑む。本日をもって完了。ちなみに最後になったのは「(+なしの)GOOD」、カウフマンと赤い液体のイベントをこなし、かつソレを手にしながら警官・シビルを殺してしまうという悲劇的な状況。なんだが、話の筋立てと3への連続性から思うに、これが最も相応しい終わり方のような気がする。
 ラストシーン、雪のそぼ降る街灯の下で息を切らせて立ち止まり、おのが腕の中にあるものをしばし眺めてから天を仰ぐハリー。よるべなく、迷いと苦悩に満ちたその姿は、ハッピーエンド至上主義の僕をしてもやはり「絵になる」と思わされるものがある。かくて3のあのシーンへ辿り着くかと思うと、さらにさらに切ないのだけれど。
 あ、UFOのアレは別として、ですが。なにせシリーズ3本を完全に繋いでいるモノとは勝負になりませんて。 <ええんかソレで


9月3日(水) 晴

 仕事に疲れた昼休み、食事を摂りに出た先で幼年誌『てれびくん』を見つけフラフラと購入。全員サービス商品の『仮面ライダー555』ビデオを買おうと目論んでのことだ。なんせ本編が圧倒的なまでに面白くないから、せめてこんなバカネタ(スマートブレインがミュージカルで日本征服?)でも楽しもうと。
 しかし、去年の『龍騎』は本編(特にキャラ立て)がきっちりしてたからこそイケてるパロディだったワケで、今年のアレじゃあなぁ…ま、話のタネってことで。
 で、ついでのことに雑誌本体もざっと眺めてみた。大きな字で、漢字にゃすべてにルビがふられている「本物のお子様モード」を懐かしみつつ、おお『パワーパフガールズ』のポストカード発売かぁなどと素直に楽しんだり。がしかし、イベント情報のコーナーで手が止まった。東映太秦映画村で『仮面ライダー555対宮本武蔵』…ってアンタ、何をどう考えたらこういうネタを思いつくのやら。またコレを見たお子供衆がどんな感想をもつのやら、ぜひ知りたいものである。やっぱ京都まで行かないとダメっすかね!

 『江戸あきない図譜(高橋幹夫/著、ちくま文庫)』読了。『守貞漫稿』を底本に、かの時代の種々多様な商売を列記してあるのだが、これら職業人たちの向こうに利用者たる一般市民の暮らしも透けて見え、非常に奥行きのあるデータベースである。また京阪と江戸の比較も随所にあって、往時の地方色を思うにはもちろん、時代劇などでの粗探しを愉しむには最適なガイドといえよう。うっひっひ。
 この本ではまた、後書きが楽しかった。著者の江戸時代への接近経路が、僕のそれと微妙に重なるんである。まぁ僕の場合は古文書読みに至らずに小説やこうした資料(ある意味翻訳)本に流れてしまったのだけど、同じような道を辿った碩学の著したものと思えば好ましさも一入。いずれ時を経て、また読み返してみたいもんである。

 今日はまた『HEAVEN? -ご苦楽レストラン- 6(佐々木倫子/著、小学館)』と『薔薇の渇き(ホイットリー・ストリーバー/著、山田順子/訳、新潮文庫)』を購入。
 前者は速攻で読了。ん〜、なんつーかその、掴み処無く希薄なまま巻を重ね「ぼよよ〜ん」と終わっちまった印象ですな。印象に残るエピソードも場面も無くて物足りない気分だけが残る。かつて「勝久くんシリーズ」「ペパミント・スパイ」「動物のお医者さん」等などにはあった、1コマが脳裏に焼き付いてしまうほど笑えるネタが無いんだよ。例えばそう「我が子よ…」ってアレとか。見る目が偏りすぎてますか? <もちろんだ
 好きな作者だけに、非常に心残りである。新作に期待をかけて待ってみよう。
 さて『薔薇の〜』。本邦では『ウルフェン』1作きりでUFOに攫われちまった(脳を)作家のヴァンパイア小説。映画『ハンガー』の原作である。何で今ごろ!でも待ってました僕ぁ前作(映画版もコミで)好きなんですブラヴォー!
 もちろんコレの映画版も大好きなんで、さっそくパラパラと導入部へ。うん、雰囲気は良いなぁ。映画でミリアムを演じたド・ヌーヴの鬼気迫る美貌を想起しつつ読んで違和感の無い、ドライと歎美の配分具合がたまらない。
 しかし思い出してみると、この映画の時のド・ヌーヴは地でそのまま「ばけもん」でしたなぁ。もはや壮年に達してあの美貌、ひょっとしてホンマモンだったんではないですか。そんなら是非、一夜の食事にして戴けませんでしょうか? <をい

 そういえば新潮文庫のマスコットYONDA?君は、先ごろデザイン変更したんだが、例によってのポイント式販促品もラインナップを一新。新しいYONDA?君そのものは好みじゃないのだけど、本に読み入る顔のアップはシンプルで良いデザインである。特にモノトーンのブックカバーは好みだ。我が家では必須アイテムでもあることだし、今年度も頑張ってみるか!


