アニメーション・ガッチャマンクラウズ  [上]に戻る

監督:中村健治『ガッチャマンクラウズ』タツノコプロ
  鑑賞:2013.07.18〜2013.10.03(全12話)

 公式サイト:http://www.ntv.co.jp/GATCHAMAN_Crowds/

 日テレオンデマンドで視聴した感想です。

2013.07 18(#1)/ 25(#2)
2013.08 01(#3)/ 08(#4)/ 15(#5)/ 22(#6)/ 24(#7)
2013.09 05(#8)/ 12(#9)/ 19(#10)/ 26(#11)
2013.10 03(#12)
 2013.07.18 

 #1 Avant−garde(アバンギャルド)(2013.07.18#1)

 地球人を害する宇宙人から地球人を守ろうとする宇宙人が、地球人から戦う者を選び出し・戦う力を引き出し、地球人を害する宇宙人と戦うことを求める、感じ?

 …#1では、主人公たちのキャラやガッチャマン側の基本設定が描写・説明されました。敵の詳細は#2以降で開陳・描写されてゆくのでしょう。

 今回提示された設定や状況からは、平井和正・桑田次郎『エリート』、を連想しました。
 それと、監督:佐藤竜雄『学園戦記ムリョウ』を。
 ガッチャマンを生み出している宇宙人の真意は、はたして「正義」なのか、敵の詳細や目的は何なのか、が判明してゆけば、この印象が変わって行く可能性もあるでしょう。

 「クラウズ」なのは、変身道具・兼・連絡手段である「ノート」が、インターネットのクラウドを連想させる機能環境を構築していて、超常な感じで全てのガッチャマンの間を繋げ・素早い情報交換を可能にしている設定から来ているのかな、と思いました。
 あと、国家レベルでの地球社会と交流しているのか否かは今のところ不明ですが、組織体としてのガッチャマンは、前線要員だけでなく、捕縛した敵の収監施設や事後処理担当部署もあったりで、結構しっかりとした存在・規模な感じです。

 この物語のガッチャマンは、特殊な「場」だか「術」だか「基本能力」だかで、一般人や普通の世界から「戦い」を隠蔽/「戦い」の影響が普通の世界に及ばないように、できるようです。この力によって、ガッチャマンは「実体を見せずに忍び寄る白い影」として戦うことができる、感じです。
 敵は、ガッチャマンのその力の影響なのか、元々の性質なのか、普通の世界の物質を透過してました。ですが、ガッチャマンとは戦ってますし、地球人を捕獲したりもしているようです。

 主人公はガッチャマンの守秘義務や、戦う者としての覚悟や責任について、少なくとも今回の段階では、あまり真剣には受け止めていない感じを受けました。それについても、次回以降でどう展開・描写されるのか、気になるところです。
 学校や級友は稀に出てくる背景設定で終わるのか・物語に絡む要素なのか、主人公たちの私生活はあるのか・描写されるのか、等も興味あります。

 それにしても、わざわざ同一のCMを連続4回も繋げて流す行為は、こういう場合に使う素材を一種類しか作らずに事足れりとした事も含めて、それを発想し認可し実行した関係者の、自身の無芸・鉄面皮っぷりを視聴者に曝して全く恥じない鈍感さの表出としか思えなくて、驚くやら呆れるやら軽蔑するやら、です(苦虫)。

 今回の戦闘シーンを見る限り、人間サイズのヒーローと、同じサイズか少し大きい程度の敵との、街中での密かな戦い、が基本なのかな、と思えます。個人的には、元祖ガッチャマンの巨大なメカニックも魅力だったので、その要素もできれば欲しいです。

 総裁X:丹下桜、って、あのケータイ・ナビ? そして、このアプリもクラウド系だったり?

 2013.07.25 

 #2 Asymmetry(アシンメトリー)(2013.07.25#2)

 主人公・はじめはMESSとの初戦で「戦うのは違う」(意訳)と感じ(?)、ガッチャマンの先輩・清音の攻撃からMESSを逃がしました。
 日常生活での主人公・はじめは自由闊達な肯定的実行力を持っていて、SNS「GALAX」でつながり・知り合った人々と先輩・清音を出会わせ、清音の常識・感覚を揺さぶります。
 ガッチャマンとMESSが戦うことに疑問を抱き、次の遭遇で主人公・はじめはMESSと物理的(?)な接触で交感(?)を果たし、先輩・清音を驚かせます。

 その頃、背の高い怪人は行きずりの暴力を揮い。

 謎なメガネ・ピンク髪の少女は、SNS「GALAX」と繋がる少年・るい、の変装(?)で、ガッチャマンと相似な「NOTE」を持っていて!

