店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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[ 銀鰻亭店内へ ]
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1月1日(火) 曇
 いいだけ寝坊して目覚める2002年の朝。相方はまだ夢の中である。起こす用とてあるでなし、モニタの音を消して『仮面ライダーアギト』のゲームなんか始めてみた。ボタンいっこで技が決まる、マニーな人には他愛も無い格ゲーなんだが、ガチャ押しでも結構カッコいい動きをしてくれるので、ヌルには楽しいものである。番組の雰囲気もなかなか出ているし。いや、ヘタレメカライダーとの呼び声も高いG3でアンノウンを激破しまくれるあたりは、完全にオリジナルから遊離してますが。いいじゃん、初夢だと思えば!<そんな初夢はイヤだ
 既に、愛読する奇妙愛博士の瑣末事研究所で「対象年齢」について指摘がなされているものの、気にしてはならぬ。僕の運動神経は対象年齢を遥かに下回っているぞ!<威張ってどうする

 とこうする間に相方も起きてきて、ありきたりに雑煮を祝う。あとはTVも新春特番ばかり、興味を覚えるものも無いので映画。購入当初からDVD専用デッキの趣があるPS2の出番である。監督や役者の解説つきっつーのも、裏話や技術談などでなかなかに楽しいものであるな。しかし、なんだって新年早々に『ハムナプトラ』2本立てなんだろうねわしら。まぁ他の手持ちも『横溝正史シリーズ』『ガメラ』『ブレイブハート』『スリーピーホロウ』とかとかで、新年向きでないことは事実であるが。

 何はともあれ、皆々様に良い年でありますように。宝くじは外れたけどな。<をい

1月3日(木) 曇
 昨夕あたりから体の節々が痛い。昨日は灯油を100リッターばかし運んだり、書庫の床を覆った本の山を片寄せたり(注:決して片付けたワケではない)してたんで、筋肉痛の可能性が無いでもないんだが、どうも熱っぽい。相方の風邪が今ごろになって感染した可能性もある。大事をとって寝正月……と思ったのだが。はて、何か忘れてるぞ?

 年賀状じゃん。

 飛び起き、イラストレーターと格闘。かなりアホっぽいネタで、ちっとも賀状らしくないものを作り上げる。ま、まぁいいか。どうせ僕のアホっぷりをよく知る人にしか出さないのだし。と、いうことで、データベースを起動し宛名の印刷を始めたのだが。
 ふと見たら、あろうことか、同じ住所で延々と印刷してるではないか!のぉぉぉ!慌てて停止したものの、既に20数枚の葉書がムダになっていた。悲惨すぎる新年である。新年になってから年賀状刷ってるほうが悪いのかもしれんけどさぁ。これは無いべよ、え?<誰に
 とりあえず、ヤレと化してしまった分は葉書用紙で穴埋めすることに決定。もう来年からはこれと「年賀切手」で行こうと固く心に誓ったのであった。あああ、来年の賀状が年頭の誓いだなんてイヤだようママン。

 もぞもぞと仕事するプリンタ(って新型はすごく静かなのだ)を横目に、『魔術師マーリンの夢(ピーター・ディキンスン/著、山本史郎/訳、原書房)』を読む。アーサー王伝説とケルトにハマったまま人生の大半を生きてる相方の所有物なんだが、実はこの本、かの聖典とはあまり関係が無い。地中に封じられたマーリン(という名さえ出てこない)が、朧な意識の中で幾多の時を場所を人々を夢見ている、その物語を集めたものなのだ。
 が、内容はかの伝説にかすりもしなくても、十二分に面白い。時に正統派の英雄伝が、どこかの国に今も残りそうな説話が、或いは子供に語り聞かせたい童話が、いささか強めの皮肉をきかせて語られる。どの話も非常に印象的で、記憶に残る。胸に刻まれる鋭さや心とらえてやまぬ切なさではない、知の愉しみをもってとどまるファンタジィだ。特に僕が気に入ったのは『一角獣』。美しい物語なんだが、読み終えて口の端にのぼるのは「ニヤリ」という笑いだなんて、滅多にある経験じゃないだろう。
 また、この本は『指輪物語』公式絵師として名高いアラン・リーが挿絵を手がけている。カラー&モノトーン織り交ぜた作品(と、あえて言える)はいずれも一枚絵で壁に飾りたいほどに素晴らしい。時間に追われて今まで目にしなかったのが惜しまれる。今年も寸暇を惜しんで本を読まねば!これをもって真の年頭の誓いとし、よってかくのごとし。

1月5日(土) 晴
 予定の多い日。まずは出勤するねこまと一緒に駅前へ出、ヨドバシでプリンタカバーとエアダスターを購入せねば。埃と猫の毛の多い我が家では必須アイテムなのだよなあ……とか思いつつ、目当てのフロアに行きがてに、ちょいとゲーム売り場を覗く。お?おおお?『ICO』があるじゃないか。やむさん楽天丸さんJUNCITさん剣歯猫さんヒロツさん、皆こぞって「イイ!」と誉めるのでヨッシャわしもと思い定めたにもかかわらず何処でも目に出来ず、諦めて年末年始ゲーは『アギト』と『トロと休日』にした、そのゲームが今目の前に。しかも残り1本!「これが最後のひとつですよ」とボルタックの囁きが聞こえる。「きっとお気に召しますよ」と。おう、買うともさ買わいでか!ところで『BUSIN』にもボルタック商店はあるのかね?アレが無いとWizardryとは認めんよ僕ぁ。とか考えつつ、レジへ向かおうとしてDVD売り場へ足を踏み入れてしまった。結果、レジへ着いた時には『SF/ボディ・スナッチャー(何が怖いって主人公役のD・サザーランドが不気味)』と、ミニ電動ガンMP5A5を掴んでいた。う〜む、何故だろう?きっと「のろわれている!」状態に違いない。

 本来の目的の品も首尾よくゲットし、さて次は久々の書店パトロール。ねこま所望の『沈まぬ太陽(山崎豊子/著、新潮文庫)』の最終巻2冊をまず手にする。単行本の時に読みたかったが、本のサイズに(断じて厚さや文章量、まして価格ではない。純粋に、置き場所が無いのだ)負けて諦めていたものだが、かくなった上は読まなくてはなあ。とりあえず積むとしてもだ。
 『ちょびっツ(CLAMP/著、講談社)』『THE WORLD(獣木野生/著、徳間書店)』『傷口〜KIZU〜(篠原烏童/著、徳間書店)』とコミックを集める。取り紛れて読み飛ばすと悲しい&真面目に毎号追ってるとチリ紙交換が来る前に家が埋まる&主義として立ち読みは基本的にしない…という理由で雑誌は買わないんで、コミックでまとめ読みする作家ばかりである。いや、まあ、後半2作については主義だの理由だの以前の問題で、雑誌に触るのも躊躇われるけどな。
 あとは『フィギュア王(ワールドフォトプレス)』を乗せて、ここでの任務は終了。ん?雑誌は買わないのじゃないかって?細かいことを言いなさんな。ブツヨクストに法則は無いッ!

 腹ごしらえに、某コーヒーショップへ。ここの「あたたかいサンドイッチ」は極上なんである。猫舌の僕には危険きわまりないシロモノなんだが、ホワイトソースとチーズとハムと厚切パンのバランスがなんとも言えない。とか喧伝して、雰囲気を壊すヴァヴァ軍団なんかが来るとイヤなので名前を秘してみたり。 <そんなモンはここを読まないべよ
 で、待ってる間に、ここの店がいつも置いてる『ナショナル・ジオグラフィックス』の最新号に目を通す。ふむ、今回は犬の特集か。同一素体でここまでパターンの違う生き物も珍しいよなあ…などとしたり顔していたのだが、とあるページで手が止まってしまった。
 ライカ犬(正確には、その後継者たち)の装具が載っていたのだ。このネタ、駄目なんである。もともと、かの犬の運命を思っては哀しい気持ちになっていた子供時代があったのに、篠原烏童の『クドリャフカ』を読んでから、ちょっとでもフックすると涙腺が決壊するようになってしまったのだ。あうあうあう。『ファサード5(新書館)』に収録されてるんで、未読の人はぜひ読んで、僕と同じ体質になって戴きたい。号泣モノの美しい物語だから。
 とまれ、サンドイッチを前に泣いている妙な中年になるのも本意では無いので、早々に食事を済ませ店を出る。その足で本屋に行ってナショジオ買ったのと、上顎に火傷をしたのはお約束というべきであろう。

 帰宅後は荷解きだの荷造りだの発送だの掃除だの洗濯だのと右往左往する。明日は天気が崩れるとの予報もあるし、何より明日も予定が一杯なのだ。請い願わくは、今日のハリキリに応えて天が筋肉痛を下したまわらざることを。 <天のせいじゃねぇよ

