『惑星(ほし)のさみだれ 1〜7』少年画報社
第1巻 購入:2006/01/28
第2巻 購入:2006/09/28
第3巻 購入:2007/05/29
第4巻 購入:2007/10/27
第5巻 購入:2008/05/27
第6巻 購入:2008/10/30
第7巻 購入:2009/05/03
ジャ●ラ(謎)。
主人公(?)は雨宮夕日という、外見は「貧弱根暗メガネ」な大学生。…外見とか苗字とか、某T島S宇のキャラを連想しました。
ヒロイン(?)は朝比奈さみだれという、色々と大変に元気な少女(中学生? 高校生?)。
作品の題名は、ヒロイン(?)の名前、でしょうか。そして、二人の名前が微妙(あからさま?)に倒置(?)な点には果たしてどんな暗喩(?)が。
1巻では正体不明(という以前に、存在すら怪しい感じ)な「魔法使い」の行動を阻止し、「姫」(=朝比奈さみだれ)を守るために「騎士」となった、と、ある日の朝、日本語をしゃべるトカゲに告げられた、雨宮夕日。
初めは自身の精神が異常をきたしたのか、と疑ったものの、「魔法使い」の手先である泥人形(人間と同じスケールながら、常人では太刀打ち不可能なレベルの圧倒的な物理的戦闘力を付与された怪物…その印象に、某エヴァの使徒を私は連想しました)の襲撃を受け危機一髪のところを、「姫」の右パンチの一閃に救われ。
そして「騎士」は大胆な野望を口にする「姫」に忠誠を誓い。
作品の題名には[The Lucifer and Biscuit Hammer]と添えられています。こちらの方が、作品内容との符合が判り易いですね。
2006.10.21 記
『この戦いの始まりが終わる時が来た』(P106)
雨宮夕日が夢の中で朝比奈さみだれ(の別人格?)と会う場所は、「魔法使い」の最大の武器であり象徴でもある「ビスケットハンマー」の上。(P66〜67)
「幻獣の三騎士にも 精霊(プリンセス)にも泥人形にも 魔法使いにも こんなことできる者など 居ないハズだ」(P184)
「前回の 最後の戦い」(P127)
…惑星を砕くもの/魔法使いと、それを防ぐ/それと戦う者たちとの間には、単純な対立構造ではない[謎]が、いろいろと内包されている感じで。
そしてそれは、今回の「姫」の[秘密]と、そんな「姫」と「トカゲの騎士」の密約にも、多分、多大な相互作用を及ぼす様子で。
それとは別に/並立して、色々な過去を持ちそれぞれに現在を生きる人間としての登場人物たちの間でも、個々の思考・目的・意図が、それぞれの立場や都合で関係したり絡み合ったり、で。
この、なんとも[先]の読めない物語が、楽しいです。
2007.05.30 記
敵・魔法使いが姿を現し。
獣の騎士団も十二名(ただし二名は既に死亡)が揃い。
…この巻では、様々な「名前」に興味を引かれます。
魔法使いの呼称(?)は、意味深と言うか何と言うか。「誰か/何か」の深謀遠慮か諧謔か自作自演か、とすら思えてきたり(苦笑)。
獣の騎士団の、騎士(人間)の名前は、天空(?)に関連するもののような気がします。獣の方は・・・う〜ん?(;´Д`)。
幻獣の三騎士は謎のまま、ですが。幻獣…竜/龍、一角獣/ペガサス、と・・・さて、何でしょう?(爆)。
2007.05.31 記
幻獣の三騎士…予想/期待する候補として、グリフォン/スフィンクス/キマイラ/鵺、あたり? を思い付きました(;´Д`)。
2007.10.27 記
以下は、P123の魔法使いの言葉です(激しくネタバレなので伏せ)。
未来で生まれ
時空をすり潰しながら
過去へと遡り
全ての原初まで
収束する先進波
宇宙を創造した
神という名の超能力者と
対になるべく生まれた
破壊神
それが
ぼく
以上は、P123の魔法使いの言葉です(激しくネタバレなので伏せ)。
そして、それこそ魔法使いが言う「
対」存在とも思える「
全てを知るもの」までもが存在を露にして。
…個人的には、地球人類がそこまで中心な訳ないだろうヨ〜ヽ(`Д´)ノ、と思ってしまうのですが。
あるいは、この魔法使いアニムスは、全宇宙的な「
先進波」の、地球時空における端末的存在に過ぎない、とかだったりするのでしょうか。
で、精霊(プリンセス)は、地球存在の「抵抗力/反作用」とか。
「知るだけではダメなんだ…」(P189)
…この言葉を含む、フルバージョンの台詞は、とても熱く、心を震わせてくれます。
2008.05.27 記
降臨、満を持して。
or
わたしはわたしの意図と都合で動く。
or
お兄様、あなたを墜落です。
…「双子の兄妹」(P33)アニムスとアニマ。未だ、この二人(?)の本意は見えてきません。
この巻で姿を見せたアニマの、いかにも思わせぶりなデザインの容姿の意味は、はたして何でしょうヽ(`Д´)ノ。
2008.10.30 記
「わしゃ勝てん戦いにゃ飽いた」(P17)
…でも、そんな厭戦気分は、一期一会の唯の人には無理無縁な[余裕]でしかない、と思わされた今回の展開、みたいな。
アニマやアニムスの都合・役割の、指輪の従者たちの思惑・遍歴の、そして、今代の獣の騎士たちの経歴・経験の、絶対的な不変から相互作用による変容までの、その温度差の描かれ具合に感心・感動します。
2009.05.05 記
「悪」の魅力(の一つ)は、その存在理由が「奔放不羈」であること、なのかもしれない、かな? と思った今回でした。
アニムスの「目的・意志」は、アニマや獣の騎士団の存在の有無に関わらず成立しますが、その「目的・意志」を阻止することを存在意義・理由とする側は、自身の存在意義の消滅を目指して活動している、と見ることもできる訳で、とか(苦笑)。
でも、アニムスとアニマの相互関係は、兄と妹、というより、子供と母親、な感じに思えるのですが。
子供と大人、先輩と後輩、師匠と弟子。
「(世間一般的な「立派」とは言えないかもしれないけど)子供が見てステキな大人」を目指そうとし始めたような、雨宮夕日の「変化」(「成長」とは言いたくない ^^;)は、魔王の騎士であることを、どう、子供たちに見せるのでしょう。