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2005年11月16日
ストカスティックモード(2) [ CINEMA 4D R9.5 ]
つづき。今度はトンネル状のシーン。球体を挟んで手前と奥に開口アリ。
標準、ストカスティックともに拡散反射回数5/サンプル数600。光量が足りないのでレンダリング時にグローバルの露出を上げて、それでもまだ足りないのでOpenEXR保存したのをPhotoshop読み込み時に補正。
標準モードのほうはサンプル解像度をかなり高くしたのでレンダリング時間がストカスティックモードよりも長くなってしまった。640*480で21時間(P4/2.0GHz)は全く話にならない速度だが、それでもなおトンネル表面のミゾにはアーティファクトが見られ、完璧な結果とは言えない。
ストカスティックモードのほうは15時間かけてもまだまだノイズが目立つ。サンプル数600でこれだとすると、仮にサンプル数を倍の1200にしたら結構ノイズが取れるかもしれないが、その場合レンダリング時間が2^5=32倍になるんだろうか? 予想はしていたが、こちらも実用には程遠い速度。
一応また「差の絶対値」でチェックしてみる。これも入力レベルを詰めて強調した画像。ストカスティックモードのノイズが画面全体で見られ、トンネルの入り口付近は広い範囲で差が生じている。
カラーサンプラーツールでチェックすると、トンネルの入り口付近は標準モードのほうが明るめになっている。GIサンプルの中に極端に明るいサンプルが混じっていると、標準モードでは補間によって周囲に拡がるので、ピクセル単位でしかノイズが出ないストカスティックモードよりも影響が現われやすいのかもしれない。
総合的に見て、ストカスティックモードはやはり「使えない」シロモノだと思う。
アウトドアではそこそこノイズのない結果が得られるが、標準モードに比べて特に何かメリットがあるわけでもない。結果には普通に視認できる程の差は生じていないので、標準モードで生じる問題がストカスティックモードでは回避できるというような状況はほとんどないだろう。速度的にも大きく劣る。
インドアは標準モードでもかなり苦戦しているが、ストカスティックモードにもメリットはない。だいたい、パストレーシングのセカンダリ以降をそのまま倍々で計算してるならインテリアで実用速度にならないのはあたりまえのことだ。
アニメーションでのフリッカーを避ける目的でストカスティックモードが使えるようなことが言われてるが、全く現実的でないと思う。ストカスティックモードを使うぐらいなら標準モードやカメラアニメーションモードでGIの精度を高くするほうが効率が良いし、可能ならGIをベイクすれば速度も桁違いに速い。
画質対時間比でいうと、ARのストカスティックモードよりもMaxwellのほうがずっと優っているように思う(Maxwellは1.0からはセカンダリ以降のサンプリングで何かサンプル間での輝度差を小さくするような細工をしてノイズを軽減してるんじゃないだろうか)。Maxwellのほうは他にもリアルDOFや真性のコースティクスのような、ARにない付加価値があるので、トータルでは全く勝負にならない。本来ベタなパストレをやるものでないARの「一応つけてみた」程度のストカスティックモードと、最初からベタなパストレで攻めるMaxwellのようなレンダラとで勝負にならないのは、まあ当たり前といえば当たり前なんだけど。
投稿者 ヒロツ : 2005年11月16日 21:15
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コメント
いつも拝見させて頂いております。
主に建築内観パース作成のために、ここ数カ月C4D-R9&ARで
ラジオシティを試しているのですが、素朴な疑問がありました
ので書かせて頂きます。
ヒロツさんの本にあったインテリアパースの内部光源を無しに
して(太陽光源と内部反射のみでと言う意味です)昼間の状態
の明るさを確保するのは、難しいのでしょうか?あ、もちろん
サンプル数や最高、最低解像度は調整してみたのですが、何か
使ってはいけない方向で?使ってる気がしたもので。
当然ながら、光源が弱いと暗い、強いとムラが多くなる。で、
調整と検討に時間が掛かる。と言うサイクルになっています。
今回の御題とは若干違うのですが、AR の仕様というかクセ?
