2006年01月04日
マルカンのソフトクリームを検証する [ 雑記 ]
「マルカンのソフトクリーム」をご存知だろうか。いや、僕の地元の花巻の非常にローカルな名物なので知ってるほうがおかしいと思うのだが、意外に有名らしく、ググるとたくさん出てくる。イメ検でもたくさん出てくる。

「マルカン」というのは「マルカンデパート」という田舎デパートのことだ。その6階に、昨今では珍しいワンフロアで和洋中の多数のメニューが揃っているタイプの大食堂がある。この大食堂は、僕が記憶している限りほとんどスタイルが変わっていない。70年代で時間が止まっているような空間だ。この空間だけでも一見の価値があると思うが、ここのメニューはどれもとても美味しく(ファミレス的な加工品や半製品はほとんど使われていないようだ)、ボリュームがあり(大の男でもチョイスを誤るとかなり苦しいことになる)、しかも田舎の基準からしても非常識なほど安い。その筆頭にあげられるのが、問題のソフトクリームだ。上のショーケースの写真にあるように、メニューで「1番」を与えられていることからも、それが特別な存在であることがわかる。
「ソフトクリーム」140円。ショーケースのサンプルを見ると実に巨大で、数えると7段ぐらい巻いてあるが、そこで驚いてはいけない。実物は10段あるのだ。普通、ショーケースより実物のほうが小さいもんだが、これは逆だ(サンプル製作業者が10段も巻けなかったのかもしれない)。ほかに世間並みのサイズの「ミニソフト」100円と、コーンではなくプラスチックのカップに入っている「カップソフト」140円がある。「ミニ」の存在意義は言うまでもないが、「カップソフト」は何のために? それは後で説明しよう。
はい、ソフトクリームとミニソフト、来ました。

ジャンボソフトと普通ソフトじゃない。大きいほうがレギュラー、小さいほうはミニ。
で、マルカンのソフトを食べるには作法がある。「箸で食べる」のだ。

この作法の起源には諸説あるが、実際のところこのサイズだと普通のソフトクリームのように口をつけて食べるのはかなり難しい。だいたい普通のソフトクリームの2倍あるので、食べるにも2倍の時間がかかる。それだけ途中で溶ける割合が大きくなるわけだが、これだけ垂直に立ち上がっていると、側面が溶けてきたところをなめてフォローということはほとんど不可能だ。箸を使えば直接口をつけるよりも体温が伝わりにくいので、そのぶん溶ける速度を抑制することもできるだろう。
上の写真は僕の兄の妻(東京出身)が食べているところ。箸で食べてはいるが、実はこれは「素人」の箸使いだ。地元出身の「玄人」である兄の箸使いはこうだ。

ソフトクリームは外側の垂直面で溶けていく。そこを箸で垂直に削るようにして食べていけば、それだけ崩落のリスクは小さくなるというわけだ。一般にはソフトクリームの崩落を避けるため、「お食事」が終わった後でソフトクリームの食券を提出してオーダーすることが推奨されるが(我々も今回はそうした)、本当の玄人になるとこの「垂直法」を活用してソフトクリームの寿命を延ばし、ラーメンとソフトクリームを同時に食べこなすこともできる。ラーメンとソフトクリームかよと思うかもしれないが、これだけの大質量のソフトクリームを食べるとかなり胃が冷えるので、暖かいラーメンと平行で食べるのは合理的でもある。
そして、玄人のテクニックがなくてものんびりソフトクリームを堪能できるように開発されたのが、前述の「カップソフト」なのだろう。溶けてもカップに収まるから崩落の危険はない。ミニでは物足りないが崩落は避けたいという顧客のニーズに応えるために開発された、コペルニクス転回的商品といえる。
そして今回の目的であった「検証」だ。キッチン用のはかりを持参して、ソフトクリームの質量をはかってきた。ソフトクリーム本体の計量時には今にも溶けてたれてきそうだったので写真を撮る余裕がなかったが、ソフトクリーム+ホルダーの総重量からホルダーのみの重量を引いてソフトクリームの正味重量を算出している(コーンの割合はごく小さいので無視)。ホルダーは39gだった。

マルカンのソフトクリームの質量は、レギュラーがなんと300g、ミニが150gだった。巻きの段数からいうとミニのほうが随分小さく見えるが、コーンの中に入っている不可視分も含めるとちょうど2倍になっているようだ。世間並みのミニが100円というのも相当に安いが、その2倍の質量で値段は1.4倍のレギュラーのコストパフォーマンスは恐るべきものがある。ちなみにソフトクリームのカロリーは100gあたり150kcalだそうだ。マルカンのソフトクリーム、ひとつで450kcal。安いからといって、安易に普通の食事にこれを追加するのは危険かもしれない。
マルカンには他にも人気メニューがたくさんあるが、僕のイチオシは「中華」(320円)、いわゆる普通のラーメンだ。むかし風の、細麺、あっさり醤油味。とても美味しい。デフレとか価格破壊とかでなく、単に値上げしてないだけなのだが、この値段でこれだけのものが食べられるということにいつも驚いてしまう。