9月6日(土) 曇

 夜を徹して寝床の中で『薔薇の渇き(ホイットリー・ストリーバー/著、山田順子/訳、新潮文庫)』を読む。しらじら明けに読了。これがホントの「夜明けのヴァンパイア」ですな!
 って、作中どこにもその名称は使われないし、太古より生き長らえたラミアの娘は、そのカテゴリに加わるような超自然の怪物ではない。彼女は力に勝れ美しく、かつ高い知性をもって人を凌駕するものだが、その身に害を及ぼすのは十字架や聖水や陽光などではなく、火や水あるいは普通の刃物。もちろん繁殖も、同属によって子を成すという、単なる生物に過ぎないのだ。
 ただ、その食料がヒトであるだけの。
 生態系ピラミッドの頂点を自称する人類の天敵というアイディアは、いくつもの創作物で見ることができる。またそれがヒトの社会の中、あるいは非常に近いところに気付かれず棲むというのも、また然り。もとより作者のデビュー作もその一つだ。だが、ソレとヒト双方の立場から邂逅を描き、異なるメンタリティの間の相克と理解を著して成功したものは多くない(『寄生獣』なんかはその点、凄いよなぁ)。この作品でも、残念ながらそれは十全では無いと思う。捕食者ミリアムは、例えば「ある約束」に拘泥するあたり、ヒト以上に「人間的」だからだ。
 ただ、本作で主軸に据えられた愛、異生物とそれに同化した男、ヒトの男女のそれぞれの間で通う感情の描写は、その変化も含めて見入らされるものがある。数百年を閲した愛が瞬く間に憎悪に変わり、精神的にすれ違いながら肉体的に求め合う人間同士の愛が異物に出遭って変容する、その過程が息詰まるような「狩り」の展開と交錯していて読者を引き込んでゆく。映画版を重ね合わせるまでもなく(つーか読んでる間に映画のイメージはどんどん薄れ、結句ベツモノとして確立したのだが)これは実に美しくおぞましく、切なくも厭わしい物語であった。
 巻末の作品リストで作者がUFOに拉致されたのもさのみ長期間でなかったことを知り、満足ひとしおである。嬉しく続編2作の訳を待ちたいものだ。

 とはいえ、生活習慣を大幅に変えた報いは大きく、日中は気だるく眠く頭痛がして、さっぱり動く気力がわかない有り様。吸血鬼に魅入られたというよりはいっそゾンビである。これではいかんと墓穴ならぬ風呂に入って気力充実を図ったが、茹だって出てきてビールを注いだら別な意味で屍になってしまった。ま、いいか、久しぶりにゆっくり休めるんだからここで腐乱しても。<やめれ

 帰宅した相方に腐乱っぷりを発見され、もぞもぞ起きて『ビッグコミックオリジナル』を手に取る。浦沢直樹の月イチ連載『PLUTO』の冒頭だけでも読んでおきたかったのだ。ええと、あと全プレの「ともだち」バッジが欲しいってのもありますけどね、なんたって『地上最大のロボット(鉄腕アトム)』をこの作者がリメイクするってんだもの、読まずにおれようかって。
 一読、一驚。
 まさかゲジヒトを主人公に据えようとは!だってアレだよ、ゲジヒトったら原作ではまっぷたつになっちゃったんじゃなかったっけ?一体ど〜すんだこの先?
 しかし、モンブランの破壊から始まる謎を追うというストーリー構成には、確かにアトム少年よりもロボット刑事Kの先駆けみたいな彼が似合うのは間違いない。しかも、ビジュアルがオリジナルと大いに異なってるあたり、アトムやプルートゥにも相応の変化が望めて期待大だ。
 また、手塚御大の世界観を改めて思い返すという意味でも、この話は面白くなりそうだ。そもそもロボットを知り尽くしたはずの天馬博士がアトムを拒んだ時点でロボットの悲劇性を内包してたと思うのだけど、それでも人とロボットは対等な友人たりえるしロボットの生活もあるのがかの世界だ。決して人を害することは無い完璧な友人、それがロボット…である筈、なのに同一犯によるらしいロボットの破壊と殺人が連続して起きるってのはもう、オリジナルを知ってようが知らなかろうが待つものの暗澹っぷりは想像に難くないじゃあないか。その救いようの無さを、或いはそれでも何処かに残される救済をいかに描くつもりなのか。お手並み拝見、楽しみである。


9月7日(日) 晴

 相方と2人、昼まで寝呆けた挙句に近在の神社の秋祭りへ。折りよく晴れた休日、宵宮の筈が既に参道は屋台と人波で賑わっていた。さっそく昼飯代わりのヤキトリをぱくつきつつ、冷やかしにかかる。
 とはいえ、さすがにこの年齢で、しかも趣味の偏ったコンビには目新しいものはなかなか無い。ビニール製の犬を引いて走る子供を眺めて「かわええのぉ」と、既に好々爺モードになってるあたり、ちょっと気が早い気がせんでもないし。やっぱ祭は夜だよな!と、自転車を駆って買い物に出ることにした。まぁ、その内容が猫の餌だの砂だのだってことを考えると、やっぱり「日向猫・縁側・老人」セットを想起せずにはおけんのだが。

