店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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9月1日(日) 曇
 夏らしさのカケラも無く8月は行き、北国の秋らしくもなく蒸し暑い9月となった。何だろうなぁ、やっぱ温暖化とかの影響ですか京都議定書批准しなかった某大国ファ●キン…などと心ひそかに文句垂れつつ水槽のケアを行う。夏が暑くないのはこいつら(特にヤマトヌマエビ)のためには良いのだけど、常夏ぐらしに無縁の人類としては不満だ。酷暑の盛り、白っぽく灼けた戸外の風景を眺めつつ、簾越しの涼しい風に吹かれながらビールを啜るのがいいんだよ。…ってそれは暑さの楽しみ方とは違う?まぁ気にすんな兄弟。<誰よ

 雑用を片付けながらこまごまと作業。傍ら、今朝録画した『ハリケンジャー』と『龍騎』を眺める。前者はとくに言うこともなし。後者はひさびさの(って、たかが2話だけど)シリアスで嬉しい。しかもライダーバトルをあるべき「戦い」に盛り上げてくれそうな浅倉のエピソードだからな。これが燃えずにおらりょうか。
 とはいうものの、前後編の半ば、いわば導入部分ということで、ネタふりだけで終わっている。バトルシーンも「ファイナルベントをはじくモンスター」というのが見所かってぐらい。あとは…もう、マリー・セレスト化した船の生き残りの少女に萌えるだけっすか。いやマジで可愛いわ。今月の『フィギュア王』インタビューで浅倉役・萩野氏が言ってたとおりっすよハァハァ。<をい
 しかしアレだ、彼女が浅倉を待ち彼の救けを信じる理由は、本当に前の航海で救われたからなのか?モンスターへの囮として彼女を守ったという推測もありえるが、実は彼女本人が故意にモンスターを他の人々の所へ誘導してたりして…いや、憶測っすよあくまでも。でも、可憐な少女にそんな悪意があるってのは納涼シナリオとしては悪くないんじゃないかと。そもそも納涼用とは思えないですけどね、はい。

9月5日(木) 晴
 扠、いにしえびと言いけらく「早起きは三文の得」と。我ものごころつくよりこのかた是を証さんと志し、誰よりも早く起き出でては戸外に立てり。されど一度たりと三文を得ず。喃々たること三十余年にして明言す、早起きは三文の得ならずとなん…いや嘘です。つか似非古文調は疲れるのでやめ。
 ま、三文こそ得ないにせよ、早起きは爽快である。特にお陽様と一緒型太陽電池稼動タイプとしては、晴れた朝はとっとと起き出して活動開始するに限る。今日も今日とて上天気、しかも昨日までの蒸し暑さがどっかへ去って心地よい秋風も吹いているので、調子に乗っていつもより20分ばかし早く出社してみた。
 途上、いつも前を通る建具屋さんの軒下に、見慣れぬダンボールを発見。「どれでも10円」と書いてある中身は…おお?建材の切れっ端じゃないですか。合板ばかりだけど結構な厚みもあるし、それなりの大きさもある。フィギュアやドールのお立ち台(違)を作ってもいいし、シリコン型の補強にも使えそうだ、と思いつき、ひと抱えほど買う。いや〜拾いもんだなぁ。やっぱ早起きは三文の得っつーことでひとつ。<つーか早く原型作れよ

 昼、コンビニでフルタのチョコエッグ第6弾「おもしろ動物編」を見つける。海洋堂との喧嘩別れを経て別のモデラーによるシリーズ続行、新機軸としてボックスに登場しているムツゴロウ氏に些か不安をおぼえつつ、まずは試しと2個買ってみた。中身はゴールデンライオンタマリンとタランチュラ。
 えーと。
 これに何を言えと?いや言って欲しくないかも知れんが僕も言いたくないが。(ショックのあまり錯乱)いやしかし、ここを見てくれる同好の士のためには言うべきであろう。言え言う時言わねば。
 …これがシリーズとして世に出すグレードだろうか?
 フラットかつディテールの出てない造型。指先なんか特にみんな丸かったりひとまとめの野■英世状態。至る所にパーティングラインは見えてる組んでもスキマだらけで簡単にバラケるわ。おまけに光沢系テカテカの塗料で、グラデどころかアニメのようなべったり塗り。
 酷ぇんじゃない
ですかコレ?
 なんかこう、喧嘩の腹いせにジャンル自体を衰退させたいのかと思ってしまいましたよワシは。相手がいまだにサイトに袂を分かった経緯をアップしてるような大人気ない状況(と僕ぁ思いますです。いや、取引相手なんかへの告知ってイミもあるんでしょうけどちょっと長すぎやしないかなと)とはいえ、あからさまに相手に及ばないレベルのものを出してどーすんねん。早ければいいってもんじゃござんせんぜ、えぇダンナ。<誰
 やっぱり当初の予想通り、9日16日発売のチョコQのほうが安心して楽しめそうである。当地ではペットシリーズ先行ってのがちょっと不本意だけどね。
 『人形の国のアリス』も、Webで見本を見る限りでは海洋堂の圧勝のように思える。子供の頃、親に隠れて駄菓子屋で「セコイア」買い食いしてた身としては、こういう決着のつき方は寂しすぎるよフルタさん。頼むからもっと真剣に商売してください。

9月6日(金) 曇時々雨
 当今、食玩といえば、その種類も価格も多岐にわたっている。かつての少年少女番組ものあり現役ありオリジナルキャラあり、好みの範囲にまったくカスりもしない人は珍しいのじゃなかろうか。
 そんな中にサンリオもの、ことにキティものは絶えない。2001年4月11日&13日にも書いたが、ご当地ぬいぐるみの定番化しているほどのメジャーキャラゆえ、そのコシラエは様々である。今日もそんな一品を目にした。名作童話の絵本仕立て、主役キャラに扮したキティのフィギュアがついている。特に興味も無いので、そのままスルーしようとしたのだが。
 その中に、両手に斧をふりかざしたキティがいるじゃあないか。な、なんか怖いんですけど!
 落ち着いてよく見ると『金の斧銀の斧』の話らしい。あの湖の女神?様ってワケだ。しかし、この持ち方はなぁ…どう見ても、これから攻撃しますよと肩に力を入れ相手に向かって身構えているとしか。無表情ぶりとあいまってクリスタル・レイクの殺人鬼も裸足で逃げそうな感じがする。
 ……そういえば『13日の金曜日』最新作が公開予定だったな。
 次は『ジェイソン対キティ』どうっすか?<無理だって