投稿者 ヒロツ : 2006年01月04日 21:36
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://kowloo.net/hirotsu/mt/mt-tb.cgi/220
コメント
すごー。こんなでかいのが140円ですか。
で、「ジャンボ」とか銘打ってないところがまた良いなぁ。
うちの大学の生協食堂も、見本より実物のほうがボリュームあるんですよ。
サンマとか、ほんと大きくて長皿からもアタマとシッポがはみ出したり。
見本ではちゃんと収まってるんですけどね。
あと、ごはん80円に味噌汁20円です。やっぱ安い。
投稿者 おか : 2006年01月04日 23:24
でかいでしょう。昔は「ミニ」ってなかったような気がします。
>>ごはん80円に味噌汁20円
あ〜、さすがのマルカンも学食には負けますね(笑) 思わずググって見に行っちゃいましたよ。すごく気合い入ってますね、フェアとか。鳥取牛ハンバーグくいて〜
投稿者 ヒロツ : 2006年01月05日 03:44
花巻…おそろしい土地!Σケ 勹|||
これを作り、また運ぶとなるとかなりの技量が必要ではと思われるのですが、ここの店員さんたちは特訓でもするのでしょうか。
いや、それ以前に、なんでこんなメニューが誕生したかも知りたいような。
初代店長が未知と遭遇しちゃって、R・ドレイファスよろしく作り上げた、とか言われても信じてしまいそうですが。
投稿者 司葉柾樹 : 2006年01月05日 10:49
あはは。久しぶりに、このソフトクリームを見ました。笑
小さい頃は、よくこのソフトクリームを食べたくマルカンに連れて行ってもらってました。って兄様の食べ方。。。すごい。。。極めてるぅ〜☆
投稿者 RUKI : 2006年01月05日 23:54
>司葉さん
ソフト10段巻けるのは達人だけだという噂もあります。今回の写真のはちょっと歪んでるので、達人はお正月休みだったのかもしれません。
僕がものごころついたときは既にこのサイズでしたが、最初からこれはねえと思うんで、でかくするのがエスカレートしたのかもしんないですねえ。
>RUKIさん
やはり近郊の人は知ってますね〜
まえ、お祭りの時期に、すごくきれいなおねえさんがワカメラーメンと同時進行でソフトを「垂直法」で食べてたのを見たことがあります。都会に行ってもマルカンの味が忘れられずに、お祭りで帰省したときつい食べに来てしまうんだろうかとか、物語を感じました。
投稿者 ヒロツ : 2006年01月06日 00:35
花巻…おそろしい地!
というかこれ、デイリーポータルZ(コネタ道場)に投稿したら絶対いけますって。
http://portal.nifty.com/
投稿者 Masamune : 2006年01月09日 23:17
あ、ブログデビューしたMasaやんだ。
デイリーは僕も毎日みてて大好きなんですけど、もし万一採用されたらそれはそれででいろいろ気を使うのでやめときます。
投稿者 ヒロツ : 2006年01月10日 00:32
ソフトクリームとミニソフトの重さまで計測しているとは驚きました。^^) しかし、ミニソフトはもうちょっと大きくても良いと思いませんか?普通のサイズだと大きいし、ミニソフトだとなんか小さい感じが^^;; でもマルカンに行ったら必ずソフトクリームを注文してしまうんですよね。
ここのラーメンも美味しいですね。マルカンラーメン(オリジナル)でしたっけ?あのラーメンもいろんな具がたくさん入っており、美味しかったです。
投稿者 ブルボン : 2007年12月01日 11:30
僕の場合はミニでちょうどよかったです。前にレギュラーを食べ切れずに残したことがあるので、以後自重しています(笑)
あとおすすめはホットケーキとハンバーグサンドですかね。ホットケーキはすごく時間がかかりますが、ふんわりサックリで美味しいです。ついてくるシロップがメープルシロップじゃなくガムシロップなのが残念ですが。ハンバーグサンドはハンバーグがでかくて食べごたえがあります。一緒にはさんである千切りキャベツがハンバーグの熱でしんなりしてる具合も最高です。
投稿者 ヒロツ : 2007年12月01日 15:13