 で、夜に入って再訪。人出は倍ほどに膨れ上がり、人の流れは立ち止まるのも憚られるほどになっている。ビールを買いツマミを求め、木の下闇に佇んで喧騒を眺めるのは毎年ながら楽しい。そういえば熱帯魚を飼いはじめたのも、この祭りで金魚を掬ったのが始まりだっけ、ビニール玩具を持ち帰って猫に瞬殺されたっけなどと回想するも悪くない。あわれ今年の秋も去ぬめり、う〜い。<古典への冒涜

 帰宅後、酔い酔いのまま『サイレントヒル2 最期の詩』をプレイ。以前の『2』は一応クリアしていたんだけど、3から1へ遡って遊んでいたらフルコンプしたくなってしまったのだ。
 とはいえ、これのクリア条件って、イベントやキル数ではないから面倒なんだよな。行動指針によってカウントされるそうだけど、アクシデントが多発するへっぽこユーザーには、それはそれで難しい。まぁ、以前の『2』データをクリアデータ(ロードは不可)として認識してくれるようなんで、最短ルートで行けるとは思うけれど。
 何はともあれ、まずはUFOエンディングを目指して『マリア編』をクリア。改めて主人公・ジェイムスで、霧たちこめ死臭漂う町を歩き始める。ん?目指す処が違う?いや、だって、コレやりたくて買ったんだもん。って何か間違ってますですか?


9月10日(水) 雨

 妙に早ばやと目覚め、先ごろから通勤の友にしていた『西国三十三か所ガイジン巡礼珍道中(クレイグ・マクラクラン/著、橋本恵/訳、小学館)』を読了。20年このかた、折にふれて日本国内を徒歩旅行…じゃない、文字どおりの意味で駆けめぐっていた著者の、今回は芭蕉の足跡をなぞりつつの西国巡礼旅である。
 残念ながら、手放しでは楽しめなかった。まず、初期の頃に比して、著者の目に映る日本の、すさみ汚れた部分がどうにもこうにも気持ち良くないのだ。それが同じ国内とはいえ遥か南方、まだふみもみない辺なのに、自分の住まいの周辺に表れている現象と均質なのでますます憂鬱なんである。日本全国、レベルの低いところで平均化してるってのかよ。ヤダヤダ。
 また、それを目にしリポートするマクラクラン氏の視線が、以前の軽妙な皮肉っぷりから単なる意地悪に堕していると一部で感じられることも否めない。訳者が言葉遣いを変えたふうも無いから、たぶん原語もこうなんだろうな。ガイジンであることを全面に、けれど日本をよく学び知るものとして微妙な視点から書いていた氏が、ネタに対して狎れすぎ、また内部に入りすぎてる部分もまた大きいのではないだろうか。
 とはいえ、例によって破天荒な旅の様子を追うのはやはり楽しい。できれば氏には、また別の…そう、故国ニュージーランドでの旅模様なども聞かせて貰えればと思うのだが、どんなものだろう。とみに指摘されている知ったかぶり(かつ引っ込み思案)日本人の蒙を啓くべく、読みやすく楽しく、ぜひ自分で歩きたくなるようなのを一発お願いしたいのだが。


9月11日(木) 晴

 世界制覇を企む悪の?秘密結社ゴルコム総司令ことアリアドネさんが来札。去年は幹部ご一同でとりあえず偵察に見えたんだが、今回は閣下が単身、侵略の第一歩を記しにいらしたということで宜しいかと。なに、作戦に対して人員構成が変?逆の筈?なんの、特撮じゃあ普通だ、気にすんねぇ。
 ともあれ、せっかくの侵略である。我が家の一党こぞってお迎えに上がったのはいうまでもない。ただ、そこで失策だったのが、我が家唯一のたれである「きのたれ(奇妙愛博士方より出向)」を忘れたことである。ガード役不在のまま、さっそく閣下の荷物から出現した秘密兵器「ちゅうたれ」のご挨拶ポーズに負けてやにさがる羽目に。ううむ、この「ふにっ」としたたれ具合にはかないませんのぉ。これをしっかりと荷物に潜ませておいでとは、さすがですな総司令閣下。油断は禁物である。つーか荷物の中心にたれが居座って威張ってるような気がしますが。
 ちなみに、閣下方のたれの兵器としての効果は気象関係であったらしい。南方には台風も迫るというのに、季節にあるまじき好天、気温は25度を超えた。暑さでへばる地元民を尻目に、30度の世界から見えた閣下はカロヤカに歩を進められる。侵略者かくあるべし。
 で、まずは市街の石屋さんで身の丈1m半ほどの石のたれを見物。黒御影石で彫られた、重量1.6トンのシロモノはなかなか圧巻。いやまぁ、それにしてもたれているんだけどね。
 しかる後、野幌は「開拓の村」へ赴き、全道各地から移築された旧い建築物の間をたれの導くままにそぞろ歩く。もちろん写真も撮る。例えばこんな感じ。
 