9月8日(日) 晴時々曇
 早朝からぱんぱんと花火の音がする。近在の神社恒例の秋祭りらしい。そういえば数日前から幟が立っていたような…としか認識してなかったのは勤め人のツマラナさか。夜しか通らないから仕方ねぇとも思うけど、祭りが近付いてくるというワクワク感なんて薬にしたくても無いもんな。やだやだ、年は取りたくないもんじゃ。寂しいのう。
 とジジむさいことを呟きつつ、朝のテレビを見終えて早々に神社へ。さっそくビールと焼き鳥を手に入れ、既に人で溢れている参道を露店をひやかしつつそぞろ歩く。骨付きフランクとアメリカンドック、あとクレープとかチョコバナナは合わないから避けるとして、もう一杯ビールを呑むべきか否か……何?食い物ばかりだ?胃袋だけが健在だ?ええ〜い、黙らっしゃい!
 実際のトコ、しょうがないんだよな〜。今回これといって楽しそうなネタが無かったし。なーんか似たり寄ったりばっかでさぁ、籤引き系の商品まで同じようなモンばっか。唯一珍しかったのが発砲ウレタンみたいな素材の犬を針金の先につけてある玩具だったけど、あんなモン持ち帰ったら猫パニックの元になって数日でバラバラであろう。ま、子供らが財布の残りを気にしつつ大はしゃぎするのを眺めるのが、年齢相応の楽しみかたってトコで。あ、お好み焼き買ってか〜えろっと。<まだ食うのか!

 午後、MGSドールにちょっと改造を加えつつ、やむさんからお借りした『National Geographic: Lord of the Rings 』を観る。かの映画を原作もろともに起源を辿り、作者の人生とその想いにふれようという企画。天下の地史学協会が取り組んだだけに、その幅の広さと密度は只事ではない。映画のキャストにスタッフ、トールキン関係者や研究家は当たり前として、ヨーロッパを流れる指輪伝説沿いの人々を、バイユーのタペストリなどを絡めつつルーン歌いの老人まで辿ってゆく道筋は実に感動的だ。また第一次世界大戦前夜から現代のアフリカ奥地での森林破壊に至るサウロンの影の長さも、あえて強弁を振るうでない静かな映像の積み重ねが却って心に重く留まる。素晴らしい。惜しむらくは僕の語学力の乏しさだけどな。字幕版発売してくれんかなあ。戸田氏の訳でも文句言わないよ僕ぁ。<それは失礼な言い草だろう
 と、気が付くとあらぬところで接着剤が固まり、作業が混沌の領域に落ちているのであった。うーむ、困ったもんだ。奥のマソム置き場(書斎とも物置とも呼ばれる)に放り込んでくるか。

9月9日(月) 晴
 ふらりとパトロールに赴いた書店で、珍しい雑誌が表紙に「海洋堂」の文字を載せているのを見つける。『広告批評』。うむ、ブームの波もここまで来たのか、というよりは些か遅いような気もするが…と思いつつ手にとる。そこはそれ、マニアの道というもんであろう。
 中身は結構読ませるモンである。造型師たちのインタビューや製品図鑑(一部)、それに食玩の系譜などはもちろん、商品として&文化としての食玩考察なんかがあって、いろんな角度からこのムーブメントを見られるのが面白い。あくまでも軽い読み物としての分析にすぎないけど、ハマってる人もそうでない人も、楽しめるものだと思う。

 帰宅後、またドールを相手にちまちまと作業。爪楊枝の先に瞬着つけて、それで接着して乾かして、また瞬着つけて…延々とやってると肩は凝るし目は痛むし。プロの人はこういうことを日々繰り返しているワケだ。
 致命的なまでに不器用だという点を抜いても、僕ぁ原型師には向かないな。うむ。ま、それでも面の皮だけは厚いから、出来上がったら世界に公開(笑)するけどね〜。覚悟しやがれ訪問者様。<注:まだそんなに覚悟の要るものは出来てません

9月10日(火) 晴
 昼休み、珍しく時間を持て余して会社近くのスーパーへ赴き、チョコQ発売祈念限定版・特別セットを発見。こないだのチョコエッグの痛手が思い起こされるとはいうものの、こちらは海洋堂製、迷わずカートンを抱えてレジに向かう。えーと、チョコ卵が2個(野生動物&ペット)にフィギュアが1個のセットが5箱、都合15個のフィギュアをゲットしたというワケだ。
 箱には他に『日本の天然記念物』トレカである「わがままな天然列島」もついているが、まぁこれは興味も無いので脇へ置き、まずはひとつ開けてみる。これは、ニホンザルだな。チョコエッグシリーズの1作目もこれだったはずと、ありもしない奇縁を感じつつ組み立ててる。
 …流石である。
 これまでの作品からみて基本的に哺乳類は得意じゃなさそうな松村氏のこと、あまり期待はしてなかったのだが、四足を踏ん張って威嚇する猿の姿が生きいきと捉えられている。柔らかく微妙な色合い、毛のモールドを活かすブラシ跡と、塗りも満足できる出来栄えだ。
 続けて3つほど開けたが、どれも満足度は非常に高い。ハムスターの腹にツヤありホワイトが使われているのがちょっとアレだったぐらいか。あと、組み立てに少々てこずる(挟み込みタイプで、間になるパーツの保持が難しい)ものがあったけど、ぴったり密着し形に紛れる「愛のある分割」のためであろう。各位工夫のこと。<ナニサマ
 ちなみに外側のチョコは、フルタに比べると甘くない。内側のホワイト部分が無いだけでも、いくぶん助かるところだ。ただ油脂分が多いのか妙にこってりしていて、プラリネクリームみたいではある。卵形に成形するには必要なんだろうけど、柔らかくて中身のカプセルにつき易いのも欠点のひとつかな。ナッツ風味でもついていれば美味いかもしれん。
 あとカプセルを含むパッケージ類は、抑えた色調でカッコいい。あえて寒色系を使ったことで、棚の中でも引き立っていた。いい仕事してますね〜。

