伊都工平 ...last update 2004.11.09
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『天槍の下のバシレイス 1 まれびとの柩<上>』電撃文庫
購入:2004/10/09 読了:2004/10/10
主人公は高校一年の少女・川中島敦樹…なんですが、どうにも色気というか可愛げというか、そういうや〜らかい部分がある、という明確な描写が皆無です。で、私は読み進めながらいつの間にか、主人公は少年である、と思い込んでしまってました…本文の最初のページの半ばに『朴直そうな少女』と明記してあるにもかかわらずに(核爆)。
登場人物には、主人公と同世代の少女たちが数人いて、彼女たちはそれぞれに個性的ながらも女性な印象ですので、これは作者氏が意図的に書いているのだろうと思えます。
突然、世界中に長大な塔(メテクシス)が出現し、知的活動を妨害する謎の効果を周囲に及ぼし、加えて[剛粧]と呼ばれる凶暴な怪物を出現させ、人間を駆逐し始めた世界。
『高度虚物質技術』(デイノス)なる魔法的技術(?)や多脚戦車(まんま、士郎正宗『攻殻機動隊』講談社のアレなメカ)で武装し、剛粧の脅威に対抗しているものの、塔(メテクシス)自体への対策は無く。
状況設定は、ぶっちゃけ良く見かける「SFな戦場」で、士郎正宗『攻殻機動隊』講談社「まんま」な多脚機動砲台には残念な印象を拭えませんが、塔(メテクシス)とか『高度虚物質技術(デイノス)』とかの設定や謎には、惹かれるものを感じてます。
登場人物も、色々と謎/秘密がある感じですし、キャラクターとしても、この巻では「そんな佐里の日常<もしくは『清子大迷惑』>」で爆笑させてもらいましたし。
次巻は来月(11月)に出るようなので、楽しみです。
『天槍の下のバシレイス 2 まれびとの柩<下>』電撃文庫
購入:2004/11/08 読了:2004/11/09
「まれびと」「バシレイス」の解題もされて、なるほど納得。
後半で明かされる「秘められた現状」に、長谷川裕一の某作品を連想したり。
川中島敦樹と四方佐里以外の登場人物の話…特に白井先生のエピソードは、[幽霊剛粧]のエピソードを補完するための説明っぽいように感じてしまいました。
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