アニメーション・電脳コイル  [上]に戻る

原作・脚本・監督:磯光雄『電脳コイル』徳間書店・バンダイビジュアル・NHKエンタープライズ
  鑑賞:2007/05/12〜2007/12/01(全26話)
2007.05 12(第1話)/ 19(第2話)/ 26(第3話)
_____06 02(第4話)/ 09(第5話)/ 16(第6話)/ 23(第7話)/ 30(第8話)
_____07 07(第9話)/ 14(第10話)/ 21(第11話)/ 28(第12話)
_____08 04(第13話)/ 25(自由研究)
_____09 01(第14話)/ 08(第15話)/ 15(第16話)/ 22(第17話)/ 29(第18話)
_____10 06(第19話)/ 13(第20話)/ 20(第21話)/ 27(第22話)
_____11 03(総復習)/ 10(第23話)/ 17(第24話)/ 24(第25話)
_____12 01(第26話)/
 2007.05.12 
 感想とか。

 第1話「メガネの子供たち」
「子供たちの噂によると、大黒市では最近、ペットの行方不明事件が多発しているそうです」

 NHKサイト内ページ http://www3.nhk.or.jp/anime/coil/
 公式HP http://www.tokuma.co.jp/coil/

 2007.05.19 
 第2話「コイル電脳探偵局」
「都市伝説によると、ミチコさんを呼び出した子供は、あっちに連れてゆかれてしまうそうです」

 壁を蹴れば電脳空間が揺れ、信号機には電脳御札が有効で。

 …電脳メガネでアクセスする、物理世界に重なる感じの電脳世界は、でも、今のところ一部の(?)子供たちだけしか活用(笑)していない感じで。キューちゃんやサッチー、メガシヤ=メガばあなど、大人の関与もないわけではないにしても、子供たちが対峙している世界に、大人たちがどう応対しているのか、を知りたい、です(野次馬な好奇心、で ^^;)。
 そして、主格の少女の妹・京子の身体には、何か驚愕の秘密が!?(;´Д`)

 2007.05.26 
 第3話「優子と勇子」
「業界の噂によると、メガネにはよく知られてない、隠し機能があるそうです」

 …小説版とは、道具立てや展開は酷似しているものの、アニメ版で現在までに開示されたそれらから想像される世界設定は全く違っていて、優子や勇子の印象もかなり違う、ことに驚いてます(苦笑)。

 電脳メガネの類は、優子たち特定の世代だけの限定アイテムではなく(小説版では、電脳メガネの使用条件に、かなりの制限がある)、優子の妹から祖母まで、どうやら老若男女を問わない、今的に言えば携帯電話並みの普遍的な道具っぽく?
 母親は無メガネですが、電脳コンタクト? それとも大胆に、体内埋め込み式?(^^;

 主格・優子は、特に思うところも含むものも求めるものも目指すものも無い、無垢な立ち位置で。
 妹・京子は、幼児期から抜け出ていない感じで。
 勇子は、現時点では謎な目的をもって、優子の敵として動いていて。一般人には持ち得ない感じの知識・情報・技能・アイテムを持ち、最近の大黒市で起こっている事件の(少なくとも)一部に、もしかすると引き起こす側として深く関与していて? 何者か/何かの組織(?)と、従属している(指示を受けて動いている)感じではないものの、それなりの依存・信用のある関係を持っていて?

 勇子の「求めるもの」が何なのか。それを優子が知った時、優子がどうするのか、が、とりあえずの興味の第一候補、です。

 あと。優子の、大黒市での最初の友人であるフミエが、かなりの独立独歩な感じなのが、ちょっと気になって来ました。優子との出会いの情況や、メガばあからの「暗号屋らしい少女の素性調査」依頼を受けて、自分一人で動く気満々な点、とか。
 ガキ大将っぽい少年と対立関係にあるようですが、そのことでクラスの中で特異な立場に立っていたり?

 2007.06.02 
 第4話「大黒市黒客クラブ」
「ネットの噂によると、ある暗号屋が空間を破壊しようとしたそうです。でも、その暗号屋がどうなったのか、誰も知りません」

 洒落では済まない徹底さの、魔術攻性電脳ツール(?)を使った戦い。

 …電脳空間側でのドンパチ故か、物理的な学校施設・設備には、画面上では不具合や損傷は見受けられず。明確な損害は、少年たちの電脳資源の浪費・損耗、くらい?
 子供に購えるレベルの「武器」である、と考えれば、視覚的・一時的な「効果」=混乱・麻痺・威嚇、が主で、相手を傷付ける=装備の破壊に至る、程の「威力」はないもの、にも思えます……サバイバル・ゲームで使うエアガンの類、な感じで。
 でも、強制ポップアップ・バナー(?)でのDoS攻撃、擬似物理攻撃、物理攻撃、と、攻撃のレベルが下がってゆくのは、少年たちの「単純さ」を表す演出でしょうか。

 一方、少女たちの側は、宣戦布告状態が成立した感じ、でしょうか。でもこれで、勇子が胸襟を開かない限り、少女たちの間の懸隔は埋まらない情況になってしまった様な。

 王道としては、強大な外敵に対抗するために共同戦線を張る、かな、とは思いますが、はたして(^^;。

 2007.06.09 
 第5話「メタバグ争奪バスツアー」
「ネットの噂によると、メタバグの中には、時として音や映像などの情報が含まれているそうです。それがどこから来たものなのかは、よく判っていません」

 勇子が行動方針を転換?
 事前に目を付けていたらしい自動車廃棄場(?)の探索に、自分を襲撃した同級生たちを、弱みを突いて徴集して、こき使って(笑)。

 …動機は?
 孤軍奮闘に疲れたのか、再襲撃されるよりはマシと思ったのか。段取りが「〆」まで、結構堂に入った・手慣れた感じでしたが、実は、あれが地?
 フミエ&優子は今回、勇子に、対サッチー早期警戒警報機として使われた感じ、ですか。

 少年たちの恐れ・・・電脳情報(?)の乱れ・損壊に対する恐怖が、イマニ・サン(^^;、実感として把握出来なくて、もどかしいです。お金さえ払えば再生・復元は問題なく可能、みたいですが、それはそれで「システム側に個人情報が集約されてしまっている」印象がイヤンな感じ、で。

 あと、サッチーの頑健さ・周辺の電脳環境に影響され難いのは何故? と。
 思い付くのは、構造や構成要素が単純、かつ、何重にも・稠密に「存在・構成・維持情報・機能」が記述されている? とかくらいですが。

 サッチーたちが自動車廃棄場(?)に出現したのは、勇子たちが侵入したことと呼応している、のではないでしょうか。
 廃車の、リアルな状態と視覚関係の電脳情報の乖離が放置されたままになっていたことは、あの場所にサッチー等が長い間入っていないことを示しているように思えます。それが、勇子たちがメタバグを採取し電脳環境に干渉し始めたのとほぼ同時にサッチーが出現したのですから、勇子たちの行動の何か…メタバグ掘りとか、あの場所に電脳メガネ装着者が入ったこと自体とか、がサッチーを呼び込む引き金になったのではないか、と。

 できれば、廃車のリアルと電脳情報の違いに気付かせる描写は、ダイチが実際に穴に足を入れる前に勇子が厳しく止めて、訝しがるダイチに「メガネなしでここを見てごらんなさいな」とか告げる、みたいな展開にして欲しかった、かと。
 ダイチが大怪我をしないことを、勇子は事前に確認・確信していたのかもしれませんが。怪我を負う可能性は、あの描写からすると結構あったように感じたので。
 あのような成り行きにしたのは、勇子の未熟さ・配慮の不足/酷薄さ/ダイチの注意深さ(=潜在的な手強さ)の確認、の提示/暗示、なのでしょうか。

 新キャラは、バイクの大人(暗号屋?男?女?)と、同級生・ハラケン。
 勇子とハラケンは、後々にライバル化? あるいは同志に?(^^;