 …良く言えば天衣無縫が主人公・はじめに相応な形容詞?

 自然に・積極的に衣装や髪形をTPOとかで変えてるのは面白いです。

 主人公・はじめは、母親に何をどう話して、ガッチャマンとしての生活に入る了解を得たのでしょう・今までは自宅で親と暮らしていたのでしょうか(謎)。父親や祖父母や兄弟姉妹はいるのでしょうか(謎)。どんな生活環境や人生経験があれば、あんな人格になるのでしょう(謎)。

 定型的な悪・敵/正義・味方の武闘が、MESSとガッチャマンの間の既定・固定な対応様式だったのが、主人公・はじめの意志・行動によって、融和もあり得る・柔軟なものに変わって行く、のでしょうか。
 でも、単なる意思疎通の不備なら、白黒な先輩の凝り固まった敵意は何故なのか・何処から来たのか、という疑問が湧きます。…J・Jにとって、それはそれで当事者間の成り行きであり、継承するのも変化するのも当事者が行う・責任・権利のうち、とかなのでしょうか。

 怪人の悪意/害意を、主人公・はじめは、はたして初見で察し/感じ取るのでしょうか・具体的な行動を見て判じ/断じるのでしょうか・理解/対話しようとするのでしょうか。

 怪人と、るい/GALAXは、今のところ協働や連動や共謀の気配は窺えませんが、それは今後の出来事、でしょうか。

 ところで、うつつちゃんは複数存在? 「妹s」(謎)?

 怪我人への対応に当たって、SNS「GALAX」を称揚し・公共の救急車への不要感を口にする登場人物がいました。
 ちょっと反感を持ちました。
 どちらも電話網に立脚したものなので、電話網の繋がりや駆動する電力が喪失すれば役に立たなくなるのは同じだと思えます。それに、取り得る手段・選択肢が多いのは、悪いことではない、とも思うのです。
 あと、SNS「GALAX」が、周辺環境を走査して・そこに居合わせた登録者(?)への要請をのみ行い、公共機関への通報を行わない・その機能を持っていない(?)感じなのは、SNS「GALAX」の基本姿勢に公共機関への不信があるのかな、と思ってみたり。

 2013.08.01 

 #3 Futurism(フューチャリズム)(2013.08.01#3)

 MESSの、人間を害する行動が、主人公・はじめの行動が契機になったとしか思えないタイミングで終息した模様(仄聞)。害され・拉致されていた人々が社会復帰している様子が、少しニュースで流れました。
 怪人は、いまのところ単独で場当たり的に人間の姿を剽窃して害悪を振りまいている感じ?
 SNS「GALAX」が介在する情報収集と人的交流の機能と現状が描かれました。そして、常人の力の及ばない状況の出来に、SNS「GALAX」/総裁Xのマスターらしい少年・るいは、封印(?)していた「クラウズ」の使用を許可します。

 …作品名のガッチャマンとクラウズは対照存在?

 ガッチャマンとクラウズと怪人は三つ巴に?
 怪人は、ジコチュー@ドキプリな感じで、人間の悪意に惹かれて・反応して、その悪意を代行・表出してる?

 マスター・るいは、いつ誰からどうやって「クラウズ」を実現させる力を得たのでしょう。
 封印していた感じなのは、その「力」を人々に委ねることに不安を覚えていたから、でしょうか。
 マスター・るいの女装は対人・対社会用の防護殻的なもの、なのでしょうか。

 クラウズは、中に人間が居る/要る、ガッチャマンと同種/別種の強化装置・装備、な感じ? マスター・るいは、ベルク・カッツェ@旧を色濃く反映してる存在ではありますが、南部博士的な立ち位置も持たされている、みたいな? あと、マスター・るいは少年、と見てますが、もしかして少女?

