店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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4月1日(月) 晴
 今日も今日とて春らしい陽気。空は霞を帯びつつあくまでも青く、日差しはうらうらと暖かく、なんでこんな日に仕事してるんだろうなぁええチクショウって感じ〜うあああ眠い〜。
 月曜というのに仕事もあまり忙しくなく、平和である。かといって暇でもないのが癪に障るんだが、徒然に今日限りのサイトの更新とかこっそり出来るだけマシってもんであろう。これ終わったら帰ろっと。<それを世間では暇という
 そういうワケなんで、日記に書くほどのことは何もなし。ウソじゃありませんて、実は小説の続き書いてたりチョコエッグクラシック買い漁ってたりコレクションの店卸してたりなんて…ううむ、なんて分かり易い人格なんだ。エイプリル・フールにゃ金輪際向かないな。<嘘かも

4月3日(水) 曇のち雨
 出社前、朝食代わりの軽いオヤツを求めてコンビニへ。顔なじみのお姉さんがレジでニコニコ手招くので寄っていったら「ハムスターズランチ」を10箱フルパッケージで差し出された。そ、そんなアカラサマな。やっぱこういうのはアレでしょ「ダンナダンナ、いいモン入ってますぜ〜」とカウンターの陰でちらっと見せるのが王道…じゃなくて、僕の顔見るなり食玩を連想するのはいかがなものかと。いやまあ、ここの店は勤務先御用達で、かつ僕はその中で率先してこのテを買いまくってますけどね。恥ずかしがるレベルなんかとっくに脱してますともさ、ええええ!<やっぱりちょっと恥ずかしいらしい
 しかし当然ながら(当然かい!)小手調べとて2箱ばかり購入。
 出来は、いい。掴むと「ふにゅっ」としそうな柔らかい生き物の体のラインが見事。塗りも綺麗にボカシてあって、チョコエッグのハムスターとは比べ物にならない。さすがに至近距離ではアレだけど、机の上に並べて置くと、目を離したら動き出しそうな雰囲気がある。また「ペンギンズランチ」もそうだったが、中身のお菓子が美味い。品のよい薄味の醤油おかき、辛くないので酒のツマミには物足りないかもしれないが、茶請けには申し分ない。あ、いえ、その、お子様のオヤツにも最適とは思いますが。偉いぞ北陸製菓!「ペンギンズランチ2」もよろしく!

 一日を終えた帰途、今度はヨドバシカメラで生物フィギュア系のガシャポン発見。カメである。ふと気付くと、爬虫類/両生類好きの血も騒ぐまま速攻で100円を投じているではないか。う〜む、これはもう申し開きのしようがないっつーか習い性っつーか。諦めるしかねぇよなあ。<ええんかソレで

4月4日(木) 晴
 昨日に続き「ハムスターズランチ」を買い漁る。「同じ形で色違い」が3組もあるってぇのはちとズルいよなあと言いつつ、はや1ダースにならんと欲す(古文調)。ダブりを含むハムたちは机の上にざわざわと増殖し、これがほんとのネズミ算ってか〜ってなモンである。ま、ちょっと問題かな、そろそろキーボード操作の邪魔になってきたし。とか呟きながら、また一個開ける。ん?水色の透明樹脂?
 シークレット出現。
 モノはハムスターホイール、いわゆる踏み車の中で一生懸命走っているハムである。だいたい1/10スケール、背を伸ばした動きのある形がとらえられていて非常に可愛い。しかもホイールが可動になっている。これはやはり、くるくる回すしかあるまい。こう、無心にくるくるくるくるくるくる……なんか自分がハムスターになったような気分になりますが。
 しかし、気になるのは、リーフレットの画像と違い、こいつが白ハムであるということだ。なんだ、もしかしてシークレットにも色違いがあるのか?コンプ目指してあとどれぐらい柿の種を食べることになるのだろう。ま、ヒマワリの種つーよりはカボチャの種に似た形のコレ、美味しいからいいですけどね。ぼりぼりぼりぼりぼりぼり<やっぱハムスター化

4月6日(土) 晴
 書斎/物置/作業部屋の片付けをしながら、ひさびさに盛り削り作業をとポリパテを取り出す。買ってすぐ保存ビン(口にゴムパッキンのはまったアレ)に移してあるのでほぼ変質はしない…筈だが、さすがにひと冬の放置は長かった。全体に水気つーか溶剤が抜けて、固くなってきている。とりあえず練ってみたが、いまいち上手くない。むぅ、仕方ない。明日あたりスチレンモノマーを買いにいこう。

 作業がひと段落したところで、昨日買い込んでおいた「ハムスターズランチ」を片端から開ける。ダブるわダブるわ、あっという間に山が出来た。箱買いしてコレってぇのは、なにか釈然としませんなぁ。まぁ美味しいからいいけどね。ぼりぼりぼりぼりぼりぼり…と一昨日のリピートをやらかしていたら、シークレットが2個続けて出現した。ラッキー!と思ったのだが。
 サークルの色違いがあるんですけど。
 ペイント違いでパターン増やすだけじゃあなかったのか!なんかソレってちょっとツマンナイ気がするなあ。今分かってるだけで同型が4つもあるんだから、せめてシークレットは完全に別種類とかってサービス精神が欲しい気もするぞ。まぁ、無くっても食べますけどね。次シリーズに期待しつつ。<ってまだ全国展開してねぇってばよ

