まずは、見辛い手書きの画ですいません m(_;_)m。
上図は[銀河回転する太陽の周囲を公転する地球]の、大雑把な概念図です。図1は図2の春分方向から見たもの、図2は図1の下から見たもの、図3は銀河系全体を春分の方向から見下ろしたもの、です。
地球は自転の赤道面を公転軌道面に対して23.4度傾けて、太陽の回りを回っています。地軸は、北極側がほぼ北極星の方向を向いています。自転軸の傾く方向は、公転による地球の移動に関わらず、常に同じ方向を向いています(歳差運動で変化することはありますが)。そうでなければ四季も白夜もありません。
地球の公転軸は、現時点では太陽(系)の銀河回転の向きに近い方向を向いていますが、これも自転軸と同様、図3の様に銀河回転による太陽系の移動に関わらず常に同じ方向を向く、と考えるべきだと思います。
太陽系近傍の恒星群に対して、太陽系は秒速約20kmでヘラクレス座の中のこと座寄りの一点に向かう運動をしている、とあります(高瀬文志郎 著『星・銀河・宇宙 −100億光年ズームアップ−』地人書館)。この運動は太陽運動と呼ばれるもので、太陽系の銀河回転運動とは違う速度成分のようです(参考資料の記述は私にはそのように読めます)。
太陽系の銀河回転面も、銀河系の回転面と完全には重ならず、多少は傾いているようです(石田憲一 著『理科年表読本 宇宙の科学』丸善株式会社)。
現時点での地球の公転軌道面は、銀河系の回転面に対して垂直に近い形で交差している…理科・地学・天文関係の書籍で、地球/太陽系/銀河系/宇宙と広がるスケールの説明の中で、このスケールの幾何学的な様子を数値や図で明確に示したものを、私はほとんど目にしたことがありません。特に図解は『Newton 2003 2月号』に、いまひとつ直感的に把握しにくい形ですが掲載されているものを見たくらい、でしょうか。
図3で示した位置関係への言及は、私は目にしたことがありません(ので、私が間違っている可能性は否定できません)。
学校の授業でも…私が覚えていないだけ、という可能性も高いですが…太陽系と銀河系の幾何学的な位置関係について説明された記憶が無かったりします。
何年か前、星座表を見ていて、黄道と天の川が垂直に近い関係にあることに今更ながら気付いたのが、上記のような視点で宇宙を見る切っ掛けでした。
2003.11.05記
例えば、宇宙船が地球を目指して太陽系の外から太陽系に接近する場合、ランデブーのし易さを考えれば地球の公転面(黄道面)に沿って近づくことになるのでしょうけど、北極星の方向から来る場合と射手座(銀河中心核)の方向から来る場合とでは、宇宙船の軌道や機動は全く違うでしょう。
太陽系のような恒星系は、宇宙塵が寄り集まって暗黒星雲になり、渦を巻きながら恒星や惑星へと凝集してゆくことで形成されます。太陽系が図3のような感じで銀河回転しているのであれば、その、もともとの宇宙塵の渦が形作られた位置や時期が、宇宙塵の凝集具合から推測できないでしょうか。
上記の言説に間違いがありましたら、TOPページの[更新情報、他] のページにあるメールアドレスまでお知らせください m(_;_)m。
参考資料
監修 小島丈児 村上忠敬『新編 地学図解』第一学習社(1975年1月10日 改訂17版)
高瀬文志郎 著『星・銀河・宇宙 −100億光年ズームアップ−』地人書館(1999年4月1日 初版第3刷)
石田憲一 著『理科年表読本 宇宙の科学』丸善株式会社(1999年6月20日 第3刷発行)
SSSP編『BLUE BACKS CD−ROM 太陽系シミュレーター 時空を超えた惑星間飛行』講談社(2003年9月20日 第1刷発行)
2007.11.27記
銀河座標
『地球の赤道を天球に投影した大円を天の赤道と呼ぶ。同様に、地球の北極・南極を投影した点を天の北極・天の南極と呼ぶ』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E5%BA%A7%E6%A8%99%E7%B3%BB より。
『銀河赤道は天の川の中心線とほぼ一致する。銀河赤道と天の赤道は2000年分点で62度52分の角度を成している』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E5%BA%A7%E6%A8%99 より。
…銀河系の回転面を含む平面と、太陽系の主惑星の公転面を含む平面とは、だいたい62°くらいの角度を成している、ということ、だと解釈する。
銀河系の恒星の軌道速度
『銀河系の質量分布は多くの銀河の場合と同様に、銀河系内の恒星の軌道速度が中心からの距離によらずほぼ同じ速度となるような質量分布を持っている。中心のバルジや外縁部を除くと、銀河系の恒星の典型的な速度は約210〜240km/s である』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E7%B3%BB より。
地球の公転速度
『公転速度は、概算なら地球の平均軌道半径が1.5億kmで、1年(365.25日)で1周するから、
2πx1.5x10^8/(365.25x24)=107500km/h=30km/s
ただし、厳密には、地球は楕円軌道上を公転しているので、太陽に近づいたときは若干速くなり、遠のいたときは若干遅くなります』
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011612975 より。
…これらの情報を基に、[図1]〜[図3]を Shade 6 advance で改めて作図してみました。
図4 太陽−地球系(銀河系・俯瞰)
図5 太陽−地球系(俯瞰)
太陽系の主惑星(地球)の公転面の向きや傾きは、太陽(系)の銀河回転による位置変化に関わらず、図4のように同じ向き・傾きを保つのだろう、と、太陽系の惑星の自転の向き・傾きが惑星の公転による太陽に対する位置変化に関わらず同じ向き・傾きを保つことから、推測しています。
図4、図5の円弧や螺旋の寸法比は、見易さ・作画し易さを優先して、大雑把な近似・恣意的な設定で作成したものです、念の為。
カイパーベルトやオールト雲で、銀河核恒星系方向から来る電磁波や高速の粒子流は、太陽系内に入るまでに、どれくらい減衰されているのでしょう。
約七千万年後=90度進んだ/約七千万年前=90度戻った位置では、銀河核恒星系方向が太陽系の惑星系公転面に垂直な方向になります。
恐竜絶滅は、約六千五百万年前。
SFな空想が出来そうです(笑)。