 牛乳事件への主人公・はじめたちの対応は、自販機についてはガムテープとかで商品購入を妨害する的な対処ではダメだったのだろうか? という疑問が。電源を落としたら、対象以外の商品にダメージを与えてしまう可能性が考えられるので。
 牛乳事件で被害者が出た原因を、一部の人間の硬直した意識・行動律(?)に求め、マスター・るいは、それを「敵」と定めた感じですが、SNS「GALAX」の理念として、人間の一部を「敵」と見なしてしまうことは矛盾している気もします。
 問題の認識ができれば、それを解決可能な能力を持つ人材を探し・その人物(複数も想定)に解決を提示・依頼する、という行動をSNS「GALAX」/総統X/マスター・るいもまた行うのが相応な姿勢ではないだろうか、と思えるので。

 SNS「GALAX」に関わる人々が、個々の善意以外=悪意を以て行動した場合への対処・対策は、SNS「GALAX」/総裁X/マスター・るいは、何か持っているのでしょうか。…それは、既存の公共組織の「疲労」にも、ガッチャマンの正当性にも、同様に言えることではあるのでしょうけど。

 主人公・はじめに懐いた(?)MESSは、何か今後の活躍の予定はあったりするのでしょうか(笑)。

 OPの黄色い丸いメカ(?)って、もしかしてパイマン先輩のガッチャマン態?

 ***

 助けを求める人が近くに居ることを、その手助けをできる人に提示する/何か能力を持った人に、その能力で人助けができる機会を提供する、がSNS「GALAX」の基本的な段取りに思えます。
 このSNS「GALAX」が「悪」化したら、悪者に、悪意・害意を行使できる機会を提示する、という状況が出来するのでしょうか。
 あるいは現状で、たとえば復讐したい者(イジメられている側など)の「復讐したい」という要請に、総裁X/マスター・るいはどう対応しているのでしょう。合法的な/違法ではない手段で復讐を可能にできる者を幇助者として探し出していたりするのでしょうか。

 2013.08.08 

 #4 Kitsch(キッチュ)(2013.08.08#4)

 ベルク・カッツェは「原始人」が互いを滅ぼし合う様を見ることを至高とする感じの、狂った異星人でした。その嗜好・嗜虐性を揮い、既に幾つかの異星人種族を自滅に追い込んでいる感じです。
 ガッチャマン側のパイマンとO・Dは、地球以外の場所(異星?)でベルク・カッツェと戦ったことがある様子。そしてベルク・カッツェには敵わず、一敗地に塗れた模様。

 うつつちゃんの「力」は分身でした。さらに分身は、右手で植物を枯らし、左手で枯らした植物を復元できる様です…吸収と(吸収したものの)放出、でしょうか。うつつちゃん本体もできるのでしょうか。
 うつつちゃんの言葉からすると、この栄枯盛衰(違 の「力」は制御が難しい・ふとした気持ちに左右される感じで、人間にも作用するようです。たとえば、弱った人に元気な人の元気を与える、的な使い方は可能なのでしょうか。

 マスター・るいにガッチャマン相当の「力」を与えたのはベルク・カッツェで、クラウズは、そのマスター・るいの「力」でした。
 クラウズは、SNS「GALAX」を介して他人が操縦(?)することが可能な感じです。…マスター・るいがSNS「GALAX」/総裁Xを作ったのは、クラウズの他人への貸与・遠隔操作を実現させるため、もあったのでしょうか。

 ベルク・カッツェはマスター・るい(SNS「GALAX」/総裁X)を起爆剤・導火線に使って、地球人類文明の自滅を期待・画策している、様に見えます。
 マスター・るいは、ベルク・カッツェの陰謀・誘惑に気付いていて、その悪意・害意が人類社会の亀裂・軋轢・不信・疑念を増幅させ自滅しないように社会をアップデートさせたかった、様に見えます。
 …ベルク・カッツェは、マスター・るい以外の人間のNOTEの引き出しは実行しないのでしょうか。衝動的な(?)破壊行動は自分に許しているけれども、社会的・文明的な影響力のある介入は最小限に止める/人間社会にベルク・カッツェという介入者の存在を知られたくない/自分が関与した者を含めた人間たちの懊悩・葛藤を眺めて楽しみたい、とかなのでしょうか。

 J・Jは、ベルク・カッツェに対応する「力」として、地球人類からガッチャマンの「力」を引き出した、のでしょうか。
 ベルク・カッツェとJ・Jは、互いが直接に対峙・対決する事を避けている、のかもしれない、と思えます。ベルク・カッツェに悪意・害意以外の、J・Jに善意・幇助・教導以外の、何か意志・思惑はあるのでしょうか。

 …ガッチャマン/NOTEは、物理法則レベルで宇宙に普遍的な、生命体にアプリオリに内在する「力」なのでしょうか。
 その顕現・物質化がNOTEという「形・デザイン」に固定されている感じなのは、個人的な好みで言えば、人間主義的・限定的・即物的に過ぎてイヤな感じです(苦笑)。MESSとかがガッチャマン化されたらNOTEとは「違う形」でソレは顕現・物質化する、とかなら、まだ受け入れできますが、そんな「違う形」を想像・創造・デザインするのは大いに難事ではあるですね、とも思えます。

