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2005年10月29日

R9.5でのライトの改良点など [ CINEMA 4D R9.5 ]

 R9.5ネタをボチボチ書くとか言ってて全然書いてません。こりゃイカンということで、大幅に手の入ったライト関係のうち、マニュアルをざっと読んでも気がつきにくそうなところを書いておきます。


◆自己影ガタガタの解消

 改良が非常にわかりやすいシーンでテスト。ニワトリの頭上に置いたライトはでっかいエリアライト/シャドウで、ニワトリのマテリアルは照明モデルがオレン・ネイアー。

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 R9.1では使い物にならないぐらい自己影のガタガタが目立っているが、R9.5では解消されている。

 作品の性格によってはこの自己影は死活問題だったので、人によってはこの一点だけとってもR9.5にアップする意義があるんじゃないだろうか。レンダリング時間も大幅短縮されている。

 
◆正確な距離減衰モード

 R9.1までのライトは距離による減衰が不正確で、実は近距離側では明るさは変化してなかった。
 簡単なシーンでテストしてみる。直径100mmの球を10個並べ、その上に真下向きの平行ライトを置く。

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 ライトの減衰モードは「2乗に反比例」、つまり物理的に正しいとされるモード。

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 ただし減衰の基準になる距離の設定項目、「減衰終了距離」は意味が合わないので話がややこしい。名前に「R7」がつくモードは減衰の「開始」と「終了」の2つの距離を設定する仕様なので、この項目は「減衰終了距離」で合ってる。が、それ以外のモード(上記の「2乗に反比例」も含む)ではここから減衰が始まるという距離になるので、むしろこっちのほうが「減衰開始距離」ということになる(ちなみに英語版では「Radius/Decay」となっていて「終了」という意味合いはなさげ)。

 で、この減衰ほにゃらら距離を「500mm」に設定すると、ライトから500mmの距離で明るさは100%になる。球につけたマテリアルは50%グレー。ライトは影無し。

 レンダリングするとこうなる。

 減衰ほにゃらら距離から遠ざかるとどんどん暗くなるが、減衰ほにゃらら距離よりいくら近づいても100%より明るくはならない。白トビしないから便利といえば便利だが、物理的に不正確といえば不正確だ。この距離内にオブジェクトが入らないように調節しないと、ライトの強度を変えるのと減衰ほにゃらら距離を変えるのが同じ結果にならないし、本来白飛びするはずのものが飛ばないということにもなる。

 で、同じファイルをR9.5で開くと、減衰のとこの表示がちょっと変わってて、減衰モードは「一定化された2乗に反比例」になっている。「一定化された」っていうのは、「これはR9.1互換の減衰モードで近距離側では明るさが変化しないよ」っていう意味。名前は変わってるけどレンダリング結果はR9.1と同じになる。ついでに減衰ほにゃらら距離は「減衰基準距離」になっている。

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 減衰モードにある「反比例」と「2乗に反比例」というのがR9.5で追加された「基準の距離より近距離側ではより明るくなるモード」なので、こっちの正確な「2乗に反比例」に変える。

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 R9.5の「2乗に反比例」でレンダリングすると、距離が近づくとちゃんと相応に明るくなり、正確な結果になる。


◆エリアライトの照度分布

 従来のエリアライトは「5x5列のディフューズライト+1個のスペキュラライト」に妙なニアクリップをつけたもんだって知ってた? R9.5からはエリアライトの形状が任意に選べるようになったので、当然そのへんも変更されてる。

 また簡単なテストで調べてみる。2000mmx2000mmのでっかいエリアライトを真下に向けて配置し、減衰ほにゃらら距離を500mmに、減衰モードを「2乗に反比例」に設定。2つの平面をライトからそれぞれ100mmと500mmの距離に置く。

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 平面にはディフューズ(カラー)がグレー、スペキュラ(ハイライト色)が赤のマテリアルをつける。

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 R9.1でレンダリングしてみると妙な結果になる。減衰ほにゃらら距離より内側は均一の明るさになるかと思いきや、近距離側のほうが逆に暗くなっている。また、ディフューズは均等に散っているが、スペキュラは真ん中にひとつあるだけだ。

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 ライトの強度を500%に上げてレンダリングしてみると、もっと妙な結果になる。近距離側では5x5のグリッドと減衰ほにゃらら距離に沿う輪郭線が見えてくる。

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 平面を近距離側だけにしてレンダリングしてみるとこんな結果。

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 エリアライトを「5x5列のディフューズライト+1個のスペキュラライト」でごまかしてるのがバレないように近距離側を弱めてるんだろうか? なんにせよ減衰ほにゃらら距離以内では妙な結果になる。スペキュラライトは1個なので、オブジェクトに現れるハイライトは全方向ライトと全く同じでエリアライトの効果はない。

 R9.5ではどうか。シーンファイルを開くとライトのエディタ表示が変わっている。とりあえず減衰モードは「2乗に反比例(ほんもの)」に変える。

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 レンダリングしてみるとこれはこれで妙な結果に。

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 エリアというより点ライトをばらまいてるだけ。近距離側では照明の効果が完全に分離しているし、基準距離でもよく見ると判別できるぐらいの照度ムラがある。つってもR9.1のように遠近で明暗が逆転したりはしていないし、スペキュラも1個ではなくてディフューズとセットで分散されているので、そのへんはまともだ。
 ぽつぽつと明るい部分が見えるのは、光源がエリアライトの表面にランダムに配置されているため。常に5x5列でなく、任意の数をランダム配置するように変わった。配置される光源の数はライトの「詳細」タブにある「サンプル数」で設定する。エリアシャドウの「影」のほうの「サンプル数」とは名前は同じだけど全く別の設定なので要注意。

