アニメーション・宇宙戦艦ヤマト2199  [上]に戻る

総監督・シリーズ構成:出渕裕『宇宙戦艦ヤマト2199』XEBEC
  鑑賞:2013.04.07〜2013.09.29(全26話)

 公式サイト:http://yamato2199.net/
 MBSの公式サイト:http://www.mbs.jp/yamato2199/

2013.04 19(第一,二話)/ 30(第三,四話)
_____05 06(第五話)/ 12(第六話)/ 19(第七話)/ 26(第八話)
_____06 02(第九話)/ 09(第十話)/ 16(第十一話)/ 23(第十二話)/ 30(第十三話)
_____07 07(第十四話)/ 14(第十五話)/ 21(第十六話)/ 28(第十七話)
_____08 04(第十八,十九話)/ 18(第二十話)/ 25(第二十一話)
_____09 01(第二十二話)/ 08(第二十三話)/ 15(第二十四話)/ 22(第二十五話)/ 29(第二十六話)
 2013.04.19 

 第一話「イスカンダルの使者」(2013.04.07#1)
 第二話「我が赴くは星の海原」(2013.04.14#2)

 ガミラスの遊星爆弾によって破壊された地球の、干上がり切った海底に擱座する、1世紀以上前の戦艦の残骸を、ガミラスは爆撃機の空対地ミサイル(?)と母艦の空対地(?)ビーム砲で執拗に攻撃しました。
 この攻撃で、なぜガミラスは、母艦のビーム砲だけでなく、わざわざ爆撃機を使ったのでしょう。攻撃力では空対地ミサイルより母艦のビーム砲が優っているように見えました。わざわざ威力の劣る攻撃手段を使った理由が判りません。

 偽装を解いて抜錨・浮上する、宇宙戦艦ヤマト。
 その偽装は、どう見ても残骸とは形も大きさも違いすぎるように見えました。
 この世界の人類は、自前で重力制御技術を使うことができているように思えるので(沖田艦が地球に降下して、特に噴射するでもなく飛行している様子など)、ハリボテ的な外装の欺瞞工作だけでなく、光学迷彩や、重力制御技術を使った空間歪曲による「寸法」の偽装とかをしていたのではないか、と空想してます。

 古代と島が、武装していない試験機を勝手に乗り回して墜落させた行為に対し、軍組織は特に処罰せず、加藤の私的制裁を受けただけ、な点について、ちょっとした空想をしました。
 …山本兄(故人)の死亡原因は、あの試作機の試験中に墜落したこと、なのかもしれない、と。
 墜落した試作機は大破して、軍組織は廃棄処分にした、のかもしれない、と。
 ところが、加藤が私的に(周囲を巻き込んで?)、強引に試験機をレストアさせた、のかもしれない、と。
 レストアした理由は、地球に残るであろう(と加藤が想定していた)山本妹に、公的には存在しない機体を、兄の形見として残しておきたかったから、かもしれない、と。
 …この空想なら、軍の記録上は存在しない(廃棄済みの)機体を勝手に使い・壊しても、軍は罰しようがなく。加藤は私的に怒りをぶつけるしかなかった、のかもしれない、と。

 2013.04.30 

 第三話「木星圏脱出」(2013.04.21#3)
 第四話「氷原の墓標」(2013.04.28#4)

 太陽系侵攻部隊「ガミラス冥王星前線基地」を管掌する「ガミラス銀河方面作戦司令長官 グレムト・ゲール」の「正しい報告をしろ」は、太陽系侵攻が問題・遅滞なく完了する、という「結果」しか認めない、ということなのかな、と思いました。
 なんとも怠慢・不見識な上官ですが、これはガミラス軍全体の根腐れなのか、銀河方面作戦が重要視されていない・小物が跳梁しやすい状況なのか、今後に描写があるでしょうか。

 救難信号の調査に、艦長が船務長と戦術長を指名し派遣する、ということの異常さを、ネットで指摘しているのを目にして考えてしまいました。
 確かに、第一艦橋要員の指揮下に各々数名〜数十名は配属されていそうな感じのヤマトなら、上位の者は艦に置いて指揮管理させるのが常態ですね。艦長が船務長に調査要員の選定を指示し、戦術長に護衛要員の選定を指示する、ならば納得できそうです。

 山本玲の能力を描写するのは、救難信号の調査で使う輸送機の操縦者兼戦闘要員の供出を、戦術長・古代進が船務長・森雪を連れて、格納庫で仕事中の戦闘隊長・加藤三郎のところに出向いて依頼し、そこに「偶然」いた山本玲が強引に志願し、加藤の口添えもあって承認される、という展開にすれば、山本玲に横領・横紙破りな戦闘機搭乗をさせなくて済むのではないか、と思いつきました。あとは森雪や原田真琴を守って機械兵と戦う描写をすれば必要十分ではないでしょうか。
 古代進の能力の描写は、コスモゼロ出撃の判断を加藤航空隊長より早くしたり、自分もコスモゼロで出撃し、上空から機械兵や敵戦車の展開を見て適切な戦術指示をして、加藤は指揮能力を渋々認める、とかで。
 古代守の銃は、機械兵との戦闘中に山本玲か森雪が入手して、戦闘終了後に墜落艦の近くに降りてきた古代進に渡せば、その後の展開も問題なく進められると思えます。…古代進が墜落艦から離れ難く・破壊された輸送機の残骸から墓標代わりの物を作ることを思い付きコスモゼロを山本玲に託し、綺麗に着艦させた操縦技術を航空隊員が褒め・加藤が操縦者を知って苦笑する、という描写はサービス過剰でしょうか(笑)。

 機械兵たちの戦術は不可解な気がします。
 主眼が捕虜の確保なら、資源採集の人員を狙うにしても墜落艦の調査要員を狙うにしても、戦車で強行とかせずに、もっと隠密裏に接敵すれば良いような。そして捕虜を確保したら迅速に母艦に収容し一目散に撤収・戦車を捨て駒に追撃を足止め、で十分な気が。

 氷の裂け目から水が噴出する現象について真田さんに事前に解説させたり、墜落艦の船体に氷が付着し船名を隠していた状況の原因であることを暗示させたり、という点には感心させられました。…タイミングよく水が噴出したのはご都合的に思えましたが。
 氷原の底で振動や破砕音がする的な、水の噴出の可能性の示唆を、墜落艦に接近中とかにアナライザーに言わせても良かったのでは、と思い付きました。あるいは噴出の直前に通信でアナライザーが警告する、とかで。

 2013.05.06 

 第五話「死角なき罠」(2013.05.05#5)

 山本玲は古代進に上申して航空隊へ転属。
 沖田艦長は、遊星爆弾を投射し続けるガミラス冥王星前線基地への攻撃を決断。

 反射衛星砲は遊星爆弾点火装置、という設定は、強引ながら面白く感じました。遊星爆弾の点火時の挙動は、ちょっと異様な(というか単純な作用反作用とは思えない)感じで、内部に遊星爆弾化装置が設置されていて、点火されると指示・設定された方向・速度の軌道に自身を投入する機能を持っているのかも、とか思えました。

 古代と島の試験機無断使用&損壊に続く、山本玲の所属無視・独断(無許可)での戦闘機使用は、加藤航空隊長の大甘な私的判断で不問に。

 古代戦術長は山本玲の上申を受けた時、所属が違う者が戦闘機で出撃したことについて、本人や航空隊長に経緯の説明を求めたのでしょうか。と言うか、古代の立場であれば説明を求めるのは必須で、もし説明を求めていないのであれば、それは職務怠慢ではないかと思います。
 無断出撃した、という正直な説明を受けた上で、なお転属を認めるのならば、それは古代戦術長と艦長の権限・責任による判断・決断である、と言うしかないですが。

 山本玲の古代戦術長への上申と、加藤航空隊長による不問の判断は、三人が顔を合わせて話し合った状況での結果として描いて欲しかった、と思ってます。

 転属上申に対しての速やかな受領と配置転換の実行は、直近の冥王星沖海戦や直前の直接攻撃などで乗組員予定者を損耗し、次点以下の候補者を急遽正規の乗組員に任命し、急いで配属を決めて慌ただしく出航した、という状況を想定すると、山本玲の転属の件は、実力を示し戦果を挙げ結果を出し評価された当然の結果と言えるのかもしれません。

 でも、物語世界の中では、無許可出撃への公的な処罰が無い点以外は適材適所と言える処置である、とは言えても、作品を視聴する個人的な視点では、山本玲の扱いは「贔屓の引き倒し」でしかない、と感じます。

 今回は、古代進戦術長の直属の部下である南部康雄砲雷長の言動が、ヤマト出航時や木星・浮遊大陸の戦闘時の言動もあって、いよいよ気になってきました。
 茶化して言うと、本官さん@天才バカボンか太田巡査@パトレイバーな感じの、「俺に砲撃をさせろ!」な好戦的性格の危険因子、みたいな。
 下手にヤマトの戦闘指揮権を与えると、「とりあえず波動砲で撃て。取りこぼしは主砲で始末しろ。航空隊は、砲撃の軸線上に来ない位置で好きに飛んでろ・砲撃の妨害をするな・邪魔になるな」と言いそうな気がしてます。
 武力の積極的な使用に躊躇・抑制がない、と感じさせる彼の言動は、彼一人の感性・指向ではなく、彼の育った社会や彼を取り巻く軍人に、同じ様な考え・態度の者が、彼に影響を与える程度に存在する、ということなんだろうな、と思っています。

 (2013.05.07 追記)

 南部が航空戦力の必要性への懐疑を口にしたことについて。

 第一話の冥王星沖海戦では、地球艦隊には空母や戦闘機の類は見当たりませんでした。
 古代守の「ゆきかぜ」は、高速機動で接近しての雷撃でガミラス艦を沈めました。
 地球軍では、宇宙戦闘用の航空機・コスモゼロを開発していました。

 これらの描写から思い付いたのは…ガミラス軍との戦いは、地球の軍事力では、接近しての雷撃が有効である、と言う戦訓が得られているのではないか、との仮定です。
 そこで、地球軍としては、いわゆる大艦巨砲な戦艦群を使った砲撃戦ではガミラス軍に伍し得ないので、高速機動により敵艦に雷撃を行う航空戦力を使った戦法を、次代の戦術の一つとして実現しようとしていたのではないか、と。

 ヤマトの航空戦力用の装備は、先の第四話のエンケラドゥスでは船底側からの航空戦力の出撃が出来なかったり、この第五話では船底側はコスモファルコン専用・艦尾上面側はコスモゼロ専用で融通が利かない感じだったり、で、あまりこなれているとは言い難い様子です。
 ヤマトに航空戦力を付加したのは、新しい戦術を試したい・ヤマトの戦術の幅を増やしたい、という地球軍の思惑だったのかもしれない、と想像したりも。

 南部の出自は、公式サイトの記述では「大手軍需メーカー南部重工の御曹司」とあります。
 彼の周囲の人々(企業人や軍人)は、ほとんどが伝統的な大艦巨砲による戦術を支持・信奉していて、上記の仮定による地球軍の変質を快く思っておらず・忌避して・危惧して、否定的な論理や言説を口にしていて、その雰囲気の中で彼も航空戦力軽視な観点を持ったのではないか、と想像しました。

 2013.05.12 

 第六話「冥王の落日」(2013.05.12#6)

 冥王星の「海」に潜水したヤマトの内部に、艦体の損傷部から浸水。画面上では、極低温の液体ではなく、生身の人間が普通に触れる感じの「液体」が流入してました。
 前回・第五話で「冥王星はガミラスに占領されて以来、その環境が操作され、今や海を擁する準惑星に変貌している」と語られていたことと合わせて考えると、あの「液体」は普通の水だったのではないかと思われます。
 浸水箇所=損傷部は、外装の穴だと思うのですが、気密服を着ている乗組員が見当たらなかったのが、ちょっと気になりました。
 あと、火星で古代と島が使った航空機と同型と思われる機体が、ヤマトにも積まれていた様です。

 大ガミラス帝星 総統 アベルト・デスラー。ガミラスの支配者/指導者/独裁者・ラスボス(?)。
 帝星という呼び名と総統という称号は、整合しているのでしょうか? 血統によるものではない支配者、を表すための、ある意味「意訳」?