1月6日(日) 晴
 昨日の働きを天が嘉したもうたか、筋肉痛は比較的軽微に済んだので(嘉されてへんやん)、今日も張り切って予定を消化することとする。ところでIMEのヤツ、何故に「きんにくつう」を「金に苦痛」と訳しやがりますか。慢性金欠病の僕へのあてつけですか嫌がらせですか神の見えざる手のみわざですか。ウチは代々禅宗ですがそのせいですか。 <仏罰って考えは
 ま、それはさておき、おりしも戸外は眩いばかりの晴天。こればっかりは真面目に天の恵みである。こう、雪面に反射増幅された陽射しを浴びながら朝寝というのは堪えられないモンが…とか言いつつ決まり物の番組を眺め、さて行動開始。まずは水槽の掃除をして、熱帯魚屋へ向かう。
 行きつけの店は、歩いて30分ほどのところにある。夏場は自転車で出かけるのだが、さすがにスパイクタイヤ履いてチャリという根性は無い。よしあったとしても体力が無い。生体購入用のクーラーバッグに新聞紙と使い捨てカイロを入れ、いざ出発。目当てはコケ取り用のヤマトヌマエビ&オトシンクルスである。前者は寿命が短い、後者は育つと怠け者(でぶちんクルスとねこま呼ぶ)になるとあって、なかなか頭の痛いモノである。
 秋から冬にかけては熱帯魚の入荷シーズンなので、店内は新顔がいっぱいである。当然ながら誘惑も多い。ううう、アルビノのツメガエル、リクガメ、ヤモリ、どれも可愛いなあ。って何故サカナに目が行きませんか僕。

 帰宅後は、ちょっと気まぐれを起こしてパンを焼いてみた。かなり以前に習った方法で、ビニール袋に材料をぶち込んで捏ねあげ、そのまま醗酵させるというユニークな方法で、結構楽しいんだなコレが。
 晩飯はシチューの予定だったので、ちょうど良く楽しめた。が、ここまでで体力を使い果たしてしまい、昨日せっかく入手した『ICO』を楽しめなかったのは残念だった。ICOん(遺恨)が残るということでひとつ。<何がよ

1月7日(月) 晴
 『ICO』快調にプレイ中。友人たちがハマるのも分る。これは、いい。
 静謐な風景。冴えざえと澄み切った、でもほんの少しだけ湿り気を帯びた空気。足音だけが呀する空間に、陽光がくっきりと影を描く。
 その中を、言葉すら通じない少女の手を取って歩く少年。
 彼女より小柄な彼の頭には「生えてしまった」角がある。そして彼女は、柔かな陽射しを集めたように儚い、真っ白な姿。
 時折、影が現れ、少女を連れ去ろうとする。或いはアクシデントやミスで、はるか崖下に落ちてしまったり。けれど、そんな時ですら、世界を成す「城」は静まり返っている。
 決して過剰な刺激的は無いのに、ドキドキする。不思議な感触のゲームだ。
 ラストまで、この不思議さが保ってくれることを願おう。

 読書の方は不調。空前絶後の不作と言ってもいい『女性署長ハマー(パトリシア・コーンウェル/著、矢沢聖子/訳、講談社文庫)』が進まない。いや進めたくない。今、上巻の2/3あたりなんだが、読むのが苦痛になってきてる。これはアレかね?拷問小説つー新ジャンルなのか?
 『スズメバチの巣』の続編だが、前作の「唐突な事件」「都合よく巻き込まれる警官」というパターンはそのまま健在。地域性や組織関係はさっぱり描写されていない。登場人物はさらにカリカチュアライズされ、異形に近いほどグロテスクな様相を呈している。どこらへんが「本格警察小説(背表紙より)」なんだコレ?いや待てよ、そうかこれはスラップスティックなのか!とも考えたが、それにしては語り口が重い。つか鈍い。先を楽しみにさせる、惹きつける要素が辛うじてあるとすれば、何処でどう落とすのかという技術的な部分ぐらいか。オビの煽り文句で「スカーペッタも登場!」なんぞと書いてる理由がよ〜く分かる、そういうシロモノだ。少なくとも、今んトコ。
 異生物との恋を鮮やかに描いた閨秀作家が耽美系やおい同人化したり、魂も凍るようなホラーを世に問うた人がアタマをUFOに攫われたりという事態は多い。もちろん、その中から新たな境地を開拓する人もいるワケなんだが、1作書くごとにツマンナくなっていくのじゃあ、まるで柄の無い肥柄杓、そのココロは何処からも手がつけられませんてぇもんじゃねえか、おぅ、センセェよう。なんかこう、既に読書する心地ではなくなってますがどうしてくれるんだおい。
 …とりあえず下巻が面白くなってくれますように、これも真剣に願っておこう!

1月9日(水) 晴のち雪
 日記はサボってしまったが、昨日は非常に暖かかった。どのぐらいかっつーと、この季節に最高気温6度とか予報が出たほどである。その中で雪が降ったもんだから、路面はべちょたれ雑炊状態となり、ちょっと脇道へ入るとクルクス戦車戦作戦終了後みたいに起伏デコデコで歩きにくい有様となっていた。
 そして今日も、朝から上天気でしかも暖かかった。昼までは。
 いきなり空が暗くなったと思ったら、白いものが落ちてくると同時に強烈な風が吹き始めた。真横から降る雪というのは、平地ではなかなかお目にかからない…などと感心してる場合ではない。昼飯を食いに出てホワイトアウトごっこはしたくない。テロリストいないし。 <いても困るが

 そんな帰宅途上、所用あってビックカメラへ。ついでに書籍&ソフト売り場へ足を踏み入れ、凄いものを発見する。
 『江戸東京重ね地図』。
 実はコレの書籍版は持ってたりするんだけど、こう重ねておいて四つじゃなかったリアルタイムにぐりぐり動かせるとなると、話は別だ。ぜひ眺めたいウロつきたい。オプションの「鬼平検索」はさておいても、いや好きは好きなんだが、ただ地図を辿って眺め暮らすだけでも十分に楽しめそうだ。うう、欲しい、欲しいぞ。そうだ柾樹くんバースデーが近いんだったねえ。買ってあげようか。うん!…とか一人芝居はさておき、とりあえず今日は保留して帰宅。なんつっても書籍版(ゆえの愉しみ)があるし、買っても眺めてる暇が無いし(涙)
 うう、真に欲しいのは時間を買えるだけの財力だ!魂のひとつやふたつ売るから、誰か取引しませんか? <既に二重抵当の可能性大

1月10日(木) 晴
 ねこまの休みに合わせ久々に休暇を取り、サッポロファクトリーで終日遊ぶ。メインのお楽しみは映画、モノは『ハリー・ポッター』と『シュレック』だ。
 まずは午前中に『ハリー・ポッター』。大ベストセラーだけあって結構な客の入り、平日というのに大したモンである。冬休み中のガキお子様満載の吹き替え版は言わずもがなだが、わしらは素直に字幕版。それでもほとんどの席は埋まったうえに、暗くなってから入ってくる馬鹿者がひきもきらない。スクリーン前を横切るなっての!こちとら予告も楽しみなんだから!刺すぞコラ!とかっていちいち刺してたら、いまどきの映画館は死霊の盆踊り状態ですな。やめとこ。<そういう問題か?
 さて、作品そのものは、とても丁寧&綺麗に出来ている。原作を読んでないので設定と合ってるかは分らんのだけど、一般の人間の世界と隣り合う「魔法が当たり前」の世界が、非常に分りやすくカッコ良く構築されているのだ。いろんな伝承や創作物をごっちゃにした魔法世界だが、各シチュエーションの描き方も上手いので、予備知識が有っても無くてもすんなり入り込める。「ホグワーツは魔法学校なのにクリスマスをするのか?いや、実はユールログで、ツリーに吊るしてるのはアレに違いない」な〜んてアホな事を考えても無下に否定されないような懐の深さが感じられる。<いや、否定してくださいソレだけは
 話の流れもスムーズで、安心して観ていられる。しかし、キレイかつゆとりが有り過ぎて毒にも薬にもならん、退屈しないが驚きも乏しい、訴えてくるものが弱いって点はある。ハーマイオニとロンの努力&活躍は見えるけど、主人公たるハリーってば実は自主的に行動してドキドキってシチュエーションが乏しいし。最後まで「身に備わった」もので乗り切ってるし。ヘタすると、どこまでも都合良く出来た予定調和、銀のスプーンをくわえて生まれた子供の幸運ばなし、不幸は単なるスパイスになりかねない。ドラゴンに乗ったとたんにいじめっ子を追いまわした『ネバーエンディングストーリー』みたいになるのを、あちこちで織り込まれたハリーの言動(手紙への反応とか汽車の中のアレとかね)、それにサブキャラを立てることできわどく回避してるのだと思う。
 真剣に深読みすると、結構教訓的な話になってるなとは思う。主人公は努力しないでも全てを手にしている。つまり艱難によって磨かれるのではなく、既に珠なのだ。だが、珠として有るだけでは意味がない、光らせてくれる者が無くては闇に沈み、あるいは同じく天性の魔法使いである『ゲド戦記』の主人公のように、己の内部に潜むモノとの闘いに明け暮れることになる可能性が…とかさ。でも、受け手がまっさらな時に、そこまで読ませるパワーは感じられなかった。良かれ悪しかれ、話中の「鏡」のように、観る者へ思わぬ自分の本性を垣間見せる作品にはなっている…かな?というところで、ひとつ。
 ところで今野淳子さんを始めとする「スネイプ先生」をお気に入りのお友達の皆様。すいません、僕には彼がドクター・ラザルス@ギャラクシー・クエストにしか見えませんでした。初登場の瞬間から「トカゲヘッドにかけて、絶対に悪人じゃありませんよね!」とか胸中呟いてしまったクエスタリアンは結構いたんじゃないだろか。<オマエだけだ
 そういえば古典ミステリのお約束みたいな謎の解け方は悪くない。主人公たちと同年輩の子供には、映像に興奮するだけじゃなく、ぜひ「犯人探し」をしながら観てほしいな。大人?大人はこんなトリックにひっかっちゃいけませんぜ〜。<しかし真のネタバレ時に唖然とした奴

