宇宙を想う ...last update 2016.09.25 [上]に戻る
 太陽系の運動太陽系を眺めて影を行く宇宙へ向かう宇宙で暮らす
太陽系の運動

 「太陽系惑星の公転軌道を正確に表したGIF画像が海外で話題に」:http://blog.livedoor.jp/drazuli/archives/6335298.html
 …というサイト・ページを見て。

 The helical model - our solar system is a vortex:http://www.youtube.com/watch?v=0jHsq36_NTU&feature=player_embedded
 The helical model - our Galaxy is a vortex :http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=C4V-ooITrws
 …上記ページの画像の、YouTubeのアドレスです。

 上側の、太陽系の螺旋運動の方は、下の「太陽系を眺めて」と同様・・・かと思えるのですが、誇張表現された惑星の動きは、特に土星の輪の動きを見ると、自転軸の動きが変な気がします。歳差運動が加味されている、のかもしれませんが、自転軸は公転運動には影響されずに一定方向を向く(だからこそ地球の中緯度〜高緯度には四季が生じる)はずなので。

 下側の、銀河系レベルでの太陽系の螺旋運動は、太陽の世界線が螺旋を描いているのが不思議というか疑問というか。
 太陽は、銀河系の核の回りを回っているだけでなく、太陽系の周囲の空間のどこかにある、何らかの重力的な中心の回りを回っている、のでしょうか。その、太陽の世界線の回転中心は何なのでしょう。太陽の世界線に螺旋を描かせる重力源は何でしょう。
 また、太陽の世界線の螺旋運動に合わせるように、惑星の世界線の螺旋が変移しているように見えます。右ねじの法則で表される、電流の流線の曲率に沿った磁場の螺旋の屈曲のような感じですが、惑星の世界線を屈曲させる「力」は、どこからどのように作用する力なのでしょう。惑星の自転軸が惑星の公転運動に影響されないように、惑星の公転軸は太陽の世界線の螺旋の屈曲には影響されないと思うのですが。
 あるいは、この映像で描かれている太陽の世界線の螺旋運動は、こんな感じではないだろうか、という想定、なのでしょうか。


 2016.09.25記

 上記について、閲覧された方からメールを戴きました。

 メールで紹介戴いたのは、話題にした動画への批判ページです。

 No, Our Solar System is NOT a “Vortex”:http://www.slate.com/blogs/bad_astronomy/2013/03/04/vortex_motion_viral_video_showing_sun_s_motion_through_galaxy_is_wrong.html

 No, Our Solar System is NOT a “Vortex”の紹介・和訳:http://anond.hatelabo.jp/20140830230307

 …和訳を読んでの感想ですが、「動画作者が立脚点とした太陽系運動理論が間違っている」として、動画作者本人よりも、間違った太陽系運動理論の提唱者の方を批判しているように思えました。

 そして、上記の太陽系運動動画への批判動画がある、として、以下のページを紹介戴きました。

 The Solar System Is Not A Vortex, But It Might As Well Be:http://www.rhysy.net/solar-system-vortex.html

 …このページの、下の方の動画は、惑星の公転方向が逆に思えます。

 さらに、元々の動画の作者による、改訂版の動画も紹介戴きました。

 Solar System 2.0 - the helical model:http://www.djsadhu.com/audio-video/audio-production/solar-system-2-0-new-animation/

 …銀河系の回転面を含む平面と、太陽系の主惑星の公転面を含む平面の成す角は傾いているものの、太陽系の進行方向と太陽系の主惑星の公転面を含む平面の成す角は90度のまま、という点には苦笑するしかないです。

太陽系を眺めて

太陽と地球の軌道(俯瞰)
 図1 太陽−地球系(俯瞰)
太陽と地球の軌道(追尾)
 図2 太陽−地球系(追尾)
太陽と地球の軌道(銀河系・俯瞰)
 図3 太陽−地球系(銀河系・俯瞰)

 まずは、見辛い手書きの画ですいません m(_;_)m。

 上図は[銀河回転する太陽の周囲を公転する地球]の、大雑把な概念図です。図1は図2の春分方向から見たもの、図2は図1の下から見たもの、図3は銀河系全体を春分の方向から見下ろしたもの、です。