 銀河辺境方面ゾル星系プラート基地。ガミラスにとって地球や銀河系は、はたしてどのような価値・社会的(地政学的?)位置・戦略目標なのでしょう。

 山本玲がハミングしたり(第一話で「ゆきかぜ」艦橋で歌われたものと思われます)、コスモファルコンのパイロットが独り言の軽口を叩いたり念仏を唱えたり、は、たぶん「平常心」の描写・各人ごとの癖か儀式的なもの、なのでしょう。
 山本玲は、念願の戦闘機パイロットとして出撃できて高揚していた、のかもしれませんが。

 コスモファルコンやコスモゼロに音声ガイドが。画面表示やエンディングには「SID」とあり、劇中では古代が「シド」と呼びかけてました。SID…Support/Sound Information Display とか?(憶測)。声色は複数あって操縦者が選べたり、事前設定しておくと搭乗者が変われば合わせて変わったり、とかするのでしょうか。
 ヤマトの色々な装置(輸送機や第一艦橋や動力室、他)でも、このSIDな音声ガイドの設定・使用は可能なのでしょうか。第一艦橋のような開放的・接近した機器配置だと、使うと音声が重なったりして使い難い気はしますか。

 コスモファルコンが一機、撃墜されてしまいました。これが最初の戦死者でしょうか。
 あと、コスモゼロは大型のミサイルを装備してましたが、コスモファルコンは対地攻撃装備は内蔵していたのか、外観には見当たりません。コスモゼロが携行していてコスモファルコンが携行していないのは不自然な気がするのですが、コスモゼロにはミサイルを積む余裕があり/コスモファルコンにはその余裕がなく、敵基地を発見したら、そこに全機を集結させて、コスモゼロが対地攻撃、コスモファルコンは爆撃支援・護衛、みたいな作戦だったのでしょうか。

 時限式の三式弾(実体弾…「甲三式時限信/南部火工株式」という銘が読み取れます(笑))での砲撃は、冥王星の重力による曲射弾道を使ったもの、でしょうか。初撃でよく命中したものです(^^;。
 敵基地の大爆発は、三式弾の威力とかではなく、映像でもありましたが、超大型ミサイルや施設の動力や艦船の誘爆によるもの、なのでしょうね。

 敵の反射衛星砲の最後の光線や、ガミラス艦の攻撃が、ヤマトの後方にずれて的中しなかったのは…・・・ガミラス側の自動追尾がヤマト以前の地球艦の機動力を前提としていて・ヤマトの機動力についてのデータが少なくて(?)、ヤマトの加速力は既存の地球艦のそれを上回っていたため、反射衛星や砲の追尾が間に合わずに後方にずれた、ということなのかも、と想像しました。

 冥王星前線基地司令が反射衛星砲での攻撃に拘ったのは、最初の攻撃が有効だったことが大きかったのでしょう。
 念の為、とかでヤマトの冥王星への接近前に戦闘艦を発進・展開させておけば、と後知恵では思えますが、木星の浮遊大陸での戦闘もあり、艦隊戦は不利だと思ったのかもしれません。
 ただ、ガミラス側にヤマトが波動砲を使ってくる可能性への言及がなかったのは、ちょっと不可解でした…冥王星前線基地司令とかは、木星で浮遊大陸を破壊した武器が、波動エンジンの出力を使った波動砲というものである、ということ自体を正確には把握していない感じではありましたが。木星での戦闘状況から、反射衛星砲よりも「ヤマトの強力な武器」の射程は圧倒的に短い、と推定していたのでしょうか。

 MBSの公式サイトでは、TV放送では流れていない、各話の次回予告のムービーを見ることができます。
 その次回予告ムービーによると、ヤマトは冥王星まで4日くらいで到達している、模様です。

 2013.05.19 

 第七話「太陽圏に別れを告げて」(2013.05.19#8)

 ヤマトは太陽系を出て「外洋」へ。今回は、その端境の一日。
 イスカンダルからヤマトが持ち帰る予定の、地球を再生させるモノを、地球は「コスモリバースシステム」と呼称する様子。
 艦長は、希望する乗員への、地球との最後の通信の許可を出し。同時に、全艦を挙げての太陽系赤道祭を催すことに。

 古代は通信する相手を持たず、それを察した山本玲とともに、艦体修理・整備の手伝いに。

 古代と同様に手持ち無沙汰の艦長は、艦内を彷徨した後、艦長室で徳川機関長と語り合い。

 通信する相手がいる者たちは、改めての別れに心を乱したりもして。

 森雪は、一年前より以前の記憶が無い、と、怪しい(笑)告白を古代にしたり。

 新見情報長、伊東保安部長、等は、今後の成り行きに不安を感じさせる言動を見せて。

 …地球との通信と赤道祭の開催は、果たして誰の発案だったのでしょう。新見情報長? 真田技術長? 沖田艦長?

 長期の単独航海を行う戦闘艦の保安部ならば、艦長の完全な掌握の下に艦内の秩序維持を旨とするものであろうと思うのですが、今のところ、沖田艦長と伊東保安部長の顔合わせすら描写されていないのは、謎です。

 うぐいす色というか抹茶色というか、な淡い緑系の女性用艦内服は、航海科、でしょうか。

 [右舷甲型/波動防壁]に[99式波動コイル/2198年07月製/南部重工大公社]を装着する古代と山本。…なんとも悩ましい記述です。この日付からして、(冥王星沖海戦の状況を考えると)既存の地球艦に装備できなかった感じなのは何故、とか。それとも装備はしたものの、ヤマトのように波動エンジンと組み合わせなければ、既存の動力での防御力はガミラスの攻撃力には抗し得なかった、のでしょうか。

 超空間通信技術は、イスカンダル由来の技術だったりするのでしょうか。それとも、地球が自力で開発した技術なのでしょうか。ワープも理論までは独力で得ていた様子なので、自力開発であって欲しいです。その程度までは科学力が至っていたからこそ、波動コアを除いた波動エンジンを地球で建造できたのだろう、とも思えますし。

 …見直しましたら、真田さん、エンケラドゥスで入手した敵アンドロイドを修理 or 改修・改造した、のでしょうか。

 2013.05.26 

 第八話「星に願いを」(2013.05.26#8)

 ガミラス総統デスラーの立案による、ガス生命体とガミラス艦と恒星を使った巨大で緻密な罠と、沖田艦長の体調不良が重なり。
 しかし、沖田艦長の機転・発想によって、ガス生命体は恒星に飲まれ、恒星のフレアは波動砲で吹き飛ばされ、ガミラス艦はフレアに焼かれ、ヤマトは危機を脱しました。

 …ガミラスの遊星爆弾で死滅寸前になる前の、大気と海と植物に覆われた地球の姿を、ヤマトは「VLBI望遠鏡」で観測していました。超光速航法は、文字通り時空間を超越する手段ですね。

 冥王星前線基地司令・シュルツの家族は、大ガミラス帝星の総統の居城近くに住んでいる様子。父親の戦死によって「名誉ガミラス臣民」になるようですが、今後の登場はあるのでしょうか。
 「ガミラス帝国 建国1000年」…地球より進んだ科学技術文明を持つにしては短いですが、現在の政体になってからの年数でしょうか。
 「デスラー紀元103年」…デスラーの総統就任は103年前? そして、デスラー総統の年齢も103歳以上?
 デスラーの謁見室(?)の天井画は、興味深いです。演説していた広場の壁面や、総統の椅子の背後の放射状の模様は、尾羽根を広げた孔雀の様にも見えます。
 あと、デスラーの言葉からすると、狼と猫とネズミは、ガミラスにも地球と似た生物が存在するように思われます(笑)。

 新見情報長は、自身が関わっていたらしいイズモ計画(太陽系外への人類の移民)への拘り・傾倒(?)からか、沖田艦長に、航路途中の恒星系への人類の移民可能性の調査を申し出て、航海計画の逼迫を理由に却下されました。このやりとりから窺える確執は、後に尾を引きそうに思えます。

 最後の場面、森雪船務長の祈りは、死者への哀悼なのでしょうか。それはガミラス艦だけでなく、ガス生命体にも向けられていたのでしょうか。

 (2013.05.27 追記)

 シュルツ艦がワープアウト時にドリルっていたのは、どんな意図が? 単なる面白効果? 出現位置に物理的な障害があった場合に、それを強引に排除するための効果/機動だったり?(笑)。

 話の中では導入部だけの使い捨てな道具立て扱いでしたが、恒星のプラズマを増幅・制御した設備・技術は、どんなものだったのでしょう。
 E・E・スミス《レンズマン》シリーズだったかに、太陽系全体を効果制御場としたビーム兵器があったと思うのですが、そんな感じのものだとすると、ヤマトが恒星表面に降下して以降に何もしなかったのが疑問です。
 恒星からは距離を取った位置で、ヤマトが進行してきた方向のみに恒星のプラズマを集中させた、的なものだったのかも、と想像したり。
 それ自体は使い捨て兵器仕様だったとしても、技術・効能を考えれば、ある程度までの恒星風の制御が可能と言えるので、宇宙基地の防御や恒星活動の多少なりともの操作、等に使えたりする、かも? あと、ガス惑星開発への応用(ガス惑星に近い衛星の電磁的防護技術など)とか、恒星風を使う宇宙船の推進力とかにも。

