『帝国の娘 上,下』ハヤカワ文庫FT
購入:1989/??/?? 読了:1989/??/??
著者の一人レイモンド・E・フィーストが単独で書いた〈リフトウォー・サーガ〉(ハヤカワ文庫FT)の世界を舞台に、思わぬ成り行きで名家の家督を継いだ少女が、持てる力の全てを使い、家名を守るために他家との権力闘争をしのいでゆく話です。
普通の「お姫様」だった少女が、家長である父親と後継ぎである兄を謀殺されて家督を継ぎ、悩み苦しみながらも、他家の脅威を退けながら成長してゆくのですが、その展開は決して御伽話的な奇麗事ではなく、生きた人間同士の命を掛けた闘争の連続です。ですが、過剰な残酷描写や陰惨さは無く、主人公の少女は前向きな上昇志向を持って、全身全霊で困難に立ち向かい、それを打ち倒してゆきます。
主人公のキャラクター、物語世界のファンタジックな事物や習慣の描写、などが、私のツボを突いたのでしょうか、何度も読み返している、お気に入りの一つです。
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