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 サンプル数はデフォルトでは「40」になる。画像のぽつぽつを数えてみると、片側半分でたしかに20個ある。これを「400」まで上げてレンダリングしてみるとこうなる。

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 近距離側では依然としてぽつぽつが分離しているが、基準距離ではだいたいOKのようだ。ハイライトもエリア形状を反映したものが出てくる(はず)。
 実際んとこ、エリアライトをオブジェクトにこんなに密着させることは普通ないだろうけど、エリアライトがでかかったりエリア形状にオブジェクトを指定してるときには照度ムラが目立ちやすいのはたしか。たとえば「半球」をデフォルトのサンプル数のまま使うと、光源はこんな具合に分布する(半球エリアライトの中にひとまわり小さな球を入れて真上からレンダリングした画像)。

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 「400」だとこのぐらい。

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 これも極端にライトに密着させたオブジェクトなので、普通は問題にならない程度の偏りではあるけども、エリアライトの光源は単なるランダム配置でなくて、ある程度均等分布のほうがいいような気もする。

投稿者 ヒロツ : 2005年10月29日 00:35

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コメント

なるほど・・エリアライトの照度分布のお話、とても面白いです。
この記事を読ませていただいて、某所でも話題にあがっていた、
「対称なシーンなのに照明の結果が非対称」の図の原因も、
もしかしたらここらへんにあるのかも、とも思えてきました。

投稿者 おか : 2005年10月29日 02:20

丁寧な検証ありがとうございます。
こういった理屈が分かってると、ドツボにハマったとき(よくハマる)、どこをいじれば良いのか分かるので、すごく助かります。

自己影の変更は嬉しいですね!
斜め上からの、いわゆるレンブラントライトは好んで使うので、この変更は嬉しいです。

投稿者 kurosawa : 2005年10月29日 02:42

>おかさん

僕も某所のは見ました。ああいう流れにしかならないんではもう情報交換の場としては機能しないですね。ネタ的にはいろいろ思いあたる点があったんですが、不毛なとこに首つっこみたくなかったんでスルーして、ブログやってる方にだけトラックバック打っときました。

>kurosawaさん

自己影ガタガタの解消は悲願だったよねえ。「maxは出ねえぞこんなの!」とか、何年言いつづけてきたことか。
でもSkech and Toonでは解消されていません。セルシェーダだって自己影は大問題なのに……。

投稿者 ヒロツ : 2005年10月29日 03:53

はじめてコメントさせていただきます。
いつも参考にさせていただいてます。トラックパッドありがとうございます。エリアライトはR9.1の時は思った感じが出せないのでほとんど使ってなかったのですが、R9.5では使えそうに思えたのでいろいろ試してます。実際は試してるだけで、まだ使ってないのですが。ヒロツさんの解説とても参考になりました。某所で、問題に上がってたというか、問題にしてしまったのですが、物理現象的に正しいかどうかは別にして方法の選択肢は多い方がいいと思うのです。あまり否定ばかりしていては創造性が広がらないと思うんですよ。

投稿者 hibi : 2005年10月29日 11:29

>hibiさん

ども
僕はCINEMAも絵の道具だと思うので、正確とか理屈に合ってるということだけでなく、使う人にとって結果が予測可能であればウソ機能があってもいいと思うんですよ。エリアライトの形状選択はGI計算によらないライティングの可能性を広げてくれたので、そういうのが性に合ってる人にとってはとても有用だと思います。
正確さを問題にするんであればARのGIもかなり雑なことをやってるように感じます。本当に正確なら誰がやっても写真みたいになるはずですが、実際んとこは絵のセンスがないと上手くいかない、アナログ要素が多いツールじゃないでしょうか。

投稿者 ヒロツ : 2005年10月29日 16:44

まったく同感です。
僕もCGはビジュアル化する手段の一つだと思います。
僕は撮影現場で20年以上仕事をしてきたのですが、撮影自体、ウソが多いし、撮影後もほとんど画像修正をします。(製版でも修正しますし。)ですから、物理現象が正しい絵がいい絵とも限らないと思いますし、正確さが逆に雰囲気を壊してしまう場合もありますしね。ですから、ヒロツさんの言う通り絵のセンスというか考え方だと思います。

投稿者 hibi : 2005年10月29日 18:17

はじめまして、よろしくお願いします。まだCG暦短し当方です。
(年甲斐も無く頑張っておりますが・・・)当方もメジャーなCGソフト試した上直感的にC4Dに惚れまだ丁度3ヶ月です、仕事柄インテリアパースが多いのですがなぜかC4Dのタッチが気に入りました。今コンノさんの解説本に首っきりで取り組んでおりますが・・・こんなところで質問でしかられるかもしれませんがどうしても解らないのがありますP138-AD2000のところ円柱を斜めにカット(多分ナイフツール)後ぽりごん埋める方法がいくら試しても変形してしまい上手くいきません、Miyataさんにも聞いたのですが・・・お願いできないでしょうか?TypeKeyID?

投稿者 Yagi : 2005年11月01日 15:49

はじめまして。
P238からの作業ですよね。
P241上段のように「新規ポリゴンを作成」を使ってN-Gonでふさぐと、直後は面が歪み、N-Gon線は勝手に区切られます。そこはP242中段にあるように、N-Gonをさらにナイフツールで格子状(または平行)にカットしなおして側面の傾斜に合わせて整えます。ここに限らず、同一平面に整列していないN-Gonは面が歪むので、通常は後で四角/三角ポリゴンにカットしなおすことになります。

投稿者 ヒロツ : 2005年11月01日 17:56

そうですか、ポリゴンの切り直し・・・出来るまでトライします。
又何かありましたらよろしくお願いします。

投稿者 Yagi : 2005年11月04日 09:52

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