 午後、H2A3号機ロケットの打ち上げをやむさんに知らされ、Webサイトで実況を見ようとアクセス。これが重いのなんの、いくら待っても開く気配すら無い。落ちてんのか?(サーバーが)と疑いだした頃になってやっと開いたと思ったら、ロケットは既に飛び去った後であった。残った煙がたなびいてるのが、いっそ寂しい。つか、すっげぇマヌケな気分なんですけど。
 ま、打ち上げは首尾よくいったみたいでめでたいんだけどね。デブリにならんように、今後の作業も順調でありますように。

 職場で受け取ったメールに、大事な某所からのお知らせを発見。今日か明日かと楽しみにしていたものを発送していただけたとのこと。たぶん到着は明11日とのことなので、当日は絶対残業なんざぁしねぇぞ!と決意をこめて仕事を片付ける。で、夜道をふらふら帰ったら、目の前を郵便配達が…ん?この通知は?
 荷物を置く間も惜しく、後を追いましたよアタシゃあ。ええ、チャリンコで。
 で、結局は郵便局まで追跡し、それはオレんださぁ寄越せともぎ取って帰宅したのであった。なんとなく勝ったような気分である。いや、振り回されてる身からすると事実は逆かも知れんけどな。恋は追ったほうの負けっつーし。<恋なんか!
 考えてみれば、いただいたメールには「早いと10日に」ときちんと書いてあったのだった。反省。嬉しくなって食べてしまった白ヤギさんの気分に浸りつつ、戦利品を賞味しようっと。(食べ物ではありません)

9月12日(木) 曇のち晴
 朝の公園を通り抜けていくと、そこかしこで背広姿の老若サラリーマンがベンチで陽を浴びているのにでくわす。出社前のひととき、ちょっとひと息ついていこうか、というところなんだろう。ご同慶の至りである。
 で、同じ公園の樹の上では、カラスたちが羽づくろいや嘴の掃除に余念が無い。同じグループの者同士でコミュニケートしてたりもするのは、出撃前の打ち合わせだろうか。あきらかに餌でも巣材でもない小枝を振り回して遊んでいる準備運動派もいる。
 見比べると、妙に共通点がある。人と鳥の、ほほえましい相似形とでも言えよう。
 さて、我が家にも、こういう風景はある。
 ねこま「11月に新しいシオンたんが出るんだよ〜」
 僕「11月といえば牧史郎ドールが発売だな〜」
 …いや、これはちょっと、似て非なるものかも知れぬ。つか、ちーとも微笑ましくありませんな。

 とまぁ、そういう趣味の持ち主2名だが、ここ数日は同じ事に萌え燃えている。チョコQである。
 2人がかりで買いまくりせっせと開封しまくってるのだが、出来のいいのが多いもんだからフルコンプしたくなっちまってなお購買欲が燃えさかるという死のループ。それがダブルでやるもんだから、あっという間にプラスチックの卵が山になってしまった。あな恐ろしや。
 出来のほうは一昨日書いたから繰り返さないとして、これまでのシークレットが紛れ込ませてあるのもまた嬉しいファクターなんだよな。しかも微妙に形は修正され塗りは向上していて、当たったときの嬉しささえ以前とは桁違いという気がする。これまでキタダニリュウとツチノコを引いたが、前のバージョンだったら欲しいと思わなかったよこれ。今はもう、組み上げてジオラマこさえてケースに収めたいとさえ。
 …あえて目をそらしてるチョコの山で、ジオラマこさえてもいいですか?<駄目人間

9月14日(土) 晴
 昨日買ってきた『日本の天然記念物』最新刊を開く。今回はルリカケス。模型の出来(継ぎ目を見せない構造が凄い!)もさることながら、大きな写真で見る鳥の色彩には目を驚かされる。ラピスラズリに似た青い羽に、背中と胸の一部に赤茶色を置く組み合わせなんて、人間がやったら不調和にしかならんだろう。それに森でどうやって目立たずに生きていける?と思うのだが、これが実は緑深い森ではしっかり保護色になるのだそうだ。げに自然のやることには人の知恵の及ばぬものがあるのう。及ばないのは僕の想像力かもしれんけどね。

 『ANOTHER MONSTER [もうひとつのMONSTER](ヴェルナー・ヴェーバー、浦沢直樹/共著、長崎尚志/訳、小学館)』を読む。これは、日本では共著の片割れである浦沢氏のコミックで紹介されたドイツの大量殺人犯「ヨハン」と、彼を生み出したヨーロッパの戦後の闇を探ったルポルタージュである。深く広範な各方面の知識をもっての関係者へのインタビュー、密に調べ上げられた史実の裏付けは、調査の進行とともに言い知れぬ戦慄を呼び起こす。それは、戦後の占領時代を一期として、あたかも記憶喪失に陥ったかのように過去を切り捨てている国、その時代に生まれた身ゆえの(おそらく空虚さへの)不安も多分にあるのだろうが。
 ルポの後半は事件の中枢に迫ったこともあり、著者の緊張がいやがうえにも高まるのが感じられる。まるで読者もその場に立ち会うかのような緊迫感。そして訪れる衝撃の最終章。自らもこの後の調査を行う意思を明らかにしている浦沢氏に期待が寄せられるところである。先を行った人々の状況を思うと、非常に不安ではあるが。
 …と、本の体裁に合わせて感想を書いてみたが、実際良く書けていると思う。コミックで辿った物語に重なる「もうひとつ」の存在が、徐々にその姿を現してくる過程は結構引き込まれるものがある。本編が「これで終わり?」と思わせる幕切れだったことを思うと、これをもって最終巻、真の完結とすべきかもしれない。ただ、その最後に至ってクトゥルー神話みたいになっちゃったのは、ちょっとどうかなと思わないでもないけれどね。