4月7日(日) 曇
 ねこまと二人、本物の猫(なまねこ)の砂だの餌だのを求めて近在のホームセンターへ。林立するガシャポンの中に中年ライダーこと「アナザーアギト」の入ってるヤツを発見。僕がアクション起こすより早くねこまが財布を構えていた。ん〜なんか龍騎の変身ポーズのようだ。千円札でベントインっすか?<ヤメレ
 とか笑っているうちに、ヤツはガンガンとコインを投入。しかし目的のブツは出ないまま、6つばかり買ったところで機械が詰まった。サービスカウンターのおじさんが鍵を持ってやって来て「好きなの取っていいよ」と言うやいなや、大喜びで僕に選ばせるねこま。はっ!なんかドサクサまぎれに使われてますが!つか、それ以前に持たされたエジプタス(ミイラ怪人)の山をどうしろと言いますか。こんなん改造にも向かんぞ!って既に改造されてますかそうですか。いや、エジプタスって単に生き返ったミイラじゃなかったっけ?

 馬鹿を呟きつつ買い物を終え、もしやの可能性に賭けてDIYコーナーの兄ちゃんをつかまえ「スチレンモノマーありますか?」と聞いてみる。兄ちゃん曰く「へ?」
 あのなあ、客に「へ」はねぇだろうよと次の言葉を待ってみたら「分からないんで〜」と語尾を延ばしたきり止まった。ふざけんな、可愛い婦女子ならまだ許すが、ブサイクと男には許されないんだぞ、と差別的な思考をしつつ立ち去る。モノが無いなら無いで結構なんで、応対のできない店員を代わりに置かないでください>東●ア●テさん
 いったん帰宅し、今度は街中へ。ハンズへの道を辿る途上、ふと古くからの模型屋の存在を思い出す。連れに立ち寄ってもらい、聞いてみた。
 店員氏いわく「聞いたことないですね〜」
 うーむ。札幌で模型といえばここ(と僕が勝手に評価していた)店でコレか。確かにメジャーな商品とは言えないが、まさかプロが知らないとはなあ。ちょっと残念。
 さてハンズ。レジでうら若い娘さんを掴まえて聞くと、名称を復唱し小首を傾げつつ「少しお待ちください…」と去ってしまった。この調子では敗北必至と思われたが、ちょっとお姉さんの店員さんが調べてくれると、ちゃんと扱い品目にあるという。いや、まぁ、渋谷店では置いてたから、ここには置けないワケも無いのだが。で、さっそく取り寄せを頼み、伝票に記載を始めたとたん「ありました!」の声。見ると男性の店員さんがブツを手に登場してるではないか。すごいぞハンズ!偉いぞハンズ!つーワケで今日はハンズの独り勝ち!<勝負だったんかい

 気分がすっきりしたところで、上海月のコースを食い、帰宅。満腹度120%ぐらいになって非常に危険であった。ええ、こう下を向くと出てくるんで。お食事中の方ごめんなさい。

4月10日(水) 
 春霞といえば聞こえはいいが、実際のところ土埃にけぶる街中を、会社に向かって歩く。冬の間はJRに乗り換えていたのだが、そろそろ良かろうと。道端には土筆(ツクシと読むのだよ、お若いの)が萌え萌え〜…もとい萌え出し、春の訪れを控えめに主張しているし。ま、もう少ししたら大移動シーズンのニョロニョロみたいに、足の踏み場もない「数の暴力」に訴えるのであろうが。
 黙っていればまだ肌寒い気温だが、歩き出すと覿面(テキメンじゃ、お若いの)に汗が噴き出す。ううむ、埃にまぶれて安倍川餅状態になりそうだ、とか思いつつ約20分を要して会社へ到着。妙だな、去年、雪が来る前は15分で歩いていたのだが。つまり余計な5分間ぶん、アッチやコッチに重石(=脂肪)が付いたってことっすか?いやあぁぁぁぁ!

 午後、コナミスタイルドットコムから荷物が届いた。『METALGEAR SOLID 2』書籍のオリジナルセットだが、箱がでっかくて驚く。ここは毎回そうなんだけど、紙パッキンを詰め込んでかさばる包みにしてあるんだよなぁ。まぁ商品も多様だし、破損どころが汚れがあっただけでキーキー言いそうなユーザー層だし、何より扱い業者が…いや何でもありません大統領。
 さてセットの片割れ『METAL WORKS THE PERFECT』は攻略映像集。が、ただのゲーム画面じゃあない。作者はかつて同人で前作のソレを作っていたんだが、その内容ときたら、いっそ凄まいばかり。ボス戦をノーダメージで切り抜けるのは当然、それも最短時間なのだ。碌に台詞を言う間もなくノックアウトされていく連中に溜飲を下げたのは僕だけではあるまい。だから非常に楽しみだったんだが…とりあえず、今日は帰宅が激烈に遅かったのでお預け。明日以降の楽しみとしたい。
 で、いま1冊は『THE ART OF METALGEAR SOLID 2』。MGS絵師・新川氏の画集だ。
 最初に言うが、僕は素描スケッチの類が好きだ。画家の迷い逡巡試行錯誤思い入れそして決断、そういうものが線の数を重ねて紙面に像を結んでいく過程が見えるのが大好きなのだ。棟方志巧か誰かが「木を彫るのじゃなく木の中にある形を彫り出すのだ」と言ってたけど、絵を描く匠は線でそれをなぞり出しているのじゃないかと、そう感じる瞬間がある。妄想とよし言わば言え。トイレ行って泣きます。<駄目じゃん
 で、この本は、そういう意味でかなり満足度が高い。作者は流れるような線と力のこもったタッチを持ち味にしてるのだが、最近(特に一部のポスターで)前者の方が奔りすぎててなんかこう、絵に厚みというか重さというか質感つーかってぇモノが減ってきてるような印象を受けていた。だが、ここに集められている画、ことにもキャラのデッサン画はどれも手応え十分。どっちかつーとこのタッチこそがキモではと思ってるので、非常に嬉しい1冊であった。前作の画集同様、最後に他絵師との対談が載ってるのは、こういう見物人にはあまり興の無いことではあるけどな。つか、それぐらいなら等倍のデッサン画を!<既にフェチかも