なのかと思いまして。漠然とした事ばかりですいません。
外観は(試していませんが)大丈夫そうですが、ヒロツさん
から見ての ARを使用する用途の向き不向きなんかをお聞かせ
願えるとありがたいです。長々と失礼しました。
投稿者 MARC : 2005年11月17日 10:28
こんにちは〜
まず電灯を消すと単純に光量が減るので、そのぶんを補わないと全体に暗くなりますよね。R9.5だとレンダリングオプションの「露出」でカメラの露出調整に相当する操作ができるので簡単ですが、R9.1の場合は太陽のライトと空の発光を強くして相対的にバランスをとることになります。
で、ラジオシティのクオリティを詰める段階では、直接あたっているライトが少ないほどムラが出やすく、調整が難しくなります。簡単にいうと、ラジオシティをオフにしてレンダリングして画面がほとんど真っ黒っていうような場合ですね。単純にサンプル数を増やしていけばムラはだんだん消えていきますが、かなり効率が悪いと思います(1000以上必要なこともあります)。この点についてはAR自体の限界で、ネットで見る評判でも最もARに対して不満の大きいところのようです。効率を良くしようとすれば、昔流のダミーライトやダミー発光体で光量を補う方法を併用することも考えられますが、それはそれで難しいと思います。
直接照明が少なければそれだけレンダリングが難しくなるというのはグローバルイルミネーションレンダラ全般で言えることなんですが、ARの場合はサンプル数を増やしていっても目に見えてクオリティが上がるわけではなく、そのへんの最適化がだいぶ遅れているように感じます。R7からほとんど変わってないんで、遅れてて当然といえば当然ですけど。僕自身も正直なところ現在のARには限界を感じていて、finalRenderが手元に来るのを今か今かと待っているような状態です。
外観については特に面倒なことはないと思います。外観では間接的に拾ってくる光の大半が空と地面になるので、間接照明の強さが安定していてムラは出にくいです。どちらかというと陰影が平坦になりすぎる傾向があるので、それにメリハリをつけて建物の立体感をちゃんと出すことのほうに苦労するかもしれません。
投稿者 ヒロツ : 2005年11月17日 14:39
丁寧な解説ありがとうございました。
そうなんですよね。確かに明るさだけであれば、太陽のライトと
空の発光を大きくする事で改善はされるのですが、なんと言うか
絵としてのバランス自体が崩れる気がします。かと言って、内部
に光源を置くと、それってラジオシティなのかな?と思ったり。
サンプル、解像度の設定である程度改善される様ですが、そこに
時間を掛けるのは本末転倒なのでは?と。目に見える変化も…。
R9.5の露出ですか。 R9.1で雰囲気をつかんでからと思っていた
いたので、手元にはあるのですが試していませんでした。ライト
関係が見直されたとの事でしたね。試してみようと思います。
確かに finalRenderは、魅力的ですね。たぶん建築においては、
maxwellの考え方が理想的だとは思いますが、この業界は未だに
パースは簡単に直るもんだ。と言う考え方があるので、あの計算
時間は…どちらにしても細かい設定が可能。と言う前にベースが
明快な計算方法を期待してます。ありがとうございました。
投稿者 MARC : 2005年11月17日 16:20
屋外の照明を強化しただけでは「バランスが崩れる」という感覚は、僕も同じく持っています。ARの場合、他のGIレンダラと比べて、室内に入り込む間接照明が減衰するのが速い=光が回り込みにくいんじゃないかという感じがします。Maxwellを使ってる人はよく「MaxwellのほうがARより光がよく回り込む」と言ってますね。
で、僕の場合は(本にも書いてますが)実際に絵を仕上げるときにはラジオシティレイヤーをさらに足したり、Photoshopでレベル補正して中間調のトーンを引き上げたりして(その結果、彩度が落ちるので彩度の引き上げます)、最後は見た目で合わせています。ARの計算が本当に合ってるなら絵のほうがウソなわけですが、どうなんですかねえ。