 今回のような「障害を排除し道を切り開く」使い方に、敵を積極的に攻撃する・問答無用で殲滅する類の兵器ではない波動砲の有意性を、沖田艦長が感じ語る描写がありませんでしたが、次回とかに補足して欲しいです。…旧作ではあった印象なのですが、アニメ本編であったのか否か記憶が曖昧です。orz

 大ガミラス帝国は、軍属になることが大いに推奨されている社会か、いっそ全臣民が軍属である社会かも、などと想像してしまいます。
 とすると、ヒルデ・シュルツは名誉ガミラス臣民になって、以前の身分では通えない類の士官学校に上がったりするのでしょうか。

 そうしたら、その士官学校には、今は不人気なガミラス戦車道部があって、そこに入部したヒルデは、父親が密かに入手・継承しガミラスの科学技術で追加更新ていた、シュルツ家の出自である星の文明で開発された戦車を駆って(以下略)。

 などと空想していて、シュルツたちが「帰順」したのは、どれくらい昔なのだろう、シュルツたちの世代なのかシュルツたちより前なのか、ヒルデが生まれたのは帰順前だろうか後だろうか、出身星で生まれたのかガミラス星に移住後に生まれたのか、等と考えたりも。

 2013.06.02 

 第九話「時計仕掛けの虜囚」(2013.06.02#9)

 エンケラドゥスで捕獲したガミラス軍の人型機械・ガミロイドを解析し、修理・起動したところ、アナライザーとは相互作用して彼の業務に支障を来し、自力で艦内ネットワークに侵入し、最後は脱走して艦内を逃走の末、アナライザーの電脳的な攻撃(?)を受けてなのか損壊して活動を停止し、胸部の部品のみ抜き取られ、虚空へと投棄されました。

 …絵本イラスト 草ナギ琢仁。久しぶりに名前を見ました。
 ラジオ・ヤマトに、この物語をリクエストしたのは真田さんでしょうか。

 「この船の女神」,「イスカンダルまでの自動航法装置」…オルタが目指したのが艦首近くの自動航法室だったこと、森雪や岬百合亜を絡めた演出、そして以前の「スターシャの妹ユリーシャ」の情報、等々からは、色々と想像してしまいます。

 掌帆長の怒声と航空隊員への謝罪は、運用員の岩田新平と遠山清への叱責という以上に、航空隊員の山本玲と篠原弘樹に運用員への怒りの矛を納めさせるための行動なのだろうな、と思えます。運用員たちへは、後でフォローするのだろうな、と思えたりも。
 アナライザーと真田さんは、掌帆長や運用員たちや航空隊員たちに、着艦装置の異常動作にアナライザーが関わっていたことを伝え・謝罪したのでしょうか。

 真田さん、紙の本を沢山持ち込んでいるのですね。

 伊東保安部長&保安部の初めての任務行動は、艦長を頂点としているはずの指揮系統への危うさを覚えました。保安部も艦長の指揮下であるとは思いますが、真田さんが来なければ、艦長への逐次の状況報告をするでもなく、伊東保安部長のその場の判断だけで事を納めてしまい、事後報告だけで済ませる感じがして。
 人工知能を題材にした今回の話に絡めて伊東保安部長が登場したことには、何かあったりするのでしょうか(謎)。真田さんと伊東保安部長の会話からは、ただ単に艦内のトラブルに対処する部署として保安部があることの提示以上・以外の含意もあるのではないか、と考えてしまいます。

 (2013.06.03 追記)

 艦長とのお茶会は、今回は艦長が立ち会いの元(艦長の許可は得ている、と暗に示して)、技術長と情報長のガミロイドへの考え方と対応の概要を、戦術長と航海長と船務長とに伝えることが目的の催事、だったりしたのでしょうか。起動したガミロイドに、ある程度の行動の自由度を与えたい・責任は技術部と情報部が持つ、的な。
 だとしたら、他の部隊長格にも、この前後になんらかの形(同様のお茶会か、真田さんとかが訪ねて行ったりとか)で、それを伝える場を持ったりした、のかもですね。
 結果は、艦の安全を脅かした点で、真田さんに減点評価、でしょうか。ガミロイドとガミラスの情報が増えた事は、それはそれで評価されるでしょうけど。

 保安部が艦内の治安維持要員であるとすると、乗組員が一致団結して目標に向かって邁進している限りは、無駄飯食いでしかない感じがします。
 もしかして、古代進や島大介など、急遽選抜された追加要員の士気・目的意識の徹底や維持に不安を覚えた軍上層部が、無理矢理押し込んだ役職だったりするのでしょうか。

 2013.06.09 

 第十話「大宇宙の墓場」(2013.06.09#10)

 ヤマトはワープ中に次元断層に落ち込んでしまいました。次元断層はヤマトの波動エンジンのエネルギーを流出させる性質を持っていました。
 次元断層でヤマトは、同様に落ち込んだらしいガミラス艦と遭遇し、ガミラス艦から特使が遣わされて、次元断層からの脱出のための協働が提案され、沖田艦長は、その提案を受け入れます。
 ヤマトが波動砲で次元断層に、通常空間に通じる亀裂を生じさせ、それにより航行する動力を失ったヤマトをガミラス艦が曳航することで、2つの艦は次元断層からの脱出を始めました。
 しかし脱出中に、ガミラス艦の乗員の一人(親衛隊員?)がヤマトを次元断層に置き去りにしようとして、二等臣民らしい艦長と副官(?)に射殺されます。
 次元断層脱出後、親衛隊員の通信を受けて駆け付けた銀河方面作戦司令長官ゲールの艦隊は、ヤマトを助けたガミラス艦を撃沈します。
 沖田艦長の指示で回頭・転進するヤマトを追撃しようとしたゲール艦隊は次元断層が閉じる時の空間異常に巻き込まれ、配下の艦隊を置き去りに緊急ワープしたゲール艦以外、次元断層に飲み込まれました。
 ヤマトへの特使として派遣されたガミラスの女性航空隊員は、ヤマトに一人取り残されてしまいました。

 …「大宇宙の墓場」! アンドレ・ノートンの同名作品をリスペクト、でしょうか(笑)。

 ガミロイドが「この船の女神」を見た通路の天井から一部が露出していた球面の物体は、前回に存在が示された自動航法室の底面だった様子。なんとも思わせぶりです(苦笑)。
 次元断層に落ち込んだのは、偶然の事故だったのか、自動航法装置の干渉か何かだったのか、はたして。

 艦載機もエネルギー流出があるのかと思いましたが、問題なく飛行できる様子だったので、その現象が起こるのは波動エンジンだけ、な感じでしょうか。

 特使役のガミラス女性航空隊員は、地球人がガミラス側に宣戦布告無しで攻撃を始めた、と言いました。
 地球側は、真逆の状況だった、という認識の模様。
 今回の成り行きからすると、どうにも銀河方面作戦司令長官ゲールが怪しい、という方向に展開しそうな感じがしますが、そうだとして、どんな思惑・利点があっての謀略なのでしょう。無能な小物の一時の気まぐれ・浅慮からの愚行で始まった戦争、というオチなのでしょうか。

 少し考えて。
 あのゲールだけの思惑や判断で事を起こし進めたとして、真面目な監査役とかに成り行きをチェックされたら、あっというまに矛盾や穴を見抜かれて、軍に対して無用な損耗を強いた等で譴責されてしまいそうです。
 ゲールの上官であり彼を司令に推したらしい「大ガミラス帝星 中央軍総監 ヘルム・ゼーリック」の考え・指示によるもの、と考えた方が良さそうな気がします。
 銀河方面への進攻に当たって、ガミラス軍政体内での権力闘争・政治的対立か進攻方針の相違…たとえば二等臣民が増えることへの嫌悪・不安・不満とかで、ゼーリック(の勢力?)が、降伏・同化ではなく戦争・殲滅を望んだ、とかでしょうか。

 ガミラス女性航空隊員は高官の子女でしたが、それを聞いたゲールは、躊躇なく謀殺を選択決心しました。これは、彼女の親の勢力が、ゲールやゼーリック(の勢力)とは不仲であることの暗喩である感じです。そしてこのことが、ガミラス軍政体内に深刻な対立構造があることを示している様にも思えます。
 第八話「星に願いを」の、デスラー総統の謁見室(?)での一幕を見直すと、ガミラス女性航空隊員と名字が同じ高官の報告に、ゼーリックが苦虫を噛み潰した感じの不満げ・悔しげな表情を見せていたりしますね。

 ゲールの部下たちは、ゲールの、自軍の艦を撃て、という指示に躊躇なく従いました。
 もしかして、そういうことをするのは今回が初めてではない=地球とガミラスの交渉でも同様の行為を実行したのかもしれない、と思い付きました。

 今のところ、ほぼ常にヤマトは、画面上を右から左に・左に艦首を向けて進む形で描かれているように思えます。
 右に地球、左にイスカンダル、を想定しているのだろうか、と思えるくらいです。
 イスカンダル出発後は、左から右に動く姿が常態になったりするのでしょうか(笑)。

 2013.06.16 

 第十一話「いつか見た世界」(2013.06.16#11)

 小マゼラン銀河・外縁部で行われる、ガミラスと蛮族・ガトランティスの宇宙艦隊戦の最中、ガミラスの指揮官・ドメルに、本星からの召喚命令が下りました。
 ヤマトでは、前回の次元断層事件で取り残されたガミラス人メルダのことで、乗組員たちが心を乱していました。
 機関員・山崎は、ガミラスと初めて遭遇した地球艦隊の唯一の生存者で、彼は口止めされていた、地球とガミラスの初遭遇時の経緯…最初に攻撃したのは地球側だった事を、その時の乗艦の艦長の息子である航海長・島に打ち明けます。
 航空隊員・山本玲は、独断でメルダを連れ出し、戦闘機同士の戦いを挑み、負けてしまいます。
 ヤマトは、戦闘機で到達可能なガミラス基地がある恒星系で、メルダを解放します。

 …なんということでしょう。
 地球軍は、どんな判断があってガミラス艦隊に先制攻撃をしたのでしょう。そして、滅亡寸前にまで追い込まれた8年間の犠牲と現在の窮状に対して、どんな言葉なら正当性を訴えることができるのでしょう。
 太陽系に、系外から進攻してくる異星人艦隊、という前提条件だけで、彼我の科学技術には厳然とした差がある(人類の科学技術が劣っている)ことは容易に判りそうなものです。にもかかわらず先制攻撃を選択するのは自殺行為でしかないです。いずれ人類は蹂躙され、その後に殲滅されるか、そうでなくとも隷属状態に置かれるか、しかないのだから雄々しく戦って死のう、とかいう指導層が多数を占めていたりしたのでしょうか。
 この先に、さらなる開戦時の状況について、何かどんでん返しがあるとは思えませんので、2199の太陽系の状況は、地球人類側が血迷った結果がこれだよ、としか思えません。