 2007.06.16 
 第6話「赤いオートマトン」
「新聞によると、メガネを掛けた子供の交通事故が増えているそうです」

 サッチーが「鳥居」の内側に入れないのは、縦割り行政の影響だった、と(えー。
 …まさか、大黒市の電脳空間の混沌とした状況は、各種公共機関や民間企業や、もしかすると趣味の個人までが、協調性や整合性に欠けた、好き勝手な設定・更新・改造を重ねて来た為、とか?ヽ(`Д´)ノ

 前回登場した新キャラのバイクの大人は、ハラケンの「オバちゃん」でした。
 そのオバちゃんは17歳の女性で、大黒市市役所の空間管理室(でも郵政局管轄内限定?)の顧問(客員)でした。そして、サッチーを大黒市に導入させた張本人(?)でもあり、非常に攻撃的(?高圧的?自信過剰?天上天下唯我独尊?)な態度・性格の持ち主のようです。

 ハラケンは一年くらい前に、電脳空間絡みの不可解/不審な交通事故(?)で友人を失い、その事が今も、彼の心に影を落としている、ようです。

 さらになんと、優子の父親は、「金沢市からの出向」扱いながら、大黒市市役所の空間管理室の室長、でした。
 …電脳関係で特別行政区か何かに指定されている市なのに、その管理室の室長が出向扱いの「役人」とは、何故でしょ〜?ヽ(`Д´)ノ。

 2007.06.23 
 第7話「出動!!コイル探偵局」
「人の世の噂では、会いたい人のことをずっと考えていると、不意に、ばったり出会うことがあるそうです」

 ハラケンとオバちゃんは出ず。フミエやダイチたちの目線は未だ狭く低く。
 …今回は、勇子の優子へのささやかな歩み寄りが見られたものの、フミエやダイチたちの役割の単調さや話の仕掛けの強引さが気になりました。

 黒客クラブの少年たちは、意欲も目的意識も勇子とは違い過ぎで、ものの役には立たず。まぁそれは、勇子の自業自得ですが。

 …もしかして、勇子には姉がいたり(今はいない)?
 今回の騒動が終った後の、京子と優子の触れ合いを見る勇子の様子から、そんなことを思ったり。

 あと、勇子が優子に語ったイリーガルについてのウソ話は、少しもホントが混じってないモノだったのでしょうか(^^;。

 2007.06.30 
 第8話「夏祭り、そして果たし合い」
「都市伝説によると、メガネを掛けたまま眠って、夢の中であっちに入り込んでしまった子供がいたそうです」

 夏祭り。
 勇子は学校の本格的な探索(?)に乗り出し、そのための準備(?)を手下たちに指示。
 優子とハラケンのオバちゃんの関係は、優子自身の口からフミエに語られ。
 オバちゃんは主人公たちの小学校に姿を見せ、勇子や優子の身許を確かめ、こちらも優子との関係を知り。

 …優子とハラケンのオバちゃんの、父親/上司を介しての関係は、意外に呆気なく互いの知るところとなりましたが、これは「決定的な対立関係にならない・しない」ための前振りでしょうか。

 祭りの夜の慣れ合い・触れ合い…優子が積極的に八方美人(^^;していて、これはフミエさまさま故なのかな、と(優子と周囲の少年少女たちとの関係性の構築具合とか、に)。

 ハラケンと優子の前に姿を見せたイリーガルは、ハラケンの彼女の電脳ペットの「記憶」を持っている/イリーガルの憑依「元」が件の電脳ペットだった、のでしょうか。これは、いわゆるイリーガルの「元」が、基本的に「消えた電脳ペット」である、という示唆? …電脳ペット消失事件(?)の原因は不明ですが、全部が全部、勇子の所業みたいな訳ではないでしょうし。

 ところで、フミエは母親か誰かに着せてもらったのだろう、と想像出来ますが、勇子は、どうやって浴衣を着たのでしょう(^^;。誰か親しい人がいるのか、それとも自分で着たのでしょうか(萌 ^^;)。

 2007.07.07 
 第9話「あっちのミチコさん」
「子供の噂では、ミチコさんの正体は、イリーガルではないかと囁かれています」

 (2007.07.08 に録画を再視聴し、以下の文章の一部を更新しました)。

 学校で合宿。
 …引率者の大人たちの行動パターンが都合良過ぎ、なんですが、そこに凝っても[労多くして功少なし]で、多分その後の展開に割く時間を目減りさせるだけ、と思っての処断だろう、と推測します。

 ミチコさん。
 …電脳環境の普及・一般化・周知によって、電脳風の要素が附加された/電脳風味に料理された、怪談・都市伝説? 普通の人々にとっては・・・身体情報としての電脳体の存在から、たとえば「その人が亡くなったら/ペットが死んだら/物が壊れたら」どうなるんだろう、とか考えている内に、怖い考えになってしまって、思わず誰彼となく話してしまって、そして伝言ゲームが始まって、とかとか(^^;。
 暗号屋の類にとっては、キラバグの「重要な性質/様相/状態」? あるいは、キラバグ自体の別称?

 電脳鍵。
 …イリーガルからキラバグを引き出す/イリーガルをキラバグにする、暗号屋のプログラム?
 勇子は、鍵によって顕現したキラバグ・ミチコさんを、自身の電脳体(?)に[吸引/侵入/結合]させて・・・さて、どうするか・どうなるか、は以下次回?ヽ(`Д´)ノ そして勇子は、この[吸引/侵入/結合]は初めてじゃない感じ? みたいな…勇子の電脳体(?)には、既に複数のキラバグ(全てミチコさん?)が[結合]されているようなことを、本人が口にしてますので。

 一方ハラケンは、キラバグ・ミチコさんの後を追う内に、謎めいた空間(?)に行き着き、そこで、夏祭りの夜に得たメタバグに含まれていた情報「4423」を使い・・・こちらも、どうなるか、も以下次回?ヽ(`Д´)ノ もし、ハラケンではなく優子がキラバグ・ミチコさんを追って行った場合でも、それに応じた不可思議空間が出現していた、のでしょうか…ハラケンと同じ情報「4423」を得てますし(その情報を優子が適切に(?)使えたか否かは判りませんが ^^;)。

 ハラケンのオバちゃん…メガばあと同系統のテクニックを持っているようですが、もしかして、弟子? と言うか、いっそコイル電脳探偵局のメンバーだったり?(;´Д`) …でも、だったら優子の個人情報を参照した時に、何らかの反応があってしかるべきでしょうから、メガばあの弟子とかコイル電脳探偵局メンバーとかのセンは薄いですか(^^;。
 オバちゃんはハラケンの実質的な保護者の立場を担ってる様子ですが、どんな経緯があってのことなんでしょうね(^^;←野次馬的興味。「実は、オバちゃんはハラケンの[産みの母]」(核爆)などどいう、キケンな設定を思い付いたりしまして(;´Д`)。


 (2007.07.11 に、以下の文章を追加しました)。

 勇子=異世界の王女(核爆)説。
 [電脳コイル世界]の電脳環境は、実は異世界の「力」(魔法とか ^^;)を使って実現させたもの、で。
 そのような使われ方をしたために、異世界の秩序が崩れ、「力」と繋がっていた王族が異世界から[電脳コイル世界]の現世に放逐/移動/転送されて。
 王族は、異世界に帰還する方策を探し。
 勇子が「力」を集める「器」で、キラバグが「力」で。
 …とかとかヽ(`Д´)ノ

 勇子の名字は「天沢」。
 実は、なんとなく、天沢退二郎『光車よ、まわれ』 を、私は『電脳コイル』を視聴して連想してたりするんでした。

 2007.07.14 
 第10話「カンナの日記」
「ネットの噂によると、メガネが発売されるずっと前から、中津交差点は、事故の多い怪奇スポットだったそうです」

 ミチコさんを「結合」した勇子は空間管理室のサッチーを圧倒。
 翌日、勇子は成果を上げない黒客クラブの綱紀を粛正。ダイチとデンパが離反する。
 その後、勇子は、病院の大部屋(?)に入院中の叔父を見舞いに訪れ、「兄の帰還」を口にする。
 一方、倒れたハラケンは、4423を使って得た(?)「道順」を、優子とフミエと共に辿り、その「道」の先に隠されていた「カンナの手紙」を入手する。
 そして、開封されたカンナの日記から新たに得た手掛かりを探るハラケンと優子の姿を目にして、謎な独白を漏らすカメラマン氏は、誰?