 J・J側のガッチャマンたちのNOTEと、ベルク・カッツェが引き出したマスター・るいのNOTEは、繋がっていない感じですが、それはつまり、引き出した者・側にNOTEの「連結」は帰属する、とかでしょうか。…NOTEの「形」は、J・Jやベルク・カッツェが引き出したが故の「形」なのかもしれない、と、そんな感じなら受け入れできる、と思いつきました。

 はじめちゃんがベルク・カッツェ/マスター・るいの事情を知った時に、どんな行動をするのか。
 マスター・るいがガッチャマン/はじめちゃんたちの実在を知った時に、どんな行動をするのか。
 …が、今後の関心・焦点になる、気がするです。

 (2013.08.09 追記)

 ベルク・カッツェのNOTEが、まんまガッチャマン/J・J側のと同じデザイン/シンボルマークでした。
 これは、ベルク・カッツェのNOTEはJ・Jが引き出したもの、ということでしょうか。
 もしそうなら、J・J関連の事物…J・Jが地球に居ること/地球が保護観察中であること/パイマンやO・Dが地球に居ること/地球人たちをガッチャマンにしていること、等…は全て、J・Jによる対ベルク・カッツェ用の罠・餌だったり、する可能性があるのでしょうか(もしかするとMESSが地球に到来していることも)。

 2013.08.15 

 #5 Collaboration(コラボレーション)(2013.08.15#5)

 SNS「GALAX」の参加者の中から、マスター・るいがクラウズを委ね得ると判断し選び出した人々「ハンドレッド」の一部の者たち(?)が、クラウズの「力」を実感したことででしょうか、マスター・るいの想定に反して、クラウズの「力」を私用し英雄・革命者として世界に登場・顕現し認知・承認され対価や個人的称賛を得ることを望むようになってしまい、マスター・るいは懊悩します。
 我欲を捨てきれない者にクラウズという「力」を知らせてしまったことを悔やみ、そんな者たちを選んだ自分を責め(?)、理想には遠いハンドレッドにクラウズを使わせることを躊躇・忌避するマスター・るいの懊悩を、ベルク・カッツェは楽しげに・容赦なく抉ります。

 主人公・はじめは、実体を見せず独自に活動するガッチャマンの方針に疑問を持ち、先輩たちにそれを問いますが、先輩たちは、その疑問自体を持ち合わせていませんでした。

 トンネルの落盤事故に遭遇した主人公・はじめたちは、そこに出現し救助を始めたクラウズに驚きます。
 主人公・はじめは、先輩・清音の制止を振り切り、ガッチャマンに変身します。

 …主人公・はじめは、クラウズに加勢する/協働を行動で示し求める、気がします。その「力」を見たマスター・るいは、どんな反応をするのか、ちょっと想定できません。

 アムネジア・エフェクト効果範囲(?)では、自発的な似非記憶・誤認識で、色々なことが「見なかった・無かった・元々そうだった」になる、感じでしょうか。ベルク・カッツェが認識されていないのも、同様の効果なのでしょうか。
 そして、アムネジア・エフェクトの効能からすると、ハンドレッドの一部が望むような英雄化は難しい気がします。アムネジア・エフェクトが効いてしまう者たち=一般人には、クラウズの活動の全てが認識不可能になってしまう/クラウズが存在しない形での出来事や成り行きの結果という解釈・認識がされてしまう、のではないかと思えるので。

 主人公・はじめ/ガッチャマンとマスター・るい/総裁X/クラウズの出会いが起こりました。
 はたしてガッチャマンとクラウズは衝突するのか、少なくとも事故の終息までは協働するのか。

 似た力を持つ二つの勢力は、互いを認め合おうとするのか、排斥しようとするのか、相身互いか君子危うきに近寄らずで意識しつつも敬遠し合うのか、はたして如何に。

 マスター・るいの行動理念は、彼(?)なりの理想人像を人々に示し導くことで、理想人に成ってもらいたい・地球に理想郷を生み出して欲しい、というものかもしれないと思えました。

 マスター・るいの焦りと主人公・はじめの天衣無縫からは、あまり穏やかな交流を想像できません。
 マスター・るいには冷静な観察と対話を、主人公・はじめには丁寧で詳細な説明的会話を、できれば行なって欲しいです。

 2013.08.22 

 #6 Originality(オリジナリティ)(2013.08.22#6)