 昼食を摂り、時間をつぶしがてらトイザらスへ。GIジョー系統の1/6人形が欲しかったのだが、予算に見合うものが無く諦める。DRAGON社のベトナム戦兵士Russellはかなりツボだったのだが、改造用の素体に、\6,000は流石になあ。とりあえずはヌードでいいんだし。
 店全体が、以前に来てから売り場が大幅に変わっていて、ラインナップが乏しくなっているのも残念だった。期待していた『メタルギアソリッド2』のフィギュアも無くて、やれやれとその場を去りかける。が、物欲の神は僕を見捨て給わなかった。…給え、つー説もあるが、とりあえず気にしない。しないともさ!(号泣)
 ハリーハウゼン作品のミニチュア・フィギュアである。
 正確には「レイ・ハリーハウゼン フィルムライブラリー」。メーカーはX-PLUS、寡聞にして知らなかったアメリカの会社らしい。輸入代理店がトイザらスなのだな。<帰宅後Webで調べたが、X-PLUSのサイトはここ
 レジン製の小像と、ウルトラ怪獣サイズのソフビドールがあるんだが、どれも出来がいい。特に後者は素晴らしい。『アルゴ探検隊』や『シンドバッド』シリーズに出てきたあのクリーチャーたちが、まさにその姿で手元にある。これが買わずにいられようか。いやもう、特撮者でこれを買わねば非国民でしょう。市中引き回しのうえ銃殺でしょう。スケルトンソルジャーとメデューサ、それにヒュドラが欠けているのが辛いが、もしかすると後発で出るのかな。む、カリの顔がちょっとアレだな。剣も持ってないとダメだろう。しかしタロスとミノトゥン、それにイミールはいいなあ。塗りも綺麗だし、とにかく形がいいよ凄いよ。
 ねこま「司葉クン、買うのね?」
 「おう、買うともさ買わいでか」
 ねこま「だと思ったけど。どこに置くの?」
 う、考えておらんかった。ここは煙幕を張るべきだろう。
 「ハリーハウゼンがアシスタントを募集したんだけど、どうしても2人一緒に使ってくれという姉妹しか来なくて諦めたって話、知ってる?」
 ねこま「知らない」
 「コマ取り姉妹という…」
 ねこま「…………」
 「嘘ですごめんなさい」
 かくしてグリフォンとサイクロプスを購入。ああ素敵だぁ。<末期的

 カフェでちょっとした間食を楽しんだ後は『シュレック』。
 これは素直に面白い。下品ネタ馬鹿ネタ残酷ネタが山盛りなのに、それがストーリー上でちゃんと意味をもってて不快感無しに大笑いできる。コンセプトは童話のパロディなんだけど、ストーリーは、実はちゃんとした「お伽噺」になってるし。残念ながらアッチの童話の知識に限界があって元ネタが分らなかった(3匹の盲鼠は辛うじて分った)のと、語学力の難で駄洒落の類が聞き取れなかったのが惜しまれる。DVDが出たら、速攻購入だな。
 あと難点があるとすれば、エディ・マーフィーだろうか。いや、喋りはすごく面白いんだが、いかんせん「本人」にしかなってないという印象がある。「うるさいロバ役をやってる役者」じゃなく「ロバ役をやってる役者がうるさい」とでも言おうか。個性が強いのも考えモンだよね。

 これから春にかけての映画は『ロード・オブ・ザ・リング』は当然として、『モンスターズ・インク』かな。主人公の女の子がめっちゃ可愛いので、非常に楽しみだ。今度はいつズル休みしてやろうかな〜。<嘘ですしてません有給消化です

1月12日(土) 曇
 『ICO』クリア。良いゲームだった。大作ではない、けれど近来まれなる上作だろう。
 とにかく、ごく自然に感情移入できる点を買う。儚げで歩みの遅い少女を連れ歩きその仕草に目をやるうちに、ゲームとしての必要もないのに、つい労わり庇おうとしてしまうのだ。シチュエーションが宮崎アニメじゃんとか斜に構えていたはずが、走り抜ければ数時間で通過できるものを、システム上で強いられるでもないのに倍も時間をかけて歩いてしまってる。これってすごいことだよな。負けた。いや別に勝負はしてないんだけど。
 また舞台のつくりが良い。海(湖?)に聳え立つ城の巨大さ、そのきざはしを昇りゆくほどに感じるめくるめく高さ、それが「感じられる」のだ。音楽がほとんど無い、環境音だけの静謐な空気が、さらに臨場感をつのらせる。上手いよこれ。本当に、構成要素が綺麗に組み合わさってるよなあ。
 瑕疵をあげつらうなら、それなりにはある。例えば数箇所でタイミングがシビアなところ。パズルとしては解けているのに無駄に作業を繰り返すと、そこで気持ちが世界の外に出てしまう。これは雰囲気を壊すと思う。あと欲を言えばパッケージかな。この世界観に無機質なキリコは合わないだろう。どうせ踏むなら、マグリットかエルンストの方が良かったのじゃないか。いや、それよかオリジナルで、もの言いたげにこちらを見る少女の顔をおぼろげに描いてくれてもいい。あたかも「イコ…」と呼びかけてきそうな絵を希望。いや、実はそういう絵を手元に置きたいだけなのですが。ヨルダたん萌え〜。 <いい年かっぱらって何が萌えだ

 『女性署長ハマー(パトリシア・コーンウェル/著、矢沢聖子/訳、講談社文庫)』読了。感想は、ない。1月7日の印象のまま、最後まで行ってしまったんだものなあ。少なくともコーンウェルは二度と買わないし、講談社文庫にも当分は警戒するということで。

1月13日(日) 晴
 仲間たちと連れ立って一泊旅行。目的地は登別温泉である。とはいえ季節が季節なんで、地獄谷とかクマ牧場はコースアウト。宿へ直行してのんびりと茹だるのじゃ温泉たまごじゃ〜。
 しかし、今回相方と僕を搬送してくれる「お兄さん」方には、タカオと愛奈ちゃんという子供たちがいる。兄がみっつでいもとがひとつ…とか義太夫うなってる場合じゃない。この年頃の子供がダブルってぇのは戦場である。長時間ドライブなんかしたひにゃあ地獄のハイウェイである。特に愛奈ちゃんは「食う・寝る・出す」以外の欲求が芽生え始める時期だ。基本欲求は強烈に、他のは表現手段を模索しつつ手当たり次第に表現する頃合であり、さらに人見知りなんかが加わってたら最悪だろう…と覚悟していたのだが。
 これが、ことのほかに平和だった。タカオは例によってフレンドリーで、かつ知恵がついてきてるので「会話」「説得」「交渉」の各種コマンドが通用する相手となっている。さすがレベル3。またレベル1なりたて、まだスライム退治(ここでは流動食を指す)に余念のない愛奈姫は終始ご機嫌うるわしく、大いに飲みかつ食って更なる経験値稼ぎに余念が無い。父親である「お兄さん」によれば、両者ともに家では破壊の帝王であり、特に書籍類には被害著しいものがあり『沈黙の艦隊』なんかはタカオが1歳の頃に1&32巻を、最近になって愛奈ちゃんが2巻を破壊し尽くしたそうなんだが…実はソレは「ゆくゆくは沈没」つーダジャレのための作戦行動なんだろうか。侮りがたい兄妹である。<そんなワケあるか