 ミチコさん…「結合」することで、電脳空間に及ぼす「力」が劇的に増大する、って、いったい何がどうなってソウナルンデスカ〜ヽ(`Д´)ノ。で、キラバグを集めると兄を戻せる、と? それはいったい、どんな「猿の手」な呪い話デスカ〜ヽ(`Д´)ノ。

 4423…秘密の名前。その持ち主は、勇子の兄? 「ヨシフミ」とか?(;´Д`) この勇子の兄は、序盤で言っていた「消えた子供」の一人?
 何故、幼い優子は4423と出会った(出会い得た)のでしょう。デンスケの(もしかして送り主の、優子の祖父の)導き、とか?
 ヤサコ…4423が先駆? 「イサコ」も、実は4423が最初だったり? フミエたちが「ヤサコ」や「イサコ」を口に出来たのは、無意識の刷り込みか何かだったり、とか?(;´Д`)


 (2007.07.18 に、以下の文章を追加しました)。

 学校の屋上の勇子の「王座」は、その印象が、大友克洋『AKIRA』講談社 の鉄雄・AKIRAのそれを連想させます。
 この符合を敷衍して、『電脳コイル』の登場人物を『AKIRA』のそれに重ねてみると……
 イサコ=鉄雄 ヤサコ=金田 フミエ=山形 ダイチ=クラウン ハラケン=ケイ オバちゃん=竜+大佐 メガばあ=ミヤコ 4423/ミチコ=アキラ
 …となりました(笑)。

 2007.07.21 
 第11話「沈没!大黒市」
「ある統計によると、小学六年生が男女で喧嘩した場合、女子の方が勝つ確率が少し高いそうです」

 ダイチが通常空間に引き出した一匹のイリーガルが、通常空間を侵蝕しながら巨大化し始める。
 ダイチたちは対処法を持たず、オバちゃんがサッチーを出すものの巨大な相手に歯が立たず。
 イサコは、今回のイリーガルがメタバグやキラバグを内包していないことに気付き、我関せず/傍目八目。
 結局、メガばあが適切なメタタグをメタバグから練り上げ、事件を終息させる。

 オバちゃん=弐。
 謎のカメラマン氏は、もしかして壱or参or肆?
 ちなみに、メガばあ=零、ハラケン=五、フミエ=七、ヤサコ=八。
 …カンナ=六?(とりあえず、背景色と同じ色の伏せ字で(^^; 小説版では確定情報ですが)

 今回のような大事件こそ起こってなかったものの、大黒市では、イリーガルによる電脳空間の障害が頻発していて、だから、サッチーを常時巡回させて迅速かつ強力に対処する必要がある、ということでしょうか。
 今回の事件を受けて、空間管理室のイリーガル対策が強化される、とか? それとも、メガマス社あたりから、もっと過激な動きが起こる?

 今回の、メガばあのメタタグの発動時の「表現/描画」は、メガばあが仕込んだものだったりするのでしょうか。あの情況で練ったものにしては、洒落過ぎ(^^;な気がしますが。
 まぁ、それを言うなら、今回のイリーガルの外観や活動の様相からしても、あのような「表現/描画」であるのは、いったい誰の仕込みなのか、と言う疑問が出る訳ですけど。

 2007.07.28 
 第12話「ダイチ、発毛ス」
「ヒゲたちの噂によると、紀元5550分、ヤサコさまが、約束の地にお導きくださるそうです」

 前回、巨大化するイリーガルを釣り上げたダイチでしたが、その続きと言うかエピローグと言うか。
 現象/事件としては、イリーガルが引き起こす異常事態の顛末、なのは前回と同じで。
 前回とはマクロ・巨大事象とミクロ・微小事象の対比? で、微細な生命(?)存在とか文明の興亡とかに、グレッグ・ベア『ブラッド・ミュージック』、エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』、オラフ・ステープルドン『スターメイカー』、ロバート・L・フォワード『竜の卵』&『スタークエイク』、手塚治虫『火の鳥』or『鳥人大系』、『ポピュラス』、『シムアース』、『シムシティ』、等々を思い出しつつ見てました。

 オバちゃん…ハラケンから感染したに違いない、と思います!

 イサコさん欠席ヽ(`Д´)ノ…これは、黒客クラブの面々も含めて、本筋に絡ませると話の収拾に手間取ってしまうから(笑)、みたいな理由かな? とか思ったり。あぁでも、ヒゲなイサコさん、見たかった気がヒシヒシと。

 2007.08.04 
 第13話「最後の首長竜」
「昔の人の言葉によると、本来、人は必ず自分の進むべき道を知っているそうです。でも、一番大事な道こそ、見失いがちなのだそうです」

 霧に浮かぶ首長竜の影、といえば、レイ・ブラッドベリの「霧笛」が思い浮かびます。

 今回もイサコさん欠席ヽ(`Д´)ノ
 今回は、イサコが絡むと、イリーガル→キラバグで紛糾せざるを得ないので、出しようがなかった、と考えられるでしょうか。

 結末の苦さに、あれこれと考えてしまいます。

 救われる結末にすることも出来たでしょうに、あの結末を選んだのは何故でしょう。
 ヤサコたちは、自分たちだけの力で問題を解決しようと奔走し、失敗しました。オバちゃんは頼れず、ヤサコ父は頼りにならず、一旦は自力で解決策を見出してしまった為にかメガばあに相談する時機を逸して。

 今回、自分たちだけで動いたのは、ヤサコたちがデンパの気持ちを優先した・引きずられた、のでしょうか。

 今後、デンパがどう変わるのか、あるいは変わらないのか、注目したいです。

 ところで。
 てっきり「自称」でしかないと思ってました「17歳のピチピチギャル」が、マジで現役女子高生だったとはっ!ヽ(`Д´)ノ


 (2007.08.06 に、以下の文章を追加しました)。

 イリーガルのありようを見てきて、ふと、小松左京「結晶星団」の設定を連想しました。

 イリーガルは、大黒市の電脳空間の歴史の中で、取捨選択されたものの、捨てられた方の様々な「もの」の、吹き溜り・寄り集まり、かも、と。

 2007.08.25 
 「自由研究」

 イサコの中の人(桑島法子)とフミエの中の人(小島幸子)が顔出しで案内役…ヤサコじゃないのは何故? と思ってしまいました。

 夏休み中の出来事…11話〜13話(私的には「魚が出て来た日」「ひげよ、さらば」「影が行く」と言ってみたり ^^;)の、イリーガル三部作…は、今回の研究では言及されず。
 今回は、夏休み直前までの展開の、非常に大雑把なまとめ、と言えるでしょうか。

 フミエの弟が紹介されたのに、大黒黒客のガチャギリ、ナメッチ、デンパへの言及が無かった点が残念でした(この違いは、後半の展開での扱いの差を暗示してたりするのでしょうか? ^^;)。

 2007.09.01 
 第14話「いきものの記録」
「業界の噂によると、ミゼット・シリーズが発売禁止になったのは、隠し撮りや、盗み聞きに悪用できるからだそうです」

 フミエの弟・アキラの視点での人物紹介…前回の『自由研究』を補完する解説編?…と、ハラケンの危機(?)。

 イリーガルの多様性…黒い襲撃者も、魚もヒゲたちもクビナガたちも、人間が押し付けてくる電脳空間の更新・改変に生存を脅かされていて、各々が見出した「存続への可能性」を追求している、と?