4月13日(土) 曇
 ここんトコの週末の倣いとて部屋の片付け。日々キッチリやってれば、もっと充実した余暇の過ごし方ができるとは思うんだけどね。そいつ〜が出来れば苦労はない♪<いまどき誰が分かるというのか@歌
 先週溶剤をたらしたパテの様子をみつつ、本の位置を変えては掃除。処分するとか何処かに収納するとかってアドバイスは不要。棄てるつもりは無いし仕舞う場所はさらに無い。どうだ恐れ入ったかわははははは!はー。<ちょっと溜息

 『幻獣の國物語7(猫十字社/著、朝日ソノラマ)』を読む。ものすごく過酷な展開にいささか呆然。いわば迷子としてスタートし、周囲の出来事や思惑に流されてきたヒロイン・ナツメが、場当たり的に回避してきたそれらの出来事に、前々巻あたりから自分の意志を問い直しては立ち向かい始めた…のだが、それがまさに戦争のど真中だったという、あまりに無惨な状況なのだ。今回キーパーソンとなる水精霊使い籬の言葉にあるとおり「小娘といえど、人を殺す力を持ちそれを行使したからには、敗けたら死なねばならぬ」場で、圧倒的な不利に押し潰されそうになる彼女を見るのは辛いものがある。
 しかし、みずから進む道を(或いは他の何かを)選択しそのために戦おうと決めた彼女の強さは、実にめざましくも健気である。思い入れひとしお、何とか救けの手を伸ばしたくなってしまうほどだ。ええくそ、可陀の蛇男がぁっ、ナツメたんにちょっかい出すんじゃねぇ〜っ!ナツメたんはなぁ、ナツメたんは…なんで蘿なんだよぉうええぇぇん。<なんか方向が違うぞ
 とまれ、ラスボスかと思っていたアトレイデス(武将としてカッコいいんだこの男)が友軍になりそうだったり、敵の中でも何やら蠢動するものがあったりと、先の楽しみは十全である。特に籬のキャラは、先の台詞ひとつ取っても魅力的だ。その麗容も作者の硬いラインの人形めいた絵とよくマッチしていて…いや、何でもありません。ええ、ナツメ姫一筋っすよ僕ぁ!<やっぱ違うぞ

 先日ビデオ録りしておいた『あずまんが大王』のアニメを観る。絵は綺麗だし声もなかなかイメージに合う。ギャグのテンポは…まぁ、元が4コマなんでリズムは読み手の感覚に負うものなんだから、比較しても始まらんわな。まずはほえほえ〜な空気が楽しめるってことで良しとしたい。おとうさんも飛んでるし。<って何よ


4月14日(日) 晴
 猫を連れて病院へ。また腫瘍が出来てしまったんである。この病気ではいわば宿命だし、予防にと処方してもらったアガリクス製剤も頑として口にしないヤツだから仕方ないのだけれど。そもそも猫に言い聞かせて分かるワケはなし、分かったところで聞く耳もなかろうが。
 さて、カバンの中で延々と文句をたれ待合室でもワメき続けたヤツは、診察台に載せ、触診・血液採取・レントゲンと進む間もず〜〜〜っと鳴きっぱなし。隙さえあればカバンに潜り込もうとするので、相方と2人で壁を作って阻む。気分はまるでPK戦。いや傍から見たらトゥイードルダムとトゥイードルディみたいに見えるんでしょうけどね、ええ。
 レントゲンの結果が出ると、先生は病巣を示すより早く腹部を指し「脂肪ですね」とのたもうた。前に腫瘍を切ってもらってからわずか2ヶ月程度というのに体重が元に戻ってるのはそういうことかい。しかしお前、我が家にいる猫の中では一番小食の筈なんだが?よもや人間の留守中に缶詰開けて食ってるんじゃなかろうな?んで空き缶を洗って分別袋に入れて証拠隠滅とか?二口猫って新種の妖怪か?

 かくして午前中はしっかりつぶされ、午後は水槽の水替とフィルタ掃除に追われる。45cm水槽のが、ヘドロ状のゴミをみっしり溜め込んでいて凄いのなんのって。これでも水が出てたんだから恐れ入るよなあ。つか早めに掃除しろってことですけどね、ええ。

 ふた仕事おえて、ビデオ録りしておいた『ハリケンジャー』と『龍騎』を観る。前者は例によってお約束の花道を闊歩すべく「己にのみ忠実でカッコいい第三勢力」が暴れている。後者はというと、主人公君が徐々に成長…してるんだろうなぁ、記憶喪失になってしまった仲間(とは言わないかこの場合)をフォローしようと奮闘している。やたらにヤバげな連中に喧嘩を売られる蓮を引っ張って逃げまわる姿は、非常に「お疲れさん」であるな。がしかし、ニュース屋の方の仕事サボりまくってていいのか君。クビになって喫茶店の専業になっちゃわないかね。他人事ながら心配であるよ。
 かくて「任せとけ」と単独で乗り込むミラーワールドは、またもやスーツアクターの演技が見せるコミカル部分を織り交ぜての戦闘がいい。いやほんと、今シリーズはバトルシーンにドラマがあるんだよなあ。どうせなら全編これで…いや、さすがにそれはムリだろう。何より女っ気(どころか人気)が無さすぎてどーにもならんわい。