 崩落事故の現場で。
 うつつちゃんは異能を使い(丈先輩の生命力を/も使い?)、怪我をした人たちを助け、感謝の言葉を得ます。
 主人公・はじめはマスター・るいに素顔を見せます。その素顔が、トンネル内の監視カメラに写り、主人公・はじめはガッチャマンとして社会的に認知されてしまいます。
 マスター・るいはSNS「GALAX」の総裁Xを通じてメンバーたちに助力を求め、主人公・はじめとの邂逅を演出し、自身の理想を語り、その理想にガッチャマンたちは不要・邪魔だと告げます。
 主人公・はじめと先輩・清音はガッチャマンを止めない、と、マスター・るいに返しました。

 …マスター・るいの胸板は少年のものにしか見えませんでした。orz

 崩落現場でのガッチャマンとクラウズの対面がマスター・るいと主人公・はじめの顔合わせだけで終わったのが、ちょっと意外でした。怪我人の救助が終わった、等のカットなりマスター・るいの撤退指示のシーンなりが欲しかったです。

 マスター・るいが語った、「SNS「GALAX」で(略)人々の役割をマッチングして、内発的でポジティブな動機を引き出せる、理想的な世界へのアップデートを目指している(中略)これからの世界に必要なことは、突出したヒーローを得ることじゃない。全人類が、ヒーローになることなんだ」という理想は是としても、「現在の世界のアップデートのためには、今現在に超常の力を持ったヒーローであるガッチャマンは、人々の依存心を煽るだけだから不要」(意訳)という断定・判断は、「人々」の能力が人それぞれである・適不適がある・強弱がある、という点で強引に過ぎる・独善ではないか、という気がします。
 ガッチャマンという異能も、世界に存在する・人から引き出せる類の「力」の一つである、という意味で、それを拒絶・否定することは、理想を実現しようとする世界(の一部・一面)を拒絶・否定することではないのか、という疑問を持ちます。

 主人公・はじめがクラウズについて尋ねると、マスター・るいは「何のことを言ってるんだい?」と韜晦しました。
 これは、「今は言えない・まだ話したくない」的な「存在自体は認めるし知ってるけど、その正体・詳細は今は言えない・言わない。でも、今後の状況次第では話すかもしれない・話しても良いと考えている」という類の取引・駆け引きの材料にできる余裕のある話題の逸らし方ではなく、「何それ。ボク知らない」レベルの強引に過ぎる秘匿、でした。

 …ガッチャマンという超常・異能を否定しているのに、クラウズという超常・異能を使っていることに、マスター・るいは後ろめたさの類を感じている、のでしょうか。
 こうなると、クラウズの「力」を求めるハンドレッドの一部を切り捨てた前回の行動・判断も、世界のアップデートを標榜する者の姿勢・態度・対応としては、多少以上の瑕瑾/一個人としてのマスター・るいの現状での限界である、とも思えます。

 その韜晦の後の、主人公・はじめの短くない時間の黙考は、その頑なさへの推理と、どう対応しようかの考察、のように思えます。よくも主人公・はじめは、マスター・るいの韜晦を指摘し追及しようとしなかったものです。その演繹力・精神力は、とても十代半ばの少女とは思えません。

 マスター・るいの韜晦を受けて、主人公・はじめがマスター・るいに「素顔を出せ」(意訳)と言ったのは、主人公・はじめが行動で示し続けている「隠し事をしない宣言」に応じて欲しい、という、主人公・はじめからマスター・るいへの提案、なのかなと思えます。

 そういえば、主人公・はじめに懐いてた(?)MESSちゃんは、いなくなったんでしょうか。

 2013.08.24 

 #7 Abjection(アブジェクション)(2013.08.24#7)