 地球は自転の赤道面を公転軌道面に対して23.4度傾けて、太陽の回りを回っています。地軸は、北極側がほぼ北極星の方向を向いています。自転軸の傾く方向は、公転による地球の移動に関わらず、常に同じ方向を向いています(歳差運動で変化することはありますが)。そうでなければ四季も白夜もありません。
 地球の公転軸は、現時点では太陽(系)の銀河回転の向きに近い方向を向いていますが、これも自転軸と同様、図3の様に銀河回転による太陽系の移動に関わらず常に同じ方向を向く、と考えるべきだと思います。

 太陽系近傍の恒星群に対して、太陽系は秒速約20kmでヘラクレス座の中のこと座寄りの一点に向かう運動をしている、とあります(高瀬文志郎 著『星・銀河・宇宙 −100億光年ズームアップ−』地人書館)。この運動は太陽運動と呼ばれるもので、太陽系の銀河回転運動とは違う速度成分のようです(参考資料の記述は私にはそのように読めます)。
 太陽系の銀河回転面も、銀河系の回転面と完全には重ならず、多少は傾いているようです(石田憲一 著『理科年表読本 宇宙の科学』丸善株式会社)。

 現時点での地球の公転軌道面は、銀河系の回転面に対して垂直に近い形で交差している…理科・地学・天文関係の書籍で、地球/太陽系/銀河系/宇宙と広がるスケールの説明の中で、このスケールの幾何学的な様子を数値や図で明確に示したものを、私はほとんど目にしたことがありません。特に図解は『Newton 2003 2月号』に、いまひとつ直感的に把握しにくい形ですが掲載されているものを見たくらい、でしょうか。
 図3で示した位置関係への言及は、私は目にしたことがありません(ので、私が間違っている可能性は否定できません)。
 学校の授業でも…私が覚えていないだけ、という可能性も高いですが…太陽系と銀河系の幾何学的な位置関係について説明された記憶が無かったりします。
 何年か前、星座表を見ていて、黄道と天の川が垂直に近い関係にあることに今更ながら気付いたのが、上記のような視点で宇宙を見る切っ掛けでした。


 2003.11.05記
 例えば、宇宙船が地球を目指して太陽系の外から太陽系に接近する場合、ランデブーのし易さを考えれば地球の公転面(黄道面)に沿って近づくことになるのでしょうけど、北極星の方向から来る場合と射手座(銀河中心核)の方向から来る場合とでは、宇宙船の軌道や機動は全く違うでしょう。

 太陽系のような恒星系は、宇宙塵が寄り集まって暗黒星雲になり、渦を巻きながら恒星や惑星へと凝集してゆくことで形成されます。太陽系が図3のような感じで銀河回転しているのであれば、その、もともとの宇宙塵の渦が形作られた位置や時期が、宇宙塵の凝集具合から推測できないでしょうか。

 上記の言説に間違いがありましたら、TOPページの[更新情報、他] のページにあるメールアドレスまでお知らせください m(_;_)m。

 参考資料
 監修 小島丈児 村上忠敬『新編 地学図解』第一学習社(1975年1月10日 改訂17版)
 高瀬文志郎 著『星・銀河・宇宙 −100億光年ズームアップ−』地人書館(1999年4月1日 初版第3刷)
 石田憲一 著『理科年表読本 宇宙の科学』丸善株式会社(1999年6月20日 第3刷発行)
 SSSP編『BLUE BACKS CD−ROM 太陽系シミュレーター 時空を超えた惑星間飛行』講談社(2003年9月20日 第1刷発行)


 2007.11.27記

 銀河座標

『地球の赤道を天球に投影した大円を天の赤道と呼ぶ。同様に、地球の北極・南極を投影した点を天の北極・天の南極と呼ぶ』
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E5%BA%A7%E6%A8%99%E7%B3%BB より。

『銀河赤道は天の川の中心線とほぼ一致する。銀河赤道と天の赤道は2000年分点で62度52分の角度を成している』
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E5%BA%A7%E6%A8%99 より。

 …銀河系の回転面を含む平面と、太陽系の主惑星の公転面を含む平面とは、だいたい62°くらいの角度を成している、ということ、だと解釈する。

 銀河系の恒星の軌道速度

『銀河系の質量分布は多くの銀河の場合と同様に、銀河系内の恒星の軌道速度が中心からの距離によらずほぼ同じ速度となるような質量分布を持っている。中心のバルジや外縁部を除くと、銀河系の恒星の典型的な速度は約210〜240km/s である』
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E7%B3%BB より。