 8年間、一度も再度の対話の試みは立案も実行もされなかったのか否か、は気になります。立案まではあったものの、苛烈なガミラスの攻撃と、軍などの主戦派に潰されたりしたのでしょうか。

 対話の試みから始めていれば、少なくともガミラスが極めて人間的な性情を持った生命体であることは判ったのではないか、ガミラスは対等の講和を認めないとしても、遊星爆弾による地球生命の徹底的な殲滅という戦略を取らせることなく、可能な限りの外交努力を試行できたのではないか、と思えてなりません。…結果論なのかもしれませんが。

 島の激情は、事が自分自身や父親の「正義」に関わることでもあるので、今後に鬱屈を引きずりそうです。
 この件を古代が知ったら、どんな反応をするのでしょう。メルダへの対応から考えると、和平への道を探ろうとする、気はしますが、人類社会の怨嗟や怒りは拭い難く固着しているでしょうし、ガミラスは対等の講和に応じるとは思えませんし。

 山崎さんは、島のところに出向く前に、まず徳川さんか沖田艦長に胸の内を明かすことでガス抜きして欲しかったです。

 山本玲の、周囲の迷惑を省みない行動力は、どんな精神構造から来ているのでしょうか(苦笑)。もう、できるだけ一人にさせず、自由行動の余裕を与えない感じに業務を負わせるくらいしか、ヤマトという環境では出来ることが無い気がします。

 …メルダとの戦いに負けた時、近寄るメルダに死んだ兄の姿を幻視して重ねた山本玲。という演出から妄想が一つ。
 それは。
 山本玲はお兄ちゃん好きっ娘。兄が死んでからは、加藤を兄の代わりに思っていた。だから航空隊員を志望し、主計課に配属されても無茶な行動をして、首尾よく航空隊員になった。
 その事件で、加藤以上に兄の面影が重なる古代進を知り、好意を寄せた。しかし古代は朴念仁で、戦術長としてしか山本玲には接して来なかった。
 そこに、ガミラス人・メルダが現れた。その実力は山本玲を上回った。かつ、メルダが語った「二等臣民」は、山本玲の心の底にある「庇護されたい」という願望を刺激した。山本玲は、いつしかメルダに心を奪われていた。だから、メルダに敵わないであろうことは予想しつつ、ガミラスに連れ去られ、メルダの臣民となる(庇護される存在になる)ことを無意識の内に欲して、メルダに空戦での対決を挑んだのだった。
 …というものです。どっとはらい。orz

 (2013.06.20 追記)

 地球軍がガミラス艦隊に問答無用で先制攻撃を仕掛けた理由を考えていて。
 物語が始まる1年前にイスカンダルからユリーシャが波動エンジンの設計図を託されて送られた、その7年以上前に、太陽系へのガミラス到来の可能性を知らせる使者として、イスカンダルから誰かが訪れていたのではないだろうか、と思い付きました。

 8年以上前。
 太陽系を訪れた異星の宇宙船を、例えば火星付近で起こしていた地球人同士の戦闘に巻き込んで、乗員に瀕死の重傷を負わせてしまっていたとしたら。

 8年前に到来した異星人艦隊を、先に攻撃してしまっていた異星の宇宙船の同類と判断し、先の攻撃への応報に来たに違いない、と血迷ってしまった地球軍は、ガミラス艦隊への先制攻撃という愚挙に走ってしまったのかもしれない、と。

 そしてガミラス軍による太陽系の蹂躙が始まり。
 その後、重症を負わせていた異星人が意識を取り戻し。滅亡の可能性を実感した地球軍は、厚かましくも救援を望み。
 目覚めた異星人は、その要請に応じて、例えば伝書式の小型無人超光速機が無事に残っていたので、それでイスカンダルに状況を伝えて。
 伝書を受け取ったスターシャは、地球人類に試練を課すことを決断し、波動コアの製作を始め、同時に波動エンジンの設計図をユリーシャに託して送り出したのかもしれない、と。

 …第十一話まで見た段階での思い付きとして、ここに記しておきたいと思います。

 (2013.06.21 追記)

 第八話でガミラスが使った、ガス生命体を封じ込めたデスラー魚雷は、その名称や経緯からすると、ガミラス本星で設計製造されたものと思われます。
 デスラー魚雷が使われた場所は、公式サイトの記述ではグリーゼ581という恒星付近です。これは実在の星の名前でもあり、その星は太陽系から約20光年の位置にあります。
 とすると、ガミラス輸送艦は、ガミラス本星からグリーゼ581(の近くの宇宙空間?)まで、長く見積もっても十数日で移動した、ということになります。
 つまりガミラスは、その気になれば半月未満で艦隊を太陽系に派遣することが可能と考えられるのです。

 ヤマトはイスカンダルまで最長で半年程度の時間を想定していると思われます。ガミラス輸送艦との移動速度の差は、ヤマトが手探り状態で航路を確認しながら進んでいるから・ガミラスが航路を良く知っているから、と推測できます。

 ガミラスに対して有効な地球人類の戦力は事実上ヤマト1艦だけで、太陽系には、ガミラス艦隊に対抗できるだけの戦力がありません。ガミラスが数隻程度の戦闘艦を太陽系に派遣して地球を包囲し、地球とヤマトに降伏を迫れば、それでヤマトの航海は終わり、地球人類が生き延びるには降伏を受諾せざるを得ないでしょう。
 ガミラスが艦隊派遣をしないのは、ヤマトと地球人類と太陽系の実情を把握していないから・太陽系にヤマト級の戦闘艦が存在する可能性を否定できないから、ではないかと推測します。
 この綱渡り状態を、ヤマト乗組員や地球の人々の何人が意識し・把握し・対処を考えているのでしょう。ガミラスが、このことを知る・このことに気付くことは、はたして無いのでしょうか。

 2013.06.23 

 第十二話「その果てにあるもの」(2013.06.23#12)

 デスラーはドメルにヤマトの討伐を命じました。
 一方のヤマトでは、ガミラス人・メルダとの接触によって起きた擾乱…地球の窮状は自分たちが引き起こした事、という言説の衝撃…の痕が描かれました。

 徳川機関長曰く。
「真実っちゅうもんは一つとは限らん。こちらにはこちらの、相手には相手の真実があるもんだ。だが事実は一つだけだ」

 …今回の話は、この言葉が象徴しているような気がします。
 論理も善悪も思惑も人それぞれ。各人が考え行動し出た結果は、それらによって生じたものではあるけれども、それはそれ自身として現実に厳然と在る、と。

 自動航法装置がはしゃいで(?)いたのは、島航海長が言っていた「次のワープで、ヤマトは実質的に銀河系を離脱します」という状況が理由だったりするのでしょうか。
 そして、色々とオカルトな岬百合亜には、どんな想定・設定が隠されているのでしょう。

 新見情報長曰く。
「文明を発祥(?)させる条件…つまり恒星系の数を考えると、ガミラス星は銀河系内に存在すると考えるのが自然だからです」
 …剣呑剣呑。
 大マゼラン銀河に存在することが確定しているイスカンダルが地球を越える文明を持っていることが、この説の反証になるとも思うのです(苦笑)。
 そして、にこやかな新見さんが恐いです。

 ドメルは「我々の包囲網を突破している、テロンの宇宙船」という表現をしました。
 何か、「銀河系を包囲」する明確な理由が在るのでしょうか。それとも、第八話のデスラー立案の余興の顛末を婉曲的に表現しただけ、だったりするのでしょうか。

 続いてドメルは「あのシュルツも、それで戦死したとか」と口にしました。
 シュルツには、ドメルが注目し記憶するような(デスラーとの会話で名前を出すことに躊躇しない程度の)公に認知・周知されている活躍・功績・逸話が何かあった、と思わせるやりとりでしたが、正直意外です(苦笑)。
 最終的に「ガミラスに二等臣民制度を持ち込んだのは、実はシュルツだった」まで行くとやりすぎでしょうけど、そんな感じの、直接的な戦闘による軍功ではない分野での功績だったのだろうか、などと想像しています。

 ガミラス内部の、高官の間での対立感情や派閥意識。一部の高官は苦々しく思っているらしい、一般市民(ガミラス人? 二等臣民?)への強権による圧政等の、帝都の変容や歪み。「遷都」。…これらは、今後の物語に、どんな影響を与えるのでしょう。

 古代と島が懲罰(?)任務に際して首に掛けていた確認票(?)には、
 古代『第1種清掃任務進行中。本作戦は艦内及び担当者の精神の美化を目的とした極めて重大な任務也。手加減は無用。 船務科士官 船務長 森雪 / 波動砲口内[南部」 第二格納庫[榎本] 中央作戦室[真田] 魚雷弾薬室[南部] 艦橋後方観測室[林] 医療区画[佐渡] 大浴場[] 第一格納庫[] 航空隊ブリーフィングルーム[] 艦長室[]』…佐渡先生の押印時。
 島『(右上の任務説明は同一と思われる) / 波動砲口内[南部」 第二格納庫[榎本] 放送(?)室[相原] 第三格納庫[榎本] 艦■展望(?)室[平田] 大食堂[平田] ■■■■■室[くま?印] 機関(?)室[] ■■■■■室[] ■■■■室[]』…徳川機関長との会話の場面。
と。
 南部の印があるのは、仕方が無いとはいえ、お互いに気まずい気がするのですが。

 山本玲も、以前の戦闘機の無断使用で似たような任務を指示されたりしたのでしょうか。

 …ヤマト乗組員の温和な(ぬるま湯な)対人関係を見ていると、軍隊としての階級意識や指揮系統の統率力は、はたして大丈夫なのだろうか、と心配になります。一年という長丁場の単独航海、という特別・特殊な作戦・状況での方便である、と言えば言えるのでしょうけど、ちょっとモヤモヤしてしまいます。

 (2013.06.24 追記)

 第八話で存在が示された、ヤマトの「VLBI望遠鏡」を使って、イスカンダル方向からの電磁波情報(通信電波や可視光など)の採集・分析は、たぶん行われているのでしょうね。
 それで進路上にある異星文明が、発展期に放出していた電波情報を得ることが出来て発見・確認できれば運がいい・上出来、な感じで。
 …イスカンダル発の電波情報は、16万8千年の間のいつごろから発するようになったのか、とか、意外に全く取得できなかったりして、とか。どんな結果を得られるにせよ、得た結果によって色々と想定できそうです。