 ちなみにこれは作家・有島武郎邸の中。なかなかイイ感じに撮れていると思うのだが、北海道文学の父にして白樺派の代表たる家主にウケるかどうかは謎であるな。文学とたれってことで、後から「たれ(R・シェイクリィのパロ)」とか「石たれの船(エイブラム・メリットのパロ)」とかってヨタを飛ばしてみたのを、もって嘉納…はされまいか。<無理だべ

 かようにたれに圧倒されたが、夕刻、頼もしい助っ人が合流。ニフティ以来…だから、もう8年近い付き合いの楽天丸さんも、今日は札幌を訪れていたんである。しかもねこまと僕の出身校で開催されたフォーラムに出席のためなんで、縁も二重三重というところ。もっとも僕らが出てきた後で新しい棟が幾つも建ち、しまいにゃ7Fの展望カフェテラスなんてぇモノがあるっていうから羨ましい限り、悔しかったりもするワケだが。
 それはさておき、メンバーが揃ったところで何をするかというと、やはり観光客気分の満喫であろう。まずはこの春オープンしたばかりのJRタワー(38階)に昇って札幌市内を睥睨。続いて時計台、大通公園と歩を進め、晩飯どきは当然ながらジンギスカン。TAKO'Sさんも加わって大いに盛り上がった。とどめに帰路で古本屋に流れ込んでそれぞれ荷物を手に出てきて、信仰(対象:物欲神)の共通性を確認。非常に充実した幕切れとなった。皆さん、お疲れ様でした。


9月12日(金) 晴

 今日は午後からアリアドネさんとデート。とはいえ、時間が限られていることとて、食事をして市外の観光地「羊が丘」へ赴くに止める。ここは放牧されてる羊をまぁ可愛いと眺めた後、そいつをバラした鍋料理を麓でぱくつくという、なかなか謎な施設である(信じないように)。
 金色のクラーク先生(TAKO'Sさんによれば道民が羊を食うようになった元凶)像や羊、白樺などを背景にたれの写真を撮り、涼風に吹かれてしばし茫洋とした時を過ごす。しかるのち、街へ出て総司令閣下のパートナー、教授さんにお目にかかった。もしや化学に魂を売却済みの、ケミカル系岸和田博士みたいな方では…とか思っていたが、案に相違して物静かな紳士であられ、ひと安心。専門分野のお話について、ごく身近な例で伺い非常に楽しませていただいた。すげぇ失礼な想像しててすみませんです。

 明日は小樽へ向かうというお二方と別れ、楽天丸さんと夕食。楽天丸さんは明朝早く帰京してしまうので、これが今回のオフの最終イベントである。仕事の合間を縫ってのこととはいえ、あまりあちこちご案内できなかったのが心残りだ。今度はもっとゆっくり来て下さいね!
 しかし、明日は台風が日本海側を駆け上がってきて北海道にブチ当たろうっかって予報が出ているのだが…まぁ、飛行機が飛ばなかったら、この週末はこっちで遊びましょう!わーいだ! <台風だっつに


9月15日(月) 晴

 台風一過というほど吹き荒れもしなかった秋の嵐の翌朝、爽快な青空である。日本海側を通り過ぎたヤツが湿気を吹き飛ばしてくれたようで空気もすっきりと澄み、陽射しが燦々と…燦さ…SUN…って暑いんですけど?なんだこれ?南のほうに残ってた夏を持ち込んだのかよ!帰れ! <無理

 遥かシベリア方面に消え去ったヤツを罵りつつ、相方とふたりチャリで近場の公園へ。ここは小さな植物園ふうに作られていて、常勤の職員に園芸関連のアドバイスをしてもらうことができる。また、温室つきの管理棟では不定期のイベントも催されていて、実は今日も「サボテン特別展示」を見に来たのだ。いや、実はウチにも2鉢ばかりあるんだけどさぁ、品種名が分からなくって。なんせ片方は相方が携帯替えた時の景品、もう片方ときたら気まぐれに手にした種から育てたもんで、ちょっと気になってWebで調べるまでは水やりすらいい加減だったという悲惨なシロモノだからねぇ。もちろん肥料食いなんて知らないから、本物の砂漠ですらここまで酷くないという欠食っぷりだったのだよ。いや面目ない。つーかよく生きてたよなぁ。
 で、結果から言うと、正体は全く分からなかった。似たのが幾つもあるうえに、我が家のとは大きさが違いすぎて(ン10年モノなんてぇのもあった)比較さえ難しかったのだ。これはもう、仕方ないからあと10年ぐらいしたらまた調べるということで、玄関先の「ジュラシック・マン盆栽」に瞠目しつつ外へ出る。チョコラザウルスでワシも作るべか。