 続いてPS2を起動。「METAL WORKS THE PERFECT」を鑑賞する。4月10日に到着した、攻略映像集である。で、初見の感想は…。
 「ピちがい」。
 良い言葉ではない、それは分かっているが、それでもなお尊称として呈したい。このモノ凄さ突き抜けぶりを見るに何を言えばいいのか、観てるこっちの脳味噌が干上がりそうな気分になるとしか。巡回する敵兵の視界の端を掠め過ぎ、ボスはポイントを押さえ分刻みで打倒。一部の狂いも無く決めたコースを駆け抜けるさえ、まるで機械のような正確さなのだ。凄すぎ。ムチャクチャ。アンタら人間か?とテレビの前で絶叫させられそうになった。いやもう、これ観た後でプレイしたら、かれらの腕と競おうなんて気分にはなれまい。劣等感でモニタに物を投げつけるか「どうせ誰もあの高みへは達し得ない」と開き直ってヘタに徹するか、ふたつにひとつしか無いのじゃないか。ちなみに僕は後者ね。<ダメじゃん
 かつての日、同人で前作の攻略ビデオを撮った作者は「ハゲそうになった」を解説文の中で繰り返していた。だから、あえて聞きたい。
 観てるこっちもハゲそうです。今回はご無事でしたか?
 ファン必見。日本全国世界各国に、どれほどのハゲが増えるかは僕の知るところではないが。

4月17日(水) 快晴
 猫の再手術日というのに、朝から妙に慌しい。そもそも本猫(プラス2匹)が昨夜からの絶食に耐えかねて「餌よこせ〜」と早暁から絶叫してたせいで、荒れた気持ちと回らぬ脳で起きてしまったのが原因だとは思うのだが。周囲を片付けようとしてつまらない失敗するしマシンは妙な不具合を出すし、積み上げておいた本の山は崩れるし。いや、だから積むな、というツッコミは無しにしていただきたい。これは本読みという種族の習性というヤツである。なんと、かれらは巣が狭いと溜め込んだ本を床に積み、畳を腐らせるのだ!…って、懐かしい「水曜スペシャル」ごっこしててどうするかな。
 とか何とか言ってると電話が鳴る。配送業者さんからで「ODNさんから着払い便が」とのもの。8M用のADSLモデムだよをい!よりによって今日という日、給料日まで1週間って時にに4,000円ですか!わぁ!
 とか叫んでてもしょうがないので、すぐに届けていただくことに。ペリカン便のおじさんは快く駆けつけ、手際よく1.5M用を回収してくれた。でも、おじさんは自分が運んでいるブツが何なのか知らなかったそうである。日本って平和な国なんだなあ。

 とりあえずモデムの設定は帰宅後にして、にゃーにゃー袋(猫を詰めたカバン)を担いで病院へ。例によって鳴き喚き続けるヤツを麻酔用の檻に詰め込み、ではお願いしますと去ろうとしたら、先生から待ったがかかった。「今回は処置範囲が小さそうなんで、終わったらすぐ連れて帰れますよ」とのこと。
 いいや、きっと違う。こないだ入院したときにず〜〜〜っと喚き続け水も飲まないハンストを敢行し、おまけに看護婦さんにのみ威嚇するという態度の悪さが評判になって、置いときたくないにちがいない。とは思ったが、まぁ早く連れ帰れるにしくはない。夕方に回収と話を決めて外へ。
 とはいうものの、いったん帰宅するにも気を変えて仕事に行くにも半端な時間である。つか、こう陽気がいいのに仕事なんかしてられるかってんでぇべらぼうめぇ。かくて家電店へ赴き、かねて欲しかったデジカメの品定めを。<天気は関係ないと思われ
 で、品定めしてる間にじわじわと物欲の神が憑依してきて、ふと気付いたらCAMEDIA C-3100ZOOM69,800円也をレジで頼んでいるではないか。さらに128MBのスマートメディアとレンズフィルタが添えられている。おお!なんという神秘!これも神のご意志とあらば是非も無い!
 ねこま「どこがやねん」
 僕「げふっ」
 と、ツッコミが決まった時にはビックカメラのポイントが大量に増えていた。わーいとばかり、今度はDVDを買いに行く。げに物欲の神おそるべし。手にしたのは『荒野の七人』『カサブランカ』『エクスカリバー』…って、いつの時代の人よ僕らは?
 ねこま「一緒にしないでよね。古いほうの2本は司葉クンの趣味でしょ?」
 いやしかし、描かれた時代はアーサー王時代のほうが!とか反論したかったが、後が怖いので中止。ええい、おぼえてやがれ!<って何時代の人か

 猫を回収して帰宅し、まだラリラリ状態で目の焦点の合わないヤツを傍らにモデムのセッティング。初速は上り832Kbps・下り5024Kbps。まぁこんなモンなのかな。大容量のファイルをダウンロードしたら有難味が出るのかもしれぬと期待しつつ、カメラのマニュアルを読んでる間に轟沈した。明日は何かロクでもないものを撮ってやろう。<どういう用途か聞かないように