 ドメルがデスラーに向かって歩いて行く途中の道(?)に、ガミラスのシンボルマークが大きく描かれた箇所がありました。ドメルも付き添い(?)の兵士たちも、特に気にする素振りもなくシンボルを踏んで通過しました。
 ちょっと不思議というか違和感を感じる箇所でした。
 国家の象徴の一つであるシンボルマークを足で踏む場所に刻む意図が理解できませんし、その気になれば、何がしか難癖を付けることが出来そうな仕掛けにも思えます。

 2013.06.30 

 第十三話「異次元の狼」(2013.06.30#13)

 バラン星に、ドメルが銀河方面作戦司令長官として赴任しました。

 ドメルは赴任前にヤマトに強敵を派遣していました。
 そのヤマトは、降着円盤の中に原始惑星が形成されつつある感じの若い(?)恒星系の中、岩塊群の影に隠れていました。そこでは、異次元空間(次元断層?)に潜むガミラス艦が、次元間を通過できる魚雷を撃ち、じっと動かないでいるヤマトを燻り出そうとしていました。
 その最中、沖田艦長が倒れ、緊急手術に。
 ヤマトは真田副長の指揮下で敵に対応しますが、敵を探知しようとして逆手に取られ、ヤマトの位置を察知されて窮地に陥ります。
 古代は真田副長に無断で出撃し、探査装置を使って敵の探知に成功します。そして、防御力の無い敵の次元間観測装置(?)をヤマトに破壊させ、「視力」を失った敵を振り切り、ヤマトはワープに成功しました。

 …独断・無許可の行動が結果オーライでお咎め無し、はモヤモヤします。上手く行ったのは、いわゆる主人公補正でしかないのではないか、と。

 ヤマトには異次元の敵を直接攻撃する手段が無く(波動砲なら何らかの打撃は与え得るかも?)、敵には魚雷以外の攻撃手段は無い様子で(「浮上」すれば直接攻撃も可能でしょうけど、それではヤマトの方が圧倒的に有利になるだけでしょう)。
 ヤマトは自身も探知される危険と引き換えに敵を探知する手段があり、敵には次元間観測装置しか探知手段は無い様子で。
 この条件で、何かもっと駆け引きを考案・描写して欲しかった、とワガママを望んでしまいます。

 優秀・優勢な敵に、意見の相違を乗り越えて機知と勇気で対抗する、手に汗握る攻防の段取りの構築は非常に難しい、ということでもあるのでしょう。
 今回は(も)、意見の相違は放置・無視された形で、ヤマト乗組員の間で親交の深まりや信頼感の醸成が進んだ、と素直には思えないのが残念です。

 バラン星へのドメル艦隊到来シーンは、今までのガミラス艦のワープ終了時の効果とは違ってました。その理由は何なのか、説明があるのを期待したいです。

 2013.07.07 

 第十四話「魔女はささやく」(2013.07.07#14)

 バラン星の遺跡の装置を使った、ミーゼラ宣伝情報相によるヤマトへの侵入と拿捕作戦は、自動航法装置のユリーシャ(岬百合亜に憑依?)と森雪と古代進の活躍で失敗し、情報収集には成功した模様ですが、侵入していたミーゼラの部下は死にました。

 …デスラー総統は艦船コレクションが趣味?(ぉ。
 総統の権を以て堂々と大艦隊で取り囲んで降伏勧告をする、とかではなく、現場の指揮官であるドメルにも詳細を説明せずにミーゼラ宣伝情報相に作戦を実行させたのは、軍組織の表側=高官たちには知られたくない理由とかがあるのだろうか、と考えてしまいます。
 それとも、ミーゼラ宣伝情報相の個人的・自発的な「発案 or 提案」による作戦、だったのでしょうか。

 前転するヤマトの姿には、映画『2010年』のディスカバリー号を連想しました。

 公衆電話機のデザインは、まんま現実の現在のものでしたが、はたして2199の時代の人間に、あれは馴染みのあるものなのか・古代は違和感を感じなかったのだろうか、と思ってしまいました(苦笑)。

 (2013.07.09 追記)

 古代進が見た幻覚の内容は、古代進本人の知識や記憶を基にしている・古代進本人が具体像を生成している、とすると、公衆電話機の細部に、ガミラスの印章や「GTT」という文字が記されているのは変な気がします。
 この些細な・でも象徴的な改変・表象は、今見えているものが現実ではない、と古代進に気付かせるヒントになり、幻覚から抜け出させてしまう可能性を持った要素のように思えるからです。
 森雪には岬百合亜(に憑依したユリーシャ?)という助力者がいましたが、古代進に覚醒を促したのは、何者だったのでしょう。
 古代進の幻覚に現われた「象徴的な改変」が、ミーゼラの部下が使用した遺跡の装置の作用・効果に因るものだとしたら、もしかして、元々は「精神攻撃装置」ではなかった可能性がある、のでしょうか。どんな用途なのかは思い付けませんが、数万光年の距離を隔てて、大勢の者たちに幻像を見せるため(だけ)の装置だったのかも、と。

 波動エンジンの再起動で侵入者にトドメを刺したのは岬百合亜(に憑依したユリーシャ?)の仕業だと思いますが、容赦ない・思い切りがいい、と思いました。

 ところで。
 太陽系・地球に遊星爆弾を執拗に降らせる苛烈な戦法や、バラン総督府の巨大さ・戦力の膨大さを考えると、現状のガミラスの、ヤマトに対する行動は、非常に控えめな・迂遠なものと言えると思います。

 もっとも、冥王星前線基地司令・シュルツの温厚な言動からすると、地球人類とガミラスの戦争が始まった当初の、遊星爆弾作戦を実行した司令はシュルツではなく、シュルツは途中で前任者が戦死したか何かで交代した可能性を考えてしまいますが。…それとも、第一話の冥王星沖海戦の時のように、シュルツは地球人類が降伏勧告を受け入れることを期待して、折に触れては降伏勧告を行いながら、ゆっくりと遊星爆弾作戦を進めていたのであって、頑なに降伏を拒む地球人類が事態を悪化させていた、とかなのでしょうか。

 デスラー総統にとって、ヤマトは拿捕したい=破壊したくない存在、なのでしょうか。
 意外に、デスラーくんはスターシャお姉ちゃんの機嫌を損ねることがないように、ヤマトに直接的な行動を起こすことに慎重になっていたりするのでしょうか(笑)、等と茶々を入れたくなったりしています。

 デスラー総統は、ヤマトの後援者(黒幕)がスターシャだという確信か証拠を得たかった、とか、地球人類/ヤマトにスターシャがどれほどの肩入れをしているのか知りたかった、とか。

 2013.07.14 

 第十五話「帰還限界点」(2013.07.14#15)

 単独航海を続けるヤマトの、艦体や装置や備蓄の損耗や乗組員のストレスが、一つの限界を迎えつつある感じです。
 一方、ガミラスでは、お忍びでバラン星に向かおうとしていたデスラー総統の乗艦が破壊されるという一大事が勃発しました。
 ドメルは、丁寧に前準備を整えてヤマトを捕捉し、圧倒的な物量で包囲して撃沈寸前にまで追い詰めたものの、本星からの有無を言わせない命令により退却を余儀なくされ、ヤマトは文字通り九死に一生を得たのでした。

 …内憂外患、と言えばそれまでですが。
 ヤマト乗組員の色々な行動の表出・描写は、出発時の気負いや高揚も記憶になり、航海に慣れ・日常になり・ルーチン化も増え、おそらくは乗組員たちの相互関係も確定・固定したのでしょうか、理念や使命感で押し隠していた各々の個人的な・感情的なあれこれ(鬱屈や好奇心や我欲や野望)が、ストレスもあって顕在化し始めている、という想定での脚本や演出なのかな、と思いました。

 ドメルの陣立ては、出し惜しみのない・不自然に間抜けなところのない、これこそ見たかった物量戦、でした。ヤマトはドメル艦を、互いに損傷を得つつもなんとか突破しましたが、その直後にヤマトの周囲に出現するガミラスの増援艦隊は、まさに圧倒的・絶望的な、ガミラスと地球人類の物量の違いを見せてくれました。

 ガミラスの親衛隊艦隊が、叛乱を起こした植民星を容赦なく破壊する光景は、ガミラスへの因果応報を予感させるものに思えました。
 たとえデスラー総統が、後であの親衛隊長官を罰したとしても、長官ひとりの問題ではなく、人々を統括する国家を律する立場の者としては、たとえ心の中では思い描いたとしても/もし思考に乗せたらその事を大いに恥じて欲しい、絶対に実行してはならない・自分たちが国家を統率する資質を持っていないことを露呈する類の行動であり、この一件だけでも、独裁国家であるだけに尚更に「ガミラスとデスラー総統は人間世界にとって有害無益」と断じられ糾弾されても当然、だと感じました。

 2013.07.21 

 第十六話「未来への選択」(2013.07.21#16)

 伊東保安部長が造反し地球へ帰還しようとしたものの、鎮圧されてしまいました。
 古代進は、かつて知的生命体が存在しイスカンダル人が接触していたらしいビーメラ星で、波動コアを拾得しました。

 スターシャ曰く、
「あまねく星々、その知的生命体の救済。それがイスカンダルの進む道。そして、それが私たち一族の使命。かわいいユリーシャ、私の妹。あなたはその使命を果たすのです。地球の人々に希望を。それをやり遂げる勇気を。そして試練を与え(中断)」

 沖田艦長曰く、
「今度のことは、イスカンダル人が我々に課した、試練だったのかもしれない」

 …沖田艦長の締めの言葉は「試練だったのかもしれん」とオトして欲しかったかもです(苦笑)。

 オープニングが変わりました。曲の緩急や歌詞の流れに合わせるでもない、短いカットの連続に、物語的な味付け・意味付けが感じられず、好感は持てませんでした。

 沖田艦長の言う「今度のこと」とは、ガミラス襲来からイスカンダルへの航海までの一連の出来事を指しているのでしょうか。そんな重い意味を込めた言葉にしては、タイミングが「軽い」気がします。かといって、伊東の造反という「瑣事」への感想にイスカンダル人を持ち出した、と考えるのにも違和感を覚える、謎な台詞です。

 今回のタイミングで伊東保安部長が行動を起こしたのは、前回のドメル艦隊との絶望的な戦いで九死に一生を得て我慢の限界に達したからなのか、ビーメラ星という、イズモ(人類移住)計画実施の根拠となる、人類が移住可能な惑星の存在を確認できたからなのか。…両方、と考えるのが妥当でしょうか。
 島航海長の不服従に勘気を抑えず銃を突き付け害そうとし、沖田艦長の一括に怯んだ伊東保安部長の姿を見て、こんな短気・浅慮で、よく保安部員たちを煽動し統率できたものだ、と思いました。