9月16日(月) 晴
 起き抜けにニュースサイトをうろついていたら、CNNで「元飛行士、映画製作者を殴る」というのに出くわした。アポロで月面着陸を果たした片割れ、オルドリン飛行士に「月へ行ってないと誓え!」と聖書をかざして詰め寄り壁に押し付けた男が殴られたという話。事情の上に、映画製作者37歳/元飛行士72歳ってコトを考え合わせただけでも、その本の角に頭ぶつけて死んでしまえと思うんだが、この製作者はしっかり映像をキープしており、テレビ番組で使うつもりだという。「否定できずに逆上する老人」という演出でもする気なのかね。
 ケネディ暗殺の真相からロズウェルに至るまで、陰謀説は面白い。「キミは王様の夢なんだ」なシチュエーションというのは、ほどよく不安を醸し出してくれるし、ましてそれが世界規模なイベントとあれば自分(たち)だけが真相に辿り付いたような錯覚が選民意識ももたらしてくれる。けれどそれが愉しいのは、あくまでも頭の中でのお遊びとしてだ。「アヤシイ」だけしか主旨をもたず、てめぇの主張(この製作者の場合は単なるネタであろうが)を通すために他人の迷惑顧みないようなヤツぁ、それらしくてめぇの夢から出てくるな。…って実は、このニュースだって信用できんよな。という具合にだ。
 ということで、起き抜けのチャットでヒロツさんと「実像のアメリカ」に迫ってみた。
 お前の周りは陰謀だらけだ。疑え。<神崎士郎風に
【09/16 09:38】[ ヒロツ ]実は子ブッシュは実在しないのです。あれは親ブッシュのバンクショットの切り貼りです。
【09/16 09:41】[ ヒロツ ]米軍の空母は本当は長さ10mしかありません。
【09/16 09:43】[ 司葉 ]グランド・キャニオンはマットアートでした(最近CGに差し替えられました)。
【09/16 09:44】[ 司葉 ]戦闘機はCGで、日本のゲームメーカーに外注しています。こないだヲタが変形タイプを紛れ込ませて大騒ぎになりました。
【09/16 09:44】[ ヒロツ ]メジャーリーグは6球団を使い回ししています。それでも人手が足りず日本人を借りてます。高校野球からスカウトして、シークレットシューズとガングロで黒人選手出来上がりです。
【09/16 09:45】[ ヒロツ ]NFLはコナミのゲームがよくできていたので「これでいいじゃん」ということになり、現在はフルデジタルです。
【09/16 09:47】[ 司葉 ]WTCは元から存在しませんでした。
【09/16 09:48】[ ヒロツ ]自由の女神はパートのおばちゃんです。
【09/16 09:48】[ 司葉 ]田舎町での事件はすべてCGです。専用のベースモデルが作ってあります。
【09/16 09:49】[ ヒロツ ]北米大陸は東西300kmしかありません。新幹線が走ってないのが何よりの証拠。
【09/16 09:50】[ ヒロツ ]マイケル・ジャクソンはロボットです。あ、これは既出でつね。
【09/16 09:51】[ 司葉 ]宇宙人を改造したんじゃなかったのか…
【09/16 09:53】[ ヒロツ ]ホットドッグ早食いで日本人に負けるのは、実はやつらはちっちゃいからです。池野めだか程度。
【09/16 09:53】[ 司葉 ]「絶滅した」ことになっている動物の大半も、元から存在しません。じーちゃんのホラ話を映像化しただけです。
【09/16 09:54】[ ヒロツ ]マリリン・モンローやケネディがアレしたのは担当者が映像素材を紛失したからです。
【09/16 09:55】[ 司葉 ]イエローストーン国立公園の映像はBON-SAIにマイクロカメラを差し込んで撮影しています。
【09/16 09:55】[ 司葉 ]プレスリーについては言うまでもありません。
【09/16 09:55】[ ヒロツ ]アメリカの食品はすべてサトウキビとトウモコロコシとジャガイモからできています。見た目は違いますが味は同じです。
【09/16 09:56】[ 司葉 ]豆だけという説もあるので信じてはいけません。
【09/16 09:57】[ ヒロツ ]実はアメリカの西海岸はハワイのとなりで撮影しています。太平洋ひとりぼっちの堀江さんには莫大な口止め料を払っています。
【09/16 09:58】[ ヒロツ ]マイクロソフトはインドにあります。
【09/16 09:58】[ 司葉 ]ちなみにリンドバーグは英仏海峡で撮影しました。
【09/16 09:59】[ 司葉 ]大陸横断鉄道はNゲージです。
【09/16 10:00】[ ヒロツ ]日本の観光客がシアトルマリナーズの試合を見ているのは、京都太秦にある任天堂スタジアムです。スポンサーだし。
【09/16 10:00】[ 司葉 ]これまでに作られたCGキャラのうち、もっとも良く出来ているのはシュワルッツェネガーです。加齢効果もばっちり。
【09/16 10:04】[ 司葉 ]プレイメイトはまだエアブラシアートです。CGへの移行にはまだオーナーの許可が下りません。
 ああ、トンデモを語るのは楽しいな。…しかし休日の朝っぱらから何やってるかね僕らは。

 夕方になって、学生時代の友人達と焼肉を食いに行く。幼い子供連れがいるので個室にしてもらい、ひたすら呑み食いかつ語る。それにしても、正月には泣くだけの赤ん坊だったモンが、片言ながら話すようになってるのは驚くしかない。大概の動物に比べれば人間の成長なんざ遅いもんなんだけど、ちょっと見ない間に偉そうに指図するようになってるもんなぁ。でも、ささやかに感動してる大人に向かって「こっち座るの」「これ食べるの」とか仕切らないでくださいAちゃん(1歳半)や。

9月17日(火) 雨
 3連休後とてダルくてかなわん。出社に気合が要る。つーかそもそも「お持ち帰り仕事」とか「深夜モニター業務」とかしてたひにゃあ、帰宅した意味があるんだか。狭い家じゃあ布団の誘惑とか猫の呪いから逃れる余地も無いんだし。
 と、ぶつくさ言いつつ出社したら、チームは皆ひとしく同様にダレまくっていた。今週も勤務日は4日、陽のあるうちは充電期間として、この調子でだら〜っと過ごすとしようかね。って雨じゃんよ!(泣)