4月19日(金) 晴
 期間限定品の廉価版DVDが出たので、手分けして買い漁る。なにせこのテ、品切れしたらそれっきりという可能性もあるので用心にしくは無いんである。ラインナップは以下のとおり。
 アポロ13/エリン・ブロコビッチ/ガタカ/ジャンヌ・ダルク/ジョー・ブラックをよろしく/ナヴァロンの要塞
 おまけにねこまがワゴンセールから「ザ・ロック」を掘り出してきたので総数7本。しかし毎度のコトながら、ジャンルも方向性もバラバラじゃのう。
 それにしても、こういう小さいメディアとこの価格で映画が手に入るというのは嬉しい時代になったもんだと思う。ビデオさえ一般人には高嶺の花だった時代を覚えてる身としては感慨深いものがあるぞ。いや、昨今の映画料金は高額だけどサーヴィスや設備はひところに比べると格段に向上してるし、客のマナーも悪化はしてないのだが、いざ足を運ぶとなると億劫さも重なってべらぼうに高額に感じられてしまうのだよな。それにアレだ、映画館では好きなシーンを巻き戻して見られないし。<当たり前だ

 帰りがてに書店へ。『ジョジョの奇妙な冒険 戦闘潮流(荒木比呂彦/著、集英社)4・5』を手にレジへ向かう途中で、ナショナル・ジオグラフィック誌を発見。なんとなーく、いつもの黄色い枠の中に石仮面が収まってるところを想像してしまい、目次も見ずに購入。今号の表紙はアフガニスタンの美しい少女のポートレートだったのだが。なんか非常に失礼な真似をした気がする。とりあえず、ごめんなさい。

4月20日(土) 晴
 『からくりサーカス(藤田和日郎/著、小学館)22』を読む。キャラを整理しネタは出揃って、さぁどうオチをつけるのかお手並み拝見というところ。たぶん正二がフェイスレスなんだろうけど、どこでどうなってそうなったのか。また中国奥地の命の水の泉は何だったのか。とフェイスレスの間の空気からして連中こそ白金と思っていたんだが、では勝が受け継ぎそこねた記憶は何なのか。さらにアンジェリーナとフランシーヌの人生(?)は何処で交錯したのかとかエレオノールはやっぱし胎内感染(違)ですかとか、いまだ枝葉はずんずん広がりっぱなしである。
 以前TRPGで使ってた本当に顔の無い魔導師と同じ名前だという縁もあってフェイスレスがとりわけ気になる。まぁそいつは自分が主催しているネットゲームでそれを演じてるニューロ(トーキョーNOVAね)で、本名がライヤー(=誠実ではない)だからフェイスレスつー駄洒落だったんだけど。プロの作品でそういうオチはよもやあるまいが、この先、話を盛り上げつつどうやって収束させるのか、物語を楽しむというよりは作者の技量を楽しみにしたい展開だ。大きな風呂敷は畳むのが大変なんである。例として…いや何でもありませんゲフンゲフン。

 午後、おやつにと過日ヒロツさんが送ってくれたジャージャー麺を食べる。カップ麺なんだなコレが。こんなものを売っているのも本場なればこそか…と感心しながらパックを開け、まずは説明書を読む。なになに「カップ1杯くらいの熱湯」を入れる?「3分くらい」待つ?
 …なんかこう、素晴らしく大らかであるなあ。
 しかし山羊座のA型は几帳面なんである(と、相方が買ってきた婦女子雑誌に書いてあった)。ヤカンで沸騰させたお湯をきっちり計量カップに1杯注ぎ、時計を睨んで待つこと3分。蓋に空いた細かい孔から水を切り、添付の味噌とラー油をかけ紅生姜を載せて、ひとくち。
 む、なかなか美味い。
 麺がツルツルシコシコ系で、かなりイケる。ただ、基本的に辛いものが苦手な人間には辛いかもしれないんで、キュウリの千切りでも添えるべきかも。あ、後半は「つらい」だからね念のため。<誰も間違わないって

4月21日(日) 晴
 すばらしい上天気。また、ここしばらく天候に恵まれていたこともあって、常の年ならゴールデンウイーク頃が見ごろの桜が既にほころびかけている。もちろん、他の花も一斉に咲いている。げに百花繚乱、賑やかなこっちゃのう。
 とか寝ぼけ面を窓から突き出していたら、背後から相方いわく「パジャマのお尻が裂けてるよ」…趣も何もありませんな。いやしかし気候も良くなってきたことだし、これは「シャネルの5番だけ」で寝ろという神の啓示に違いありません。そう決めた。止めても無駄だぞ。<既にテロ

