映画『仮面ライダー龍騎』あらすじ ...last update 2002.08.30 [上]へ

特撮・監督:田崎竜太、脚本:井上敏樹『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』東映・あらすじ

 以下の文章は、映画『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』東映 のあらすじを…私が覚えている限りにおいて…包み隠さず記述しています。
 ネタバレ不可な方は見ない方が良いと思います。
  鑑賞:2002/08/17,2002/08/22 

 ヤゴ型モンスター・シアゴーストの大群と戦う、龍騎、ゾルダ、ナイト、王蛇。
 舞い降りるファム。
 乱戦の中、傷ついたシアゴーストの一体がレイドラグーンへと脱皮・変態する。

 戦う仮面ライダーたちの映像が交錯し…
 アバン・タイトル『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』

 ある日の夜の花鶏。テーブルの上の数本の蝋燭だけを明りに、城戸真司、秋山蓮、神崎優衣を相手に、神崎沙奈子が「怖い話」をしていた。
 沙奈子の話が終わり、今度は真司が「子供の頃に体験した不思議な話」を披露する。

 公園で、一人の少女と知り合い、楽しく遊んだ。翌日の再会を約束したが、雨が降ったので行かなかった。ところが気付かぬ内に、その少女が部屋に居た。二人で遊んでいたが、少女はいつの間にか消えていた。

 OREジャーナル。結婚詐欺師をネタに盛り上がる真司と編集長と、二人を辛辣な目で見る令子と奈々子。

 とある高級住宅のリビング。件の結婚詐欺師の男と親密な雰囲気の妙齢の女性。そこに、女性の襟に付けた隠しマイクで会話をモニターしていた真司と令子が踏み込み、男の正体を暴く。
 ところが、その家の娘と思われた女性は、結婚詐欺師の上前をはねる詐欺師だった。
 まんまと、男が手渡した婚約指輪の入手に成功した女性・霧島美穂は、うっかり真司が放り出していた財布も持ち去っていた。
 美穂が、小銭しか入ってなかった真司の財布から出したお金で缶コーヒーを買った時、後を追ってきた真司が美穂を見つけ、押し問答になる。

 由良吾郎が運転する車に乗って移動していた北岡秀一は、車窓から偶然目にした美穂に驚き、車を止めさせる。

 さらに、美穂に騙された結婚詐欺師も現れ、指輪を返すよう美穂に迫った。

 ところが突然、男が悲鳴を上げる。シアゴーストの糸(?) が男の頭部から伸び出た。
 男を糸(?) で釣り上げたシアゴーストは、そのまま逃走する。

 美穂はカードデッキを取り出し、仮面ライダーファムに変身する。その横で龍騎に変身する真司。そして、嬉しげに見つめる吾郎の前で、車の窓を使って変身する北岡。
 ファム&龍騎 vs シアゴーストの群れ。そこにゾルダが加わるが、シアゴーストは際限なく湧き出る。

 三人は、なんとか窮地から脱出するが、北岡と美穂は過去に何らかの因縁があるらしく、険悪な雰囲気のまま、散会する。

 とある路地。無意味な殴り合いをしていた浅倉威の前に、神崎士郎が現れる。

 花鶏。
 沙奈子に言われて「もうすぐ二十歳の誕生日」だと思い出した優衣が、鏡の中に少女の姿を見つけた直後に倒れる。
 沙奈子は、兄・士郎と別れた直後に、優衣が今と同じ感じで倒れた事を思い出し、その時の様子を蓮と真司に話す。
 その後、蓮と真司の前に、神崎士郎が現れる。

 廃屋の様相を呈している教会。
 神崎士郎は、集めた五人の仮面ライダー…城戸真司、秋山蓮、北岡秀一、浅倉威、霧島美穂…に、「あと三日の内に決着を付けろ」と告げる。「決着が付かなければ、約束は叶わない」とも。
 また、6人目の仮面ライダーの存在を明かし、「やがて現れる」とだけ言う。
 真司以外の四人は、必死で戦いを止めようとする真司を無視し、美穂と浅倉、蓮と北岡が、それぞれ戦いへと向かう。
 最後に真司も、戦いを止めようとミラーワールドに向かう。