 地球の公転速度

『公転速度は、概算なら地球の平均軌道半径が1.5億kmで、1年(365.25日)で1周するから、
2πx1.5x10^8/(365.25x24)=107500km/h=30km/s
ただし、厳密には、地球は楕円軌道上を公転しているので、太陽に近づいたときは若干速くなり、遠のいたときは若干遅くなります』
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011612975 より。

 …これらの情報を基に、[図1]〜[図3]を Shade 6 advance で改めて作図してみました。

太陽と地球の軌道(銀河系・俯瞰)
 図4 太陽−地球系(銀河系・俯瞰)

太陽と地球の軌道(俯瞰)
 図5 太陽−地球系(俯瞰)

 太陽系の主惑星(地球)の公転面の向きや傾きは、太陽(系)の銀河回転による位置変化に関わらず、図4のように同じ向き・傾きを保つのだろう、と、太陽系の惑星の自転の向き・傾きが惑星の公転による太陽に対する位置変化に関わらず同じ向き・傾きを保つことから、推測しています。

 図4、図5の円弧や螺旋の寸法比は、見易さ・作画し易さを優先して、大雑把な近似・恣意的な設定で作成したものです、念の為。

 カイパーベルトやオールト雲で、銀河核恒星系方向から来る電磁波や高速の粒子流は、太陽系内に入るまでに、どれくらい減衰されているのでしょう。
 約七千万年後=90度進んだ/約七千万年前=90度戻った位置では、銀河核恒星系方向が太陽系の惑星系公転面に垂直な方向になります。
 恐竜絶滅は、約六千五百万年前。
 SFな空想が出来そうです(笑)。

影を行く

 2004.06.11 記
 ・金星の太陽面通過(参考→http://www.asahi.com/science/update/0608/002.html)
 ・日食
 ・月食

 金星の太陽面通過…太陽光を金星が遮った影と地球が交差する/金星の影の中を地球が横切る。
 日食…太陽光を月が遮った影と地球が交差する/月の影の中を地球が横切る。…月の太陽面通過(とは言わない?)。
 つまり現象そのものは、観測者が月や金星の影のある場所に行けば常時観測可能である、ということです。

 月食…太陽光を地球が遮った影と月が交差する/地球の影の中を月が横切る。
 太陽と月と地球の位置取りによって、観測者の位置とは無関係に起きる現象で、三つの天体が特定の位置関係になる時にだけ起きる現象です。
 地球の太陽面通過を月から見ることができる時、とも言えますか。

 地球上で目にする日食では、影と光球の大きさが同じであることが判ります。それはつまり、太陽と月の、地球からの見かけの大きさが同じである、と言うことで、そのことには感銘を覚えます。

宇宙へ向かう

 2005.10.03 記
 生身の人間を地球外へ送り出す理由、として。

 「産んで増えて地に満ちるよ」という人類の強固な意志は、人類の総人口を70億に迫ろうとさせていて、今後も増え続けることは確実であろうと考えます。その理由として私は、世界的な、科学技術に基礎を置く自由経済社会の継続と医療技術の発達と、人口抑制の困難さ、を挙げたいと思います。
 人々は豊さを求め、組織は利益拡大を目指し、欲望を抑制する社会的な認識・風潮は少数派であり続けるだろうとしか思えず。
 故に、地球環境が人類の活動によって、人類自身の生命維持に適さなくなってゆく可能性は高まり続け。

 地球が生命維持力を失っても人類が存続を続けるためには、地球に依存しない生命維持環境を、空間的・資源的な上限のある地球上だけではなく、地球外にも構築する必要がある、と考えます。
 そのためには、生身の人間を地球外に送り出す技術を確立させなければなりません。軌道エレベータ、宇宙ステーション、有人宇宙船の技術開発は、そのための必須項目である、と思うのです。


 2005.10.04 記
 つまり、現在ほぼ全地球的に広がっている「自由経済社会/科学技術文明」を、今後も維持してゆくのであれば、人類は宇宙にも居住範囲を広げる必要がある、と私は感じている訳です。

 地球という「孤島/小島」は、居住空間としても資源的にも上限があり。地球に固執するのであれば、その「許容量」を超えない範囲に、人類の活動を抑える必要があります。端的には、人口抑制が必須である、と私には思えます。が、今のところ、社会的な同意の基に平和的・文化的に人口抑制を行おうとする気風を、人類文明は持っていないと思えます。今後も、世界的な共通認識としては持ち得ないのではないか、と個人的には感じています。

