先回の日記を書いた翌日から猛暑。真夏日が無いとか言った舌の根を干上がらせるべく刺客が送りこまれたのかっつーぐらいに日々是真夏、老猫の探す扉の向こうも夏ばかり。連日30℃超の熱波がこれでもかこれでもかえいえいっ!とばかり降り注ぎ、古の歌人の詠えるがごと人目も草も枯れぬと…いや待て、あれは冬の歌じゃないか。というような按配に脳もほどよく煮えあがっている。
実のところ煮えてるのは熱波のせいだけではなく、おのれの体温によるところが大きい。熱波の訪れと同時に夏風邪をひき、日々バカの証明を繰り延べるうちにほどよい半熟となったものだ。ついでに体重もイイ感じで減少、このまま行くと秋にはミイラが完成しそうな按配である。「夏の終わりの即身仏」って、なんかメルヘンぽくねぇ?
とまあ順調に脳の体積を減らしている中、相方の買ってきた雑誌で『ハチミツとクローバー(羽海野チカ)』の完結を読む。
シリアスとギャグを織り交ぜ、重い現実とすっ飛んだアクションを見事融合させて連ねられてきた読み応えたっぷりな物語の幕切れとしては、いささかボリューム不足、かつ意外性に欠ける気がしないでもない。しかし、この話にとってはそれが相応しいのかな。ひとつの時間の終わりは全てをなかったことにするワケではなく、かれらが歩みだす道の先はまだまだ新しいドラマに満ちている筈なのだ、かつてその季節を過ごした大人たちのように作り出してゆくであろう新たな日々を思わせるだけで、ことさら大盛り上がりさせることでもない。
いや〜、なにより彼女が(相手のことを考えて)ダメージなしにちゃんと食えるものを作ったという、その事実にしみじみと微笑まれちゃったんですけどね。この年齢になると青春様には甘くなるのかもしれませんが、ベタなオチでもやっぱり良かったです、これは。
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