 スターシャが言う「試練」の意味が気になります。
 地球人類がガミラスに先制攻撃をしてしまい、自らの破滅を招いた事も試練の内なのか。
 ビーメラ星の知的生命体の滅亡は、イスカンダル人が救済に失敗したのか。
 ガミラスへの救済は、何か考えているのか。
 等々。

 (2013.07.22 追記)

 今回の保安部の造反は、人心掌握の点で沖田艦長の指揮能力に限界がある証左である、と言わざるを得ません。職能からして、保安部は艦長直属の部署であるはずですから。
 その割には、第七話の感想でも挙げましたが、艦長と保安部長の直接の顔合わせすら、画面に描かれたのは今回が初めてなのが異様ですけど。…第九話や今回の副長絡みの描写からすると、保安部の直接の管理は艦長が副長に一任していた、とかなのかもしれませんが、それはそれで責任放棄な感じです。

 物語の構成として、ガミラスとの対比という意味では、ガミラスでは前回の総統暗殺事件があり、ヤマトでは今回の造反があり、という見方もできるかな、とか思ったり。

 沖田艦長の締めの言葉に感じた違和感は、今回の造反について落胆したり反省したりな言葉や態度が描かれていなかった事も理由かもしれない、と思えてきました。

 「今度のこと」とは、造反に至った理由の一つとして、ガミラスへの憎悪がイスカンダルへも向けられたことが挙げられる、から口にしたのかな、とも考えますが、地球人が造成した偏見・予断は地球人の責任・問題でしかなく、その原因を異星人に求めるのは見当違いだと思うので、考えるほどに違和感が募る感じです。

 2013.07.28 

 第十七話「記憶の森から」(2013.07.28#17)

 ビーメラ星で得た波動コアには、ガミラスが管理していた亜空間ゲートの情報がありました。
 その情報に従い、停止されていた亜空間ゲートを起動させたヤマトは、バランへ向かいます。

 ヤマトの自動航法装置には、交通事故(? 暗殺未遂?)で意識不明になったユリーシャが収納されていて、彼女の記憶が(強制的に?)抽出されてイスカンダルへの「地図」として使われている、ということが明かされました。
 岬百合亜は、今は自分がユリーシャである、と森雪に告げました。

 一方、ドメルはデスラー総統暗殺の首謀者と断じられ、軍事裁判で死刑判決を受けました。ドメルの妻も、反政府運動に加担した容疑でガミラス本星から送り出されました…おそらくは収容所へと。

 …今回、太陽系でのガミラスとの戦いの様子の断片が描かれました。
 開戦から一年後(七年前)、まだ地球は無事で、外惑星方向から侵攻してくるガミラスに対して、火星を絶対防衛線として反攻作戦を準備しつつ、地球では内惑星戦争(?)時に作られていた地下シェルターを改造して人々を避難させる準備もしていた様子。
 そして開戦から二年後(六年前)、地球は遊星爆弾に襲われ始めた様子です。

 未だ、太陽系を訪れたガミラスに地球人類が先制攻撃を行った判断・決断の詳細は不明なままです。

 岬百合亜へのユリーシャの憑依(?)が本格化(?)したのは、第十四話の「魔女」事案の影響なのかな・そういう設定/想定を伏線とするための第十四話でもあったのかな、と思いました。

 システム衛星の制御室は、もしかすると水に満たされる機能があったのかも、と想像しました。

 今回ヤマトが再(?)起動した、ビーメラ星の近く(?)の亜空間ゲートは、なぜ停止状態で放置されていたのでしょう。
 積極的に外征を押し進めているガミラスであれば、ビーメラ星への植民を大々的に行っていないのは不思議・奇妙な感じがします。
 ビーメラ星の「救済」が失敗(?)し・知的生命体が滅亡したから、でしょうか。…失敗を隠蔽するために「禁足地」にした、とか? 仮にそうだとして、その判断に、イスカンダルとガミラスとが関わっている割合は、どんな感じだったのでしょうか。

 ガミラスがゲートを破壊したり解体・撤収させたりせずに、その場に起動可能な状態で放置していたのは、たとえば解体の手間や費用を惜しんだとか、「道」を作ったこと自体をなかったことにする事を嫌ったのか、作ることにした判断・決断自体を失敗と断じたくなかった・できなかったのか、将来の何時かに万が一にでも再利用する可能性を否定できなかった・したくなかったのか、あるいは一度作ったゲートは壊すと宇宙的な不具合が出るとか、なのでしょうか(笑)。(2013.08.04 追記)…それとも、亜空間ゲート網を作った者はガミラスではなかったので、完全停止・解体は不可能だった、とかなのでしょうか。

 (2013.07.30 追記)

 ビーメラ星にはイスカンダルの痕跡があり。その近く(?)の亜空間ゲートはガミラスの管理下にあったことが判明し。
 ガミラスとイスカンダルとは、少なくとも互いが互いを知っていて、接触なり対話なりを交わしていそうなことは、これまでの状況証拠で想定できると思えます。
 この二者の関係性について、ヤマトがどう考えているのか、踏み込んだ説明・描写は今後あるでしょうか。

 2013.08.04 

 第十八話「昏き光を越えて」,第十九話「彼らは来た」(2013.08.04#18,19)

 バラン星にはガミラス軍が集結していました。それを知ったヤマトは、しかし敢えて亜空間ゲートを通りガミラス軍の只中に進攻し、バラン星中心部のゲート動力装置を波動砲で撃ち崩壊させて、イスカンダルへの道をこじ開けたのでした。

 バラン星を中心に構築されていた亜空間ゲート網が、ヤマトによって使用不可能になったことで、バラン星へ集結しつつあったガミラス軍の主力艦隊は、ヤマトを追撃することが不可能になりました。ドメルは旧式の空母と艦載機群を主軸にした艦隊を率いて、ヤマト討伐へと出撃しました。そして両者は、七色星団で決戦の火蓋を切ったのでした。

 …岬百合亜にユリーシャが憑依している状況が、あっけなくヤマト乗組員に受け入れられた感じだったのは、びっくりでした。
 そしてどうやら、ユリーシャはガミラス本星の場所やイスカンダルとの関係を、ヤマトには知らせていない様子。「訊かれない事は話さない」ということでしょうか。

 デスラー総統爆殺事件は、ゼーリック国家元帥の陰謀だった様子。バラン星に主力艦隊を集結させて、本星の親衛隊艦隊とかを武力で制圧するつもりだった感じですが、その後の運営・施政方針は既存の路線の踏襲か改悪しか出来なさそうで、実現前に失敗するのも当然な印象しか残ってません。そもそも国家元帥の地位に今まで居れたことの方が不思議な気もしてます。

 デスラーの存命を知ったが故と思われる、ゲールの「表返り」でのゼーリック誅殺は、まあ自業自得でした。そのゲールは、バラン星と亜空間ゲート網崩壊から生き延びた模様ですが、今後の成り行きは五里霧中な感じです。ゲールは、ヤマトを追うのか、部下たちを説得・懐柔して身を隠すのか、思い切ってガミラス軍を抜けるのか、はてさて(苦笑)。

 沖田艦長の顔が、少し痩せて(やつれて)た印象が。気のせいでしょうか。

「では、その目で全てを見届けていただきたい。ヤマトが…いや、人類が救うに足り得る存在なのかどうかを」
と沖田艦長はユリーシャに言いましたが、波動砲でバラン星と亜空間ゲート網を壊滅させた後の言葉としては、開き直りにも聞こえてしまいます。
 この、生き延びようと足掻くヤマト/地球人類に、スターシャが用意している「コスモリバースシステム」は、どのような「救い」となるのでしょう。

 冥王星沖海戦、冥王星基地強襲、ガス生命体と恒星の罠、次元断層、ドメルとの初戦、バラン星強行突破、七色星団決戦。
 特に、ドメルとの初戦で想像させられた圧倒的な物量差とその絶望感の後では、沖田艦長が死を恐れず・目を背けることなく・死の可能性に対して正面から当たりに行く姿勢であることを示しているように見えます。死中に活、というか、敢えて火中の栗を拾う、というか。これは「武士道とは死ぬことと見つけたり」の姿の一つ/物語(フィクション)であるが故の理想像、なのでしょうか。

 (2013.08.06 追記)

 ヤマト討伐へ発進したドメル艦隊は、
「第2バレラス」
 という名前らしい空中都市(?)の斜め下方を通過しました。この空中都市は今後の展開に必要だからこそ登場した(設定してある)物なのでしょうけど、どのように使われるのか、今から期待してしまいます。

 (2013.08.08 追記)

 第十七話の亜空間ゲート制御室について、『システム衛星の制御室は、もしかすると水に満たされる機能があったのかも、と想像しました。』と書きましたが、もっと単純に、けっこう昔に放棄された施設だったので、あの制御室の防護壁に不調が起こっていて、中性子防御に使われる水が室内に漏れ出していた(だけ)、という可能性を、今更ながらに思い付きました。

 2013.08.18 

 第二十話「七色の陽のもとに」(2013.08.18#20)

 ドメル艦隊は、戦闘機隊でヤマト航空隊を誘い出し、物質転送システムでヤマト間近に雷撃機隊を送り込み、波動砲口にドリル・ミサイルを撃ち込み、次元潜航艦から発進した特殊艦がヤマト舷側に取り付き工作員を送り込み、工作員はイスカンダル人と誤認して森雪を拉致し。
 ところが、ガミラス雷撃機隊の攻撃は波動防壁が有効な間は決定打に欠け、ガミラス戦闘機隊は目立った活躍をせず、ガミラス空母の1艦がヤマト航空隊の攻撃で沈み、ドリル・ミサイルは新見薫とアナライザーが無効化し、追加した雷撃機隊はヤマト航空隊に落とされ。
 進撃してきたドメル艦隊は、ヤマトが逆進させたドリル・ミサイルが間近で爆発したことでガミラス攻撃空母とガミラス空母1艦が沈み、ヤマトの砲撃で最後のガミラス空母が沈み、ドメル艦は沖田艦長の思惑に乗ってイオン乱流に突入して姿勢を乱しヤマトの砲雷撃で痛撃を受け。
 ドメルは艦橋艦をヤマト艦底に密着させ自爆。しかし、真田副長が修理し展開させた波動防壁がヤマトの被害を最小限に止め。