 なので、宇宙への進出は現在の人類の未来にとって取捨選択の余地の無い要件であり、そのための科学技術(軌道エレベータ、宇宙ステーション、有人宇宙船)の確立・展開もまた、可能な限り早急に行わなければならない事業である、と私は考えるのでした。

宇宙で暮らす

 2006.05.21 記
 人間は、地球の「外」で生きることに耐えられるでしょうか、と、今更ながらに、ふと思って。

 今現在の「大地」と似た・でも故郷とは別の「新天地」を求める人が、もしかして多数派なのかもしれない、と。
 旅行気分や、漂泊・流浪の根無し草的な生き方を求める向きとは違う、地に足のついた「日常/生活」を送る「場所」を求めたい人々に、地球型惑星への植民・移民以外の選択肢はあるのでしょうか、と。

 現実を見ても。
 月は荒涼とし過ぎていて、宇宙空間は虚無に過ぎて。かといって、一足飛びの火星への植民も難しく。

 一方で自分の感覚として。
 月も火星も、天然自然の「土地/大地」は、重力井戸の底であることに変わりはなく。
 月面の地球側は「自然保護/観光資源」の対象になる公算が高い、と予想。
 火星を含む太陽系内の主要な惑星も全て、「自然保護/観光資源」の点では色々とありそうな気がして。
 あと、地球への地球外資源(物質)の持ち込みについて、地球資源(物質)の持ち出しも合わせて、厳しく制限・管理したい、と個人的に思っていますし。

 そこで私が思い描くのが、「遊星」と「港町」の構想、です。

 ***

 遊星…小惑星に恒久的な生活設備を作り付け、太陽に対する公転軌道を調整したもの。各種資源の採集・生産・加工・運送が主な産業。遊星の「本籍地」は(便宜上)小惑星帯。

 先ずは無人の資源探査機を多数、小惑星帯に送り込み、有用な資源を探査し、遊星化可能なものを物色。
 有望な資源の量や採掘の難易度によっては、現在の国家や企業の間での先行競争や所有権/開発優先権の奪い合いがあるかも、とか思ったりも(−−;。

 遊星化…軌道変更・資源採掘・居住環境構築の、同時進行。居住者の受け入れ。
 大雑把なイメージでは。
 二つの岩塊を選び。一方に居住環境を組み込み「家/村/町/土地」にして、他方を資源/推進剤として砕いて。キャッチボールな感じで、砕いた岩塊を投げ合って、それを軌道変更の作用・反作用にして。小規模な遊星であれば、太陽光帆での軌道速度の変更も併用して。

 ***

 港町…惑星の公転軌道上の、太陽とのL4とL5に設営する、宇宙都市とボロ・システム。遊星と惑星を結ぶ「中継地」。
 地球圏の場合、地上側のみで設営可能な、地球からの安価で大規模な人員資源の送出手段…カタパルト/部分軌道環とか…の確立と、その後の月面の開発の後で、太陽−地球のL4とL5に、月から資源を送り込んで宇宙都市とボロ・システムを造って。
 遊星や惑星圏との連絡は、いわゆる宇宙船+ポロ・システムで。貨物専用で太陽光帆船も。
 「港」は、ボロ・システムで。宇宙船の獲得速度を可能な限り殺さないように。回転するシャフトか円弧の端に遊星/惑星圏用宇宙船の発着場があって。乗客や荷物はシャフトを通って、ボロ・システムの回転中心にある、宇宙都市との連絡用宇宙船発着場と連絡する構成で。

 地球−月のL4とL5を使わないのは、万が一の事故やテロによる、遊星の地球衝突の可能性を減らすため。

 太陽と惑星のL4とL5を使うのは、重力的な安定性の面で、他よりも良さそうな気がする(^^;から、というだけです。なので、何かもっと都合が良い条件・理由があるのなら、太陽と惑星のL点には固執しませんので、念の為。

 ***

 遊星は色々な楕円軌道で太陽系内を巡り、各惑星圏の港町との軌道要素が合う時には、遊星と港町の間を資源や人員を乗せた宇宙船が行き来する、というイメージです。

 この「遊星」と「港町」の構想には、地球圏以外の惑星圏を開発するための「兵站」の役割も担わせられるなぁ、と言う思惑もあります。

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