 神崎士郎は、教会のパイプオルガンを奏でる。

 ファム vs 王蛇。ナイト vs ゾルダ。
 なんとか戦いを止めさせようと乱入する龍騎だったが、誰も戦いを止める気はない。
 やがて、ファムは王蛇に追い詰められ、ナイトと龍騎はゾルダの飛び道具を躱そうとして、全員が廃工場(?) の中で一線上に並んだ。
 ゾルダは、ファムが王蛇に押されているのを見て[エンドオブワールド]を発動し、それが今回の戦いを結果的に中断させる。

 真司、蓮、美穂は、教会に戻る。
 「浅倉に敵わない」と荒れる美穂は、姉を浅倉に殺されたことを、二人に打ち明ける。
 同時刻。別の場所で、浅倉と北岡も同じ話題を口にしていた。

 そして(翌日?)。
 花鶏で優衣を気遣いながらバイト(?) 中の真司の携帯が鳴る。それは美穂からのデートの誘いだった。
 遊園地で遊ぶ二人だったが、美穂は真司のカードデッキを奪おうとする。真司は、盗られかけたカードデッキを美穂の手から奪い返し、二人は別れる。

 美穂は、その足で冷凍保存された姉のもとへ向かい、戦いへの決意を新たにする。

 一方真司は、雨の中をバイクで花鶏に戻る。タオルを出そうとした優衣は、唐突に割れた鏡を見つめながら、忘れていた記憶を思い出した。

 優衣は、蓮と真司を連れ(?) 、どこかの林(?) の一角の土中から一つの箱を掘り出した。箱の中には、割れた鏡と、ミラーワールドのモンスターを描いた絵の束があった。
 優衣は、蘇った記憶を二人に話す。
 兄がいなくなった後、知り合った少年が再会の約束を守らなかったことを嘆いていた時、鏡の中の自分に誘われ、ミラーワールドに渡ったことを。

 優衣が語り終わった時、モンスターの活動音が響き渡った。
 蓮と真司は戦いに赴く。

 多くの人が行き交うガラス張りのビルの中、シアゴーストの群れが人々を襲っていた。
 すでに、ゾルダと王蛇はモンスターたちと戦っている。そこに龍騎、ナイト、ファムが加わり、冒頭の乱戦シーンに繋がる。

 ファムと王蛇は、いつしか二人だけで戦っていた。今回も王蛇がファムを追い詰めた時、またゾルダが王蛇を撃ち、ファムを助ける。
 しかし、ファムはゾルダにも剣を向け、手傷を負わせる。

 さらに、新たな仮面ライダーが参戦する。

 王蛇がファムに放った合体ファイナルベント[ドゥームズデイ]は、新たな仮面ライダーの乱入で不発に終わる。
 新たな仮面ライダー…その姿は、漆黒の龍騎。
 漆黒の龍騎が放ったファイナルベントは、ジェノサイダーを一撃で粉砕する。
 ファムは、ブランク体となった王蛇のカードデッキを破壊し、浅倉の変身が解ける。人間体に戻ってもなおファムに襲い掛かる浅倉だったが、ミラーワールドでの存在限界時間が訪れ、浅倉は粒子化して消滅する。
 [王蛇、死亡]のテロップ。

 朦朧状態でミラーワールドを抜けたゾルダは、事務所兼自宅のソファーで、吾郎に介抱されていた。
 目覚めた北岡は、吾郎に戦いからの脱落を宣言する。そして、令子に42回目のデートの誘いの電話をした北岡は、カードデッキを机に置いて出掛けてゆく。
 [ゾルダ、脱落]のテロップ。

 焼けた鉄板に油を引く美穂。その前には真司が座っている。
 お好み焼きの具が運ばれ、二人は焼きにかかるが、真司は具を鉄板の上に落としてしまう。その粗相に文句を言いながら、美穂は真司のお好み焼きを焼いてあげるのだった。
 トイレで手を洗った真司が携帯で編集長と話し込んでいる間に、鏡の中に現れた「鏡像の」真司が勝手に動き出し、美穂と連れ立って行ってしまう。