 宿の手前の土産物屋で、ちょいと買い物。つーても同じ道内、珍しいものなどあまり無いのだが、札幌では最近見かけなくなった物でも、本場である登別なら!と期するところがあったのだ。そして、期待は裏切られなかった。「それ」は目に付くところにぞろ〜っと並んでいた。
 熊カレーである。
 いつもヒロツさんのとこ他でお世話になってる楽天丸さんに、以前「見つけ次第送りますよ〜」とお約束していた一件だ。ふっふっふ。冗談だと思ってたでしょう楽天丸さん。実在するんですよ食えるんですよ味の保証はしませんけれど。強制送付します空爆です覚悟してもらいましょうか。
 それが世話になってる人への態度か、とか聞かないように。他にも数名で人体実験を行う予定なので、司葉の世話をしてると自覚してる人は観念せよ。あ、ただし男性のみね。女性にはこんなゲテは送りません。<をい

1月14日(月) 晴
 日ごろの疲れが出て昨夜は早々にダウンしていたおかげで、今朝は気持ちよく早朝に目覚める。いや、日々の労働のせいじゃなく、昨日一日、子供らを追いまわして写真を撮り、要求されるままに持ち上げて振り回しきゃーきゃー言わせ、食事をともにしてはアレ食えこれ食えと実験味見させていたせいだ、とする説もあるが。まぁ過ぎたことは気にするな。僕もしない。
 朝風呂は独占状態で、特に露天は冷え切った空気もあいまって非常に心地よかった。近くの川音を聞きながらしばし寛ぐ。ふうぅぅ、生き返るな〜。いや日々の激務に身も心もカサカサにミイラ化してたのが、お湯をかけたら復活!てんじゃなくて。これで半月ばかり長逗留を決め込んで、妙齢の女性と燗酒の乗ったお盆を間に浮かべてさしつさされつ…とか言うなら復活してもいいですが。<結局死んでるんかい
 ま、何はともあれ、こういう愉しみが味わえるという点からは、年を取るのも悪いものじゃあないな。まぁねこまの如く、生まれたときからの肩凝りストで整体治療だの湯治だのが楽しみだったつーのは例外だろうが。や〜いババァっ子〜寝たきり中ね(殴打)

 朝飯を済ませ、チェックアウト。一路、岩見沢のK宅へ向かう。Kの家には美しいお内儀と、生後1年8ヶ月にならんとするヨシアキ君がいる。今回の訪問は、彼と「お兄さん」方の2児の初顔合わせ=三大怪獣夢の競演(悪夢かも)というのがメインのお楽しみだ。本人たちの意向はさておいて。
 さて、到着時には昼寝していたヨシアキ君。お母さんに抱かれて登場し、初対面の者を驚かせる。でかいんだコレが。小柄とはいえ3歳児のタカオより一回りでっかい。手足のつくりもガッチリしてて、陸戦タイプ強襲型のデザインコンセプト…いやいやいや、そうじゃなくて。これからもっとでっかくなりそうな、そういう幼児であった。
 最初は互いに警戒していた子供たちだが、打ち解けてくると次第にテンションが上がり、金切り声を上げながら室内を駆け回る。それぞれの親とカメラマンたる僕は後を追い、他の仲間は呆然と見守るばかりという状況である。うむうむ、やはり怪獣かくあらねば。しかし、ほんの少しじっとせんかね?勢い良く方向転換するもんだから、写真がみんな後ろ向きじゃんかよ?どう考えてますかその辺?
 ほぼ1・2・3歳児のジェットストリームアタックから応えがあろうはずもなく、戦場カメラマンも疲れ果てて倒れる頃合、撤収のコールがかかる。ダッシュで靴を履き「バイバ〜イ!」と叫ぶタカオ、徹頭徹尾上機嫌でニコニコしている愛奈ちゃん。対してヨシアキ君は急にぐずり始めた。どうやら愛奈ちゃんと別れ難いらしい。うむ、一緒に遊んだタカオより見ていた(巻き込まれた)だけの愛奈ちゃんに執着する辺り、Kの血だなあと実感。遺伝の力を目の当たりにした思いである。ちなみに愛奈ちゃんは首にしがみついて「ちゅ〜」を浴びせるヨシアキ君にも素知らぬ顔で、周囲の大人に向かってニコニコ。こういう対応を受けるあたりも血なのかKよ。倅に轍を踏ませぬためには、早期に訓練を施すべきだと思うぞ。何の訓練かは知りませんが。

 ファミレスで夕食を済ませて帰宅。冷え切った室内では、猫がグレまくっていた。寒い餌が無いの後で、人間が硫黄臭くなって帰宅したのが気に障ったらしい。こちらの顔を見上げては文句を言い立てている。
 とりあえずストーブに点火し、パソを立ち上げてメールチェック。愛読するサイトからリンクのお申し出(恐れ多くて自分からは言い出せなかった)をいただき、欣喜雀躍。そして、某所からはへっぽこ小説のために素敵なカットを(しかも3点も!)頂戴して狂喜乱舞。うわ〜嬉しいなあ。さっそくリンクページを更新&小説の続きを書こうっと。明日からは忙しくなるぞ〜! <仕事は?

1月16日(水) 晴
 会社で風邪を伝染される。なんで感染場所を特定できるかっつーと、ここしばらく、横並びの同僚の向こう端のほうから順に、同じ症状で具合が悪くなってきてたからだ。回復過程のペースもほぼ一致してるので、臨床実験みたいで面白…かねぇよなぁ。なんで途中で重症になって欠勤するヤツが出ませんか。醜の御盾となって御国の為に散りませんか。いやいやいや、そうじゃなくて、そういう状況なのに予防しないワシは何者でしょうか。しかも僕の席は端っこなので、隣に持って行きようがないのでありまして。こうなったら折り返しでしょうか?<やめれ
 あまり美味しくない喉飴を舐めつつ、温泉から帰ってきてしまったことを悔やむ。いや悔やんだからって冬じゅう避難してるワケにゃあいかんのだけどさ。これが致死性のインフルエンザで、『渚にて』や『復活の日』よろしく世界が壊滅の危機に立ってるワケでもない限り。それに既に感染してたら退避しても意味ないし。一部の温泉に薬効があって、そこにいた人だけが生き残るっつーギャグパターンも面白いかもしれんけどな。あ、これとウェルズの火星人を組み合わせたらどうだろう。そうやって生き延びた火星人が捲土重来を狙うんだけど、茹でタコと間違われて食われてしまうという。ダメ?…ダメだな。つか、ちょっと熱が出てきてるかもしれんて。
 ところで僕、基本的に当て字って嫌いなんだけど、この「伝染る」ってのは強烈に実感できるのでよく使う。好きな作品も少ない吉田戦車だが、この一点については尊敬するなあ。マンガ家をテキスト使いで尊敬しちゃいかんかも、だけどね。

 微熱でぽや〜っとした気分で帰宅途上、それでも本屋へ立ち寄る。『OL進化論(秋月りす/著、講談社漫画文庫)』の13&14をゲット。中のしおりの4コマじゃないけれど、ちょっと弱ってて他の事が出来ない時には最高の本かもしれん。特にこの軽さが、寝床で読むには嬉しいのよ〜。
 とか言いつつ、児童書コーナーへふらふら入っていって『ハリー・ポッター(J.K. ローリング/著、松岡 佑子/訳、静山社)』全3巻(現在のところ)をまとめて手にする。信頼できる筋による「訳が悪い!」という批判、そして流行りモノに背を向けるヒネクレ根性もあって買い控えていたのだが、これまた信頼できる別筋が「面白い!」と絶賛しているので、ここは一発、オノレの目で確かめねばと思い決めたのである。直接原語版を買うってテもあるんだけど、己が語学力を考えると辞書必須だし、そうやってじっくり読みふける時間も無いしね。ま、訳の良し悪しは訳書を読めば判ることだしさぁ。って言い訳がましいっすか?<うん
 とまれ、高い授業料になるか、はたまた満足できるか、いざ勝負である!…いや、風邪を治してからね?関節が痛い時にこの本は辛いわ。