 冬の間放置していた自転車を出し、油をさしてやる。全体が真っ赤に錆びているので名付けていわく「赤錆丸(まんまやん)」にうちまたがり、足慣らしがてらに近在のアクアショップへ。コケの大量発生する夏に備えてエビを導入せねばならん。実際は新しい魚も入れたいところなんだが、なにせ我が家の水槽はたかが40&60cm、おまけにそこに住まう面々は異様に長生きで、全くスペースが空かないときた。古株のテトラやグラスキャットなんて、5年がとこ生きてるものなあ。ものの本には生きて2、3年と書いてあるのに、いったいどういうことなんだか。
 ショップではADA(アクア・デザイン・アマノ)のカタログを貰う。表紙は銀地に線画で設計図を散らした150ページ近い大部でスパイラル綴じ、しかもコート紙にカラー写真満載という、なんか美意識のゴンゲ〜な驚きのシロモノ。一見しただけだと絶対にカタログには見えない。まぁ、ここの製品はどれも素晴らしい機能美の結晶で、ことにガラス製品は錬金術師の工房にでもありそうな不思議な形状を眺めるだけでも魅せられるから、素直に写真集とも思っちゃえばいいのだけど。また、それで構築された精緻な水景ときたら、ナマ山水とでもいいたいような美しさなのだよな。もっとも、あまりに美しすぎて、ちょいとツクリモノくさく見えることもままあるのだが。なにか、魚が長いこと暮らすことを想定しとるんかいな〜と思ってしまうんだよね。いや、このまま保たせるからこその水槽なんだろうけれど「気が付いたら魚が増えてました」とか言ってるものぐさアクアリストにはあまりにも現実感が乏しい”作品”なんだよね。
 この本(と言ってしまおう、もう)の圧巻は、社長宅に構築された容量2トンの巨大水槽。水族館みたいなサイズなんだが、ちゃんと美麗なレイアウト水槽に仕上がっている。熱帯魚バカの夢、ここに極まれりというところ。しかし、水草のトリミングとか底砂掃除とか、いったいどうするつもりなんだろう。やっぱシュノーケルつけてダイブっすか?

4月22日(月) 晴時々曇
 『六角大王Super3 オフィシャルトレーニングブック(六角大王モデリング研究会/編著、ラピュータ社)』が届く。ちょいと思い立ったことがありこのツールを考えたので、まずは操作方法やメニューの分かり易さを確かめたい…と思ったのだが、近在のショップには解説書の1冊も無いときた。え〜い畜生、こういうときはamazonに限るぜ!と頼んだのが週末。速いよなあ。本屋で取り寄せたらどれぐらいかかるやら。実際、欲しいモノが決まってるなら、マナーの悪い立ち読み屋が溢れ返ってて邪魔くせぇ書店に足を運ぶよりずっと便利だ。もっとも、本読みという業を背負った人種は、棚の間を渉猟する楽しみが味わえないとシオシオのプーになっちまうんだけどね。
 さて、本のほうはというと、非常に読み易い。各ツールの説明と実際のモデリング手順が簡潔に記されていて、僕のような素人にはうってつけの作りといえよう。図版が大きくて見やすいのが特に嬉しい。体験版をダウンロードしてちょこっといじってみたけれど、本で見たまま即座に画面上に形ができるというのはストレスが無くていいな。斯道に踏み込もうというモノズ…いやいやいや、挑戦者たちには好ましい入門書といえよう。
 ただ、全編モノクロで2,200円ってのはちょっとお高いかな。いや、内容は申し分ないのだから、これは見もせずに買った衝動人間ゆえの呟きかもしれないが。
 ところで…六角「大王」ってことは、どっかに「王子」が?<おるかい

 夜に入って急速に冷え込む。花冷えというのはリラの咲く頃の筈だがと思いつつ、にわかに腹冷え〜とか中年のような(って中年じゃん)ジョークを飛ばして更にサムい気分に。明日は晴れるといいな。ついでに仕事も暇で、こっそり六角大王いじれるともっと嬉しいんだが。<いいのかおい

4月23日(火) 晴のち曇
 帰宅途上、ヨ●バシで『六角大王Super3』本体を購入。ちょいと悔しかったのは、昨日手にした解説本とソフトとのセットが非常に安価に売られていたことだ。実質マイナスじゃあないんだが、なんか損した気持ちになる。卑しいなと、自分でも思うけど。よく考えれば、あの本を先に読まなければソフトを買わなかったかもしれないわけなんだから。
 とまれ、これからいろいろとイジってみたいと思う。アレとかアレを作れる日がいつになるかは分からないが、ま、気長に楽しんでみるとしよう。
 ついでにプラモ売り場へ降り、ここではアルテコ(瞬間接着剤)とミリプット(エポキシパテ)を購入。これまたアレとかアレの完成目指して、随時邁進していく所存でございます…って、随時じゃまずいだろうがよ>わし

 ここしばらく読みふけっていたチェスタトンの著作をようやく読破。ああ、面白かった!「木の葉を隠すなら…」で有名なブラウン神父のシリーズ全部と『詩人と狂人たち』『ポンド氏の逆説』『奇商クラブ』と渡り歩いてきたのだが、数十年を経て損なわれない傑作の味わいは格別であった。もちろん古びてしまっている部分もあれば、どう考えても牽強付会、強引きわまりないエピソードもある。だけど読ませる、先を楽しみにさせるパワーは、なかなか昨今の作品では得られない強さだった。
 さぁ、これで心置きなく明日からは、新たに『指輪物語』の読み直しだ!
 なに?新しくない?いいんだよ別に。こは古き物語なれど永遠に新しく、我らごときの永久に追いつかぬところなのだからさ。ま、そうやって開き直ってると積ん読本の山はなお高くそびえ、旅路はさらに遠くなるのだが。あうあう。