 で、終業と同時に速攻で帰宅し『The Document Of METAL GEAR SOLID 2』を起動。言わずと知れた『METAL GEAR SOLID 2 〜Sons Of Liberty〜』の関連商品である。読んで字の如くドキュメントつまり記録であるゆえに、制作過程の諸々の要素がみしっと詰め込まれている。まぁ、さすがに設定画とかは他でも使ってるんで新味はないし紙メディアのほうが美しいと思うが、膨大なドキュメント…こっちは書類って意味で、企画がらみから敵の思考ルーチン案、挙句はチームの組織図までも載っており、ゲーム制作に携わりたいな〜と夢見てる少年少女にお薦め。読み応えぐったりですぜボーイズ&ガールズ。そんな過去もあったなぁとか言うマニー向けには商品カタログがあるので、蒐集熱をまた上げるのも楽しみかたではあろう。
 ちなみに僕が期待していたのは、メインになっている(と思う)キャラやイベントシーンを好きな方向から眺められるというモード。手で触れる3D方向を好むものとしては、参考資料としてぜひ拝んでおきたかったんであるが、極力単純化した形とテクスチャでここまで表現するか!ってのはかなり参考になった、と言っておこう。もちろんキャラ萌えの方には嬉しいんじゃないかな。ううう、アップで拝んでも中尉殿シブすぎっ。<せめて他のにしろ
 ことにデモの構造物を見ると、3DCGや特撮映像フリークよりも、映画好きな人に非常に興味深いのではと思う。例えばオープニングシーンの橋とか直後にオセロットが乗ってるヘリとか、「どこまで作ってある」かを見ると、本当にセットみたいなんだよな。撮影現場をウロチョロする気分になれて、本当に楽しい。つまみ出される心配もないし。火薬の使いすぎで怪我したり飲み水が汚染されてたりもゲフンゲフン。
 後は追って発売の『SUBSTANCE』の前哨戦とてか、VR訓練が何ステージかプレイできる。疲れた頭と反射神経がついていかずに途中で脱落しましたけど。助けられなくてごめんよメリル。

9月19日(木) 晴
 今日は仕事も少ないし、さくっと切り上げて早よ帰るぞ!と思っていたら、終業間際に業務がどどっと降って沸いた。ええもう、テトリスの最終面みたいな感じで。連想ついでに頭の中でロシア民謡のメロディが流れ出して止まらなくなり、ほとんど狂騒状態で1時間強を過ごす。ちゃ〜ららちゃ〜ららちゃ〜ららちゃ〜らら…って、この曲なんてタイトルだっけ?<余計なことを考えるな
 ※ちなみに「コロブチカ」です。
 飯を食って帰るにも食わずに相方を待つのにも中途半端な時刻に会社を出たので、調整がてらちょいとしたパーツを求めにトイザらスへ。しかしプラ工作用の素材は全く無いことを知って愕然とする。そうか〜、今のモデラー達って、プラ板とか棒って使わないのか。それとも、そういう物は専門ショップ&キットは量販店で廉くっていう住み分けなのだろうか。
 とつ言いつ店内をウロついていたら、ねこまのために企画していたドール用アイテムが既に存在しているのを見つけてしまった。いや、凡百なアイディアだったから当たり前なんだけど、なんか悔しい。この鬱憤をどこへぶつけてやろうかとさらに徘徊し、二次戦ドイツ兵2体セット(バズーカ砲つき)が投げ売りされているのを見つけてゲット。追い剥ぎ目的にしても悪くない値段で非常にラッキーである。とかくミリタリーフィギュア系は売れ筋ではないらしく、最近ずんずん棚から駆逐されているんで、こういうオコボレ的な当たりは、そうそうありはしないだろうけど。

 で、早く帰ろうと思ってた目的であるところの『仮面ライダー龍騎スペシャル』を夜更けて観る。
 悪くない。というか、1時間(CMを差し引くから実質45分くらい?)という尺に収めるには、よく頑張ってたというか。逆に言うと尺が足りなくてキュウキュウなんだけどな。どう詰め込んでも13人ライダーってのは、1時間で一度に出すには多いやね。敵がゾルダ・ガイ・王蛇にベルデといればバトルシーンには十分、リュウガやファム他2名はいなくても良かったような。つーか人数多すぎて「袋叩き戦闘」の間、後の方であぶれてる奴がいなかったか?
 この特撮なしの「袋叩き戦闘」シーン、妙に生々しく泥臭く、気分のよろしいものじゃない。だがそれゆえ、同等もしくはそれ以上の力のある者たちとの絶望的な戦いを感じさせるには非常に効果的だったと思う。最初の『仮面ライダー』を髣髴とさせるというか…だってショッカーの怪人って、ライダーと同じ改造人間なんだよな。本郷や一文字は洗脳されんかっただけの「バッタ男」で、次々に襲ってくる「コウモリ男」や「ハチ女」や「植物人間(違うって!<サラセニアン)」と戦ってるわけなんだから。かれらに日常生活があり様々な望みがあるという設定だったら「ライダーキック!」どかーん!で片付けまくることは出来なかったろう。そういう意味では『龍騎』はやはりライダーらしからぬモンだとも言えるんだが。
 ストーリーから神崎兄妹をすっぱり省いたのは上出来。あと細かいところでは、OREジャーナルの楽しい日常が(ちょいとクドい点もあるが)主人公の視点を感じさせるにも良かった。あと浅倉のレクター博士ごっこ&チープなコアミラー、そして律儀に勘定書きを取っていく蟹刑事には笑ったなぁ。
 それにしても、視聴者投票での二者択一エンディングというこの企画、結局は「戦う」で幕を引いたわけだが、「戦いを止める」ほうに天秤が傾いていたらどうなってたんだろうね。ミラーワールド消失=モンスター消滅=ライダー不要となって、全員その場で変身が解けて鏡の向こうに置き去り、とか。幕切れの士郎にーちゃんの台詞を考えると、どっちに転んでも視聴者に少しく後悔させようという意図があるように思えるのだがいかがか。え?なんかキーンキーンとか聞こえr