 ミゼット…あの赤いのは、ジャンケンに勝って、アキラのミゼットのデータを操作(?)したのでしょうか。誰の電脳ペットなんでしょう? ・・・猫目?

「アシハラカンナのように」
 …[日の本]の[神の名]? イザナミ、の暗喩とか、でしょうか。

「君は、電脳コイルという言葉を知っているかい?」
 …お前はクワトロ・バジーナか、と(笑)。
 ともあれ、メガばあの存在感/怪しさ(^^;がいや増しに。

 この、[猫目]とエンディング・テロップにある人物も、オバちゃんと同じくコイル探偵局の一員「だった」のでしょうか。

 2007.09.08 
 第15話「駅向こうの少年」
「駅向こうの子供たちの噂では、古い空間の最も深い部分には、危険なイリーガルが棲んでいるそうです」

 意図せずに、普段の縄張り(笑)の「外」に出たヤサコは、別の小学校の少年と知り合う。少年の案内で、知らないはずの場所を巡るうちに、ヤサコは過去の「4423との邂逅」の記憶を思い出してゆく。

 …ヤサコの電波っぷりが、今回は凄いレベルにヽ(`Д´)ノ。途中の、お地蔵さんの場面辺りで、私は、自分だったらヤサコの行動に引いちゃってサヨナラしてた気がします。

「あいつらが勘違いした、天沢勇子の仕業だよ、きっと。……知り合いなの?」
「え? あ…う〜ん。や、全然」
 …う〜ん(^^;、気分は判らないでもないですが。

「あくまで都市伝説の話なんだけど。あんまり深いところまで行くと、戻って来れなくなるって」
「戻って来れなくなる…」
「そう。生身の身体と、電脳の身体がズレて、やがて、魂ごとあっちに連れていかれてしまうんだって」
「連れて行かれるって、何に?」
「僕も、よくは知らないけど。もし、君が本当に古い空間を見つけられるんなら、一つ、教えておいてあげる。これも、都市伝説なんだけど。やばい空間で絶対に守らなきゃならないルールがある」
「何?」
「新しい空間に戻るまで、絶対にメガネを外さないこと。もし、電脳の身体がズレた時に外すと」
「どうなるの?」
「二度と戻れなくなるって」
「そんなの作り話よ」
「きっとそうだね。でも、都市伝説では、そのまま意識不明になっちゃった子とか、死んだ子もいるって」

 …『影よ、影よ、影の国』(ふと浮かんできたタイトル/内容的な関連性は無い公算が大、かと ^^;)。
 思いつき:イリーガルは古い空間に焼き付いた人間やペットの影=記憶/魂。

 幼いヤサコの記憶。
 「4423を探している」イリーガルとの出会い。
 4423といっしょのヤサコ。二人を(?)襲う、巨大な不定形のイリーガル。
 …イリーガルとの道行きと、4423との出会いと、どちらが先なのか、が気になったり。
 あと、前記の思いつきと合わせて、このイリーガルは、もしかして[4423の影]とかだったりして、とか想像したり。

 メガネでしか見えない場所・古い空間。
「中には、現実世界とのデータに時差があって、ホントはとっくに無くなったものがものが見えたりする」
 …キュウちゃんの群れが消してしまった古い空間。あの、現在では壁で塞がっていた、今はもう無い小道に、もしかして入って行くことが出来た、のでしょうか。

 「電脳の身体」と現実の身体と。
 リアルな・物理的な存在を、リアル・物理的な身体が素通りできるとは、さすがに考え難いので、それなら、大黒市そのもののリアル・物理的な存在自体を疑うべき? つまり、大黒市は物理的存在の大部分が電脳存在に置換されている、とか(爆)。食料品・雑貨や自動車や電車など、大黒市の[外]とのやりとりがある[もの]の扱いがネックですが(;´Д`)。
(2007.09.10 に、この段落を追加しました)

 ヤサコが金沢で仲が良かったマユミちゃんが北海道に引っ越す、という話。
 …ヤサコの無表情と、その後の放置っぷりが、怖いデスヽ(`Д´)ノ

「うん。うん。あの空間には無かったみたい。それより、偶然面白い子と知り合ったんだ。うん。イマーゴの子供だと思う。そう、あのカンナって子と同じに」
 駅向こうの少年・タケル・第一小の六年…もしかして、イサコの指電話の相手だったり?

 それとも、小説版ではオバちゃん(背景色と同じ色で伏せ字) が学校単位で情報提供者(ヤサコの小学校はハラケン(背景色と同じ色で伏せ字) が担当)を用意していることから考えると、タケルの指電話の相手は猫目、という可能性も。
(2007.09.10 に、この段落を追加しました)

(2007.09.10 に、文章の一部を改訂・追加しました)

 2007.09.15 
 第16話「イサコの病室」
「業界の噂によると、最初にメガネを作った会社は、心で思い浮かべたものを電脳物質化する技術を発明したそうです。でも、その後どうなったかは、誰も知りません」

 大黒市立メガマス病院にて。メガばあ曰く。
「オジジはこの病院でな、メガネの技術を医療に役立てる研究をしておったんじゃ」
「病院内でメガネを自由に使えるようにしたのもオジジなんじゃ」
「ワシも4年前にぶっ倒れて記憶が少々トンでるのでな」
 …オジジ・・・。

 そしてヤサコは、フミエの弟・アキラと共に、イサコの秘密を知って。
 …ヤサコと4423の出会いは、イサコの兄が意識不明になった後、ということでしょうか。

「夕焼け・・・まさか、あれが、あっち?」
 ハラケンはフミエと、図書館で過去=4年前の電脳メガネ絡みの事件を調査していて、電脳医療(=オジジ&メガばあ&ヤサコ?)とイサコ/4423に関る情報に辿り着いて。

 4423…病室の番号。4年前から(?)意識不明のまま(?)の、イサコの兄。
 …う〜ん、一気に生臭く(;´Д`)。イサコの協力者(たち?)の意図・目的が知りたいです。

 にしても、あまり良い(正常な)処置・待遇とは思えない、ですね >> 病室・4423。この病室の状態は、たとえば、長期にわたる看護の実現のための経費の削減、とかでしょうか。

「こんなに種類がいたとはな」
「ベータ型も、アルファと同じ深部から出て来たのかしら」
「さあな。だが、イマーゴに関係しているのは確かだ」
 猫目がオバちゃんの上司に。そして猫目は、大黒市の危機的状況…イリーガルの跳梁と、それに対して「本社」が大黒市の電脳環境に「レベルスリーのフォーマット」を実行する可能性…について、オバちゃんに情報提供。
 …病室4423に潜伏していたピンクのミゼットは、猫目がオーナーである可能性・大?