4月24日(水) 曇のち雨
 『ロード オブ ザ リング』を観に行く。今度は字幕版。さすがに音声は情報量が多く、細部がきちんと原作に沿っている。知らない声優さんがほとんどだけど、皆さん気合が入ってて聞かせるし。ヒロツさんちのチャットで事前に情報を仕入れていたが、確かに原作ファンには字幕版よりストレスが無いと思う。ガラドリエルのシーンと「韋駄天!」以外では、頭上に?とか!が浮かぶこともなかった。<ってオマエは「メタルギア」の雑兵か
 字幕といえば、戸田奈津子氏のソレはWebのあちこちで原作ファンから総スカンを食らってる模様だが、全く門外の「浅い」人には、実のとこあまり気になってないらしい。少なくとも、僕が接触した人々においてはそうだった。やっぱり「部外者(ってのも妙だが)」にはそんなモノなんだろうね、と少々寂しい気持ちになる。王国ひとつ滅亡させられるってのは唖然としたんだが、気になりませんかそうですか。ま、しかし、このレベルの珍訳には実は結構お目にかかってるんだよな。英語力にかけてはそこらの中学生にも劣る僕でさえ、劇場で爆笑しそうになったことがあるもの。ちなみにその時の訳者が戸田氏でなかったことは記憶にしっかり残っている。映画本編はB級SFだったとしか覚えてないのにね。いや、印象的でした。
 思うに、御大訳はヘッポコだったりトンデモだったりしても、それなりにスムーズに映画を見せるものではあるってことなのかも知れぬ。訳者の交代は僕も望むものであるけれど、人選を誤るとかつて僕を吹っ飛ばしたような更なる珍訳者になって元も子もない可能性もある。積極的にはたらきかけてる諸兄は「この人を」という訳者を選んだうえで声を高めたほうがいいかもだ。もちろん、原作に則しているとはいっても、拘泥するあまり読みにくかったり一見さんには入り込めなかったりせずに抄訳するには非常な技量が必要とされるだろうから、非常に困難な人選だとは思うけど。そこんとこ、ちょいと不安になりつつ期するところである。僕ぁ自分で何かする気はないですけどね。これから原作リロードしまくって、DVD発売&来年の続編では脳内変換を万全にし防戦に努めるつもりだから。字幕なんかに頼るもんか!<なら英語スキルを上げろよ
 ところで今回観直して思ったんだが、モリアの鉱山で音楽がわーっと盛り上がるところの「ちゃーっちゃららーちゃららー・ちゃんちゃんちゃん!♪」ってとこ、『ハムナプトラ』の類似シーンのフレーズに似てませんか?とか言うと熱烈指輪ファンにオークの群れでも差し向けられるかも知れんが、直前に流れた予告が『スコーピオン・キング』だったんで、大掛かりな崩壊シーンと盛り上げサウンドのマッチングに妙な類似性が感じられてしまったのよ。しかしこっちの映画、ザ・ロックみたいなムキムキ大男が「暗殺者」ってのは、なんかこうハマらないものがありますな。どう見たって目立つと思うんだが。今からでも「人間戦車」とか「一人で肉の壁」とか「変身前でも怪獣」とかにしませんか。

 書店パトロールに赴き、『囁く谺(ミネット・ウォルターズ/著、成川裕子/訳、同上)』と『氷の女王が死んだ(コリン・ホルト・ソーヤー/著、中村有希/訳、創元推理文庫)』を発見。即ゲット。前者はこれまでハズレの無い名ストーリーテラー、後者は非常に面白かった『老人たちの生活と推理』の続編なのだ、見逃すテはあるまい。
 他に何かと棚の間をうろついていたら、ハヤカワSF文庫の棚に懐かしいものを見つける。『デューン・砂の惑星』が再販されてるのだ。なんでもハーバート・ジュニアが遺稿をまとめた続編が出るとかで、前作も一緒にということなんだろう。善き哉善き哉。しかしアレだ、なんでのカバー&口絵を映画の写真(公開当時のアレ)でやりますかね?加藤直之氏の絵はそんなに好きじゃあないけど、なんかこう、雰囲気が好ましくないなあ。妙にニギヤカしいというか。そもそも、別に最近の映画化じゃあないのに、なんでコレを選んだのかな。編集部にファンが?それとも『ヘルシング』のファンに映画版のハルコンネンを見せたくて?<無いない

 好ましくないといえば、チョコエッグ。コンビニで6個パック売りの商品に出会ったのだが、これがちょいと僕の趣味に合わない系統の商品だった。何がイヤって、中に1個だけ金色のフィギュアが入ってるっていうんだよな。方向性が違ってないか?チョコエッグのフィギュアって、造型の妙と塗りの細かさで「いかに実物の姿を再現するか」ってのが眼目じゃなかったのか。それを単色ベタてぇのは…レア度をウリにしたつもりなんだろうけど、全く食指が動かない。それに色も、金ってのは好かない。海洋堂で出してるトランクスのオマケの亀なんかは「まぁお下品」なネタとして通るけど…って、そういう意図はありませんか?もしかして僕がオヤジ入ってるだけですか?

4月27日(土) 晴
 ゴールデンウィークの幕開け、爽やかに晴れ渡った空の下を「にゃーにゃーぶくろ(鳴きわめく猫を詰めたキャリーバッグ。ねこま命名)」を背負って獣医へ。今日は抜糸である。幸い処置は早々に済み、とりあえずは状態も悪くないとのこと。ひと安心して連れ帰る。だが、こう短期間に転移と肥大が発生した状況では、抗癌剤投与を含めて今後の治療を考えていかなくてはならないかも知れない。本猫(にん)もイヤだろうが、考えるこっちはもっと嫌、憂鬱なこっちゃなあ。