 主人公・はじめと対話した後、マスター・るいはクラウズ/ハンドレッドを集め、ベルク・カッツェを倒そうとしました。しかし、ベルク・カッツェは圧倒的な戦闘力を見せ、クラウズを全て壊し、マスター・るいを痛めつけます。
 マスター・るいを尾行していたらしい先輩・清音が飛び出そうとしたところに先輩・丈が姿を見せ、ベルク・カッツェに挑みますが敵わず、姿を盗まれ心の弱みを突かれ(?)倒れ込んだところを、NOTEを強引に分離されてしまい、変身も解けてしまいました。
 先輩・清音は不意打ちされたのか、変身することもできずベルク・カッツェに気絶させられてしまいました。
 リーダー・パイマンはガッチャマンに変身し、主人公・はじめとうつつちゃんを連れて現場へと向かいましたが、現場の直前で怖じ気づき、主人公・はじめとうつつちゃんを残して逃走しました。
 先輩・清音の姿を盗もうとしていた(?)ベルク・カッツェに蹴りを放った主人公・はじめでしたが、ベルク・カッツェは姿を隠しました。
 瀕死(?)の先輩・丈の治療を始めたうつつちゃんの言葉を捉えて繰り返し始めたベルク・カッツェの声を聞き、主人公・はじめは姿を見せないベルク・カッツェに話し掛け、対話を始めました。
「星が一番綺麗に輝く時は?」主人公・はじめは朝日と答えますが、ベルク・カッツェは「答えは、滅びる時」と返しました。
「どんな人間も大好きな、めっちゃくちゃ甘くて美味しいものってな〜んだ?」主人公・はじめが悩んでいると、ベルク・カッツェは「考えといてね」と言いました。
「カッツェさん、今楽しいっすか?」と主人公・はじめが聞くと、ベルク・カッツェは「ちょー、メシウマっ」
「お腹いっぱいっすか?」と主人公・はじめが聞くと、ベルク・カッツェは「まだまだっす、ね」と答えて、直後に風を巻いて立ち去った感じでした。
 マスター・るいは総裁Xに善後策を尋ね、総裁Xは先ず怪我の治療を勧めました。

 …マスター・るいは結局、主人公・はじめやうつつちゃんとは合わず仕舞いだった感じ?
 NOTEを引き千切られてしまった先輩・丈はどうなるのでしょう。ガッチャマンの能力を失うのでしょうか。

 ベルク・カッツェはなんとも、天の邪鬼、的な魔物にしか見えませんでした。言葉には言葉を、敵意には敵意を、攻撃には攻撃を返す「鏡」みたいな感じで。
 どんな人間も大好きな甘くて美味しいもの=他人の不幸は蜜の味?

 …ベルク・カッツェの凶行は、マスター・るいが嘆くアップデート前の地球世界の現状に「感化」されたが故の、ベルク・カッツェ自身には抑えられない・抗えない(もともとその気は無い様子ではありますか)「反射」だったりするのでしょうか。

 マスター・るいのクラウズは、操縦者(?)たちが倒れていましたが、もう使えないのでしょうか。ベルク・カッツェに対して、マスター・るいは今後どんな対応するのでしょう。
 そして、一敗地に塗れたガッチャマン陣営、J・J,パイマン,O・Dは、どうするのでしょう。

 追加戦士が登場するのか、第三勢力が現われるのか、が昨今のヒーロー物のトレンドな気はしますが、もっと率直に、マスター・るいがガッチャマン陣営に参加/協働する、とかでしょうか。

 2013.09.05 

 #8 Genuine(ジェニュイン)(2013.09.05#8)

 ベルク・カッツェはマスター・るいの外観をハックしてSNS「GALAX」/総裁Xを支配し手を加え、「ネオ・ハンドレッド」を組織(?)して、以前にマスター・るいがSNS「GALAX」/ハンドレッドから除名した者を先導/煽動者に誘います。
 主人公・はじめはガッチャマンたちを誘い、近所の幼稚園を舞台にガッチャマンの存在とベルク・カッツェの脅威を公表します。同時にメディアを通してマスター・るいにガッチャマンへの合流を求めます。
 マスター・るいは幼稚園まで来ましたが、幼児の一人から父親がクラウズ消滅で意識不明になったことを告げられます。

 …クラウズを使っていてベルク・カッツェに倒された人々は意識不明になっている様子。
 先輩・丈は、うつつちゃんの「力」で負傷は回復し、どうやらガッチャマン能力も戻っている感じ?
 O・Dは、さらっと自分は宇宙人とのハーフだと口にしてびっくり。先輩・清音の台詞からすると、O・Dの親宇宙人の星はベルク・カッツェに滅ぼされているらしく。
 もしかして、うつつちゃんも宇宙人ハーフ?