1月17日(木) 曇
 正月は 冥土の旅の一里塚
 目出度くもあり 目出度くもなし
 一休禅師だっけ?正月に皆が一斉に年を取っていた、ゆかしい昔の言の葉であるな。往時の暦で言えば今日はまだ師走のはず、気候もその時分に相応しい。西暦では季節感が出ないんだよね。太陰暦に戻さないかね、んで年取りも往古のシステムに…ええそうですよ今日は誕生日ですよ。ちくしょー。惑いつづけるのは目に見えているのに、不惑が刻々と迫りくることよ。やんぬるかな。

 帰宅後、グズつく鼻とじわじわとした微熱に邪魔されて動けないので、『ハリー・ポッター』に取り掛かる。んで一気に3冊読了。さすがに夜明かししてしまったが…って、こんなんじゃ風邪は治らんわなあ。分かってるんだが。
 さて感想。話の作り、材料の組み立て方が上手い。さすがメガヒットだけのことはある。
 まず舞台設定が上手だ。いわゆる魔法の世界と現実世界(いや「マグル」の世界というべきか?)との距離が近く、たとえば日々の暮らしや人間の性質なんてぇのはそのままカブるものだから、世界に入りやすい。『ザンス』シリーズに似ているかな。ただ、もっと敷居を低く間口を広く、生活レベルに近いところにファンタジー的要素が巧みに織り込まれているんで、こういう系統に馴染みの無い人も気にせず先に進めるだろう。
 キャラ構成はシンプルで、わりとステロ(『小公女』『小公子』とか名作劇場路線のね)といってもいい。話が進み書き加えが行われていくにつれ、いろんなエピソードが加わって厚みは出てくるけど、一面的で意外性は無い。まぁ、後に書くけど話の構成上、これは仕方の無いところだろう。それに主人公が単純な「良い子」じゃない、かなり皮肉の利いたイイ性格だし、複雑な生い立ちに揺れる心情なんかも読ませるものがあるから、それだけでいいかなという気もするし。あと、階級社会いまだに残る英国らしいキャラクター性が多いのも面白いね。
 んで話。筋立てだけを見ると非常にシンプルだと思う。が、展開がいい。これは素晴らしいといえるだろう。確かに読者がかぶりつきになるだけのことはある。細かいネタをばらまいて読者の注意を引きつつ、張った伏線を随所でちらつかせ最後にどんでん返し。これはフーダニット系ミステリの面白さだ。いったん足跡を見つけてしまったら(見つけさせられてるんだが、いかにも自分で発見したような気分にさせてくれるのだよ)どこまでも追いたくなる。リズム感もあって長さが苦にならない。いや、僕は長いからと言って苦にしたこたぁないですが、子供をターゲットにした時にはこれは大事なことなんだよね。子供の脳味噌てぇのは育成過程として集中しないようになってるワケで。ただ、こういう構成ゆえあまり複雑にできないんでキャラはシンプルになってるし、そのためさすがに2冊目3冊目に来るとパターンが見えてしまう(3冊目は特に)が、コレは今後に期待ってところだろうか。
 読後感は、あまりインパクトは無い。読んでいる間は集中できるし、先への興味や謎を思い巡らすことで退屈しないんだけど、情に訴える部分はあえて強調せず、サラリと流すようにされてると思う。一気呵成に読める、スカッと軽い読み物ってところかな。けれど、どこかでフックした人がハマり込む手がかりは上に並べたような点で十分なので、何度も読み返してみる人がいるのも納得だ。
 美点はよく分かったところで、さて、欠点のほうはというと。
 …まず作り。このサイズでこの装丁。んで字の大きさがコレというのは「本」の美しさとしては、あまりイタダケナイのじゃなかろうか。万人向けを目指すにしても、ちょっとバランス悪いよなぁ。版型は少年探偵団シリーズで良かったと思う。で、価格設定をコレで行きたいなら、表紙にエンボス入れるとかすれば、もっとずっとカッコ良くできたと思うのだな。いまどき机に向かって読書する人も少なかろうに、寝そべり読み推奨サイズは辛いよ。
 そして訳。後書きによればずいぶん多くの手を経ているのに、諸手を挙げて「素晴らしい」とは言えない。正直、いまひとつだ。
 基本的に言葉遣いの問題なんだが、辻褄の合わない発言で流れが損なわれるところが何箇所かあるし、巻の前後で設定が違う部分さえある。例えばSISTER違いぐらい、本国に問い合わせれば良いことだろう。台詞回しだけではない、全般にこう、直訳くさいんだな。それで緩急が出ないのをフォローしようとしてか、フォント使いで盛り上げようとするのは如何なものか。チラシじゃないんだから、これは止めていただきたい。あとルビがうるさい個所が幾つか。かと思うと、肝要なところに説明が無い。3巻のハイライト・シーンに出てくるアレ、英語の知識の無い子供が読んだらさっぱり分からんだろう。それでも巻が進むと初期のたどたどしさが感じられなくなるので、次に力を入れていただきたいモノである…って、もしかすると読者が慣れてくるだけっすか。それマズイよな。
 とまあ、こんな調子なので、物語そのものは結構気に入ってしまったのだろうなあ。やはりこれは、続きを原書で読むか。しかしアレだ、年1ペースで2003年完結つーことは…あと1年間、4・5・6で最終巻を待たねばならんということか?あ、でも僕の英語力ならそんなモンでも十分か。結果オーライっすね!<良くねぇよ

1月18日(金) 晴
 会社に昨日の日記を忘れてきて愕然とする。せっかく昼休みつぶして書いたのに…というワケで、今日のと一緒にがんがん書きなぐってみた。うう、なんか違う。前のほうが良かった。とかって、何をいつ書いてもこういう思いは抜けないのだけどね。

 いわゆるベストセラー本というヤツを2冊買う。いや別に『ハリー・ポッター』買って勢いづいたわけじゃないですが。
 『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本(向山淳子・貴彦/著、たかしまてつを/絵、幻冬舎)』
 英語のハウツー本、入門書。がしかし、普通のそれだったら読むどころか手にも取らなかったろう。表紙になってる猫の絵がいいんだ、実に。シンプルな絵なんだけど「ぼよん」と太って目つきの悪い、ツラダマシイの凶悪な猫が見事に表現されてて、つい引き寄せられてしまった。で、ぱらっと中を見たら…「留学すれば誰でも英語ぐらい憶えるというのは迷信です」という爽やかかつ断固とした言葉。「劇的な解決法も、画期的な近道もありません」という率直な物言い。そして、とにかく本を読んでみようという方針。その全てが、どうやらあのデブ猫とからんでいるらしい。うん、面白そうじゃん読んでみようという気にさせられてしまった。万一これで英語の本をもっと読みやすくできるなら、もっけの幸いだしな。<だから入門書だってばよ
 『世界がもし100人の村だったら(池田香代子/再話、C.ダグラス・ラミス/対訳、マガジンハウス)』
 インターネットで伝わった民話だそうだが、あいにく僕は現場で目にしたことがない。ただ、タイトルどおりの、かなり正確な現在の世界の縮図を、1冊取っておきたくなったのだ。時々開いて「他の誰か」を考えることが出来れば良いと思う。マーメイド紙の手触りと鮮やかな色が目にも楽しいんで、少しはそれが容易になりそうだし。でも、この内容はいいんだが、チェーンメール化したらヤだなぁ。<考えたいのかほんとに

 他には『幻獣の国物語(TEAM猫十字社/著、朝日ソノラマ)4』。世界観と話の展開がとにかく楽しみで、先が待たれる。実はこの先、どっかでシリーズ中断が待ってるらしいのだが…せめてキリのいいところであって欲しいもんだ。ちなみに著者公式サイトはこちら。この作品のHPへのリンクもあるので、同好の士はぜひどうぞ。懐かしの「とらじゃ・かりた・めりた」のアイコンもあるぞ。そ〜っれ、壁を蹴倒しゃ皆となり〜♪まっわしてちょうだい美少ね(自粛)
 『六枚のとんかつ(蘇部健一/著、講談社)』。最悪のミステリらしいので、ひとつ読んでみようかという野次馬根性。「ギャグと謎解きのコラボレーション」と書いてあるが、果たしてそういう作品として成立しているのやら、ある意味楽しみである。
 『QED 式の密室(高田崇史)』読み続けていたシリーズ4作目。が、書店で手に取って愕然とした。なんじゃこの薄さは?いやまぁ、厚ければいいってモンじゃないですけどね、資料をぎゅうぎゅう詰め込んだ前作のボリュームを考えてたもんだから力を入れて取って、弾みで天上まですっぽ抜けるところでしたぜ。講談社ノベルス20周年の密室モノ競作としての書き下ろしらしいんだが、さてさて、こちらは本気で楽しめることを期したい。なんせ前(シリーズ外の作品)がアレだったからねえ。ミステリ好きには嬉しい封印本、早々に切り開いて飛び出すものを拝むとしよう。

1月20日(日) 晴
 世の中にはトンデモとかヨモスエというものが散らばっていて、大なり小なり僕らを驚かしてくれるもんだが、今日はややライトレベルのヤツに、しかし起き抜けに出くわしてしまった。
 新聞折込の通信販売のチラシ。シリーズものを月々お届けタイプで、ネタはガーデニングなんだけど、2月&3月が「寒気につき造花でお届け」と書いてあるのだなコレが。そ、それってガーデニングなのか?
 同じチラシにはキティの名画パロディ(しかも絵皿)も掲載されてて、衝撃的ですらあった。モネとかならいいかもしれんけど、ゴッホはやめれって。あの世界にキティはすんげー怖いよ!