 花鶏。
 優衣は、鏡の中の自分から貰った命が、二十歳の誕生日で消えることに脅える。その時、優衣の前に士郎が現れ、新たな命を贈ることを告げて去る。

 高架の遊歩道(?) の手摺りの上を歩く美穂の足を、鏡像の真司が掬おうとする。そのことで美穂は、相手が真司ではないことに気付く。
 鏡像の真司は美穂に襲い掛かるが、その体が粒子化し始めた。美穂を置いて鏡の中に消えた鏡像の真司を、ファムに変身した美穂はミラーワールドまで追いかけてゆく。
 ファムの眼前で、鏡像の真司は、あの漆黒の龍騎へと変身した。

 同時刻。バイクを駆っていた蓮は、人を襲っていたレイドラグーンと遭遇し、戦いになる。
 ナイトと、レイドラグーンから脱皮・変態したハイドラグーンとの、激しい空中戦。
 その戦いの途中、ナイトは、ファムと漆黒の龍騎が戦っている光景を空中から目撃する。

 漆黒の龍騎は、契約モンスター・ドラグブラッカーとの連携攻撃も使い、苛烈な攻撃でファムを痛めつけ、昇龍突破を放つ。
 そこに龍騎が飛び込み、間一髪のところでファムを助ける。
 漆黒の龍騎は、乱入した龍騎と対峙するが、無言のまま、その場を立ち去った。

 ナイトは、ファイナルベントでハイドラグーンを撃破する。

 ミラーワールドを抜け、美穂を介抱する真司。
 特にダメージを受けていない様子の美穂と、バイクを押しながら歩いていた真司だったが、立ち止まった美穂を置いて、バイクで走り去ってゆく。
 真司を見送った美穂は、その場で歩道の植え込みに倒れ、息を引き取る。
 [ファム、死亡]のテロップ。

 バイクで花鶏に来た真司を、ファムと漆黒の龍騎の戦いを誤解した蓮が問い詰め、戦いを挑む。
 そこに優衣が現れ、三人で近くの公園(?) に移動し、自分の命が二十歳で終わることを、真司と蓮に打ち明ける。

 花鶏で、優衣が作ったてるてるぼうずを目にした真司は、少年の頃に知り合ったあの不思議な少女が優衣だったことを悟る。
 自分が少女=優衣との約束を守っていれば、優衣はミラーワールドに行くこともなく、そうなれば[仮面ライダー同士の戦い]も起こらなかった。自分が約束を守らなかったことで、全てが始まった。
 愕然と、床に膝をつく真司。
 後悔に打ちのめされた真司の前に、鏡像の真司が出現し、融合を迫る。
 真司は、逡巡の末に頷いてしまう。
 花鶏に入ろうとした蓮の眼前で、二人の真司が一つになる。融合後の姿は…鏡像の真司だった。
 実体を得た鏡像の真司は、その場で漆黒の龍騎=龍牙に変身し、蓮に戦いを仕掛ける。

 その頃、優衣は、かつて兄・士郎が「実験」を行った研究室でケーキの蝋燭に火を灯し、兄を呼んでいた。
 やがて現れた士郎と言葉を交わした後、優衣はケーキの蝋燭の炎を吹き消すと、そのまま机に突っ伏して動かなくなる。
 士郎は、塞がれていた窓の封印を破り、研究室の中に光を入れた。そして、優衣が自ら死を選んだことを知る。

 龍牙と戦うナイトが、空中に飛び上がる。

 その時、優衣の死に慟哭する士郎の映像が、街中の鏡に写し出され、全ての鏡が割れ砕けると、士郎は粒子化して消失する。

 降り注ぐ鏡の破片に、街はパニックになる。

 龍牙を置き去りに、異変の中心に駆けつけた蓮は、壁が崩壊した研究室で優衣の亡骸を見つけ、慨嘆する。

 そこに龍牙が現れ、蓮に剣を突きつけるが、変わり果てた優衣の姿を見て、不意に苦しみ始めた。
 龍牙から、真司が分離する。
 龍騎と龍牙の一騎討ち。それを見つめる蓮。

 割れた鏡から、無数のレイドラグーンとハイドラグーンが飛び出し、雲霞の如く飛び回り、人々を襲い始める。

 龍牙が消えた後、真司と蓮はお互いの心を確認し合い、サバイブへと変身。各々の契約モンスターに飛び乗ると、空を埋めるモンスターの群れへと突進してゆく。

 エンディング。
 ブランコに乗っている少女の後ろに、少年が姿を見せる。
 二人は駆け寄り、言葉を交わす。


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