 この戦闘の中、惑乱・昏倒した岬百合亜の影響でしょうか、ユリーシャ・イスカンダルが覚醒し。

 …ドメルの失策は、第3次雷撃機隊を護衛する戦闘機隊を送り込まなかった点、艦隊戦を挑んだ時の艦列や艦載機の采配が迂闊だった点、が挙げられるでしょうか。
 護衛のガミラス戦闘機隊はヤマト戦闘機隊との戦闘で消耗していて、送ろうにも要員も機体もなかった(本星で与えられた戦力の限界だった)という可能性は考えられますが。
 艦隊戦時の艦列や艦載機の采配は、ドリル・ミサイルの爆発による混乱と損耗、が要因でしょうか。
 もっもと、これらは本星がドメルに、空母部隊だけでなく通常の戦艦や巡洋艦を何隻か渡していれば、もっと余裕をもって戦闘を展開できた、とも思えるのですが。

 ドリル・ミサイルの効能に信頼を置き過ぎていた感じなのは、ガミラスの科学技術は地球人類のそれを卓越している「はず」・容易に無力化はされない「はず」という無意識の予断、だったのでしょうか。時限信管なのは、工作員がイスカンダル人を拉致するために必要不可欠なものだったから、なのでしょうけど。

 ガミラス空母がヤマト航空隊の攻撃で沈んだのは、はたして護衛戦闘機隊の数か力の不足だったのか、ガミラス空母の航法が迂闊だったのか、ヤマト航空隊の奇跡的な奮闘の結果だったのか、は良く分かりません。

 あとは、ヤマトの驚異的な撃たれ強さと、ガミラス艦の撃たれ弱さ、が勝敗を分けたと思えます。

 ガミラス工作員へのイスカンダル人の情報が、森雪/ユリーシャのものだったのは、ミーゼラ宣伝情報相の入手した情報がそうだったのか、それとも、イスカンダル人の容貌がそれしかないのか、等と思ったりしました(謎)。

 イスカンダル人・ユリーシャと誤認されて拉致された森雪船務長は、はたしてどんな扱いを受けるのでしょう。
 イスカンダル人・ユリーシャが未だにヤマトに居ることをデスラー総統が知った時、はたしてどんな対応をするのでしょう。

 雷撃を受けたヤマト艦内・営倉(? 懲罰房?)付近から2人ほど虚空に吸い出されて行きましたが、伊東保安部長は生きているのでしょうか(苦笑)。

 最初の雷撃が痛打になった…対空機銃や主砲やアンテナなどが被弾した、のは対空迎撃のために上面の波動防壁が薄かったから、で、最後のドメル艦橋艦自爆に艦底部が耐えたのは、そこの波動防壁を集中強化できたから、という解釈でいいのでしょうか(苦笑)。

 (2013.08.19 追記)

 ドメルの指揮が最後の最後で下手を打っていた感が拭えません。
 絶対的な戦力不足が仇になった、とは思えますが、ドメルの本領は潤沢な装備・人員を縦横無尽に展開させてこそ、だったのかもしれません。
 最後の展開での不満点は、被弾大破しイオン乱流に翻弄される旗艦から、けっこうあっさりと艦橋部を切り離して、本体部をイオン乱流で沈ませてしまった点です。本体部が無人だったとは思えませんので、せめて本体部もヤマトへの攻撃に使おうと指示なりをさせて欲しかったです(放映時間との兼ね合いで尺が足りなかった、のかもしれませんが)。その葛藤の上での「本体部の損傷が深刻に過ぎて捨てる他なかった」という成り行きなら納得していた気がします。

 ヤマトに侵入したガミラス工作員たちが着ていたヤマト艦内制服は、たぶんミーゼラさんが入手した情報から作ったものなのだろうな、と思えます。
 そのヤマト艦内制服(偽)を、いつだれがどうやって作ったのだろう、と空想すると、七色星団に到着するまでの間に、あの工作員たち(やその同僚たち)が次元潜航艦内で、情報を基に自分たちの体に合わせて裁断・縫製したのかも、と思いつきました。

 ガミラス本星がドメルに寡兵しか与えられなかったのが、出さなかったのではなく出せなかったのだとすると、実はガミラスは、外征軍を手広く展開させていただけでなく、内政軍も植民地の治安維持・叛乱対応や蛮族の侵入撃退対応で全く余裕が無くなっていたりするのかも、と空想しました。

 (2013.08.21 追記)

 現時点でのデスラー総統とガミラスの印象を。
 少し昔(二等臣民制導入くらい?)までは、精力的な外征方針と融和的な内政方針を以て、良き支配者としてガミラスを導いていたのが、何らかの要因で(謎)、指導者の地位も責任も放置・放棄しつつある、感じを覚えてます。
 ガミラスの現状は、巨大な組織の持つ自律性で、外征も内政も臣下が既定路線に従って維持・進行している様子ですが、独裁者の無気力に応じて、主の機微に敏な側近や、我欲の充実に熱心な佞臣が、過激な・好き勝手な振る舞いをし始めてしまっている、みたいな。
 デスラー総統の意欲を削いだ・意志を変質させた要因は何か、それはイスカンダル人と関係あるのか否か、等が気になるところです。

 2013.08.25 

 第二十一話「第十七収容所惑星」(2013.08.25#21)

 七色星団での戦闘後、ヤマトは戦死者たちを宇宙空間で弔ってから、ガミラスの勢力圏である疑いが濃い恒星系の地球型惑星に、修理と補給のために立ち寄りました。
 新見さんは沖田艦長の判断で通常任務に復帰しました。
 死亡したと判断されていたらしい伊東保安部長(元)は、藪機関士と共に生き延びていて、連絡艇の貨物コンテナに隠れていました。
 地球型惑星の調査を命じられた古代進は、ユリーシャ・イスカンダルの「その惑星に森雪が居るので助けに行く」という慫慂を受け、貨物コンテナに伊東保安部長(元)と藪機関士が隠れていたことに気付かないまま、ユリーシャ・イスカンダルを同伴して連絡艇で地球型惑星へと降下しました。ところが、途中で伊東保安部長(元)と藪機関士が操縦室に乱入し、その騒乱の最中に機体が損傷して墜落し、地球型惑星のガミラス軍の捕虜になってしまいました。
 一方、森雪はイスカンダル人としてガミラス軍組織に厚遇されていました。
 さらに、ガミラス軍内部では新たな組織的造反が進行していたのか、メルダ・ディッツを含む造反集団が監察官を装って到来し、収容されていたガミラス軍の提督(メルダ・ディッツの父親)を解放し、同時に収容者も解放して暴動を起こして、収容所を制圧しました。この混乱の中、藪機関士は反乱者の中に取り残され、伊東保安部長(元)は銃撃を受けて死にました。
 森雪は次元潜航艦に再び乗せられて、ガミラス本星に向かってしまいました。
 ユリーシャ・イスカンダルは古代進に、ガミラス星とイスカンダル星が双子惑星であることを明かしました。

 …その成り行きの全ては、ガミラスに災いをもたらすための女神の采配、のようにも思える、とても偶然では済まされない今回の展開でした。

 収容所の要員は機械兵を一般兵に充てている感じで、次元潜航艦の乗員たちが外征方針の弊害だと嘆いていました。内政艦隊も似たようなものなのでしょうか。

 メルダ・ディッツが再登場したのは、ヤマトがガミラスの造反集団と共闘・協同する伏線なのでしょうか。
 そもそもメルダ・ディッツたちは、自分たちが生まれ帰属していたはずのガミラス(軍)と、崇拝し信奉し服従していたはずのデスラー総統に対して、どのような失望・要望・希望・勝算をもって、造反に至ったのでしょう。

 (2013.08.26 追記)

 ユリーシャ・イスカンダルを旗印(権威付け)に、ガミラス造反集団とヤマトが、ガミラス/デスラー総統に対して公的に糾弾声明を布告する展開は、アリでしょうか(笑)。森雪をガミラスから奪回した後でないと、森雪の命が危険になる気はしますが。いっそ「森雪はサーシャ・イスカンダル」というハッタリで大丈夫かも?

 藪機関士は、無事にヤマトへ収容されるのでしょうか(笑)。
 定型な展開なら、次回冒頭で徳川機関長や山崎さんに叱られている藪機関士の姿が描かれて、それで主な出番は終了な感じ、などとも想像できますが、あのまま収容所で忘れられてしまう展開になったとしたら、という空想が止められなくて。性格設定からすると異星人集団の中で孤立してしまう可能性も考えられますが、機関士としての腕はあるでしょうから、切っ掛けさえあれば有能な人材として、けっこう重宝がられる気もします。
 もしもガミラス造反集団との協働が成立するなら、積極的な情報交換や人材交流がメルダ・ディッツあたりから提案されて、真田副長や沖田艦長も応じて、派遣人員に藪機関士も立候補する、という展開も可能かも、でしょうか。

 (2013.08.28 追記)

 森雪の安否よりもヤマトの任務が優先、という大局的な判断から、沖田艦長はディッツ提督に「ヤマトをイスカンダルまで引率して行って欲しい」と依頼する展開を空想しました。
 ディッツ提督の方は、植民星を容赦なく殲滅した親衛隊の咎をデスラー総統に問い質す為の行動の「ついで」として、ヤマト・沖田艦長の要望を受けるとかで。
 具体的には、ゲート網崩壊から逃げ延びた外征艦隊の一部をディッツ提督が掌握してガミラス本星に向かう、その中にヤマトが紛れ込み、ガミラス本星の近くでヤマトだけがイスカンダル星に向い、ディッツ提督はデスラー総統に親衛隊の暴挙を問う、感じで。

 2013.09.01 

 第二十二話「向かうべき星」(2013.09.01#22)

 収容所惑星を制圧した、「現政権に反旗を翻した」造反集団はヤマトを施設に受け入れ修理も許しました。しかし、共闘とまでは歩み寄ることは無く、造反集団は他の収容所惑星の解放に向い、ヤマトは単独でイスカンダルを目指すことになりました。
 ガミラス造反集団との連絡将校として、メルダ・ディッツがヤマトに配属され、山本玲、ユリーシャ・イスカンダル、メルダ・ディッツの3人は、友人関係になった感じです。
 沖田艦長の体調は悪化している様子。
 ガミラスでは、デスラー総統が森雪をユリーシャ・イスカンダルとして扱い、イスカンダルをガミラスに統合(?)しようと動き出していました。
 ヤマトはイスカンダル星とガミラス星がある恒星系へ大ワープで到達しますが、ヤマトに向かって、デスラー総統からの先制攻撃が放たれました。

 …ヒルデ・シュルツが森雪/ユリーシャ・イスカンダル付きのメイド(?)として再登場するとは!