9月22日(日) 晴
 ねこまと二人、中心街へ買い物に。もう1ヶ月以上こっち方面へ出かけられなかったので、いろいろと用が溜まっている。我慢の日々に書き溜めたお買い物メモを握り締め、いざ出陣。潜水艦→手芸屋→模型屋→本屋→ハンズ上から下まで、という経路でがんがん歩き、随所でナイスアイテムを見つけては「買うたやめた音頭」を踊る。しかし、本当に欲しいものが何故か欠品になっていて随所で「ちくしょうちくしょうステップ」も踏む羽目に。防毒マスクとかアクリルケースとか金属板とか、どうしても必要なものに限って無い…って、いったいワシゃあ何をする人なんでしょうなあ婆さんや。<誰

 ハンズの1Fで、小さなラジコン戦車「コンバットデジQ」のデモをやってるのを見てしばし立ち止まる。ラジコンといってもコントローラはゲームのパッド並に軽く、本体ときてはミニカーより一回り大きい程度だ。それがただ走る(斜面や傾斜も軽快)だけじゃなく、互いにシグナルを発しあってサバイバルゲームが出来るというのだからスゴイ。それもルールを選ぶことで、味方には当たらない設定でのチームプレイなんかもアリだとか。
 これは楽しそうだと、子供とお父さんの集団(なぜか後者のほうが興味津々)の中で覗き込んでいたら、店員さんがコントローラを貸してくれた。さっそく走らせてみる。お、これはなかなか!戦車としての重厚さはまるっきり無いけど、小さいのがキュラキュラ走るのは可愛いぞ!よし、旋回だ!あれ?右じゃない?そっかラジコンだからなぁ、んじゃこうして…とと、何でバックするかな?えーと右スティックで向きを?スイッチで射撃で?えーとえーと?
 結論。僕にはラジコンは向きません。
 つーかソレで『バイオハザード』が出来ない人間に、モノホンのラジコンなんか無理に決まってるのであった。小学生の操縦するヤツに撃ちまくられて撤収してるのは、多分に反射神経の衰えもあるだろうけどな。ちくそー。買って特訓してやろうか。
 ねこま「猫が驚くからウチでは禁止」
 じゃ、じゃあ会社で!<すんな

 山のような荷物に阻まれ、結局は戦車を諦めて帰宅。ビデオで『ハリケンジャー』と『龍騎』を観る。どっちも盛り上がってきていて実にナイス。特に後者、戦いに積極的な者・消極的な者・積極的にならざるを得ない者という構図の中に得体の知れない新勢力(らしい)が登場してますます混迷の度合いが深まりそうだ。願わくば混乱に堕しませんように。
 あと今回の見所としては、やはり他人のウチでご飯な浅倉だろう。生卵・餃子・ヨーグルトって、どういう食べ合わせかねアンタ。っつか、よく餃子焼けたな、しかも美味そげな焼き色に。焦げ目つけて水入れて蒸さなきゃいけないはずだけど、イライラしなかったんでしょうか?食い物に関してだけはオッケーなのか?

9月23日(月) 晴
 夏に逝ってしまった白猫が通った病院へ、今度は黒猫を担いで行く。どっちも老齢だから仕方ないのだが、秋の訪れとともに懐の寒いこった。ちなみに今回は歯が灰色の塊になり口腔内が赤くなっている…という状態。歯肉炎か歯槽膿漏か虫歯か、いずれにしても口臭ものすごくオジイチャンオクチクサーイなんである。ちなみに僕ぁあのCMだいっ嫌いだけどな。
 病院は例によって混み合っていた。今日の患畜は犬が多い。どれも飼い主の言いつけに従って大人しく順番を待っているが、呼ばれて診察室に入るだんになると途端に腰が引けるのには少しく笑ってしまう。いや、悪いとは思うんだけどね、何かに似てるんだよ。ん〜と、いつだったかなぁ、たしか市立病院でウチの相方と一緒に…って自分じゃねえか!
 待ち時間の所在無さに周囲の壁の掲示物を眺める。迷子探しや飼い主探し、それに何より貰い手募集が多い。中に可憐な仔猫の写真入りのがあって、気が付けばねこまとふたり、口をあけて眺めていた。
 ねこま「可愛いね〜 ♥」
 うん。
 ねこま「肉球がプユプユなんだよね〜」
 うん。
 ねこま「欲しいね〜」
 うんうん。
 ねこま「ウチのにも、こういう時があったんだよね〜」
 うん。
 ねこま「つまり、この子達も、あと10年すると…」
 ……ふてぶてしくて強引で我侭で厚かましくて生意気で贅沢なデブ猫になるのか。諸行無常であるのう。
 ちなみに我が家の「ふてぶて以下略」は歯石の溜まりすぎで歯が腐りだしているらしい。要は虫歯である。野生の状態なら繊維質を口にすることも多いだろうが、飼われていてはそうもいかんからなぁ。犬猫を飼ってる皆様には、ぜひご留意いただきたい。

 老いて痩せたとはいえ4.5kgの猫を持ち歩くのは結構な労働である。某セロ弾きの三毛猫よろしく「なかなか運搬はひどいや」と呟きながら帰宅し、茶を喫しつつダウン。しかし程なく高校時代の友人だの両親だのが相次いで予告無しの襲撃をかましてくれ、強制起動することに。かれらが帰った後も何となく収まりがつかずパーツの整理と小細工を始め、結局深夜までごそごそしていた。あちこち筋肉痛で肩も凝っている連休の終わりは少々ものがなしい。つか、ゆっくり寝そべって本を読む時間が欲しいもんだ。

9月24日(火) 
 出勤途上、ふらふらと頼りなく飛ぶ雪虫をみて足を止める。もう冬か…と一瞬感慨に浸りかけて、暦を脳内でリロード。ちょっと待て!早すぎるぞオイ!初物を食うと長生きするというが、こういう初物は勘弁して欲しい。つか食えないし。