 マスター・るいの外観をハックすることでSNS「GALAX」/総裁Xもハック、という手段は、言われてみればそうだった、な手段で、思いつかなかったのが悔しいです(苦笑)。

 クラウズにも手を加えた、的なことをベルク・カッツェ(るい)が口にしましたが、そのクラウズもマスター・るいのそれをハックしたものなのでしょうか、それともベルク・カッツェの「力」だけのものなのでしょうか。そのクラウズにマスター・るいは干渉/対抗できるのでしょうか。
 ベルク・カッツェは、しばらくはマスター・るいの姿のままで暗躍するのでしょうか。これまでのベルク・カッツェの振る舞いから考えると、擬態を解除すると自力での再擬態はできない・擬態対象に改めて接触する必要がある、ように思えるのですが。

 主人公・はじめが「子供が無茶をするのは愛情が欲しいから」と言い、それにO・Dはベルク・カッツェの行動を重ねていましたが、そんな身勝手ワガママがベルク・カッツェの行動原理というのは残念というか、滅ぼされた星々や人々が救われないというか。
 もしそうなら、そんな幼児でしかないベルク・カッツェに「力」を与えてしまった「誰か」にこそ罪があるんじゃないか・その「誰か」の断罪があるのか否か、が気になります。

 ガッチャマンの実像が周知されましたが、この状況でアムネジア・エフェクトを発効した場合、その場限りの・局所的な・その時点以降エフェクトを解除するまでのガッチャマンの存在が不可知になるだけなのでしょうか? それとも、既知だったガッチャマンに関する知識も含めた全ての認知が「忘却効果」で消去されてしまうのでしょうか?
 ガッチャマンの活動記録や映像情報などは、都市伝説レベルでは認知・継承されていますから、アムネジア・エフェクトは限定的・局所的・一時的なものと考えるべきかな、とは思いますが。

 2013.09.12 

 #9 Forgery(フォージェリー)(2013.09.12#9)

 ベルク・カッツェはSNS「GALAX」/総裁Xを使い、かつてマスター・るいが「力」を与えるには相応しくないと切り捨てたハンドレッド候補たちにクラウズを与えてしまいます。その「力」を得た者たちは、煽動者の慫慂に従ってか、自身の不満と傲慢の感情のままにか、日本社会に対して公共施設の破壊というテロ行為を始めます。
 マスター・るいは主人公・はじめたちと合流し、ネットを使いネオ・ハンドレッド/クラウズとベルク・カッツェの危険性を訴えました。
 日本社会はネオ・ハンドレッドによって混乱しつつあり、ガッチャマンたちによる救済を待望する声も出てきました。

 …主人公・はじめは、正義と悪の対決に、どこまで「力なき民衆」を巻き込み・関わらせる考えなのでしょう。
 さすがに、クラウズやベルク・カッツェとの「力を使った直接対決」への加勢は期待しないでしょうし、できるだけ安全なように遠ざけようとする、とは思います。破壊行為自体は隠蔽のしようもないのでしょうけど、現状ではアムネジア・エフェクトの効果なのか、クラウズの姿は肉眼でも電子機器でも認識・記録されないようですが。
 ですが、騒乱の根源が人間自身の悪意や不満から来ているものである限りは、できる限りの人たちに、それを実感し対峙し、より良い対処を考えて欲しい、的なことは思っているのではないか、と思いたいです。
 あるいは、直接に主人公・はじめが不特定多数の人々に自省と考察を促すのではなく、市長氏や消防所長氏が音頭を取る、みたいな展開になったりするのでしょうか。

 人間の悪意への対応。ベルク・カッツェの悪意への対応。
 それがどう描かれるのか、が私の興味の焦点です。

 あ。
 流石に今更ここに至って、J・Jとベルク・カッツェが実は裏で通じていて、主人公・はじめたちガッチャマンから「力」を抜き取ったり、的などんでん返しは無い、と思いたいところです。それでは主人公・はじめたちが弱体化し過ぎて勝てる可能性が無くなりますし……まさか、そこでマスター・るいのクラウズの「力」が再び脚光を浴びて主人公・はじめたちが使うことで「ガッチャマン・クラウズ」を名乗り、ベルク・カッツェ/J・Jに立ち向かう的な驚天動地のクライマックスに(ならないで欲しい/苦笑)。

 2013.09.19 

 #10 Crowds(クラウズ)(2013.09.19#10)

 霞が関の官庁街がネオ・ハンドレッド/クラウズに襲撃されて壊滅したことで、首都機能を持つ立川市に総理大臣が避難移動しました。
 その情報を得たベルク・カッツェがネットに流したことで、ネオ・ハンドレッド/クラウズは立川市の政府施設を襲撃してきました。
 マスター・るいは、クラウズの機能に「一定以上の衝撃/ダメージを受けると不活性化状態になる(箱状になって動かなくなる)」という性質を付与したらしく(?)、主人公・はじめたちガッチャマンはネオ・ハンドレッド/クラウズを迎撃して行きます。箱状になったクラウズは、ガッチャマン基地に運ばれ一時保管されるようです。
 立川市の市職員、警察官、自衛官たちは、ネオ・ハンドレッド/クラウズの被害を最小限にしようと、全市民の市外退避を実行します。
 ガッチャマンたちは、先輩・清音と主人公・はじめに加え、うつつちゃんとパイマンと先輩・丈が参戦します。