 そしてまさか、藪機関士がヤマトに戻らず、収容所の、外見が似た種族の中で生きることを選択するとは思いませんでした。…そうすると、藪機関士は地球に家族などの「未練」は何も無かった、ということでしょうか。

 イスカンダル星の人口構成が気になります。

 イスカンダル人は崇拝され、どうやらイスカンダル星は不可侵の場所となっている感じですが、その「伝統」を、デスラー総統は打ち破ろうというのでしょうか。

 ヤマトへの先制攻撃は、「空間機動要塞都市 第二バレラス」からのもの、なのでしょう。位置的にはガミラス星とイスカンダル星の中間あたり、でしょうか。

 2013.09.08 

 第二十三話「たった一人の戦争」(2013.09.08#23)

 第二バレラスから放たれたのは波動砲の一撃でした。
 ヤマトはガミラス星に降下し、デスラー総統の本拠の巨大な塔に艦首を突入させます。
 デスラー総統は塔の内部に格納されていた専用宇宙艦で第二バレラスへ向かいました。そして、第二バレラスの一部を切り離して、ヤマトが居る首都へと落下させます。
 ヤマトは落下してくる区画を波動砲で撃ち、破壊します。
 デスラー艦に乗せられていた森雪は、第二バレラスの波動砲を暴走・自爆させようとしましたが、同行していた護衛の二等臣民が森雪を非常口(?)から宇宙空間へと放り出します。その護衛の二等臣民が最後の操作を行ない波動砲が自爆し、第二バレラスは内部から爆発・崩壊し、親衛隊の旗艦艦隊も巻き添えになりました。
 古代進はコスモゼロでユリーシャ・イスカンダルと共に第二バレラスへ向かっていましたが、爆発に巻き込まれ機体が損傷します。ところがそこに、森雪が流されてきて、二人は再会します。

 …デスラー総統は首都を押しつぶそうとしてヤマトに妨害されると、第二バレラスの波動砲でガミラス星を打ち壊し、自身はイスカンダル星へ降りようとしました。
 副総統以下の全てのガミラス臣民の、デスラー総統への忠誠も信頼も、この一連の暴挙で失われてしまうのでしょう。

 独裁者は暴君として否定され、ガミラス軍に多大な損害を与え続けたヤマトは、講和こそ難しいでしょうけど、ガミラス側は秩序維持・体制改革が急務でしょうから、今後のガミラス軍の追撃は無さそう・ヤマトの行動は黙認状態、とかでしょうか。

 古代進は任務よりも個人的な感情を優先し、沖田艦長に戦術長を解任され(実質は返上扱い?)、森雪を救出に向かいました。…ここまでの展開で、もっともっと古代が戦術長の立場と個人の感情との相剋で悩み迷う姿の描写が欲しかったです。

 2013.09.15 

 第二十四話「遥かなる約束の地」(2013.09.15#24)

 ヤマトはイスカンダル星へ降りました。
 デスラー総統と決別した感じのガミラス本星は、ヤマトへの遺恨は無い、とスターシャ・イスカンダルに告げました。
 スターシャ・イスカンダルは、ヤマト/地球人が波動砲を使った事に難色を示したものの、しばらくの逡巡の後、ヤマト/地球人にコスモリバースシステムを提供することを決め、ヤマトにコスモリバースシステムの機能を付与しました。

 イスカンダル人は、過去にデスラー総統/ガミラスと似た感じで、波動砲も駆使して宇宙征服を進めていた、とスターシャ・イスカンダルは打ち明けました。
 自分たちの過去の行為を禁忌として、スターシャ・イスカンダルは地球人が波動エネルギーを兵器に使ったことを問題にしたのでした。

 古代進の兄・古代守を含む若干名(?)の地球人は、冥王星沖海戦の後にガミラス軍に回収され、生体サンプルとしてガミラス本星まで運ばれていました。ところが、古代守たちを運んでいたガミラス艦は、何らかの事故か不具合でイスカンダル星へ墜落し、スターシャ・イスカンダルに救助されたのでした。
 古代進は、スターシャ・イスカンダルから兄・古代守の遺言映像を受け取りました。
 そして、波動砲を封印されコスモリバースシステムを受け取ったヤマトはイスカンダル星を出発し、地球への帰途に就きました。

 …ユリーシャ・イスカンダルはガミラス星に赴くことを口にしました。メルダ・ディッツはユリーシャ・イスカンダルを補佐する感じです。
 デスラー総統の施政方針・武力による世界征服を支持・推進していたガミラス人たちは、ユリーシャ・イスカンダルが「理想主義的な平和思想」を掲げたりしたら反発しそうな気もしますが、大丈夫でしょうか。

 ヤマトの波動砲に封印が施されたのには驚きました。
 とすると、この2199世界では今後、波動砲艦は建造されないのでしょうか。
 それとも、ヤマト乗組員たちの意志を無視する感じで、地球人は波動エネルギーを兵器としても使用し続ける未来が待っているのでしょうか。…これはぜひ真田さんは、波動エネルギー兵器を無効化するような「盾」なり「妨害装置」なりを考案して欲しいです。

 スターシャ・イスカンダルが腹部に手を添える演出がありましたが、御懐妊の暗喩としか解釈できません。色々と想像が抑えられません(笑)。

 2013.09.22 

 第二十五話「終わりなき戦い」(2013.09.22#25)

 太陽系・地球へと帰路を急ぐヤマトは、バラン星に向かいます。バラン星から亜空間ゲートが使えれば、大幅な航路短縮が可能だから、と。
 その途中、ガミラス式の救難信号を受信したヤマトは、森雪を拉致したものと同型な感じの小型艦を発見し、その乗員であるミーゼラを救助しました。
 バラン星に到着したヤマトに、生き延びていたデスラーの命を受けたらしいゲールが艦隊を率いて襲撃してきました。ところがここで、ガミラス本星からゲール他の軍離反者の調査・逮捕・処罰的な指示を受けていたらしい次元潜航艦が姿を見せて、危機一髪だったヤマトを救い、ゲール艦を撃沈したのでした。
 次元潜航艦には、何故か出自を偽っているらしい藪が機関士として乗り組んでいました。
 亜空間ゲートに突入したヤマトを、デスラー艦が待ち受けていました。
 デスラー艦は多数のワイヤーでヤマトと自艦の相対位置を固定した上で、多数のガミロイド兵をヤマトに突入させ乗員を射殺しながら、ヤマト艦内を制圧して行きます。
 そしてデスラー自身がヤマトへ入ったのですが、森雪と遭遇し沖田艦長への案内を求めていたところにミーゼラが姿を見せ、ミーゼラが発した感応波(?)に驚いたのか、デスラーはミーゼラを撃ってしまいます。
 自殺しようとしたミーゼラを止めるために飛び掛かった森雪は、デスラーの護衛たちにミーゼラともども銃撃を受けてしまいました。
 デスラーは自艦に戻り、光線兵器やエネルギー兵器が使用不可能な亜空間ゲートの中、デスラー砲でヤマトを沈めようとしますが、ヤマトは実体弾(三式弾?)でデスラー艦を大破させ、デスラー艦は損傷したデスラー砲の暴発もあって、亜空間ゲートの中で轟沈したのでした。

 …藪機関士、そのバンダナ(?)を巻いた姿はヤブッタランとか名乗ってそうな気がしました(笑)。次元潜航艦の艦長氏以下の乗員たちは、いずれガミラス本星の体制と衝突して出奔し、宇宙海賊になりそうな感じが、はたしてありやなしや(苦笑)。

 デスラーの思想・思考・意志・目標は、私には把握できないままです。
 スターシャの思想や意志を、デスラーなりに解釈し、デスラーなりに実現しようとしていた、とは見て取れますが、その理想と現実のあまりの乖離に、何を考えての行動だったのか、なんとも理解不能です。
 今回のヤマト襲撃は、コスモリバースシステムの奪取が目的だったのでしょうか。

 2013.09.29 

 第二十六話「青い星の記憶」(2013.09.29#26)

 ほぼ危篤状態の森雪船務長は、真田副長や佐渡艦医の発案で自動航法装置内のカプセルに収納されて、地球までの延命を図ることに。
 イスカンダルでヤマトに装備されたコスモリバースシステムは、波動砲だった部分を中核に、ヤマトの艦体に根を張るかの様な構成でした。そのコスモリバースシステムを機能させるのは、イスカンダルで命を終えた古代守の「心」(?)でした。
 一度は死亡した森雪を、古代守の「心」がコスモリバースシステムを起動させ、復活させました。
 そして、沖田艦長の死と引き替えるように、古代守の「心」が失われて停止していたコスモリバースシステムは、新たな「心」を得たのか、再起動しました。

 …間接フリーキック(謎。

 古代守の「心」を宿してイスカンダルを後にしたヤマトは、最後の最後で、その「心」のワガママ(苦笑)から森雪の復活に力を尽くし、そこに、沖田十三艦長の「心」が新たにヤマトに宿ることになった、と。
 名実共に、ヤマトは沖田十三の船になった、と言うことですね。…それも想定設定では、一度きりの地球の再生に消費されてしまった、と解釈せざるを得ませんが。

 番組の最後には、2014年に、『宇宙戦艦ヤマト2199』の新作映画が予定されている、と発表が。

 個人的には波動エネルギーの直接的な兵器利用の是非をテーマにして欲しい、と。
 具体的には、新造される波動砲艦を巡る物語、とか。

 スターシャ・イスカンダルに、波動砲への忌避感を語らせ、ヤマトの波動砲をコスモリバースシステムに置き換えているのですから、何事も無かったかのようにヤマトが波動砲を再装備してしまう的な展開は、私は嫌です。

 結局、地球とガミラスのファースト・コンタクトへの地球軍上層部の対応が狂気の沙汰としか思えないものだった理由・原因は、本編の中では明かされませんでした。それが非常に残念です。
 以前に、第十一話「いつか見た世界」の(2013.06.20 追記)を思いついていて、現状ではこの解釈以外を思いつけないでいます。

 (2013.09.30 追記)

 波動砲の類を「その後のヤマト」でどう扱うのでしょう。
 ・現実的な鉄面皮で、イスカンダルの教えなど無視して、粛々と波動砲艦を建造、という従来式の軍備増強路線。
 ・波動砲を運用しない戦術を組み立て、その戦術に沿った艦種を建造し、試験や演習などで優位性や実績を積み重ねる路線。

…大雑把には、上記の二つの方針が考えられると思います。

 後者の路線について、具体的には波動防壁と波動カートリッジを主軸にした、盾と矛、波動防壁兼空母艦種と波動カートリッジ式砲雷艦種、を空想しています。もちろん、波動砲艦への対策は十全に考案されるとして、ですが。

 個人的には、大威力の光線兵器による一撃必殺ではなく、色々な機動戦術を駆使した格闘戦へと、戦術/演出/考察/設定が切り替わる様子を見てみたいです。…『宇宙戦艦ヤマト』として、それは正しいのか、という向きはあるでしょうけど。