 ふと。
 不用意な「フォーマット/初期化」は、もしかすると…誰かが仕掛けていた/自然に・成り行きでそうなっていた…[封印/蓋/覆い]の消去=イリーガルの解放になるのでは、と。

「思った通り、オマエも大人たちと同じだな。ああ、オマエの言う通り都市伝説さ、バカバカしい話だろう。気が済んだか。アタシがおかしな子だと判って満足か。満足したなら、もう二度と近づくな」

 …イサコは兄の回復を求め。ハラケンはカンナの死の原因を求め。では、ヤサコは?
 三人が、不信や躊躇や遠慮を踏み越えて、より良い関係と展開を目指して共闘することを願うものです。

 2007.09.22 
 第17話「最後の夏休み」
「人は死んだらどうなるのか。その心はどこに行くのか。本当のことは、誰も知りません」

「でもね。子供はもっと、本物の何かで遊んだ方がいいかもしれないねぇ。ちゃんと手で触れる何かで」
 ハラケンを診察した医者が言う。
 …電脳世界は虚像・虚構。でも、それなら、抽象的・空想的な芸術とか(絵画・彫塑・写真・小説・etc.)は「本物」ではない、と? とか言ってみたくなったり。
 抽象は具象に仮託することで顕現する訳で、必要十分な実体がなければ何も始まらない、ものではありますけど。

 ヤサコはハラケンに、イサコの事情を打ち明ける。
 ハラケンはイサコの事情を自身のそれと重ね、懊悩を露にする。
「明日」
「え?」
「明日、その古い空間に行ってみよう。それでもし、何も見つからなかったら、自由研究は、それでおしまい」
「うん」
「適当に済ませて、終らせちゃおう。そのあとは、楽しい場所に行こう」
「うん」
「最後の、夏休みだから」
 心配するヤサコに、ハラケンは明るい「明日」を語る……が。

「思った通りだ。イサコの暗号のほとんどは解読可能だ。物理結界以外なら、ほとんど破れるぞ」
(中略)
「まさか暗号のルーツが、メガばあのメタタグと同じとはな。天沢勇子、お前は一体何者なんだ」
 オバちゃんは、全力でイサコを阻止しようと行動を起こし、イリーガルを狩るイサコを追いつめてゆく。

 イサコを手伝っていたガチャギリとナメッチは、オバちゃんが放った5体のサッチーに襲われる。

「天沢勇子。君と…君と取り引きしたい」
 その身に、さらなるキラバグを得て「通路」を開く「臨界」に達したものの、オバちゃんの猛攻に窮地に立ったイサコの前にハラケンが姿を見せる。サッチー/オバちゃんに勝つ手助けをする代わりに、「あっち」に連れて行け、と。

 …誰かに・何かに対して悪意を持つ者は見当たらないのに、情況は、オバちゃんが恐れ、ヤサコが危ぶむ方へと展開し。
 今後、はたしてハラケンは、オルフェウスやイザナギやダンテのような、神話的冒険をしたりするのでしょうか?

 2007.09.29 
 第18話「異界への扉」
「ネットの噂によると、メガネの設計や開発の過程は、複雑な利権と歴史に彩られているそうです」

 イサコの計画は、オバちゃんの攻撃で齟齬を生じ、通路は意図しない位置に開いてしまう。
 通路に入ったハラケンは、その奥にカンナらしき影を認めたものの、通路は霧散して。望みが果たせず落ち込んだハラケンは、気遣うヤサコを突き放す。
 オバちゃんはハラケンの関与を知り、メガネを取り上げる。
 そして、その夜。
 落ち込むヤサコの家に通路が湧き出し人型のイリーガルが現れ、京子の電脳体を通路の向こうに連れて行く。

 通路…巨大な鍵穴の形は、抽象化された・こけし的な人型にも、古代の墳墓・前方後円墳にも見えたり。

「通路が開いた! リンクは!?」
「場所の制御はともかく、通路は開いた。上手く行ってくれ」
 …イサコは通路を通して、兄の肉体と、失われた電脳体との繋がりを回復させるのが目的、なのでしょうか。

「すまない。タマコが作戦を無視したんだ」
(略)
「通路のことは、僕らも全てを知らない。基本的には、先生のやり方を再現してるだけなんだ」
(略)
「キラバグは、あとどれだけ残っている?」
 猫目宗助…イサコの支援者or使嗾者。道を示し、知識を与え、技術を仕込み? 目的は?
 ダイチたちが使っている、メタバグを換金(収集)するネットショップの経営者もやってたりして、と想像。
 「先生」…ヤサコのオジジ?
 「僕ら」…猫目の背後に、何らかの組織的な存在がある?

 人型のイリーガル…ふと、4423+オジジ、だったりしたり? と思ったり。

 京子の電脳体…イリーガルに現実の身体から引き出され、通路の奥へと手を引かれて行く様子に、飛浩隆『廃園の天使』シリーズの「情報的似姿」を、ようやく(苦笑)連想させてくれました。

 2007.10.06 
 第19話「黒い訪問者」
「関係者の噂によると、イマーゴと電脳医療には、深い関りがあるそうです」

 室内に充満する電脳の霧の中に異界の風景が現れ、黒い人型のイリーガルが京子(の電脳体)の手を引いて遠ざかって行き…消える。
 ベッドに横たわる京子の身体は影色に染まり、「NO DATA」の表示が浮かぶ。
 イリーガルに触られたヤサコの手の電脳体がずれる。そして、4423に出会った時の記憶が刺激される。
 京子の電脳体は、イザナギ的な伝説や神話に類する情況に置かれるが、メガばあの助言とデンスケの活躍でヤサコたちのもとへ戻り着く。
《チョウダイ。チョウダイ》
 人型イリーガルたちは、家屋の電脳体を変質(?)させながら、ヤサコたちに迫り寄る。

 霧の中から湧き出し襲い来る影たち……それなんて『SILENT HILL』? ヽ(`Д´)ノ。

「空間の異変は、まだ見つからないか・・・」
「何かもうひとつの、未知の要因。それに誘発されて、通路は開くんだ」
 何故イリーガルが、ハラケンやイサコが通路を開いたところではなく、小此木家に湧いたのでしょう? ヤサコの「何か」に引かれた?

「単なる端末機能だけなら、僕の名前でログインできるはずだ」
 ハラケンが机の引き出しから取り出したメガネは、オバちゃんが取り上げたメガネと、いったい何が違うのでしょう? 「MGOS」って?
 あのメガネは、たとえば勉強机に付属する、使用者を選ばない、キーボードとスクリーンを提供するだけの、現在の現実のインターネット・ブラウザ的な機能しか持っていないもの、でしょうか。

 「コイルタグという、黒いメタタグ」
 …メガばあしか作れないもの。オバちゃんとハラケンが使ったものは、猫目製とか?
 それにしても、象徴的に過ぎる呼称です >> コイルタグ。誰の命名なのか……オジジ?

「じゃが、思い出して来たわい。この現象、そして、あのイリーガル」
 …メガばあが忘れた、昔のこと? イサコが言う、過去の事件?

 2007.10.13 
 第20話「カンナとヤサコ」
「わたしの古い記憶によると、最初に用意された身体は、命の無い空っぽの器だったそうです」

 …なんというイミシンさ! ヽ(`Д´)ノ

 オバちゃん、八面六臂のサポート役(;´Д`)。その動機・理由は、自身の過去の「暴挙」・4年前の事件の後始末。

 ハラケンが使ったのはカンナのメガネ。…なんという、深謀な伏線!

「やつらは、最近現れた新顔とは全くの別物よ」
(中略)
「おそらく、一番古いイリーガル。シードメインという未知の空間からやって来た、最初の電脳生物よ」
 …シーはコイルのC(『ウは宇宙のウ』(w)。
 ヌル…危険なイリーガル。NULL? ヌルたちが求めるのは、記憶? 情報?

 電脳コイル…身体と電脳体の分離現象の呼称? としては、個人的には違和感バリバリ、DEATHがっヽ(`Д´)ノ。ヌルとヒトの相互作用の総称概念、とか?

 オバちゃん、ヤサコ、イサコは、ハラケンの救出を最優先に、各々の出来ることを躊躇い無く行って。

 2.0…オバちゃんの「レベルスリーのフォーマット指令」に応じて(?)派遣された、超強力な物理フォーマット・ツール(?)。
 その四角さは、キューちゃんの丸さとの対比で、否が応でも『テラホークス』のアレを連想させる!(笑)。

「待て。最後のキラバグを使うつもりか?」
 …イサコがヤサコに託した「暗号」は、もしかして、イサコが4423を連れ戻すために用意していたもの? だとしたら、なんという勇気・優しさ・純粋さ! 現場にいない・傍観するだけの猫目なんて足下にも及ばない、なんという大人さ!!

