ねこまの休みに合わせ久々に休暇を取り、サッポロファクトリーで終日遊ぶ。メインのお楽しみは映画、モノは『ハリー・ポッター』と『シュレック』だ。
まずは午前中に『ハリー・ポッター』。大ベストセラーだけあって結構な客の入り、平日というのに大したモンである。冬休み中の
ガキお子様満載の吹き替え版は言わずもがなだが、わ
しらは素直に字幕版。それでもほとんどの席は埋まったうえに、暗くなってから入ってくる馬鹿者がひきもきらない。スクリーン前を横切るなっての!こちとら予告も楽しみなんだから!刺すぞコラ!とかっていちいち刺してたら、いまどきの映画館は死霊の盆踊り状態ですな。やめとこ。<そういう問題か?
さて、作品そのものは、とても丁寧&綺麗に出来ている。原作を読んでないので設定と合ってるかは分らんのだけど、一般の人間の世界と隣り合う「魔法が当たり前」の世界が、非常に分りやすくカッコ良く構築されているのだ。いろんな伝承や創作物をごっちゃにした魔法世界だが、各シチュエーションの描き方も上手いので、予備知識が有っても無くてもすんなり入り込める。「ホグワーツは魔法学校なのにクリスマスをするのか?いや、実はユールログで、ツリーに吊るしてるのはアレに違いない」な〜んてアホな事を考えても無下に否定されないような懐の深さが感じられる。<いや、否定してくださいソレだけは
話の流れもスムーズで、安心して観ていられる。しかし、キレイかつゆとりが有り過ぎて毒にも薬にもならん、退屈しないが驚きも乏しい、訴えてくるものが弱いって点はある。ハーマイオニとロンの努力&活躍は見えるけど、主人公たるハリーってば実は自主的に行動してドキドキってシチュエーションが乏しいし。最後まで「身に備わった」もので乗り切ってるし。ヘタすると、どこまでも都合良く出来た予定調和、銀のスプーンをくわえて生まれた子供の幸運ばなし、不幸は単なるスパイスになりかねない。ドラゴンに乗ったとたんにいじめっ子を追いまわした『ネバーエンディングストーリー』みたいになるのを、あちこちで織り込まれたハリーの言動(手紙への反応とか汽車の中のアレとかね)、それにサブキャラを立てることできわどく回避してるのだと思う。
真剣に深読みすると、結構教訓的な話になってるなとは思う。主人公は努力しないでも全てを手にしている。つまり艱難によって磨かれるのではなく、既に珠なのだ。だが、珠として有るだけでは意味がない、光らせてくれる者が無くては闇に沈み、あるいは同じく天性の魔法使いである『ゲド戦記』の主人公のように、己の内部に潜むモノとの闘いに明け暮れることになる可能性が…とかさ。でも、受け手がまっさらな時に、そこまで読ませるパワーは感じられなかった。良かれ悪しかれ、話中の「鏡」のように、観る者へ思わぬ自分の本性を垣間見せる作品にはなっている…かな?というところで、ひとつ。
ところで今野淳子さんを始めとする「スネイプ先生」をお気に入りのお友達の皆様。すいません、僕には彼がドクター・ラザルス@ギャラクシー・クエストにしか見えませんでした。初登場の瞬間から「トカゲヘッドにかけて、絶対に悪人じゃありませんよね!」とか胸中呟いてしまったクエスタリアンは結構いたんじゃないだろか。<オマエだけだ
そういえば古典ミステリのお約束みたいな謎の解け方は悪くない。主人公たちと同年輩の子供には、映像に興奮するだけじゃなく、ぜひ「犯人探し」をしながら観てほしいな。大人?大人はこんなトリックにひっかっちゃいけませんぜ〜。<しかし真のネタバレ時に唖然とした奴
昼食を摂り、時間をつぶしがてらトイザらスへ。GIジョー系統の1/6人形が欲しかったのだが、予算に見合うものが無く諦める。DRAGON社のベトナム戦兵士Russellはかなりツボだったのだが、改造用の素体に、\6,000は流石になあ。とりあえずはヌードでいいんだし。
店全体が、以前に来てから売り場が大幅に変わっていて、ラインナップが乏しくなっているのも残念だった。期待していた『メタルギアソリッド2』のフィギュアも無くて、やれやれとその場を去りかける。が、物欲の神は僕を見捨て給わなかった。…給え、つー説もあるが、とりあえず気にしない。しないともさ!(号泣)
ハリーハウゼン作品のミニチュア・フィギュアである。
正確には「レイ・ハリーハウゼン フィルムライブラリー」。メーカーはX-PLUS、寡聞にして知らなかったアメリカの会社らしい。輸入代理店がトイザらスなのだな。<帰宅後Webで調べたが、
X-PLUSのサイトはここ。
レジン製の小像と、ウルトラ怪獣サイズのソフビドールがあるんだが、どれも出来がいい。特に後者は素晴らしい。『アルゴ探検隊』や『シンドバッド』シリーズに出てきたあのクリーチャーたちが、まさにその姿で手元にある。これが買わずにいられようか。いやもう、特撮者でこれを買わねば非国民でしょう。市中引き回しのうえ銃殺でしょう。スケルトンソルジャーとメデューサ、それにヒュドラが欠けているのが辛いが、もしかすると後発で出るのかな。む、カリの顔がちょっとアレだな。剣も持ってないとダメだろう。しかしタロスとミノトゥン、それにイミールはいいなあ。塗りも綺麗だし、とにかく形がいいよ凄いよ。
ねこま「司葉クン、買うのね?」
「おう、買うともさ買わいでか」
ねこま「だと思ったけど。どこに置くの?」
う、考えておらんかった。ここは煙幕を張るべきだろう。
「ハリーハウゼンがアシスタントを募集したんだけど、どうしても2人一緒に使ってくれという姉妹しか来なくて諦めたって話、知ってる?」
ねこま「知らない」
「コマ取り姉妹という…」
ねこま「…………」
「嘘ですごめんなさい」
かくしてグリフォンとサイクロプスを購入。ああ素敵だぁ。<末期的
カフェでちょっとした間食を楽しんだ後は『シュレック』。
これは素直に面白い。下品ネタ馬鹿ネタ残酷ネタが山盛りなのに、それがストーリー上でちゃんと意味をもってて不快感無しに大笑いできる。コンセプトは童話のパロディなんだけど、ストーリーは、実はちゃんとした「お伽噺」になってるし。残念ながらアッチの童話の知識に限界があって元ネタが分らなかった(3匹の盲鼠は辛うじて分った)のと、語学力の難で駄洒落の類が聞き取れなかったのが惜しまれる。DVDが出たら、速攻購入だな。
あと難点があるとすれば、エディ・マーフィーだろうか。いや、喋りはすごく面白いんだが、いかんせん「本人」にしかなってないという印象がある。「うるさいロバ役をやってる役者」じゃなく「ロバ役をやってる役者がうるさい」とでも言おうか。個性が強いのも考えモンだよね。
これから春にかけての映画は『ロード・オブ・ザ・リング』は当然として、『モンスターズ・インク』かな。主人公の女の子がめっちゃ可愛いので、非常に楽しみだ。今度はいつズル休みしてやろうかな〜。<嘘ですしてません有給消化です