 嵐に吹き落とされた木の実や枝、それに藪の中でさざめく野鳥なんぞを眺めつつそぞろ歩く。道すがら、非常に人懐こいカラスを伴ったご婦人に会った。別に彼女が飼っているのではなく、どうやら育て方の下手な人間に出会ってしまって病身なうえ、危機感ゼロに育ってしまったものらしいという。不憫とは思いつつ、彼女のバッグのマスコットにじゃれる姿の愛嬌っぷりにしばし見入ってしまった。うう、可愛い。ある程度アタマが良い生き物(サルもそうだね)の遊びって、どうしてこう目に楽しいんだろうなぁ。しかし、だからといって無責任に飼うと、こうして越冬すら覚束なくなる訳で…以前に巣立ち直後のを略取誘拐しそこなったのは、互いのために幸運であったのだと改めて肝に銘ずることとしよう。

 夜、阪神タイガースのリーグ優勝が決定。昼の試合で勝ってマジック1となり、対象チームの勝敗が決まるまで選手もファンもず〜〜〜っと球場で待っていたとか。ご苦労さんなこってある。
 以後、TVはまるで報道管制のごとく縞模様に埋め尽くされた。甲羅を経たトラキチである相方がリモコンを手放さないせいもありますが、まぁえれぇ白熱っぷりですな。試合そのものより熱が入ってそうだ。付き合いきれずに途中で寝ることにする。18年前を想起するに、明日以降、怪しいグッズや書籍ビデオの類が増殖することも覚悟せねばなぁ。


9月16日(火) 晴

 昨夜、某虎神様が降臨したとて、相方は朝からテンションが高い。新聞休刊日に文句たれつつ、コンビニで御足跡(スポーツ紙)を買うのだと張り切っている。18年ぶりの吉事とあって聖地では河へ身を投げ禊をするもの5000余人とやら、勢い余って豊平川へ飛び込むでないぞ。
 まぁ18年ぶりのリーグ優勝、生まれてこのかたのファンには嬉しいんだろうなあ。そういえば前の時ぁ大学生だったが、やっぱり異様に盛り上がっていたっけ。あの時はハレー彗星の影響で宇宙から怪しい電波ゆんゆんじゃ〜ねぇのかと思ったもんだが、今回は火星大接近の年、やはりこの宗派には天体から何らかの影響が…
 ねこま「言いたいことはそれだけ?」
 うわ!まだ居たのかキミ!B級ホラーのお約束みたいな登場はよ(以下20行ほど判読不能)

 とまぁスプラッタな出来事を乗り越えて一日を過ごし、書店へ。悪口の報いか、相方の本が続々と目に入る。うう、買って帰らないと撲殺ですか?
 『天使ですよ(遠藤淑子/著、白泉社)』
 『おそろしくて言えない 1(桑田乃梨子/著、白泉社)』
 『少女革命ウテナ 2(さいとうちほ/著、小学館)』並びに『3』
 『フランケンシュタインの方程式(梶尾真治/著、ハヤカワ文庫)』
 などなど重ねてレジへ赴く途上『放浪ノ双生児(内田美奈子/著、集英社)』を発見、好きな作家のものとて、いそいそ買い込む。
 ただ、帰宅を待てずに読んだ結果は、ちょいと…というよりゃかなり残念かな。過剰に感情的にならない、恬淡とした語り口は健在なんだが、それが行き過ぎて話そのものにまとまりが乏しい。押しなし引きなし山なしオチ…はあるか、それにしても書き込みが少なくて読者の想像に委ねる部分が大きい。このテに馴染みの無い読み手はついて来ないんじゃないかなぁ、といささか心配になった次第である。どっかで『BoomTown』再開してくれたら、こんな心配せずとも良いものを!<勝手なことを言うな

 で、その他の本も相方の帰りを待ちつつ洗濯しつつ読了。以前に読んだものばかりの短編集『天使ですよ』に最もハマる。妙つーか変つーかカッ飛んでる展開とキャラ、それなのに泣かせるというのはどういう作品なんだろうなぁ。凡百のカテゴライズを(しかも「ぬらりひょん」と)拒んでいる姿勢が好きだ。
 『ウテナ』は、断片的に観たTVシリーズを補完してもらい、なんとなくスッキリ。しかしカレーについては妹君あってのネタだったな〜。あと生タコも忘れてはならんべ、うん。


9月17日(晴) 

 昼飯を買いに出たスーパーで「チョコエッグ」の宇宙シリーズを発見、試しにひとつ買ってみた。中身はスペースシャトル・コロンビア。出来は…うーん、中途半端だねぇ。
 全体の形はそれなりに取れているのだが、パーツの組みが甘くて隙間だらけ。デカールは細かいのだけれど、全体の塗りはベタ。窓が水色で塗りつぶされているあたり、素材で工夫とかコダワリとかは感じられず、マニーな大人の目には厳しい。しかし、小さい子供の玩びものとするにはパーツが細かくて不向きに思える。やっぱ僕には「王立科学博物館」のほうがいいやね。
 しかしあっちはアソートの酷っぷりが身に沁みていて、もうしばらくはパッケージを見るのも嫌な気がしてるのもまた事実。なかなか、ままならないもんであるわな。


