『石のハートのアクトレス』サークル文庫
購入:1998/??/?? 読了:1998/??/??
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夏休みに入った七月。私立の女子高校の演劇部に、時期外れの入部希望者が一人。一子と名乗った少女は、自分はロボットだと部員たちに告げた…。
という始まりなのですが、宇宙からの侵略や秘密結社の暗躍といった、波乱万丈の活劇は、一切ありません。
市井の一科学技術者が、自分が開発したロボットを、試験運用として学校に通わせることにしたのです。
演劇部には科学技術者の姪が所属していたことで、より自然な仕草や口調を学習するために、そのロボット・一子は演劇部員になります。
一子を造った科学技術者の姪である、高校二年生の桔梗野聡美が、この物語の主人公です。
[人間に近づこうと「感情」を学ぶ一子と不安定な感情をあらわにするよりそれを制御し「演じよう」とする聡美。彼女の心境が一子と出会い変化してゆく…。]という裏表紙の紹介文が、この物語の主軸でしょう。
地味な作品ですが、ロボットと人の関係とか、なかなか考えさせられて、私は気に入ってます。