 水槽の水を替えながら『舞姫[テレプシコーラ](山岸涼子/著、メディアファクトリー)』1&2巻を読む。
 バレエの魅力は多くの人が語るところだ。例えば映画評論家の故・淀川長治翁は少年の日に見たアンナ・パブロヴァを忘れられず、講演の際「今この場で踊って見せられるほど」鮮烈であったと語っていた。それを聞いた10代の僕は「このちっこいお爺さんがタイツ穿いて飛んだり跳ねたり?」とか思ったんだが、後で記録映画のパブロヴァ(による「瀕死の白鳥」)を観たら、たしかに物凄いショックを受けた。美しい、本当に夢幻の如く、それは言葉に尽くせないほどに…でもアレ、人間の身体じゃねーよ!どんな骨格してる?どうやって動かしてんだ?と。
 で、この本を読んだら、その思いが倍加して戻ってきた。
 考えてみれば、絵を描く者は解剖図に学びモデルを見つめて人の体の動きを知り、そのうえで望む形を素材の上に象る、舞踊家はそれを自分の身体で成すということに他ならない。しかし、言葉でいうのはたやすいが、「肩を下げつつ肩甲骨を左右に開き、背骨は上へ伸ばしながら背筋を下へ、腰の筋肉は上へ」なんてこと出来るか?それも、主役なら通しで2時間はある舞台の間中、一瞬ごとに。アンタら人間じゃねえ!と叫びたくなってしまう。
 しかしやっちまうのがバレリーナなのであり、物語は、そういう世界を望んでしまった少女たちの成長を綴っている。だが、多くの同系統の作品が描かなかった上のような細部に踏み入っているだけに、個人の描写もしかり。特に才能のみに恵まれている空美の境遇は生々しくおぞましくさえある。描写の凄みもあって、ある意味、読む側に怖気をふるわせる作品といえるだろう。タイトルは美神ミューズの名に負うが、果たしてその賜物がどんなものになるやら、先が楽しみながら怖くもあるな。

 夜に入って『深夜特別放送(ジョン・ダニング/著、三川基好/訳、ハヤカワ文庫)』読了。
 第二次世界大戦中のアメリカ。暗い世相の中、愛した女を諦めようと故郷を捨てた若者。しかし些細なトラブルから投獄された直後に、彼女が救いを求めているという報せが届く。決死の覚悟で女の後を追った彼だったが、そこに待っていたものは?…うぐぐ、なんて陳腐な書き方なんだ。しかし、この話の筋を一片たりとネタバレなしに紹介するのはムリだ。そして、この話をネタバレするのは犯罪に近い。よってもってぜひ自分で読んで欲しい。お勧めである。
 あてどない追跡行と、その先に待ち受ける謎、危険といった要素においては『ジンジャー・ノースの影』を、さらに深く広く、そして濃密にした印象がある。これだけでも読ませるものは十分だが、本作においては他のファクターがすばらしい。まず、ラジオ全盛の時代の、舞台裏の人々の仕事ぶりと情熱、その中で主人公が創作の喜びを見出す過程の活き活きとした描写。暗澹とした世相、迫りくる脅威、得体の知れない敵(とあえて言おう)とその動機。それら全てが描き出すもの、そして声無き声を上げて告発される罪。たとえば話の基点になった南アフリカにしても、では虐げられた人々は手を汚さずにその地を得たのか?という疑念が浮かばずにはいない描写の妙。おのれの国にさえ厳しく切なく向けられる眼差し。人というものが繰り返してきた行いに思いを馳せつつ行き着く物語の終わりに、ふと涙ぐまされたりする。そこにきっとあるだろう名前、それがもつ意味を思って。そして一方で展開されている、既に結果の見えた事実に。
 実際のとこ、トリックのみのミステリとして読むなら謎は深くない。ある程度の予備知識があれば、途中で見通せてしまうかもしれない。だが本筋以外でもさまざまな方面へ目を開かせてくれることが多いので、まず退屈はしないと思う。ついでに言うと登場人物が非常に多く、またその大半がスタッフと役者として分類されるので、キャラの多い外国モノはちょっと…という向きには読みにくいかなとも思う。しかし、メモを作りながらでも読むだけの値打ちはあるだろう。少なくとも僕にはあった。かつての「戦勝国」に、こういう視点があることだけでも、知っておいて損はない…ぬ、これもネタバレだろうか。
 最後に、この本は装丁もいい。カバーデザインはもちろん、少々ユーモラスなオビも雰囲気を壊さない。いいぞハヤカワ!某講談社に爪の垢でも送ってやってくれ!<某じゃないだろ

1月21日(月) 雪のち雨
 妙に暖かい日。朝のうち白いものが舞っていた空からは、やがて水滴が落ち始めた。時間が過ぎるうち風も強まり、叩きつけるような雨になる。ぬぅ、春一番か?って、ついこないだ「旧暦ではまだ師走」とか申しておったであろうがその方。へへ〜、恐れ入りましたお代官様お許しくだせぇ。いいやならぬ、ならぬぞ、年貢が払えぬとあらば娘を差し出せぃ。…とかパターン劇してる場合じゃなくてさ。
 窓の下を流れる川の水量が、異様に増している。が、春先のように轟音を上げて流れていない。水温が低くて氷と雪が融けず、まるでシャーベット…というよりはスムージィみたいにとろ〜りと淀んでいるのだ。流れないまま雨に降られて、じわじわーと上がる水位が恐ろしい。
 夜半に至って下流で洪水騒ぎになったそうで、パワーショベルがやってきてようやく埒を開けていったが、なかなか凄い見ものであった。ノアの洪水の時もかくやと思ったもんである。まぁ、一番身に迫った脅威を感じたのは、川っぷちに小屋を置かれている犬だったろうが。見てるこっちもマジでハラハラしました、避難させてやってください大家さん。<つか助けろよ

 『猫は郵便配達をする(リリアン・J・ブラウン/著、羽田 詩津子/訳、ハヤカワ文庫)』読了。『猫はブラームスを演奏する』同様、シリーズ前半の物語である。10数冊も続いた後でいきなり遡るような出版順序の理由は謎。版権の取得とか、そういうことかなあ。柾樹ちん子供だからわかんない。<よせって
 冒頭、いきなり主人公・クィラランが記憶喪失になっているので驚く。が、順を追って思い出して貰うにつれ、こっちも当時の設定に戻れるんで助かった。しかし、まだ「この人って誰だっけ?」が大勢いるんで、結局は諦めて、初見のつもりで読み進むことに。
 だが、案ずるほどのことはなし、これが結構楽しめた。まだ地元の人になりきらないクィラランと奇妙な生活習慣や言動を見せる住民たちのギクシャクぶりがおかしい。シリーズ後半ではこういうディテールは描かれなくなってるから、特に目に付くのだよな。謎の方はわりと簡単に見通せるレベルだが、最後の最後でザワッとさせてくれる部分があって、悪くない味わいだ。ああ、ミステリ読者って悪食だなぁ。<他人ごとじゃねぇって
 とりあえず、これをもってシリーズは元の順序に戻って発刊されるらしい。今回ので己の記憶のアヤフヤさが分ったので、次が出るまでにいちど読み直すとしようか。でも、低調になっちゃったヤな部分は覚えてるから、ちょっと気は進まないかな。ココ並に賢い猫が記憶補助してくれんかのう。

1月22日(火) 曇
 昨夜の雨はものの見事に凍り付き、辺りは微妙な起伏をもつ氷の国と化した。夜のうちに溶け崩れた雪山をてきとーに積み上げなおした跡は、まるで奇岩かガウディの建築かという風景である。こういう眺めは北国ならではであるのう。邪魔くせぇし滑るしで有難味はまったく無いんだけどね。