 夕刻、相方が病院に預けた猫を引き取って帰る。右の奥歯が壊滅状態になっていたそうだ。抜いた歯を見せてもらったが、根まですっかり変形してしまって、まるで劣化したコンクリート片である。隣は根だけ残っていたそうだが、それが何か役立つワケでもない。かろうじて下の1本だけ助かったが、めでたく歯ヌケ爺さんとなってしまった。不憫なことである。
 がしかし、犬猫の場合は元から丸呑みに近いんで、あまり苦にはならんだろうという話もある。医師の診立てでも、齢の割には丈夫だそうだし、迫る冬にも行火としての働きを期待しておるぞ>猫
 ※実際にはヒトが猫の保温装置件寝床になる。猫に「働き」を期待する以上の愚は無い。

9月27日(金) 晴
 ダジャレで目が覚めた。
 夢の中で、ニュースを観ていた。アメリカがとうとう某国へ実力行使を宣言、人的被害を避けるためにロボット兵器を投入するという。具体的な証拠の提示もなく武力格差にものを言わせて「正義」ごっこか、まるで苛めっ子のガキ大将だな…と思って、つい口にした。
 「ジャイアンとロボ、ってか〜?」
 直後、自分で「つまんねーよ」とツッコミを入れたことに微妙に満足していたりするんだが、こういうのはダメでしょうか?<誰に聞くか

 ところで。
 時事ネタは苦手だし、博学多識なんて言葉は薬にしたくても身辺に見当たらないんで、単なる戯言、思ったまんまなんだが。
 たぶん夢ではないこの世界において、各種報道とWebで見るアメリカの暴走っぷりは、いったい何処へ辿り着こうとしているんだろうか?
 まさか全世界をアメリカもしくはその植民地にしたいワケではあるまい。そんなことしたって、既に世界のサイズは100年前よか縮まってるワケで、最後に待ってるのは停滞に過ぎなかろう。しかし他国に干渉し軍を置き、自分たちが法としているものを敷いてゆくその挙動はやはりそうとしか見えない。旗印の色が違うだけ、不意打ちしないだけで中国と変わらない。単なる目先の利権だけ、そういうことなら分かるんだが…過去の歴史に鑑みて、それが良い結果を生まないことは明白だろうに。
 そもそも「アメリカ人」はどこに居るのだろう?流れ着いた者、拉致されて来た者を除いたら、残るは真のネイティヴであろうインディアンと呼ばれる人々だけ、だが侵略して居着いた白人主導の社会であるのは目に明らかだ。その中でなおアイルランド系のドイツ系のと互いに区別しあう人々が、軋轢を乗り越えようと良いシステムを作っても活かしきれず、他国にアラがあるとそこに視点を集中し押しかけて騒ぐ……。
 と書いてきて、ふと思う。
 なんか、某巨大掲示板に似てませんか?
 まぁ、本土が対外戦でのバトルフィールドになったことが無いってのは違うけどな。つまりアレですか、混沌のまま存続することにこそ意味があるのでしょうか。
 「そんなアメリカはイヤだ!」だなぁ。維新と二次敗戦で過去を切り捨て続けたこの国には、そういう面白みさえ無いけどね。

 …ってぐらいで、ダジャレで覚醒した気恥ずかしさは消せるかな。<無理

 味覚糖の『激戦-兜コレクション-』が上陸したので試しに買う。とはいえ、モノは既にイエサブ辺りで見てるので、まぁご挨拶ってところか。
 箱がでかい。中の緩衝材つーかパック部分が無駄に余白を取ってる。何でこんなに大きくしたのやら。で、引き当てたのは「黒漆塗海老尾形兜」。えーとアレだ、頭に海老の尾っぽが被さる形…って、そういう言い方すると、えらく間抜けな代物ではあるな。いかにもアーマーっぽくてカッコイイデザインなのだが。
 モデル自体は流石の海洋堂製、よく出来ている。が塗りがちょっと…他の種類と違ってシンプルなものだけに、気を配って欲しかったなぁ。あと布と紐が入っていてディスプレイに使うようになっているのはリアルでいいんだが、多分「器用度」の低い人は苦労するに違いない。例えば僕とか僕とか僕。
 飴は、リンゴ味…なんだが、薬臭いような独特の風味があってちょっと戴けない。モノの雰囲気に合わせて梅干味とか味噌味にしたらどうか。<よりイヤ〜ンなものになると思われ

9月28日(土) 曇のち雨
 多忙にかまけた蓬髪がいい加減うっとうしくなり、床屋へ足を運ぶ。行きがてと待ち時間で『ローマ人の物語 勝者の混迷・下(塩野七生/著、新潮文庫)』を読了。時間が取れぬまま週をまたいでちびちび読みしてたんだが、それでも忘れもせず筋を追えるのは印象の強さ、イコール筆者の力量というほかない。本当に、どの場面をとっても漢どもの生き様が心に残るのだよなぁ。この世界を語らせたら彼女に勝る語り部はそうはおるまいて。ただ、今回は誰を書いても何を描いても「もう少し経つともっと凄い話が出来るのよ〜」という空気が漂ってるような気がしないでも。巻末はもう、その気分が盛り上がりまくっておられるような印象があるのだが……なんか可愛いです。年上のひとにこんなことを言っては失礼なのかもしれないけれど。