 カンナの影? …身も蓋もない疑念を言えば、アレは、ハラケンとヤサコの「深層意識/願望」が生み出した「幻想」・二人の欲求が「古い空間orあっちorイリーガル」を通って現れた「都合の良い応答」・二人の「影/鏡像」、だった可能性があるのではないか、と。

「はい。世界が崩壊する前に。必ず」
 …猫目は、せいぜい中ボス(w。
 「世界の崩壊」が誇張でないとしても、どうにも幼稚な英雄願望・選良意識? な偏向を邪推しまう〜、みたいな(;´Д`)。

 2007.10.20 
 第21話「黒いオートマトン」
「メガネの開発の歴史によると、昔は、様々な投影技術が研究されていたそうです」

 夏休みが終ると、第三小学校の校舎は取り壊し中。
 新しい校舎は、駅近く(?)の高層ビルの、最上階を含む複数フロア! そして、第一小学校とも合併して?
 ハラケンは昏睡状態。オバちゃんは失業。
 そして突然に/学校が始まるのを待っていたかのように、イサコに対して苛烈な「攻撃」が開始される。

 電脳コイル……天孫降臨(超論理的直感風語呂合わせ・核爆)。
 怪しげな、第一小の少年たちの制服姿やタケルから連想したのは、日本の神話…出雲の国譲りとかヤマトタケルとか…と、半村良『黄金伝説』、諸星大二郎『暗黒神話』、宇河弘樹『朝霧の巫女』。
 ヌルは土蜘蛛?

 ハラケンの「四つの丸印」図…エンディングの最後のマンホールの配置がくりそつ?ヽ(`Д´)ノ …デンスケが歩みを止めて上を見る十字路は、あの交差点?

 イサコを襲う、世界の崩壊と絶体絶命の危機。
 なんという無慈悲・なんという急転直下。これは、不要になった危険物の除去? 冷酷な実験の続き? それとも、感情に任せた嗜虐か怨嗟? まさか、これ以上イサコが電脳コイル/イマーゴの影響・干渉・被害を受けないようにするための、苦渋の緊急処置?
 そしてこの先、第一小の少年たちには、どんな応報や救済が待ち受けているのでしょうか。


 (2007.10.22 に、以下の文章を追加しました)。

 ラスボス=メガマス社ボス=イサコの父、という可能性を思いつきました。
 自分の娘なので、親馬鹿的な視野狭窄と身勝手で、大黒市の電脳環境の調査に使ってしまう。
 回復不能な傷を付けようとまでは思わないので、オバちゃんがハラケンのメガネを取り上げたのと同様の方針を、より徹底的させる形で、イサコの電脳適性を壊してしまえ、と、2.0にイサコを襲わせている、と。
 不要な記憶は、操作して消去すれば良い、で。


 戯れ考:コイルのキャラで見立てスターヲーズ(;´Д`)
 メガばあ:ヨーダ
 オジジ:オビ=ワン・ケノービ(クワイ=ガン・ジン風味)
 イサコ:ルーク・スカイウォーカー(アナキン風味)
 ヤサコ:レイア・オーガナ(アミダラ風味)
 フミエ:C−3PO
 デンスケ:R2−D2
 ハラケン:ハン・ソロ
 オバちゃん:チューバッカ
 猫目/タケル:ジャバ・ザ・ハット/ボーバ・フェット
 ?:ダース・ベイダー
 …閑話休題。

 2007.10.27 
 第22話「最後のコイル」
「業界の噂によると、イマーゴ機能を外すことができなかったメガマスは、空間の方を改良したそうです」

 (2007.10.28 、2007.10.29 に、以下の文章の一部を更新しました)。

「この世界を、壊してはならないの。誰かが、そう願った…必死に。だから私は生まれた。この世界を、この気持ちを、永遠に守らなくてはならない」
 …ミチコさん? その人形は?

 イサコが小学六年生の年頃として順当に思える弱さ・不器用さ・頑さを全開にする代わりに、ヤサコは、その存在そのものの謎・異様さが前面に表れてきた感じ、でしょうか。

『電脳局のフォーマットは、緊急性の高い強制措置です。一般の個人データも保護されません。ご自宅で待機するか、メガネの使用を停止して下さい』
「ちっ。遂に強制措置に出たか」
 …大黒市の社会活動全般への悪影響を省みない、大々的な「古い空間」の消去措置が、イサコへの強制執行と時期を合わせるように始まったのは、大人社会が「メガネの子供たち」の敵になった、という解釈で良いのでしょうか。

「それが父さんのためなんだ」
 バーローなタケルきゅん(爆)はお兄ちゃんっ子だった! と言うか、猫目と兄弟って! かつ、この兄弟はメガマス社=黒幕(?)に逆らえない力関係の立場だったとは。
 …そして、ピンクのミゼットは、猫目の完全な制御下には無い?

「兄ちゃん、キラバグって、ホントは何なの?」
「ある実験があったんだ。そこで呪われた生き物たちが生まれた。コイル・ドメインでな。その生き物は、コイル・ドメインに繋がったまま、電脳空間に居座って、自分たちの生存を要求した」
「その生き物は」
「そう、ミチコだ。コイルス倒産後、メガマスは何度もコイル・ドメインをフォーマットしたが、どうしても消滅しなかった。キラバグは、その時発生した、異常空間のカケラなんだ」
「ミチコさんは、今も生きてるの?」
「それは、誰も知らない。誰もな」

 …被造物の造物主への反逆。堕天使とか、『フランケンシュタインの怪物』とか。
 人工知能やロボットの類の造反は、映画『メトロポリス』監督:フリッツ・ラング や小説『R.U.R』カレル・チャペック の昔から定番ですが。

 第12話のヒゲは、意外と「ベータ型」(第16話・オバちゃんの台詞)の中では、一番アルファ(原種 ^^?)に近い存在だったのかも(アルファ/ヌルはコイルスモードで、ベータはメガマスモード? ベータの出現が、アルファによるメガマス空間の汚染・変質・進化、だとすれば、メガマスの危機感は深刻なのでしょうね)。

 コイルス社…電脳メガネの、真の(?)開発元。いま現在は存在しない? 倒産して、メガマス社に吸収された? …馬頭ちーめい+STUDIOねむ『ブレイク−エイジ』のデッガー社とコニー社の関係を連想したり(;´Д`)。

 まさか、オジジはコイル空間(電脳コイル?)をヤサコの電脳体に隠したとか、現在のヤサコは電脳体である電脳コイルによって構成された人工人格=ミチコさん本体とか、だったりはしませんよねぇヽ(`Д´)ノ。父母はオジジが記憶操作して、とか(苦悩)。

 デンスケの不調…メガマス仕様とコイルス仕様の不整合・衝突・競合? コイルス仕様のデンスケの姿が楽しみ、みたいな……コイルスモードの姿は、巨大な黒犬、とか(笑)。

「追跡班、出動よ!!」
「はいぃ?」
 …オバちゃん、自棄なのか慧眼なのか(爆)。
 そしてダイチが巻き込まれることで、黒客とフミエも巻き込まれてしまうのは、たぶん必至でしょう(苦笑)。

 でも、次回は『総復習』って、この期に及んで総集編でぃすかぁ!?