 待合室で過ごした時間と帰宅後の小休止で『氷の女王が死んだ(コリン・ホルト・ソーヤー/著、中村有希/訳、創元推理文庫)』を読了。高級老人ホーム「海の上のカムデン」に入居早々、大の嫌われ者になった女性が殺される。あまりの底意地の悪さから誰が殺してもおかしくないが、それゆえ近寄る者も少なかった彼女を、一体誰が何のために?退屈を持て余した老婦人コンビが再び謎に挑み、迷推理の赴くままに繰り広げる探索行はコミカルだがスリルとサスペンスも程よく盛り込まれ、気をそらせないものがある。
 また、脇を固めるキャラクターも、非常に個性的かつ魅力的だ。現場をかき回されまいと彼女らを遠ざけようとする(同時に傷つけまいと気を使うので上手く行かない)前作からの警部補と部下のコンビ(話の進行中にちゃっかり他の事を成就させてるんだなコレが)、かんしゃく持ちで口が悪いが酒が入ると調子外れに高歌放吟して歩く老人、もちろんその他の入居者たち、訪問する業者たち、商売熱心なんだが本質的にズレてる支配人や数多くのスタッフたち…これらが目の当たりにいるごとく描かれているので、本筋以外の世界がしっかり感じられるのも素晴らしい。うむ、これだけ世界が広がっていれば、ホーム内だけであと5、6人は殺せるぞ!<いいんかソレ
 ま、ホーム内かどうかはさておき、この後も老婦人たちのミステリ追跡は続くらしい。いずれ誰しも行く老いの道の先達として見習いたいので、どうか心臓麻痺や骨折に気をつけて、元気に頑張っていただきたいものである。あ、訳者さんもお変わり(代わり、だな正確には)ありませんように。今の持ち味、たいへん気に入っておりますですよ。

4月28日(日) 晴
 近所の神社の境内でひらかれる骨董市をひやかしに行く。例によって、骨董といっても多くはせいぜい昭和初期の古道具のようだが、中には素人目にも年季の入ったもの、手がかかった優美な道具などがある。それらのうえに折からの桜がはらはらと舞い散る様は、こころ有らば一句献じよと言わぬげに美しい。ええと…ひさかたの光のどけき春の日に…ってそりゃ盗作だな。まぁ古道具の山にケロヨンも混じったりしてるから、文句を垂れる物神とてあるまいが。
 晴れた空の下を去りがたくて、そのまま自転車を転がして玩具屋と書店をハシゴ。前者ではチョコエッグを少々(そういう玩具屋だ)、後者では文庫の新刊にホビー雑誌、それにねこまのドール雑誌を山と積んでレジへ。ううむ、こりゃあ詩心も枯渇するワケだ(もとより有ったとしてのハナシだが)。
 ただ、絵本の棚で手にした『くまさん(レイモンド・ブリッグズ/著、角野栄子/訳、小学館)』は、つかのま本物の想像の楽しみを思い出させてくれた。ごく普通の家に住む女の子の部屋に、ある夜突然入ってくる巨大な白クマ。リアルに描かれ牙も爪も鋭い熊は、だが淡々と少女と暮らし、悠然と家の中を歩き回る。時々動物らしい粗相もする。その姿は両親には見えず、けれど父親は「くまさん」についての娘の話を微笑んで聞く。不思議にどきどきする、そして実に幸せな物語だ。どうか、多くの人に読んで欲しい。老若男女問わずに。
 願わくば、僕が知る子供に他の「くまさん」の話を聞かされたとき、一笑に付さずにおれる大人であるように。もしいつか子供に還ってしまうことがあったら、こうしたものを目に出来るように。何より、作者がこういう本をもっと沢山書ける世界が在るように。『風が吹くとき』のような無惨絵の世界ではなく。

4月29日(月) 晴
 相方とふたり、ハンズへ。目的は木製マットレスの品定めだったのだが、例によって脇道になだれ込む。そもそも行きがけに寄ったイエローサブマリンで「S.A.F.S」の再入荷を見たのが躓き始めだった。これはリアル志向というよりは泥臭さに気合を入れた感のあるオリジナル・パワードスーツのフィギュアなんだけど、そのダサさ加減こそが堪らなくシブイんである。独特なその形状については奇妙愛博士の瑣末事研究所で4月9日の日記を読まれたい…って、他人様の日記へ振るのは手抜きっすか。いや〜それにしてもコレ、出来いいっすよねぇ博士!かつての「SF3D」から極度にスケールダウンしても迫力満点。やっぱ1/35兵士と並べてジオラマ組むのがお約束でしょうか。でも僕も4体「しか」買いませんでした。さすがにちょっとこの値段では…って、さらに他人様の日記へ日記でレスつけてどーすんねん。
 さてハンズ。今回は文具コーナーにトラップが多かった。価格ポップとか書類クリップとかを作る素材がバラ売りされてて、そのパーツが人形改造にピッタリだったんである。特に首のジョイントに威力を発揮しそうだ。おまけに安い!嬉しくなってひと掴みほど購入してしまったので、結局それなりの値段にはなったが。<あほ
 他にTooのデカールシートやマークソフターなども買いつつ、ほくほくと移動。嬉しくなったあまり、当初の目的地である家具売り場を素通りしそうになったのは秘密だ。つか、最初っからこっちへ直行すべきなんだよなあ。エレベーターでてっぺんまで行ってから降りてくるというのは、徒に危険を増大させるだけだよ、うん。

 初夏のような陽気の大通公園をそぞろ歩いて、というよりは草臥れた足を引きずってよろめき歩いて帰宅。メールをチェックしたものの、数件しか返事を書けずにダウンする。ごめんなさい皆様ゴア様、次回は必ず。<次回ってヲイ


翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]