 髪を切り顔をあたりマッサージまでしてもらって爽快な気分で床屋を後にし、元気に書店へ突入。数十分後に、荷物の重さにヘシ折れそうになって出てくる。いや〜、本屋と金物屋系(ハンズとかね)それに家電店は危険だわ。無傷で離脱できたためしが無いもんな。
 で、今日買った本。
 『西洋骨董洋菓子店 4(よしながふみ/著、新書館)』
 この巻をもって完結。作者にお疲れ様よりは有難うといいたい。面白い作品を面白いまま、見事に幕を引いてくれた。いやまぁ、途中の小野の話にはいささか引かされるモノはあったけどね。
 人が生き、暮らす過程で繰り広げられる数多の齟齬、悔やんでも復旧できない幾多の傷。けれどそれを乗り越え消化し、或いは抱えたままでも、みんな今日を生きている。言ってしまうとそれだけの話なんだけど、ここまでの積み上げ方が実に周到で、シンプルな絵柄の世界が驚くばかり身に迫ってくるのだ。ああ、僕も諦めるべきではないのかなぁ、とかね。
 主題もさりながら、振り返ってみると絵の作り話の構成も実にいい。メインストーリーとして流れてきた主人公達の日々、その傍らを流れすぎる多くの(名前の出ない)人物群。しかし、物語の終わりに当たって、それらがムダに語り流されてきたのではないことが明らかに見え始める。芥川氏のケーキ好きとその薀蓄なんてのは序の口で、最後の事件の関係者だって以前から店の窓に顔を覗かせていたのだよな。こりゃあ小説には難しい芸当だ。うん、読んで良かった。
 『Hold me tight(篠原烏童/著、ネムキコミックス)』
 砂の惑星で狩人(賞金稼ぎ)をする若者と、彼の相方になった乗用髪竜(ヘアードラゴン)の物語…という、異世界SFとしてまず秀逸。この人ぁ本当にこういう「ここでない場所」の生活の描き方が上手い。ごく当たり前に読者を引っ張り込んでしまうんだよなぁ。
 で、この髪竜フィーフィーが、どうやらその種族に属さないらしい変わり者で、おまけに…女性にこういう言い方は非常に失礼なんだが…おデブちゃんで涙もろく、どっちかつーと小動物みたいな挙措をするのが実に実に可愛らしい。まぁヒトの倍以上の体積がありそうなんで、迂闊にソレを口に出したらえらい目に合いそうではあるが。
 話のほうも、シリーズの滑り出しとして世界観を語りながら事件に当たっていいく流れはお家芸といっていいスムーズさだ。泣かせばなしが多い気もするとはいえ、「そこで鼻水かよっ!」というような落としどころも随所にあるので、かなり明るい気持ちで読めると思う。今後が楽しみな一冊であるな。ところでフィーフィーの縫いぐるみとか作る予定は…ありませんかそうですか。
 『汚辱のゲーム 上下(ディーン・クーンツ/著、田中一江/訳、講談社文庫)』
 未読。さすがに文庫2冊一気読みはできなかった。Rの取れた後のクーンツ作品は好きなんで、かなりウズウズしてるのだが。
 『フィギュア王(ワールドフォトプレス)』
 今回、チョコ卵系の特集である。が、チョコQ以外は(文字どおり)食指の動かないものばかり、他のネタもいまひとつってとこで流し読みに終わる。学校グッズのガシャとか『裸のランチ』のバグライターとかってのには少々興味はあったんだが、これは図版のみだったし。今回、記事が全体に埋め草くさくてイマイチ力が入ってないのが一番の敗因かな。って負けたのは僕じゃないってばよ。
 『週刊 日本の天然記念物』
 先週分と今週分をまとめて引き取る。奈良の鹿とシマアカネ、どちらも例によってフィギュアの出来が素晴らしい。並べてみると異様な世界だけどな。
 本のほうは、被写体に興味は薄いものの鹿のほうが個人的に読みどころが多い。古文好きなもんで「奥山に」なんて決まりモンの句が出ただけでシミジミしちまうんだな。まぁ現実に鹿の遠音は勝利の雄たけびらしいし、奈良公園のあの連中ときたひにゃあピラニアかハイエナかってぐらいに意地汚いのは身をもって知ってるんだけどね。
 しみじみついでに、あのひとへ、古式ゆかしく歌でも送ってみるべきか。しかし「忘らるる」とか「人はいさ」とか返されたらどうしよう。とかうんうん言う間に眠気がさした。
 君や来む 我や行かむのいさよひに 槙の板戸もささず寝にけり
 ということで、心中に鬱屈する問題は先送り。何、決断力が無い?どうせ僕ぁ歴史に残るような大人物じゃないですよ。

9月29日(日) 雨
 猫の砂だのなんだのを買いに行く予定だったのだが、折からの雨。チャリンコでの行動しか想定してなかったので、やむなくキャンセルとする。
 とりあえず今日も『ハリケン』『龍騎』を眺め、後者の盛りだくさんぶりに満足。なんか、たった30分には感じませんでしたぜ。スペシャルもこのぐらいの密度&テンポで出来れば良かったのにね。<それは言わないお約束
 特に前半の浅倉逮捕劇には直前のマグナギガ転倒(動いたよ!)のショックもあいまって「おお、先生らしい解決法」と満足。しかしその後の行動がアレって…先生、本当に令子女史に気があるんスか?趣味は何となく分かるけど、あの女性に関わるとモンスターに喰われる危険が…いやまぁライダーやってんだから問題外か。しかし完全に無視される現状では、勝負以前の問題でもあるのう。頑張れスーパー弁護士&お手伝いさん<秘書だって
 対してとことんシリアスに、戦う意志を奮い起こす蓮も見所。真司とは決着が着かず北岡弁護士はヤケ混じりの祝勝会、浅倉は逮捕と誰も相手が居ない。結句、挑発めいたことを口にする神崎士郎=?=オーディンと対戦し、圧倒的な相手の強さに追い詰められた挙句、反射的に斃してしまう。ついに人を殺した衝撃に絶叫する姿は、なんだかこう、痛々しいというか見てて憐れを催すとしか。『アギト』の時の謎青年(ダミアン)なみに病院にこもりっきりの彼女が出て来る日は来るのだろうか?そしてナイトはバトル放棄で喰われ…ちゃマズイやな。二番煎じはつまらんので頑張れ不幸青年。<ってそういう理由か!

 とか言いつつ、ねこまのやつが入り用があるというので、別方面の店へ季節ものの衣類を買いに出る。数時間後、予定外の重さの荷物を担いで帰宅。なんかデジャヴュなんスけど。それも極めて最近に。
 …特に荷物の中に本が入ってるのが問題のような気がする。無限ループという言葉を脳裏に浮かばせつつ、あわれ今年の秋も去ぬめり。<昨日と変わってねぇだけじゃん



翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]