9月21日(日) 晴

 休日の朝を満喫すべくでろでろと寝ている猫と相方を放っておいて、書斎/物置を徘徊。入り口側に堆く溜まった本の山を片付けんと意気込んでみたものの、溜め込んだ日数の重みはその場の思いつきでクリアできるものではなかった。とりあえず援軍を伴っての再起を期して退却。援軍がちゃんと起きてる休日はあるのかとか、次に来たときはさらに造山運動が進んでるんじゃないのかってツッコミは却下。既に自分で実施してます。

 ちょいと買い物に出てから、日曜の定番・特撮タイム。『アバレンジャー』が殊のほか面白い。出だしでいきなりニセ戦隊の登場&テーマソング・ジャック、「お笑いエピソードかな?」と思わせておいて本編はシリアスそのもの。仲間の爆竜を救いに決死の戦いに赴く3人、その助けとなるべく逸る心を抑えて盾を刻むアスカ(しかも過去に呪われた鎧に操られて仲間を殺したことを思い出して苦悩中)、圧倒的に優位のような敵側ではしかし内紛の兆しが…とネタもてんこ盛り。しかしこれを30分(正味は20分強)に収めて破綻なくキッチリ分からせるってぇから凄いすごい。大いに拍手し、ついでにその手をあっさりアバレキラーに倒されたエヴォレンジャーのため合わせてみたりする。 <ついでかよ!
 それにしても、この番組のスタッフの力の入り具合はただ事じゃないよなぁ。伏線をしっかり張りつつ台詞の端々にお遊びを入れる脚本、遊びネタもキッカリ作りこむ演出&役者陣ががっちり組んで、大人が本気で面白がれるモノに仕上げていると思う。この調子でラストまで突っ走ってください。あ、個人的にミコサマは絶対改心などせず、未だ影も見えない首領様に融合しちまうこと希望。己の趣味に生き続け行けるトコまで行ってください、コミックマスターJのコスプレイヤーとして! <違うってばよ
 さて続いて『555』。555ギアの装着特性がオルフェノクの「素養」に決定されましたなぁ…ってとこですか。こう、前番組で上がったボルテージが急降下するようなヌルい構成はなんとかなりませんかのぅ。
 個々のエピソードは悪くない。真理の死に動揺する人々も、自責の念に駆られ迷走する巧も、悲しみを怒りでしか表現できないまま苦渋の決断をする草加も、そんな彼らに振り回されて茫洋…のまま困っている馬君も、それぞれに見せ所の筈である。しかも物語の核心の一部をなす流星塾生に、死なないでオルフェノクになるため(らしい)改造手術を受けてるようだという大ネタが出(まぁ、そのため九死に一生チルドレンが集められたとすると、あんま科学的ではないですヤギパパ。しかも真理は555装着できないし)いよいよ盛りあがるべきところの筈、がしかし、これが全滅、どれひとつとして活きていない。アイディア倒れもいいとこで、なんかこう物語の挿絵だけ見せられてる気分になる。動く紙芝居は『マクロス』だけで沢山じゃ〜! <古いよ
 巧=オルフェノクであるということの伏線がこれまでしっかり張られていたなら、今回の話は胸のすくような謎解きになっていただろうに。しかし、どう記憶を振り絞っても、異形の敵に対する動揺の無さや無謀な闘いっぷり、それに登場即灰になってしまった知人との経緯、基本的に否定的なスタンスでオルフェノクを見つつ求めてまで戦おうとしない、「人に裏切られるのが怖いんじゃなくて人を裏切るのが怖い」という台詞…あたりしか思い起こせるものが無いんだよな。仮にも主人公、大きな影を負って戦う存在と描きたいのではなかったかと思うんだけど、推察する労力がかかるようじゃダメだと思うんだ。
 かつて奇妙愛博士がこの脚本家を評して、某有名漫画原作者になぞらえたことがあった。今思うに、けだし慧眼であった。ネタと粗筋だけ出して、実際の執筆は他の人にさせたほうがいい人なのかも知れないなぁ。


