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2005年03月21日
王の帰還 Special Extended Edition [ 映画 ]
待望の特別版。かなりいろいろ追加されてる。「二つの塔」では、活劇調だった劇場版からSEEでは人間ドラマが増えてだいぶ印象が変わっていたが、「王の帰還」は順当に補完された感じで特に変わった感じはしない。
特典ディスクのドキュメンタリーも相変わらず面白い。特殊効果の仕事が膨大でWETAデジタルの人たちが地獄を見たとか。技術うんぬんよりむしろ、出てくる人たちが面白い。大変な苦労があったはずだが人間的に嫌なところが見えてくるようなのがほとんどないんだけど、これはLOTR関係者がナイスガイ揃いなのか、それともヤバイところは編集で全部切ったのか(笑)
で、三部作通しての感想。
まず映像化されたものが原作を読んで持ってたイメージとすごく近いのに驚いた。アラン・リーやジョン・ハウの絵に似てるのは当然だけど、日本語版挿し絵ともかなり近い感じがするので、これはトールキンの描写自体がしっかりしてたせいかもしれない。原作に描写されてることは忠実に再現し、足りないところは調べたり作ったりして埋めて、あれだけの量のものをあんなに上手く作ったということがとにかくすごい。
映画ではいろいろ原作と変えて脚色してあるとこがあるけど、最大の変更はフロドの年齢だろうか。原作ではサムより年上で結構なおっさんなんだけど、それを二十歳ぐらいにしちゃってる。結果としては全く違和感ないというか、おっさんだけど内面は無垢な青年のまんまのフロドを映像化するために必要だったんだろうなと思う。
アルウェン関係は余計だったと思う。原作で「追補編」に分けてあったのは必然だったんじゃないかと映画を観てあらためて感じる。リヴ・タイラーがちょっとアレだったのも効いてそうだけど。エオウィン役のミランダ・オットーほど表現力があるでもなし、ガラドリエル役のケイト・ブランシェットのような神秘的な存在感を放ってるでもなし、ただのかわいこちゃんで終わってる。エルロンドもただの親バカにみえる(エルフ以外の全種族の存亡は渋い顔でスルーしておいて自分の娘が危うくなると血相変えて出動かよ)。男女や親子の間の普通の「愛」を描くのはあまり成功してない映画だと思う。人類愛とか友情とかはちゃんと見えるんだけど。まあ原作にも家族愛とか恋愛は全然ないんだけども。
トールキンはイギリスのための神話を作りたかったんだそうだが、あらためて映像で見るとそのへん結構露骨なところがあって、「西方=白人=善/東方=有色人=悪」なんていうのがはっきり絵になってるとちょっと気になる。意図した現実世界の置き換えではないんだろうが、イギリス人が書いた以上はそうなっちゃうのが「自然」なんだろうな。あえて逆にする理由もないし。
撮影地のニュージーランドがイギリスの植民地だというのも皮肉な話で、遥か昔に失われたイギリスの自然の代わりにイギリス人が他所で分捕った土地を使ってるわけだ。特典ディスクの映像見てるとイギリス移民とマオリの間に確執など全く無いように見えるんだけど、ほんとかなあ。マオリはすごく寛容な民族なのかもしれない。
投稿者 ヒロツ : 2005年03月21日 19:10
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