 『からくりサーカス(藤田和日郎/著、小学館)21』購入&読了。
 予測できる範囲でしか推移してなかった物語を、この巻末に至って「えいやっ」とひっくり返しにかかってきているなあ…ついでにキャラも大幅整理?という印象。フランシーヌのアレは「どうせ」とは思ってたけど、アルレッキーノとパンタローネのあの扱いは予想外。まさか連中も偽者じゃないだろうな?本誌を読んでいないのでこの先がどうなるか分らないけど、またじわじわと期待度が上がってきた。しかし主人公…じゃないのか、にしても鳴海は不幸すぎだねぇ。せめてエンディングはハッピーであってほしいな。
 とか言いつつWebをウロついてたら、すごく絵が綺麗(マジに作者より綺麗かもだ)でギャグの楽しいファンサイト懸糸傀儡の糸を発見。おうっ、阿紫花のファンっすか?まぁ、元から楽しいヤツだったのが、再登場以来どんどんオイシくなってるからねえ。なんか名場面残して惨死しそうに。あ、いや、僕も贔屓キャラなんで、出来ればそういう方向へは行って欲しくないですが。つか「いかにも」話に殉じるパターンは今回あたりでやり尽くしたと思うんで、そこらへんよろしく創造主/作者様。

1月24日(木) 晴
 『QED 式の密室(高田崇史/著、講談社)』読了。単なる密室モノとして犯人当てを考えるとミステリにはなってないんだが、背景に積み重なる歴史の絵解きが加わると、たかが(なんて言っちゃあイカンのだが)殺人1件が、無数の人々の過ごした長い時と、「今」に生きる我々のスタンスを考えさせるものになる。織り合わせの妙やよし。斯界に詳しい人には新味があるネタでもないだろうけど、歴史に浅い人でも面白く読める程度に噛み砕いてあるんで、ぜひ勧めたいものである。イマドキ流行ネタと化しつつある安倍晴明を背景に据えてるあたりも、そういう裾野を広げるには好材料だろう。
 現実味?それは言わないお約束で良いと思う。そういうコトを煩く言ってたら、ミステリなんかそもそも読めやしないし…ってまぁ、モノには限度があるけどね(笑)

 夜になって郵便局へ出向き、某所からの配達物を回収。郵便受けに入らず持ち帰られていたのを取りにいったのだが、結構遅い時間にもかかわらず、夜間窓口前に人が多いので驚いた。やっぱ現代人は時間に貧しいのだねぇ。
 ま、それはさておき、いただいた中身は僕をたいへん幸せにしてくれた。世界の何処か遠くに自分のコトを(よし一部なりとも)分ってくださる方が在るというのは望んで得られることでもあるまい。盛大にノロけかつ自慢するとしよう。とりあえずは…え〜と、ねこまに。<意味ないぞ!

1月26日(土) 晴
 『ドラキュラ崩御(キム・ニューマン/著、梶本靖子/訳、創元推理文庫)』読了。「B・ストーカーの作品でドラキュラが勝利していたら?」というIF世界で展開するシリーズの3作目である。第1作『ドラキュラ紀元』はドロドロのスプラッタ・ホラー世界へと崩壊するヴィクトリア朝ロンドンを、2作目『ドラキュラ戦記』では生者死者入り乱れて泥濘にまみれる悪夢の第二次世界大戦を描いてきたが、さて今回はというと…近代文明勃興期を舞台にしたサスペンス・ミステリ・スパイアクション映画パロディ風味というところだろうか。
 永遠の都ローマを舞台に吸血鬼殺しが続発し、その謎を軸に、ドラキュラの(また!)婚儀についての謎めいた情報が乱れ飛ぶ。しかしドラキュラ自身の姿は見えず、殺人(?)者の正体も掴めないまま、いまや隆盛を極める映画産業の奇妙な関係者たちを交錯させつつクライマックスへ!という展開が実にいい。邦題は原題に比べるとちょいと趣が乏しいけれど、それも「え?いつ?誰がどうやって?」みたいなヒキにもなっていて、最終的に答が出た時のカタルシスを誘ってもいるし。
 スタートからの主人公たちがそれぞれに変転しているさまも、シリーズを通して読むと非常に感動的だ。特に1作目の主人公ボウルガードはいまや100余歳、老い朽ちてゆく彼を愛する3人のヴァンパイア女性との交流がやるせなく切ない。彼というキャラは出来すぎな気はしないでもないけど、対する彼女たちの個性と生き様が実に鮮やかで良いのだ。また闇の王とその妻たち、そして非常に特殊な別な「女性」との対比も際立っているしね。もちろんストーリーも、「ドラキュラもの」をメインとした映画の、時代による変遷をかぶせていて仕掛けどころは十分だし。なんかこう、C・リーからG・オールドマンまで、一気に観たくなっちまったぜ実際。
 あと、シリーズ全般を通じて膨大な史実・小説・映画のキャラが登場するのが面白味のひとつなのだけど、今回土地柄ってことで出てくるヴァチカンの一僧侶が非常にオイシイ。原作でもカッコ良かったけど、今回の名脇役ぶりはあまりにクールである。やっぱ元ネタを再見すべきであろうなぁ。ディレクターズ・カットのDVD買っちまおうかな。

1月27日(日) 曇
 『仮面ライダーアギト』最終回。おお、盛り上がる盛り上がる!と思っていたんだが、やっぱりというべきか、ここしばらくの展開と同様、だら〜っと締まらない終わり方だった。こういうパターンはどうかと思うんだがなあ。つか途中経過に難があっても、幕さえうまく引ければ良作たり得るモノを、なんでそこで力を抜くかね。やっぱ次の制作進行が押してるからですか?そうやって未完成の連鎖を続けるのが現代の放送ってヤツっすか?はいそうです。<結論付けてどうする
 まぁ、難点は山ほどあるけど、やはり最後の最後だよなあ。序盤から中盤にかけては穴は少ない。戦闘が盛り上がりかけたとこで登場の涼!かっこいいぞ!でも唐突なその台詞は何?せめてエルから「お前は死んだはず!」とか言わせてください。エル撃破!G3-X強すぎ!いいけど!んでアギトがダミアンに特攻!…して大爆発と、その後で真・津上こと沢木に語りかけるシーンの間に何も見えないんですけど。「人間を滅ぼすのはとりあえずやめた」に至るダミアンの考えが、まるっきり出てない。まぁ人智を超えた存在だからかもしらんけど、扱いかねて手を引いたようにも見えますぜ。
 そしてラストのシーン群。警察サイドはG5ユニットとして大きな組織になった…のはいいけど、敵は何?ダミアンは「しばらく見守る」と言ってなかったか?蠍座は戻ったのか?後半になって突然出てきた翔一の彼女はどうなってんのよ?ちゃんとアギト化しましたか?んで説得力の無い「レストラン」でシメ…1年後にしちゃ強引なじゃないかなあ。それからそれから…ああもう、ツッコミどころ満載で手がつけられない。
 良い場面もいっぱいあった、役者も皆上手くなって、ちゃんと芝居になってる。たとえば現場で犯人を追う氷川&河野(おお、アクションしてるよ!)とか、イギリスで毒舌合戦する小沢・北條とか、受験勉強にいそしむ真島とか、夕陽の中を走り去る涼とか、過去を想起しじ〜んとさせるファクターもたっぷり。なのに整合性のないハナシの断片をばら撒きすぎて、きちんとした形にならんまま終わってしまった。残念である。

 午後から、ちょいと街中へ。イエローサブマリン→ハンズ→ポストホビーという高濃度ツアー。が、その割に収穫は乏しかった。YSは最近もっぱらカードゲームメインだし、ハンズでは探し物が品切れだし、ポストも以下同文。まぁ途中でビーズパーツの専門店を見つけたのと、ちびぬいあずまんがをゲットしたのがせめてもか。おとうさんが2つ出たんでねこまと分けて、ちよペンギンとねここねこはアッチへ…ん?なんか不公平だぞ?をい?