9月22日(月) 晴

 『グッド・パンジイ(アンドリュー・ヴァクス/著、菊地よしみ/訳)』読了。アウトロー・バークのシリーズも巻を重ねて10話目、喪い奪われること多い主人公の人生に、また大きな異変が起きる。これまで探偵まがいの調査と、必要であれば容赦ない攻撃を行ってきたバークへの罠。それは彼の犬(愛犬でもペットでもない)パンジイの死を伴う、深い痛手をもたらす。身を隠し古巣を離れ、しかし報復のためさすらう彼は、やがて少年時代の仲間を訪ね、またその過程で幾多の人々と出会うことになる。
 この人々、マイノリティ揃いの顔ぶれが、プロフやマックスを始めとする(いや、まずはママに敬意を表するべきなのか?)古い馴染みに負けず劣らず個性的かつ魅力的である。ことに天才児ルーンとそのスタッフ(特にスナイパーのレヴィ)は、かれらだけで長編の2本や3本書けそうなくらいだ。つーか書いてください隻眼の作者様。
 こうした人々を訪ねバークの感情が過去が幾つものエピソードを重ねて語られることで、シリーズを貫いている幼児虐待者への憎悪は、より強く訴えかけ無視できないものとなっている。これまでは作者個人の感情が先に立っていたように感じとれる部分もあった主張だけれど、今回はひと味もふた味も強烈で素直に共感するしかなかったというか。
 また、そんな「秘密の子供」と「戦争の子供」との間に通う情(というか、後者が前者に寄せる信じ難いほどの優しさ)が、ひたすらに切ない。セックスメインで描かれていてさえ、泣けそうな場面が縷々つづられている。ハードボイルドってなぁこういうもんだよな、兄弟。 <誰

 アメリカ航空宇宙局(NASA)のガリレオ探査機が、任務を終え、木星に突入したとの報をネットで見つける。『スタートレック』はエンタープライズ号の搭載艇に名を貰った小さな船が、未知の星のガスの海に沈んでいったのだなぁ…どうせならヴォイジャーの後を追って星々の彼方へ送り出してやれば良かったのに…と、劇場版のエンタープライズの最後を想起してちょいとセンチな気分になったりする。老いたるトレッキーの夢への挽歌ってことで、まぁひとつ。


9月24日(水) 晴のち曇

 『puzzle(恩田陸/著、祥伝社)』を読む。
 かつて人工的に形作られ見捨てられた「廃墟の島」で発見された3つの死体。一人は餓死、ひとりは電気の止まった映画館で感電死、そして一人はビルの屋上で墜死。かれらと、さまよえるオランダ人/2001年宇宙の旅/光文事件/ボストンブラウンブレッドのレシピ/二万五千分の一の地図の製作過程…はどのような関係をもつのか?
 まさにパズルとしか言いようのない、奇天烈な命題。この謎が島を訪れた二人の男の会話によって読者に提示され、やがて解き明かされていく。言葉を飾らずテンポもよく、あくまでフェアに読者に首をひねらせてぐいぐいと引く、その筆の運びやよし。これまでとかく他人の作品へのオマージュを書き連ねてきつつも、常に元ネタのカバーに留まらなかった作者だけのことはある。屋上の墜死体ってのは過去のネタがあるけれど、それを知っていることは本作の面白さを却って増すものであると思うし。
 知っているといえば、作者は僕と同年代、おまけに好みに通じるところがあるもので、散りばめられた小ネタの数々が非常に馴染み深く、話に入って行き易い…いや、容易に引き込まれているのかな?ページを繰ってそれらに当たると、ついニヤリと笑ってしまう。懐かしさのあまり、インド人のラジオを探して時をかけそうになってしまいましたぜ。 <中年はタイムトラベル禁止
 謎の答えは、ある意味アンフェア…かも知れない。物語の結末、不安と一種不快な味わいに彩られた幕切れも好みの分かれるところだろう。だが僕はこの一編、非常に気に入った。ことに終盤、轟然と吹き荒れる嵐の描写は謎かけの巧妙さと好対照の美しさである。願わくば一度、この天候の中でモデルとなった島を訪れたいもの…って立ち入り禁止なんだよな。つーか本気で死にかねないのでやめましょう、はい。


9月25日(木) 雨

 アリアドネさんの札幌/小樽旅行記を拝読。9月11日にお見えになった際の記録だが、ご本人の歩きっぷり同様カロヤカこのうえない語り口が楽しい愉しい。札幌の気候風土、観光地ながらの特色魅力、それにご本人の陽気さ(でも「たれの為なら亭主も泣かす〜♪」)と登場人物の能天気な言動が見事に活写されている…って、その中には僕も含むんだが。
 それにしても、こうして海の向こうからいらした方の目を通すと、慣れた故郷も異なる色合いをもって見えてくるものである。当日も、日ごろ観光地として訪れない場所を物珍しく再発見したものだが、こうして読み返すとまた別種の趣がある。機会をいただけたことに感謝するばかり。
 ところでこの旅行記、アリアドネさんのサイト「Alchemist」ではまだ公開されていない。いわばスニーク・プレヴューってやつっすね。えへへ、いいだろ〜。一般読者は括目して待つがよいぞ! <何様だおまえ


9月26日(金) 