 2007.11.03 
 「総復習」

 主要な登場人物と、彼らが遭遇し経験してきた一連の出来事について、客観的に(登場人物たちの細やかな感情の機微や変化とかを排除し)、時系列に準じて整理整頓された、と感じられる、今回の総集編でした。

 4423の存在形態(苦笑)についての言及が無かったところからすると、それについては、何か進展なり逆転なりの余地がある、ということでしょうか。

 2007.11.10 
 第23話「かなえられた願い」
「ヌルたちによると、彼らは苦しみの種を食べる内に、苦しみを求める生き物としての命を得たそうです」

「何故、古い空間に入るのに道順が要るのか…焼け残った小此木家の資料に、その答えが在ったわ。コイルスは買収された時、公にされたくない実験資料を抱えていた。おそらく、イマーゴやイリーガルに関する、ね」
「それらを迷い道で封印したものが古い空間だったのじゃなぁ」
「ヤサコやカンナが見つけた道がソレね」
「そうよ。浅い領域は全て、あたしか2.0が潰してしまった」
「残ってるとすれば、深い道のりだけだ。おそらく、長い迷路のようになっているだろう…二手に別れよう」
(中略)
「資料によると、イマーゴの発見は偶然だったらしいわ。量子回路の、ある特殊な基盤パターンが、過去、例を見ないほど高性能なアンテナになることに、コイルスの主任技師が気付いた。おかげで微弱な電磁波でも、高速通信できるようになり、いまの電脳メガネと、革命的な通信インフラが実現した。当然コイルスは、その現象の理論を解明しようとしたけど、原理すら判らなかった。しかし、現象の再現と、回路のコピーだけは簡単だった。経営者は量産に踏み切り、コイルスは急成長した。でも、技師の発見はそれだけじゃなかった。回路が電磁波以外の何かを受信していたのを発見したの」
「何かって?」
「人間の意識よ。技師はソレをイマーゴと名付け、さらに実験を繰り返した。人間の意識を電脳空間に取り出したり、イマーゴを逆流させて、意識を操作したり。そして、イマーゴを中心としたコイルシステムを構築し、電脳医療に応用した。それらを隠した場所が、いまも、どこかに眠っているの」

 …これで、現実側の裏事情は、あらかた明かされた、のでしょうか。

「このままずっと、ここで一緒に暮らしたい。あの子に壊されちゃう。お願い、この世界を守って!」
 イサコの回想…「あの子」?

「このビルには、メガマスも入っている」
 辿り着いたのは新校舎(が入っているビル)。

「守衛さん(はぁと)」
「ん?」
「忘れ物を、しちゃったんです。学校に行かせて下さい」
「えぇ?」
「ママに怒られちゃう」
「あぁ、仕方ないなぁ、特別だよ」
 …なんという蠱惑!! ヽ(`Д´)ノ

「お前とは、友達になれたのかどうか、よく判らない。私には、友達というものが、よく判らないから。でも、こんなに近くまで来てくれた他人は、お前が初めてだ。でも、やはり、私が住む世界は、進む道が違うんだ」
「天沢さん…」
「人と人の間には、距離がある。遠い距離が」
『私と兄さんの間にも』
「でも。ゆっくりと丁寧に探せば、隔たりを繋ぐ道が見つかるかもしれない。その道はすごく細くて、ちょっと目を逸らすと、すぐに見失ってしまう。だから、必死に目を凝らして探さなくちゃいけないんだ。道があることを信じられなくなったら、その道は本当に無くなってしまうかもしれない。だから。必ず道はあると信じ続けなくちゃならないんだ」
『すまない』
「え」
「今までの出来事は、たぶん全て私が原因だ。この犬も」
『原川も。そしてたぶん、葦原カンナも』
「天沢さん?」
「メガネで見えるものなんて、全てまやかしだ。もうメガネなんて捨てろ! そして、手で触れられるものだけを信じるんだ。さもないと私のように…」
『…メガネに殺されるぞ』
「天沢さん、切らないで!」
「…さよなら!」
 …なんという回心 ヽ(`Д´)ノ
 この会話の中の「」と『』は、肉声と電話越しの声の区別。

 大黒市史跡博物館の最下層(?)の一室にあったコイルスの空間に、猫目から教わった(?)パスワードを入力すると、コイルスのデバイスが出現。

 部屋の天井には、古代日本の墳墓の玄室の天井の天文画のような線刻/紋様が散らばっていて。
 …この線刻/紋様は、コイルス空間のものでしょうか、それとも、大黒市史跡博物館が、この部屋に施した展示物のものなのでしょうか。

 デバイスにデンスケを据えると、自動的に処置(?)が始まり、空間に電脳鍵が出現。その鍵をデンスケの首輪に使うと。
 …この後の、デンスケのキラバグ代替処置は、猫目の介入でしょうか。

「なんだ、これは? これはまるで、キラバグ!?」
「ああ、その通りだ」
「宗助!」
「よかったな、その犬、病気が治って。勇子、我々は全てを解決する方法を見つけたんだ」
「?」
「その犬の電脳体だ。このコイルドメインでは、コイルスノードがキラバグの替わりとして、燃料になるんだ」
(中略)
「これでお前の望みも叶う。アノヒトも喜んでいる。お前に会いたがっていたぞ」
「アノヒト?」
「ミチコさん」
「宗助、お前はいったい、何を!」
「ミチコさんと契約した」
「宗助!」
「君はあっちでお兄さんと暮らす。僕はあっちの存在を実証できる。これでみんな幸せになれる。君も嬉しいだろう? 勇子。思い出したな。ミチコさんは、お前と信彦を引き離したんじゃない」
「違う…」
「願いを叶えたんだ。ずっと一緒に居られるように、信彦をあっちに閉じ込めて欲しいという、お前の願いをな」
「やめろっ!!」
 イサコはコイルドメインを破壊する…自分を代償に。
 デンスケは、ヤサコを庇ってヌルたちに襲われ、見えなくなる。
 そして、やってきた2.0がフォーマットを行い、部屋には「NO DATA」になったイサコが横たわって。

 …イサコの受難は、罪(願い)に対する罰(対価)? これで、イサコの電脳体はあっちへ行って……それが「かなえられた願い」だと?ヽ(`Д´)ノミトメタクナイ!!

 猫目の先のラスボスは、まさかのミチコさん?
 イサコが回想で言っていた「あの子」とは、猫目宗助?

 イサコの兄の名前は信彦…4423=ヨシフミ だと、てっきりっヽ(`Д´)ノ

 2.0を大黒市史跡博物館に導いたのは…2.0の探知能力? 猫目? オバちゃん?

 2007.11.17 
 第24話「メガネを捨てる子供たち」
「天沢勇子の言葉によると、人と人とを繋ぐ心の道は、細く途切れ易いそうです」

 病院で目覚めるヤサコ。オバちゃんが現状を説明します。
 事件の真相は伏せられ、イサコの身柄はメガマス社が確保し、京子はメガネを取り上げられたこととデンスケの不在に嘆き、メガばあはぎっくり腰で入院していました。

 子供たちは親の手でメガネを取り上げられてしまいました。

「なんだか……なんだか、何にも感じないの。悪い夢か何かだったみたい、何もかも…」
(略)
「お母さんの身体、あったかい?」
「うん」
「柔らかい?」
「うん」
「ちょっと痛い?」
「うん」
「判る? 優ちゃん。こうして触れるものが、あったかいものが、信じられるものなの。ぎゅっとやると、ちょっとくすぐったくて、ちょっと痛いの。判る?」
「お母さん…」
「優ちゃん、それが生きてるってことなの。メガネの世界は、それがないでしょ? 優ちゃん。戻って来なさい、生きている世界に。あったかい世界に」
「お母さん」
「だから、メガネはもうお終い。替わりに携帯買ってあげる。退屈したら、いっしょに遊んであげる。だから。だから、メガネはもうお終い」
「うん…」
(略)
「なんでだろ。涙が、出ないの」
「ヤサコ?」
「何か、まだデンスケが死んだって、ピンとこなくて。それに、天沢さんのことも。あたしって、薄情モンなのかな。フミエちゃんの言う通りだ。感情移入したら損だね」
「ヤサコ」
「でもバカみたい、この辺が痛いの。まるで、デンスケが本物の犬だったみたい。あたしや京子を元気付けようと、いつも一生懸命だった。サヨナラも言えなかった。デンスケの毛並みに触りたいって、いつも思ってた。小さい頃、デンスケに触っても感触が無いことが判らなくて、そのうち触れるようになるんじゃないかって。判ってた。デンスケは本物の生き物じゃない。だから、死ぬ時も痛くなかったと思う」
「ヤサコ…」
「だから私も痛くない。データが消えただけ。それだけ。だから…」
 そんなヤサコは、見知らぬ現実の犬の声をデンスケの声と聞き間違えて、そしてようやく、デンスケの消滅を、事実として受け入れ、涙を流します。