 帰宅後、ビデオ録りしておいた『TRICK2』を観る。火サスで横溝ものを作ったみたいなトンデモ話、大仰な演技と非現実的な会話、スベる寸前のギャグといった構成要素なのに妙に面白い。次回は全然違うネタになるけど、それも、時間の半ばで前のエピソードは終わって後半からは別ネタっていうヒキの付け方も変わってるね。最近はこういうのが流行かね、ばーさんや?<誰

1月28日(月) 雪
 ノベルス発売時「最低」の呼び声も高かりし『六枚のとんかつ(蘇部健一/著、講談社文庫)』読了。ん〜、最低とは言わない。時刻表ミステリ?な一編などのトリックは結構おもしろかった。でも、友人に問われて「これのために金を払え」とは間違っても答えられない。週刊誌に載ってれば「貸してやるから読んでみ?」ぐらいなレベルかなぁ。そもそも表題作のトリックが『占星術殺人事件(島田荘司)』だ…つー以前に、『占星術』自体『頭の体操』にありそうな(いや、クイズ本のどれかには確実にあった。そこでの素材は千円札だったと思う)ネタをあそこまで昇華させたことに価値があるワケだ。それをヒネり直しても、なぁ。なぁなぁなぁ。
 あと、ギャグにしては切れ味がヌルい。アホにしても底に着いてない。下品さにおいても中途半端。さらに連作風なのにキャラが立ってない。そういうアイマイな境地の読み物を目指したのだとしたら、ちょいとお付き合いしたくない作家だな。僕ぁはっきりサッパリしたのが好きなんだ、どうせ書くなら都築道夫と小林信彦といしかわじゅんとヨコジュンを足したようなのを…って滅茶苦茶っすか?<はい

1月29日(火) 曇
 会社帰り、書店パトロールの後でビックカメラへ。かねがね思ってるんだが、どうしてビッじゃなくてビッなんだろう。誰か教えてくださ…らなくてもいいですが。目当ての『ダーク・クリスタル』のDVDを手に入れたんで、後はどうでもいいやと帰宅。いや本当はアナザーアギトのソフビも欲しかったんだけど、売り場は何故かギルス一色だったのだ。G4すらいやしねぇつーのは何故でしょうか。番組終了で焦ったマニアさんたちが、ここを先途と買いまくったんでしょうか。<そんなハズあるかい

 『ジェヴォーダンの獣(ピエール・ペロー/著、佐野晶/訳、ソニーマガジンズ)』読了。映画の予告を観てかなり興味を惹かれたのだが、どうも時間の都合がつかなそうなので読んでしまうことにした次第。というよりは、元ネタである「獣」についての話をかつて読み、以来持ってた興味のために我慢できなくなったというか。だって、数年にわたり100人以上の人間を食い殺すなんて、狼にしては無理があり過ぎる話だものな。中の何割かは、ブラウン神父の法則(木の葉の隠し場所に関するアレね)だったんじゃねぇのか?と疑った記憶もあるぐらいだ。でも、その頃考えたオチは結局、後述のヨモスエ話だったりもするんだけど。うむ、栴檀は双葉より香ばしく、若気のいったり来たりであることよのう越後屋。<なんだそれ
 また、ついでながら、この事件当時の時代背景も結構面白いのだ。ときは中世、ルイ15世時代のフランス。1715年から1774年という長期にわたって王座にのさばったこの色魔王(妾を山ほどもち私生児の数は60人余。お祭り大好きだがマツリゴトは他人任せ)のせいで国政はガタガタになり、のちの革命の土台をしっかりとこさえ上げたと言われている。革命当時の錠前王・ルイ16世には爺さんにあたるワケだが、さぞや恨めしかったことだろう。16世の親父なんかも、ジジィが玉座を退かないから生涯「ただのルイ」王太子だったワケだしねぇ。一握りの人間の欲のために乱れ停滞し朽ちゆく文明国、人心は荒み退廃の気風が充溢していたと思われる。まるで現代のどっかの国みたいに…かな?
 閑話休題、そういう予備知識を頭に置かずとも、本編は十分に楽しめる。読み物としては軽いが、歴史に記された人や事物をそこここに配しておいて、巧みに織ってある。単純に、人を殺しまくる「獣」を追うホラーっぽいサスペンスものと見てもいいし、活劇ものの要素も多い。さすがに『三銃士』のルイ14世の御世からは3代目つーことで剣戟は拝めない代わりに、モホーク族のカンフー・アクションという妙な要素をコサエて入れてるのは苦しい気もするけど。
 また、裏に潜む謎を思い巡らす陰謀劇としても悪くない。これについては、ある女性キャラの存在が好みなんだなぁ。一部ファンタジー要素もあるし、ヒトとその歴史の暗部を指弾する非常にシリアスな主張も見える。特に、主役の一人の過去にある殺戮については、直後に読み始めた『恥ずかしいけど、やっぱり聞きたい(セシル・アダムズ著、春日井晶子/訳、ハヤカワ文庫)』で同じネタに当ったこともあって、ちょっとばかり厳粛な気持ちにさせられた。青臭いかも知れんけど、ヒトの本質についての憂愁といおうか。いつまで同じコトしてんだろうね、このブサイクな生き物はさぁ、キリスト教では神のコピーの筈なんだろ…ってね。もちろんエンタテインメントであるからして、本作での描き方は深くは無いけど…ああ、やっぱ映画観てぇな!<駄目じゃん
 実は中盤での「獣」の描写から、もっとヨモスエな話(『ジュラシック・パーク』か『霧笛』か『ムー』かってヤツ)を期待したんだが、ソッチ方向へ行かなくて良かったなぁ。「獣」の意味が、まるで違ってきちまうし。いや、行くわけないとは思うけど、ヒトの妄想もまた際限の無いものであるワケで。
 ところで、ルイ15世って、天然痘で死んでいるんだよね。物語の終わりにそれを思うと、ちょっと苦笑いが出る話でもあるわな。

1月30日(水) 曇
 ここしばらく、回転寿司にハマっている。好きなものを好きなだけ食べられるという利便もあってのことだが、会社の近所の店が美味いってのは大きいやね。ちなみに好んで食うネタは鰻の蒲焼と卵焼き…って、何か変っすか?あ、誰だ「共食い」とか言ってるヤツぁ。屋号こそ銀鰻亭だが、本人は鰻と血縁は無いぞ!どっちかというと瓢箪鯰ゲフンゲフン。

 『世界自然動物』の第2弾「アジア・オセアニア編」を見つける。本日の獲物はゾウ、パンダ、アシカ、スイギュウ。先日買った分とはアシカがダブったのみ、なかなか快調である。ちなみに、この前は初回でいきなりシークレットの片方(トキ)が出た。色合いがいまひとつだったけど、やっぱり嬉しいもんである。あと今回分の塗りについていえば、パンダはなかなかの出来。白い部分の黄ばみを再現してあるのが妙にリアルである。やっぱコレはジオラマ作らないといかんなぁ。<義務ですか

 夜半、ヒロツさんちでチャット中、楽天丸さんがキワモノなネタを持ち込む。韓国製の生首育成ゲーム「Tomak 〜Save the earth〜」の日本語版が発売になるっつー時点で「うへぇ」なんだが、特典がつくというのだな。それがコレ。海洋堂製フィギュアってねぇアンタ(誰)というか「うひぃ」というか「ひぇぇ」というか。さすがつーか仕事を選ばないつーか。いや、嫌味で言ってるんじゃありませんからね念のため。でも海洋堂が脳内変換で怪妖堂になっちまったけど。
 発売もとのサンソフトは、昔から『へべれけ』とかケッタイ個性的なキャラを出してたとこだけど、これまた今後は違った目で見ることになりそうだ。さらに精進してください。買いませんけど。
 楽天丸さんはまた、先ごろ当方からお送りした熊カレーの人体実験賞味報告もしてくださる。味は普通というか「ウマかった」そうである。なぁんだ、つまんね…いやいやいや、何でもござらぬぞご同輩。肉は少なめだが辛口でなかなかとのこと、もし味見がしたい我が友人がおられたら、メールいただきたい。忘れた頃になって、地獄の味がするという「トド缶」とセットで送りつけて差し上げよう。<キワモノ発生源

1月31日(木) 曇時々雪
 今日も昼食を回転寿司で摂る。さすがに3日連続で鰻もアレかなと思ったので、ぽつぽつと他のネタもつまんでみた。ハンバーグとかトンカツとか。って何か間違ってますか僕?

 快刀乱麻のシリーズ3冊目『恥ずかしいけど、やっぱり聞きたい(セシル・アダムズ著、春日井晶子/訳、ハヤカワ文庫)』読了。いわゆる豆知識本といえばそこまでなんだが、ウイットというかユーモアというか、いや正直に毒気、しかも過剰なそれの充溢した文章が、とにかくメチャクチャに面白い。質問者に向かって「君たちのようなお馬鹿さん」と軽やかに悪口を飛ばしつつ、詳らかに分り易く知識(有用無用こきまぜて)をきりほどいて見せるというのは只事ではない。また、質問者や後から参加する読者連も、ふきこぼれんばかりの知性溢れる応酬をしてのけているのがお見事だ。ま、一部の「溢れちまった」馬鹿な農民(本文参照)を除いてですがね。<真似すんなっての
 次は『イヴの七人の娘たち(ブライアン サイクス/著、大野 晶子/訳、ソニー・マガジンズ)』に突入。単行本を通勤電車で読むのは辛いんだが、興味の対象を切り替えることも出来んし、なぁ。げに好奇心は猫を殺し、読書熱は活字中毒者をマッチョにするのであった。<なってへんがな


翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]