 早朝4時50分、ただならぬ震動に飛び起きる。地震だ。天井の蛍光灯が、本の詰まった棚が、水槽が灯油のタンクがテーブルがぎしぎしみしぎしと揺れている。でかい。
 しかも長い。いつまでも揺れている。最初こそ揺れの大きさに驚いたものの、あまりに続くのでなんだか遊園地のマシンに乗ってるような気がしてきた。ただギシギシいいながら微妙に横揺れするだけの遊具なんか無いけどさぁ…作ってもネーミングに困るだろうな「貧乏揺すり体験機」とか? <誰が乗る
 とか心中呟いてる間に、相方はTVをつけガスの元栓を閉め水槽をチェックしている。猫たちも目をまん丸にして机の下へ退避済み。日ごろの寝起きの悪さはどこへ行ったんだろうと思いつつ、僕もノートPCを起動、さっそくヒロツさんちのチャットルームへ。やはり東北も揺れたらしく、店主どのが眠気を文面ににじませて上がってきていた。
 この時点でようやく震源が北海道(十勝沖)と知るが、揺り返しがいつまでも来ないこともあり乏しかった緊張感がさらに下がり始める。横揺れだったから実質の被害はほとんど無く、棚から軽いものがいくつか落ちた程度。危険といえばアナザーアギトのジャンボフィギュアがライダーキックかましてきたぐらい。どだい、時間が時間なんで、眠くてやり切れんのだよ。かくて10数分後、ヒロツさんは寝オチを宣言、僕もそのままウトウトし始めた。ああ、布団の温みが心地よい季節になったなぁ…。
 と、寝入りばなに再びギシギシが始まった。時刻は6時9分。時間こそ短いが揺れ方も同程度、しかしこっちの怒りは眠気に比例し倍増である。ち、畜生、狙ってやがったなぁ!? <ンなワケあるか

 JRは止まっているが地下鉄は大丈夫とあって定時に出社。当然ながら、皆揃って寝不足の面持ちである。しかも珍しいイベントなもんだから妙にテンションが高い。中には「気付かず寝ていた」剛の者もいたが、これは例外であろう。つーか、あの揺れの中で寝てたって…ヒグマの遺伝子が組み込まれてるのかも(失礼)。他にはビデオや本の下敷きになりかけたのが数名いた程度だ。ふふ、それで死んだら内容次第では末代までの恥だぞ。もし日本が滅亡するほどの大地震だったひにゃあ、いつか「ヲタクとその副葬品」とかって博物館に展示される夢もあるけどな。 <いやな夢だね

 かくて我が家の一同は無事に今日を生き延びております。メールやチャットで各方面からご心配いただいた皆様、まことに有難うございました。せいぜい死因がライダーキックにならないよう、また副葬品の内容に気をつけつつ、今後ともよろしくお願いいたしますです。


9月28日(日) 晴のち雨

 朝8時、珍しくも2人と2匹揃って目覚める。リアルタイムで『555』を観、また眠気が…ってのは嘘だがちょいとテンション下降。
 スマートブレインの怪しい科学(なのかさえ怪しい)で復活した真理が帰るが、彼女の死で亀裂の入った小さな暮らしが元の形に戻るべくもない。「なかったこと」にしようと不自然に明るい啓太郎、敵意を燻らせる草加、自身も不審をにじませる真理…って、ここらはいいんだよな〜。がしかし、例によってその後でぶち壊しになる。元々関係の不明確なスマブレとラッキークローバーの行動の齟齬、「助けてくれた」と言った舌の根も乾かない間に疑問をヒステリックな叫びにする真理。特に後者のキャラ描写は酷い、演じてる娘さんが可哀相だよ。甦った?記憶の中のオルフェノク=巧ってのを目にした後の行動なら分かるけどさぁ。つか、そのせいで実際に変貌を見た後の「いやぁっ!」がアンチクライマックスになってるよ。
 続いてビデオ巻き戻して観た『アバレンジャー』は、今回ちょっと小粒。爆竜たちが死んでしまったかも?って一大事を、意外にあっさりクリアした後、完成した盾の力で凌駕がアバレマックスに変身。まぁ、これは意外だったかな。僕もトリプルファイターだと思ってましたよ奇妙愛博士。手持ち無沙汰になっちまうブルーとイエローの立場はどうなる?それとも盾は回り持ちとか?いや、それよかスケさんとエミぽんも変身させろ〜! <まだ言ってたのか
 しかし今後へ引くであろう敵味方の相克もいよよ盛り上がりを見せ、こっちは楽しみに来週を待てそうだ。7時半に起きてこれ観て、8時になったら2度寝してやろうかな。

 夜、ぼうっとTVを観ていたら、苫小牧でまた大火災のニュースが。この前の地震で炎上したのと同じ敷地内で、今度はナフサのタンクに火がついたのだそうだ。午前中から始まって、夜空を焦がす勢いで燃えつづけているとやら。画面はさながら怪獣映画、ものすごい黒煙の中から巨大生物が覗かないのが不思議なくらいである。当地に住まう縁者が燻製になっていないか、後で連絡してみなくては。




翌月へ






[ 銀鰻亭店内へ ]