 …うつつちゃんのガッチャマン態は、かなり異形度が高くて驚きました。これでOPの最後は、O・D以外がガッチャマン態になるのでしょうか(笑)。

 ネオ・ハンドレッド/クラウズを先導/煽動した男は、自宅があり家族が居る立川市への襲撃と混乱と破壊を目にして、自分の行動の危うさを実感したようですが、まだ他人事・他力本願というか自力救済・自助努力への覚悟には思い至らない/自己責任の重さを背負いたくない感じです。結婚して子供もいる大人ですが、彼を典型とするネオ・ハンドレッド/クラウズの底の浅さは、はたして今後、物語の中で改善される展開はあるのでしょうか。
 この物語の日本国総理大臣も、声の大きい他者・国民の残酷さや無責任な態度への無力感に苛まれ・疲れ、自暴自棄に鈍っている感じですが、一念発起して立川市を襲撃しに来たネオ・ハンドレッド/クラウズを一カ所に集める「餌」になる、くらいの判断・決断・覚悟を見せて欲しいです。

 2013.09.26 

 #11 Gamification(ゲーミフィケーション)(2013.09.26#11)

 ネオ・ハンドレッド/クラウズの破壊活動に混乱が続く立川市。
 公務員たち、ガッチャマンたち、はネオ・ハンドレッド/クラウズに対抗するものの、劣勢を覆すまでには至らず。
 マスター・るいを再認した総裁Xは、ようやくSNS「GALAX」をマスター・るいの指示に沿って混乱を収拾するためのツールとして展開を始め。
 緊急措置としてできるだけ多くの立川市民がSNS「GALAX」を活用できるようにするために端末を配ったところ、ベルク・カッツェはSNS「GALAX」にクラウズを無差別に使用可能にするアイコンを付加していて、そのことを総理大臣の姿を剽窃してSNS「GALAX」を通じて喧伝・拡散し、その慫慂に応じてしまった人々のクラウズが湧きだし始めて。

 …なるほど、クラウズを暴力装置として、SNS「GALAX」を通じて全ての人々に使わせて、自発的に善悪二元的な塗り分けの対立構造にさせていって自滅へと向かわせよう、と。

 うーん、想定は判りますが、SNS「GALAX」端末の安定性・自立性は、結局は社会インフラ・ライフラインの安定性・自立性に依存している以上、大規模なテロ行為や自然災害などによる社会インフラの損耗で機能不全になって使えなくなる弱点があるじゃないか/端的には電力供給を絶ってしまえばクラウズの脅威は終息するんじゃないか、と思えてしまうのが、残念というか、そのことへのベルク・カッツェの対策を具体的に描いて欲しいというか。

 クラウズの普及には通常の端末経由のSNS「GALAX」が必要なものの、既存の社会インフラに依存しない、ベルク・カッツェを母機とする基幹・中継基地として超技術(ファンタジー)なネオ・ハンドレッド/クラウズ・ネットワークを積極的に展開してゆき、クラウズ自体を普及端末として、暴力装置としてのクラウズが人々の間に拡がってゆく、的な感じだったら、等と空想したりも。

 2013.10.03 

 #12 Collage(コラージュ)(最終話)(2013.10.03#12)

 O.Dはベルク・カッツェに戦いを挑み、瀕死の重傷を負いながらもマスター・るいのNOTEを取り返したのでしょうか、一冊のNOTEをマスター・るいに渡しました。
 マスター・るいは渡されたNOTEを使ったのか、SNS「GALAX」/総裁Xを経由して、全世界のSNS「GALAX」ユーザーにクラウズを提供しました。
 マスター・るいの行動の結果、クラウズを得た多数の人々がネオ・ハンドレッドのクラウズを駆逐し、それと平行して、混乱する立川市の人々の手助けも行い、市川市の騒動は終息するのでした。
 その後、日本国総理はSNS「GALAX」を使って人々の意見を求め国政に活かすようになっていました。

 …主人公・はじめは、どんな対話/交渉/取引をしたのか想像できませんが、その身の内にベルク・カッツェを封じたのか、彼(?)を連れ歩き、様々な地球/日本の文物を見せている様でした。

 O.Dは、うつつちゃんは、無事だったのでしょうか。それだけが気がかりです。