R9.5には前述の露出設定のほか、「カラーマップ」という露出調整用の特殊効果や32bitイメージ出力が追加されていますが、こういった機能が追加されるというのは、単純にレンダリング設定を正確にやっただけで理想的な絵が出てくるとは限らないという事情を反映しているのではないかと思います。
建築パースの場合、写真と見紛うようなものが受けることもあれば、イラストレーション的な融通を要求されることもありますよね。再レンダリングしないで修正に対応できるとか、短時間で再レンダリングできるとかいう「小回り」も重要ですし。ですから、単に画質が良ければそれで万事解決ともいかないのが難しいところですよね。
finalRenderは手に入れたら詳細にレポートしようと思っています。世代的にいうとARのGIはfinalRenderのStage-0相当らしいので、今回のStage-2 for C4Dがどのぐらい進化しているのか非常に楽しみです。
投稿者 ヒロツ : 2005年11月17日 19:47
たびたびすいません。まったくおっしゃる通りです。
「光の回り込み」という印象は、最初に感じました。閉じた空間
(仕上は、すべて白)に窓を一箇所、太陽光を一箇所。それで、
ドキドキしながらラジオシティの計算をして、しばし無言?に。
結局、例えそれが正確に計算されたものでも、1枚の画像として
見た時に何か違って見える事もあるのでしょうね。確かに目では
見えてるはずなんですが、意識する部分によっては…と。
個人的には、建築設計からパースまでの作業なので、出来るだけ
思い描いている空間自体をそこに…とは思いますが。
finalRender のレポート楽しみにしております。使用方法や結果
で悩むのではなくて作業の過程で「ならこうしたら?」と思える
様な楽しいソフトだといいですねー。大変参考になりました。
また、ブログでも始めたら書き込んでみたいと思います。では。
投稿者 MARC : 2005年11月17日 21:56
はじめまして、こんばんは。
設計会社にて、建築及び土木系のパース作成をしております。
昨年からC4Dを使い始めまして、いつも作品作成の参考に
ここを拝見させていただいております。
いままでは、basicのタイプで作成しており、リアリティ向上のため、当方もfinalRenderを購入予約しました。
ただ、ARさえも使用した経験がないのに、finalRenderの購入に踏み切ったので、正直使いこなせるのか不安な面があります。ですので、詳細なレポートの件を楽しみにしております。
ちなみに、CebasのHPで、出荷アナウンスされましたので、手元に届くのが待ち遠しいです。
突然のコメント失礼いたしました。それでは。
投稿者 otte : 2005年11月19日 02:06
finalRender、CebasのフォーラムやCGTalkをみてると既に手に入れて使っている人がいますね。ライセンス認証でつまづいたり、ディストリビュートレンダリングがうまく動かなかったりと、一番乗りならではの苦労もあるようですが(笑)
僕は日本国内代理店を通してるので早くても週明けになりますね。
finalRenderを使いこなせるかどうかですが、最初はそれなりに苦労すると思います。とにかくパラメータが膨大にあるはずなので、3DCGやGIについてそれなりに予備知識がないとどこから手をつけていいか見当がつかないということになるかもしれません。
一方で、Advanced Renderの場合は逆に、設定項目が少なすぎていじれる余地がないとか、マニュアルの説明が足りなくて何がどうなってるのかわからないとかいうことのほうが問題だったので、それよりはマシじゃないかとは思います。
ARはすぐ理解できるけどすぐ行き詰まる、fRは理解するのは大変だけどレベルも高い、そんな感じじゃないでしょうか。
投稿者 ヒロツ : 2005年11月19日 05:31