 イサコの兄・ノブヒコについて訊かれたイサコの叔父がオバちゃんに返した言葉は、
「にじゅうに、です。今はこれだけしか」
 オバちゃんはイサコの収容先…なんと! なぜか、あの4423室…を突き止め、そこでイサコの叔父からイサコの事情を知ることに。
 …にじゅうに:22? 二重に?(;´Д`)

「なんだか、全部夢だったみたい…」
「フサフサだったよ。いい匂いがしたよ。あったかかったよ」
 …電脳ペットは「触られること」に反応・対応します。人は電脳ペットに触れないけど、電脳ペットは「触られて」います。
 そんなふうに、考えてみたり/考えたかったり ヽ(`Д´)ノ。

 深夜、目覚めたヤサコは自問自答します。
「…ああ、そうか。もう、いないんだ。メガネも、デンスケも」
「…なんだろう、これ。胸が、痛い」
『メガネで見えるものなんて、全てまやかしだ。手で触れられるものだけを信じるんだ』
「…天沢さんも、同じこと言ってる。この世界は皆、手で触れるもので出来ている。手で触ると、サラサラだったり、フカフカだったり。これからは、手で触れるものだけを信じて生きてゆこう。手で触れられないものは[まやかし]。だから、この悲しい気持ちも、きっと[まやかし]。ほんとは悲しくなんか、ない。こんな辛い気持ちも、きっとすぐに忘れる。だって[まやかし]なんだもの」
「…本当に? 本物って、何? 手で触れられるものが本物なの? 手で触れられないものは、本物じゃないの? 今、本当にここにあるものは何? 間違いなく今、ここにあるものって、何?」
「…胸の痛み。今、本当にここにあるものは、この胸の痛み。これはまやかしなんかじゃない。手で触れられないけど、今、信じられるのは、この痛みだけ。この痛みを感じる方向に、本当の何かがある!」
 次の朝。
 ヤサコは、オジジのメガネ(? それともメガばあの?)を身に着けて、金沢に向かいます。都市伝説のはざま交差点が、昔の金沢の友人が言っていた場所だと思い付いて。

「もしもし。待って! 私の話を聞いて下さい! 甥が解析したカンナのメガネに、ある情報が含まれてて」
 …オバちゃんが電話した相手は? イサコの叔父? それとも、ヤサコの父・電脳管理室室長?
 なんと! ハラケンが目覚め、オバちゃんのメガネを無断借用して、ヤサコと同期したかのように、動き出します……どこに? 何を意図して?。

「兄ちゃん、本当に僕らがしていることは、父ちゃんの名誉のためになるんだろうか?」
「またその話か」
 猫目は…特に活動・工作の類は行っていない様ですが、現状が、自分たちに都合が良い情況なので、静観している?

 その頃ダイチは学校で、多少以上に復権?(^^;

 そして「金沢のマユミちゃん」が?
「わたしがイジメてた? イジメていたのは、あなたの方じゃない!」
 えぇっ!?ヽ(`Д´)ノ

 2007.11.24 
 第25話「金沢市はざま交差点」
「コイルスの資料によると、ヌル・キャリアは初め、心の欠け片を集める探査装置だったそうです」

 「金沢のマユミちゃん」…あれで退場? 作劇上の意図は? ヤサコの[過去の、無自覚な独善・未熟さ]/[現在の、自覚的な成長]の提示? これだけだと、何か、唐突な感じと言うか、モヤモヤとした未消化感が残ってしまっています。

『デバイスID、確認されました。小此木先生、試験領域にアクセスしますか?』
|  ● ヌル・キャリアーに関するヘルプ ●
|・電脳体移送条件として、コイルコイルス社から発行
| された認証IDの取得が必要になります
|・認証IDの発行には専用のデバイスが必要になります
|・分離後はヌル・キャリアーの誘導に従い、速やかに
| 試験空間入り口に進んでください
|        − 注意 −
|・電脳体分離現象、並びに試験空間への電脳体移送
| における■■年齢は、6歳〜18歳であり、例外を除き
| これ以上の年齢の者はヌル・キャリアーの使用を許可
| しません
|・試験空間に接続中は、デバイスを第三者が外す
| ことを固く禁止します
|                  小此木 宏文
 …「■■」は、読み取れませんでした。「18歳」は「13歳」かもしれません。

 …それにしてもオバちゃん、あまりにも解説(ネタばらし)し過ぎ、みたいなヽ(`Д´)ノ。

 たま、健気だよ、たま(;_;)。

 4423…な、なんだってーヽ(`Д´)ノ。

 あのミチコさんは、実は当時の天沢勇子で? だから、現在の天沢勇子が「あっち」の維持に必須で?
 イサコとヤサコの、思い出の4423は、もしかして、イサコの治療に自身の電脳体をヌル・キャリアに託していたオジジ(の残留思念)?

 猫目宗助の、最終的な自業自得の収支は、はたしてどうなるのか/どうするのか、期待と不安が半々です。

 2007.12.01 
 第26話「ヤサコとイサコ」
「都市伝説によると、電脳ペットは死んだ後、ある場所に移り住むそうです」

「さようなら、デンスケ」
 …ヤサコとデンスケの別れのシーン、泣いてしまいました。ちゃんと別れが描かれたことを「善哉」と思います。

 ヤサコ父=コイル探偵局の壱。猫目宗助=参、でしたか。

「ミチコは、私のキスと、あなたの苦しみの子供!」
(中略)
「天沢さんの、バカッ! それでも天沢勇子なの!? あの勇ましい天沢さんなら、戻って来られるはずよっ!! 勇子のユウは、勇ましいのユウっ!!」
『やめて』
「痛い…」
「勇ましい、あなたは痛みを恐れない、勇ましい女の子! だからイサコっ!! 戻って来なさいっ! イサコっ!!」
「あ……ヤサコ?」
『だめ。だめよ。あぁあ! やめて! 何をするの!?』
「行くんだ勇子!」
「お兄ちゃん!」
「これで、本当のさよならだ」
『待って……言ってはダメ。そっちには痛みと苦しみしかないの』
「…だから。だから行かなければならないの! あたしはこれから、あなたたち無しでも、自分一人で生きて行かなくてはならないからっ!」
『やめて、私の勇子。私を捨てないで、勇子!!』
「いきなさい、勇子! 「痛みを感じる方向に、出口がある!!」」
「あなたの夢に繋がっていたのね」
「うん…いつも不思議に思ってた。私の心の世界は、ずっとあなたの心の世界に繋がってた」
「あたし、あなたのことが、キライだった」
「うん」
「でも判ったの。何故キライだったのか」
「うん」
「…ずっと、怖かった。誰かと心が繋がることが、怖かった。でも、もう怖くない」
「うん」
「見失っても、必ず道はどこかにある」
「人は、細い道で繋がってる。時々見失うけど」
「でも、きっと繋がっている」
「うん…」

「おかえり、イサコ」
「ただいま、ヤサコ」

 イリーガル…ハラケンによると、それは、敵わなかった/叶わなかった/適わなかった、感情、だそうです? なんて感じの、ヤサコの語りが空耳したり、しなかったりヽ(`Д´)ノ

 オバちゃん、ハラケンを見限り(?)、タケルと親密な感じに、って!!ヽ(`Д´)ノ(笑)。

 猫目宗助は行方不明に?
 物語が終った今、彼は、妄執を持ったまま、ずっと彷徨い続けることしか出来ません。それが、彼の罪に対する罰なのかな、と考えます。

「私はイサコ。名づけ親はあんただ」
 …なんという『デンスケがみてる』END!!ヽ(`Д´)ノ

 フミエやダイチやデンパやガチャギリやナメッチが、最後のエピソードで活躍させてもらえなかったことが、少し心残りです。